マックンのメモ日記

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クロームOS、真剣にとらえるべき理由!

2016-06-11 11:47:20 | ネット、ビジネス、IT
筆者は働き始めてからはおおむね自宅ではアップルのパソコン「Mac(マック)」を使い、職場では「ウィンドウズ」搭載のパソコンを使用してきました。しかし数年前、コンピューティングの潮流がデスクトップからクラウドへと変わったことを受け、グーグルの基本ソフト(OS)「Chrome(クローム)」を搭載したノートパソコン「Chromebook(クロームブック)」を試してみることにしました。

 意外にも今では、モバイル以外の全ての作業にクロームOSを使用しています。クロームOSは使い勝手や性能が継続的に改良されており、そのおかげで以前にも増してこれこそがコンピューティングの未来だと筆者は考えるようになったのです。

 そう思う人は増えているようで、クローム端末の販売台数は1-3月期、初めてマックの販売台数を上回ったそうです。

 調査会社IDCの調査部門責任者リン・フアン氏によると、クローム端末は、米国のパソコン販売台数のわずか10%、世界全体では2.5%を占めるにすぎません。しかし、IDCは、クローム端末の販売台数の伸び率は今年30%近くに達し、パソコン市場全体の伸び率を大幅に上回るとみています。

 筆者もその見方に賛成です。理由は、コンピューターで達成する必要のあることのほとんどに関して、クロームの方がうまくこなせるからです。

 クラウドに依存したクロームを搭載した端末は、基本的にウェブブラウザーを主として実行するマシンです。そのため、他のデスクトップパソコンのOSではできないが、モバイルOSでは当たり前とみなされていることができます。

 クロームは比較的性能の低いハードウエアでも処理が高速です。そのため、それなりのクロームブックでも300ドルもしないことがあります。モバイルOS同様、アップデートを自動的に実行してくれる。しかし、筆者が使用したことのある他のどのOSとも異なり、アップデートはユーザーの目には見えず、回避することもできず、バックグランドのみで実行され、しかもその間に他の処理が遅くなることもありません。

 クロームの製品管理責任者ラジェン・シェス氏は、全て意図的にそのようにしているとし、「ユーザーの共感を呼ぶのはシンプルさ、安全性、共有性、スピードだ」と指摘しています。

次の課題

 クロームブックは米国の教育市場では大きな成功を収めています。学校向けの販売台数では他の全デバイスを合わせた台数をも上回り、タブレット端末「iPad(アイパッド)」で教育市場に攻勢をかけるアップルを寄せ付けません。

 次の課題は、学校や筆者のような趣味で使用するユーザーだけでなく、ビジネスの世界にも普及させることです。ビジネス市場は長年、マイクロソフトのウィンドウズOSが支配しています。 

 シェス氏は、クロームブックはビジネス市場でも受け入れられるとみており、その理由の1つに管理のしやすさを挙げています。グーグルは2011年にクロームの提供を開始して以来、多くを学んだようです。同社は当時、ウィンドウズを使用するビジネスユーザーの75%はクロームに切り替える可能性があると述べていました。

 得た教訓の1つは、ビジネス市場に食い込むには、サプライヤーを選んだり、または選ぶ手助けをする立場にある企業の情報技術(IT)担当者を満足させる必要があるということです。

 グーグルは2014年後半、「Chromebooks for Work(クロームブックス・フォー・ワーク)」を発売しました。これは、VPN(仮想プライベートネットワーク)やシングルサインオン、デジタル証明書などのセキュリティー措置をはじめ、IT管理者にとって重要な機能を提供する端末です。価格は1台あたり年額50ドルで、これはグーグルにとって新たな収益源となっています。

 一方で、デルやHP、エイサーなどのクロームブックのメーカーが、より高性能で高価格の端末を企業向けに展開しています。それら新型のノートパソコンは画面が大きく、ディスプレーやキーボード、トラックパッドの品質が高く、タブをたくさん開いたままでも処理が高速で、本体には炭素繊維やアルミニウム素材が使用されています。

 グーグルは最近になってようやく、10月までにクロームブックでアンドロイド向けアプリ200万種ほぼ全てが実行できるようになると発表しました。クロームブックはこれまでネット接続できなければ機能性が限られるとみなされていましたが、そうなれば有用性が劇的に増します。既存のクロームブックもオフラインで問題なく機能するものの、使えるのはグーグルのアプリだけです。マイクロソフトの業務用ソフト「Office(オフィス)」のアンドロイド版などが使用できるようになれば、そうしたソフトに依存するユーザーにとって影響は大きいでしょう。

 フアン氏は「米大手企業にもクロームへの関心の高さが見受けられる」と話します。IDCは、2018年までには世界企業番付「フォーチュン500」にランクインする企業の25%がクロームブックを社員に提供するようになると予測しています。

 とはいえ、フアン氏はクロームがビジネス市場で直面している課題はかなりあると指摘しています。最大の問題の1つは単純な「惰性」です。ウィンドウズが長年支配していたため、多くの企業にはウィンドウズ上でしか実行できない古いアプリケーションがたくさんあります。グーグルは現在、その解決策として、それらアプリケーションをウィンドウズサーバーで実行し、そこにクロームブックを遠隔接続させています。つまり、基本的に旧来のアプリケーションをクラウドに置いているのです。

 長期的にクロームブックは、コンピューティングの歴史上の一時的な流行に終わる可能性もあれば、企業におけるウィンドウズの支配をいずれ終わらせることになる可能性もあります。筆者はクロームがその中間的な地位に落ち着くと予想しています。つまり、モバイルやデスクトップOSをはじめ、絶えず増え続けるわれわれが使用する多種多様なテクノロジーの一部という位置づけです。

 しかし、クロームがグーグルにとって、まだ誰にも予期し得ないはるかに大きなビジネスになるとも筆者はみています。そして、これまでは自分たちの牙城へのグーグルの進出に無関心または守勢を取っていたアップルやマイクロソフトも注目するようになるはずです。(ソースWSJ)