国際鉄道模型コンベンション(JAM)ですが、三日間「皆勤」して楽しんできました。前回書ききれなかったことも含めて今日は記したいと思います。
クリニック(セミナー)の話になりますが、初日のクリニックについては前回のブログにも書きましたが、最終日には「中尾豊とその時代」、「キューバ製糖工場の蒸気機関車」を聴くことができました。
「中尾豊とその時代」ですが、「鉄道模型趣味(TMS)」誌を支えた一人である故・中尾豊氏の足跡と戦前~戦後、現代にいたるまでの趣味としての鉄道模型について、名著「シーナリーガイド」の著者でもある河田耕一氏が講師となり、お話を聞くことができました。中尾豊氏がTMS誌を通じて数多くのモデラーの先達として果たした役割はもちろんのこと、私たちの趣味の根源にある「なぜ(大の大人が)鉄道模型を趣味としているのか」ということについての戦前から戦後にかけてのさまざまな方々の議論も含めてのお話があったのが印象に残りました。私などは趣味の根源的なところを深く考えているのか、と言われますと人前で何か申し上げられるほどの説は持っておりませんが、モノ、情報をただ消費するだけでなく、自分の楽しみがどこにあって、どこを向いているのか、自分でも考えさせられた感があります。議論、ということではTMSを率いた故・山崎喜陽氏は誌面で問題提起をされていたり、将来のことを見据えた発言をされていたことがありましたが、同氏が健在な頃、ほぼ毎号執筆されていた随想「ミキスト」を読み返すことで、また何か発見があるかもしれません。
また、河田耕一氏のお話の中で、地方では鉄道の存在そのものが珍しくなっている中で、鉄道趣味、鉄道模型の位置づけがどうなっていくのかなど、示唆に富んだご指摘もずいぶんとありました。今回は私のような若輩者がどうこう論じることはとてもできませんが、今まで参加したクリニックの中でも深い内容だったと思っています。
一方、「キューバ製糖工場の蒸気機関車」ですが、講師の松尾よしたか氏が幾度もキューバに渡航されて撮影したSLの写真と、2000年代初頭にキューバ各地の製糖工場、専用線で現役だったSLのデータを使っての講座となりました。断片的に見聞きしていたキューバのSLですが、全土に製糖工場が点在し、それぞれに(後から改造をうけたりしたものも含め)多彩なSLが走っていたことを知りました。野球や音楽を通じてキューバと言う国には興味を持っていたものの、地理的にはやはり、とても遠い国です。未知の鉄道の話を聞くこともまた、このクリニックの楽しみであることを再認識した次第です。
JAMの会場内に出展したメーカーで興味をひいたものをいくつか。
ついに、というか中国のメーカーが「中国型」を製作し、JAMの会場で製品を展示していました。中国国内で鉄道模型を楽しまれている方がいる、という話は聞いていましたが、ついに自国の車輛を製作するメーカーが現れたという感があります。中国は数年前から「自分たちはもう世界の工場ではなく、自らの製品を作り、海外に輸出する」という流れに向かっていたわけで、こういった場所に中国メーカーが登場したのもまた、時代を象徴することかもしれません(プラモデルにおいては中国のメーカーはすでに一定の地位を築いております)。現地の鉄道を知る日本のファンもいらっしゃるので、詳しく説明を求めている方の姿も見かけました。
天賞堂はT-Evolutionという新しいシリーズを発表していました。これは16番の「鉄道コレクション」のような感覚の製品で、ディスプレイモデルとして販売するけれど、動力ユニットをつけて走らせられる、というコンセプトになっています。買ってこのシリーズを支えてあげてください、とスタッフの方からも強くお願いされておりまして、個人的には第三弾としてアナウンスされている東急7200が気になっております。
往時のカタログやカタログ収載の懐かしい車輛を展示していたのはグリーンマックスでした。そのグリーンマックスではダブルルーフの客車をキット化する、というアナウンスがありました。今のところ座席車、荷物車等のアナウンスでしたが、食堂車や寝台車などもラインナップに加わることを期待しています。
個人的には3日間があっと言う間に過ぎ、もっとゆっくり各クラブの展示を見たかったなあ、「レールマーケット」でゆっくり買い物をしたかったなあという感じでした。あくまでも個人的な感想ではありますが、近年になく充実したJAMだったと思っています。スタッフの皆様、出展された皆様、ありがとうございました。来年はオリンピック・パラリンピックもあり、いつ、どこで開催されるかはわかりませんが、また来年、JAMの会場で素晴らしい模型と出会えることを願っております。
