マックンのメモ日記

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円売り介入、大きな効果期待できず!

2016-06-10 09:27:09 | 経済・金融・投資
日本の政府関係者は円相場の上昇に再び警戒感を強め、菅義偉官房長官は6日、市場介入の可能性を示唆することで円高をけん制しました。

 しかし米国からの反発を招くことなく日本が為替介入を実施できるかについては懐疑的な見方が広がっており、日本の財務官経験者も、介入の効果を疑問視しています。

 円は6日のアジア取引時間中に1ドル=106円35銭と、ほぼ5週間ぶりの高値をつけました。3日発表の米雇用統計が市場予想を大幅に下回り、米経済の健全性への疑念があらためて浮上したことが背景にあります。

 菅官房長官は6日の記者会見で「投機的な動きが継続することがないように為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時はしっかり対応したい」と述べました。

 しかし介入とは、当局は相場を動かすため繰り返し介入することができるという恐怖心をトレーダーが抱いてこそ効果を発揮する、と専門家は指摘しています。日本の当局が市場にこのような恐怖心を植え付けることは難しい。米国がここ数カ月、介入を控えるよう公の場で何度も求めてきたからです。

 篠原尚之元財務官(国際通貨基金=IMF元副専務理事)はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の取材に対し、「日本は介入をしているが米国が反対している、という話が伝わると、介入の効果が著しく減殺されることは間違いない」と述べました。

 毎日数兆ドル相当の通貨が取引されている外国為替市場で、介入により大きな変化を生み出すのはそもそも難しい。したがって介入は市場心理に影響を及ぼすことを狙いとするわけですが、米国から表だったけん制が出ると、目的の達成は困難になる、と篠原氏は述べています。

 やはり元財務官の榊原英資氏もWSJの取材に対し、介入は米国の政治的反発を招く恐れがあるとの考えを示しました。米大統領選の共和党指名候補に事実上決まったドナルド・トランプ氏と、民主党最有力候補ヒラリー・クリントン氏は日本が為替を操作しているとすでに名指しで批判しています。

 榊原氏は「米国の大統領候補が日本を非難せざるを得なくなってくるだろう。それはやらせてはいけない」と語りました。

 元財務官2人の発言は、安倍晋三首相が直面する新たな厳しい現実を浮き彫りにしています。参院選が迫る中、米国のドル高・円安への許容度はここ最近、大幅に低下しています。

 5月の米財務省幹部の発言によれば、米国は2011年の東日本大震災後の円急騰時のような、危機的な状況下でのみ介入を容認する方針です。

 榊原氏は、少なくとも1ドル=90円へ上昇するまでは過度の「円高」とは考えられないだろうと述べました。

 篠原氏は米国の厳しい姿勢について、アベノミクスへの失望感が一因かもしれないと述べました。安倍首相がアベノミクスを掲げた当初、米国は円安を黙認し、日本が「痛みを伴う」構造改革を実施できるよう時間的余裕を与えたが、現在は進展の乏しさに懸念を抱いているようだと指摘しました。(ソースWSJ)