マックンのメモ日記

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葉付大根の洗浄に命を懸ける男の物語

2011-07-10 19:11:24 | 政治(国内・海外)
大根洗浄機というものがあったのですね。これは旭川市にある株式会社エフ・イーという会社が作っている農業用の機械で、食卓を変える驚異の野菜マシーンと言われているものです。この機械が広く農家に知られる切っ掛けになったのは、数十年前の話ですが、ある青年が、「おたくの大根洗浄機を売ってほしい」と言ってきたことから話が大きく動きでしたのです。当時、葉付き大根は従来手洗いしか方法がなく大量出荷には対応できませんでした。また冷水での手洗いは過酷な作業で敬遠される作業でもありました。しかしエフ・イーが作った大根洗浄機は葉付き大根の葉を傷めることなくきれいに洗浄できるという画期的な大根洗浄機だったのです。

しかしその青年は当時、借金を2億円も抱えていてその機械が買えないと言うことでした。それでも、その機械があればかならず九州を大根の産地にすることができると熱心に語っていたので、その情熱にうたれ、当時、小さな町工場であった佐々木さんも協力することになり、二人で融資を頼んで周ったのです。大根と言うのは傷をつけず、キレイに洗えるかどうかで、価格が左右されるのですが、それまでは手間がかかり大量に葉つきの大根を出荷するのが難しかったのです。その青年は有田さんと言うのですが、その機械のことを知ってこれにかけたのです。また佐々木さんもまだ小さな町工場だったのでその話にのったわけです。もちろんその頃、大根洗浄機は農家の間ですでに話題になっていました。

大根は、今までの洗浄技術では、すぐ折れてしまい、葉付き大根を出荷するには一本一本、手で洗わなければなりませんでしたが、佐々木さんが開発した大根洗浄機は、「水の膜」で大根を洗浄するというもので、大根に傷をつけず、短時間で大量に出荷することを可能にしました画期的な機械だったのです。最初はシャワーで大根を洗っていたのですが、それでは大根に傷がついて使い物になりませんでした。そこで今度は回転をさせたのですが、今度葉が巻きついてしまいこれもうまくいきませんでした。さらには塩ビ管にしたそうですが回転せずこれも失敗。こうした試行錯誤を3年間続けていたのですが、あるとき昔のことを思い出したのです。

スキーの板にアザラシの毛皮が張ってあることを思い出したのです。滑るときは毛に沿って滑るので滑りやすく、登るときにはその毛が逆毛状態になるので上りやすいというものです。これをヒントにブラシの向きを反対にすればスムーズに行くと考えたのです。そしてドラムを回転させると水しぶきが飛び大根を傷つけず、葉も傷つけない洗浄機ができたのです。飛び跳ねている水滴で水の膜ができそれが大根や葉を守っていたのです。そしてあっという間にこの洗浄機は農家に広まったのです。これを聞きつけて機械を売ってほしいと言ってきたのが九州の20代であった有田さんだったのです。

佐々木さんの洗浄機があれば九州を大根の大生産地になると言った言葉に動かされたのです。そして青年の未来を信じてほしいと金策に一に周ったのです。そしてこの出会いが奇跡を起こしたのです。生食用の大根として売り出し、加工用の大根の3倍で売れたのです。すると周辺の農家も次々とその機械を導入しだし、冬の大根の3割を担う関西の大産地になったのです。今では有田さんは自らのブランドを持つ全国有数の大根農家に成長したそうです。あの出会いがあったからこそであり、いまでもその友情は続いているそうです。佐々木さんは「機械が産地を作り、機械がブランドを作るということが言える」とその熱い思いを語っていました。

http://www.youtube.com/watch?v=4PWhuDBePvo