クリニック(セミナー)の話になりますが、初日のクリニックについては前回のブログにも書きましたが、最終日には「中尾豊とその時代」、「キューバ製糖工場の蒸気機関車」を聴くことができました。
「中尾豊とその時代」ですが、「鉄道模型趣味(TMS)」誌を支えた一人である故・中尾豊氏の足跡と戦前~戦後、現代にいたるまでの趣味としての鉄道模型について、名著「シーナリーガイド」の著者でもある河田耕一氏が講師となり、お話を聞くことができました。中尾豊氏がTMS誌を通じて数多くのモデラーの先達として果たした役割はもちろんのこと、私たちの趣味の根源にある「なぜ(大の大人が)鉄道模型を趣味としているのか」ということについての戦前から戦後にかけてのさまざまな方々の議論も含めてのお話があったのが印象に残りました。私などは趣味の根源的なところを深く考えているのか、と言われますと人前で何か申し上げられるほどの説は持っておりませんが、モノ、情報をただ消費するだけでなく、自分の楽しみがどこにあって、どこを向いているのか、自分でも考えさせられた感があります。議論、ということではTMSを率いた故・山崎喜陽氏は誌面で問題提起をされていたり、将来のことを見据えた発言をされていたことがありましたが、同氏が健在な頃、ほぼ毎号執筆されていた随想「ミキスト」を読み返すことで、また何か発見があるかもしれません。
また、河田耕一氏のお話の中で、地方では鉄道の存在そのものが珍しくなっている中で、鉄道趣味、鉄道模型の位置づけがどうなっていくのかなど、示唆に富んだご指摘もずいぶんとありました。今回は私のような若輩者がどうこう論じることはとてもできませんが、今まで参加したクリニックの中でも深い内容だったと思っています。
一方、「キューバ製糖工場の蒸気機関車」ですが、講師の松尾よしたか氏が幾度もキューバに渡航されて撮影したSLの写真と、2000年代初頭にキューバ各地の製糖工場、専用線で現役だったSLのデータを使っての講座となりました。断片的に見聞きしていたキューバのSLですが、全土に製糖工場が点在し、それぞれに(後から改造をうけたりしたものも含め)多彩なSLが走っていたことを知りました。野球や音楽を通じてキューバと言う国には興味を持っていたものの、地理的にはやはり、とても遠い国です。未知の鉄道の話を聞くこともまた、このクリニックの楽しみであることを再認識した次第です。
JAMの会場内に出展したメーカーで興味をひいたものをいくつか。
ついに、というか中国のメーカーが「中国型」を製作し、JAMの会場で製品を展示していました。中国国内で鉄道模型を楽しまれている方がいる、という話は聞いていましたが、ついに自国の車輛を製作するメーカーが現れたという感があります。中国は数年前から「自分たちはもう世界の工場ではなく、自らの製品を作り、海外に輸出する」という流れに向かっていたわけで、こういった場所に中国メーカーが登場したのもまた、時代を象徴することかもしれません(プラモデルにおいては中国のメーカーはすでに一定の地位を築いております)。現地の鉄道を知る日本のファンもいらっしゃるので、詳しく説明を求めている方の姿も見かけました。
天賞堂はT-Evolutionという新しいシリーズを発表していました。これは16番の「鉄道コレクション」のような感覚の製品で、ディスプレイモデルとして販売するけれど、動力ユニットをつけて走らせられる、というコンセプトになっています。買ってこのシリーズを支えてあげてください、とスタッフの方からも強くお願いされておりまして、個人的には第三弾としてアナウンスされている東急7200が気になっております。
往時のカタログやカタログ収載の懐かしい車輛を展示していたのはグリーンマックスでした。そのグリーンマックスではダブルルーフの客車をキット化する、というアナウンスがありました。今のところ座席車、荷物車等のアナウンスでしたが、食堂車や寝台車などもラインナップに加わることを期待しています。
個人的には3日間があっと言う間に過ぎ、もっとゆっくり各クラブの展示を見たかったなあ、「レールマーケット」でゆっくり買い物をしたかったなあという感じでした。あくまでも個人的な感想ではありますが、近年になく充実したJAMだったと思っています。スタッフの皆様、出展された皆様、ありがとうございました。来年はオリンピック・パラリンピックもあり、いつ、どこで開催されるかはわかりませんが、また来年、JAMの会場で素晴らしい模型と出会えることを願っております。