工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

パトカーができたので、ヘリコプターも

2020年11月23日 | 1/150の周辺に
 前回、イタリア警察のパトカーなどを紹介しましたが、引き続いて1/144でヘリコプターも作ってみました。
 その前にイタリアの警察制度をちょっとお話しましょう。イタリアでは主に国家警察(Polizia di stato)、憲兵(カラビニエリ)、自治体警察(地方警察)、財務警察が警察業務を執り行っており、日本とだいぶ異なります。イタリアには20の州の下に100余りの「県」があり、国家警察は県単位で本部を持っています。交通取り締まりや鉄道警察の業務もこの国家警察が行っています。カラビニエリは国防省所管のため軍事組織でもあるわけですが、治安維持の業務もあり、重大事件の捜査を行うほか、国家警察の範囲が及ばない小さな自治体にも人員を配置しています。カラビニエリはイタリア軍の海外展開に合わせて派遣されるため、イラク、アフガニスタンなどで現地の治安維持なども行っています。自治体警察は大都市で軽犯罪の取り締まりを主に行っており、観光地で軽装のお巡りさんがパトロールしている姿を見かけたら、おそらくこの方たちでしょう。財務警察は税関、脱税捜査、密輸取り締まりなどを行っています。空港などでグレー色の制服の職員から荷物を開けるように言われたことがある方は、この財務警察のお世話になった、ということになります。税関業務はかなり本格的で、航空機や立派な警備艇を装備しています。
 
 では、国家警察のヘリコプターです。以前もご紹介したフジミ1/144のUH-1から作っています。側窓は開いていますが窓のパーツはありませんし、胴体には穴も開いていますのでふさがなくてはなりません。

 パトカーの時と同様に白とブルーに塗り分けます。「POLIZIA」はパトカーの時と同様に自作デカールです。

 窓ガラスに相当する部分はすべて塗装などで再現することになります。スモークグレーを塗ったり、ハセガワの曲面追従シートなどを貼って窓ガラスの代わりにしています。国籍標識のラウンデルは手持ちのデカールから、テールブームの機番ですが、なんと20年以上前に購入したインスタントレタリング(インレタ)です。昔は文房具屋さんに行くといろいろなフォント、サイズのインレタを売っており、模型用にと私もいくつか持っていました。裏紙をあててきちんと保管していたのですが、ダメもとでクリアデカールに転写したところうまく転写できましたので、切り出して貼ることができました。インレタなど、もう買うことは難しいと思いますので、これからも大切に保管、使用しようと思います。
 カラビニエリのヘリコプターです。こちらは「ヘリボーンコレクション」のベル412を塗り替えたものです。こちらは胴体をばらして透明パーツを外し、1000番のサーフェーサーを軽く吹いて元の塗装を隠します。その後、白のスプレーを吹き、パトカーと同様Mr.カラーの326番で塗って基本的な塗装は完了です。

「CARABINIERI」の文字はパトカーと同様自作デカールで、機番はインレタです。このヘリコプター、写真では写っていませんが胴体右側にホイストがついています。前回紹介した「秘宝を追え イタリア特捜警察」でも、主人公が海中で見つけた大理石の彫刻にまたがってヘリに吊り上げられるシーンがありました。
 そしておまけでもう一機。こちらは沿岸警備隊(Guardia costiera)の機体です。

こちらはただ塗り替えるというわけにはいかず、頭の上にレーダーをつけるなど、パーツを加えています。コクピット上のレーダーのパーツはフジミのUH-1のキットについていたイタリア海軍仕様のものから持ってきています。「GUARDIA~」の文字、イカリのマークやイタリアの船舶旗に使われる四つの海洋都市国家(ヴェネツィア、ジェノバ、ピサ、アマルフィ)の紋章を組み合わせたマークを自作デカールで再現しています。
 これらのヘリコプター、いずれも厳密に再現したものではなく、あくまで雰囲気重視ですので、そこのところはなにとぞご容赦ください。ヘリボーンコレクションの機体は素性がいいので、ガチガチに改造してより実物に近いものを作ってみたい、という気もしますが・・・。ちなみに今回使用したヘリボーンコレクションの機体ですが、イベントで袋に入って売られていたり、ブラインドパッケージ故にだぶってしまい、余ったものだったりということで、なるべく無駄にしないで活用しようという思いもあって作ったものです。
 パトカーはともかく、ベル412のように各国で使用されている機体もあります。鉄道模型で外国型を楽しまれているモデラーの方の中には、既に塗り替えを楽しまれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。レイアウトの中にこうしたパトカーやヘリコプターが登場する場面を見てみたいです。もちろん私も小さなトラムのジオラマと言わず、と思っているのですが、いつになることやら。
 イタリア警察ネタ、ここで紹介しきれなかった話を次回いたしましょう。

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