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アップル「メッセージ」改良、どれほどすごい?

2016-06-28 18:33:47 | ネット、ビジネス、IT
アップルが13日の「世界開発者会議(WWDC)」で行った発表の中で最もワクワクするのがこれです。

 特にドナルド・ダックの動くステッカーのことを指しているわけではありません。ただ、自分が片足を上げておなかが痛くなるほど大笑いしていることを誰かに伝えるのに、これほど優れた方法があるだでしょうか。

 アップルは「メッセージ」アプリに力を入れることを明らかにしました。このメッセージアプリは筆者の生活の中で最も重要なソーシャルネットワーク(SNS)です。そこは私が家族や友人とデジタルな会話を交わす主たる場であり、多くの写真や動画を共有する場でもあります。

 改良版のメッセージアプリは、この秋に提供されるiPhone(アイフォーン)とiPad(アイパッド)向けの次期バージョンの基本ソフト「iOS 10」で利用できます。ドナルドなどのステッカーを使用したり、絵文字を大きく表示したりできるようになるほか、友人とチャットしながら「DoorDash(ドアダッシュ)」などのアプリで一緒にランチを注文したりもできるようになります。

コミュニケーションの向上

 iOS 10が提供されれば、文字だけのメッセージが電報のように感じられるようになるでしょう。メッセージにはシルク・ドゥ・ソレイユのショーよりもたくさんの視覚的なトリックを仕掛けられるようになります。

 「インビジブルインク(見えないインク)」機能を使うと、スワイプすると写真やメッセージが現れるようにすることができます。「セレブレート(お祝い)」機能では、「Happy Birthday!」などの祝福のメッセージを入力すると画面いっぱいに自動的にアニメーションが表示される。メッセージの吹き出しの大きさを変えたり、写真や動画に指で絵を描いたり、手書きのメモを送信したりもできるようになります。

 さらにすごいのが新しい絵文字機能です。文字を入力すると、キーボードが絵文字を提案してくれるのです。タップ1つで文字を絵文字に変換することも、絵文字自体を大きく表示することも可能です。さらに、絵文字の強化版とも言えるステッカーも送信できるようになります。

この新機能をどうみるか

 カラフルなアニメキャラクターは、われわれが互いを深く理解し合う上で役立つのでしょうか? 「すごくワクワクする!」という気持ちを表すのにレーザーショーが本当に必要なのか? 確かに、こうした機能はどれも目を引くための仕掛けにすぎません。ただ、われわれは生活の中で最も重要な人たちとつながるとき、自分の声を使うより小さい吹き出しの文字を使うことの方が多いでしょう。自分を表現する方法がもっと増えれば、家族と今後もチャットを続ける上でメリットがあるえしょう。

 筆者の最大の懸念は、「アンドロイド」や「ウィンドウズ」OS搭載の端末を使用している家族や友人はこの楽しさを味わえないことです。アップルのメッセージアプリの基盤である「iMessage(アイメッセージ)」は依然、アップル端末の最大の魅力の1つです。アップルがメッセージアプリをアンドロイド向けにも提供するとのうわさがありますが、まだ発表されていません。

 既に数種類のサードパーティー製アプリへの対応を発表していますが、今後さらに増える予定です。例えば、「OpenTable(オープンテーブル)」を使ってメッセージアプリ内でレストランの予約を入れたり、「Fandango(ファンダンゴ)」で映画のチケットを購入したり、「Square Cash(スクエアキャッシュ)」で友人にお金を返したりできます。

 筆者が愛するステッカーさえもサードバーティー製です。ディズニーやキース・ヘリングなどさまざまなステッカーパックが、アップストアの「iMessage」セクションからダウンロードできるようになるのです。

この新機能をどうみるか

 これらをうまく機能させるには、アップルはソフトウエア開発者から支持を得る必要があります。これまでの実績に加え、先週アップストアで開発者の不満に対応したことを踏まえれば、見通しは有望です。しかし、グーグルやフェイスブックが各社のメッセージアプリで同様の重要なサービスに力を入れていることも忘れてはなりません。アップルが1つ有利な点は、フェイスブックの「Messenger(メッセンジャー)」やグーグルの「Allo(アロー)」と異なり、iMessageでは既定の設定で会話が全て暗号化されることです。チャット内のサードパーティーのiMessageアプリでさえも会話をのぞき見ることはできないのです。

 フェイスブックやグーグルがメッセージアプリに予測アシスタント機能を組み込んでいるのとは異なり、Siriはメッセージアプリに組み込まれません。しかしiOS 10では、メッセージアプリでも使用できるアップルの「QuickType(クイックタイプ)」キーボードにSiriが統合されます。

 アップルは、このキーボードを使えば時間を節約できる可能性があることを、いくつか例を使って披露しました。例えば、母親から「今どこにいるの?」というメッセージを受信した場合、Siriが位置情報の共有を提案してくれるのです。あるいは、具体的な映画名やレストラン名に言及した場合、チケット購入や席の予約ができるようウェブへのリンクを提示してくれたりします。

この新機能をどうみるか

 メッセージアプリでもiOS 10全般でも、Siriの課題はSiriに失望しているユーザーに再考を促し、グーグルやアマゾン、フェイスブックの予測アシスタント機能に対抗する準備ができていることを証明することです。そのためには、ユーザーの習慣に基づいて正確で賢い提案をし、迅速にタスクを実行できるようにする必要があります。絵文字の仕掛けや動くステッカーが使えるのは素晴らしいのですが、賢いアシスタント機能こそがメッセージアプリ戦争における本当の戦場です。(ソースWSJ)