神奈川県・真鶴町の「貴船まつり」は、「国指定重要無形民族文化財」であり、宮城県・塩竈神社や広島県・厳島神社と並ぶ「日本三大船まつり」の一つでもあります。
350年以上前から、行われていて「恩返しのまつり」と言われてきました。
小さな港町の真鶴は、古くから「漁業」「石材業」「海運業」が盛んな町でしたから、大漁や安全の祈願をしたり、日常の平穏な営みへのご加護を感謝するために行う祭りだったのです。
貴船まつりの特色は、港の先端にある神社から、神様の乗られたお神輿が「海上渡御」によって、町中へお出ましになるというものです。
そのお迎え、お送りの時の花形は、↑この「小早船=こばやふね」です。
細長い船体に屋形が組まれ、その装飾彫りのすばらしさは目を引きます。
船底には土俵を積んで、重心を下げ転覆をさけるようになってはいますが、船体を左右に大きく揺らしながら方向を変えるときは、ハラハラします(苦笑)。
船首に座っている人・・・舳乗り=へのりと言いますが、陣笠・袴姿・脇差をさしています。
「鹿島踊り」
貴船まつりは「鹿島踊りに始まり、鹿島踊りに終る」と言われているほど、まつりには欠かせないものです。昔は、大人、それも漁業関係者が担当していたのですが、今では人数もすくなくなり、保存会ができたことによって、子ども達が継承してくれています。
暑い中、お揃いの浴衣姿に手甲で、町の中のお神輿といっしょに歩き、何箇所かで踊る姿・・・真摯に神に奉仕する・・・と言っても過言でない姿に、頭がさがります。
→「神輿」・・・まつりと言えば「お神輿」~~♪
実は・・これレプリカです(笑)「みそぎ」のために海へ入るので、塩水で金箔の痛みがひどかったり、飾りがなくなったりしたので、かついでもむのは「レプリカ」。本物は、車に乗って、町の中を回ります。
海上渡御や還幸祭の時は、ご神体を入れた本物が、船に乗ります~~。
「本神輿」は男性のみですが、この二つは、女性でも誰でもかつぐことができます。
時々外国人の方もかついでい増すよ~~♪
ハッピもそれぞれに工夫したデザインで、楽しいですね。
数年前は「ハナエ・モリ」のデザインのハッピもありました。
「真鶴はやし」・・・江戸神田はやしの流れを組むといわれています。
おまつりを盛り上げるためには、なくてはならない「はやし」ですが、真鶴はやしは、かなり速いリズムでの太鼓が中心です。
海上渡御・還幸祭の時は、飾り付けをした船に太鼓を乗せてたたきます。
お神輿といっしょに町中を回るときは、車です。
←「花山車」
これも貴船まつりにはなくてはならない重要なものです。
常に、鹿島連の先に立ち、町内を回ります。
18㎝角の柱の上に、造花で飾り立てた笠の形のものを取り付けた「万燈」で、高さは約3m、重さは60kg以上あるそうです。
昔は、石材関係者が、日ごろの仕事でついた「力」を「じまん」することだったようなので、90kgくらいあtったとも、聞いたことがあります。
肩は使わず、腕の力だけで振ります!すごい!
←「櫂伝馬=かいでんま」
海上渡御や還幸祭の時に、「お神輿船」「小早船2隻」「はやし船2隻」を曳航する、手漕ぎの2隻の大型伝馬船です。
たくさんの船を曳航するためには、かなりの力もいりますので、↑の花山車の担ぎ手が、漕ぎます。
途中から、競争も行われるんですが、以前は、町中が東西分かれて、激しい応援もありましたから、見ていて力が入りました。
この操作が、海で働く男達の得意なものであり、災害時にも役に立ったと言われています。
私の父は、この皆伝馬の隊長(?)役みたいなものをしてました~~。
貴船まつりは、古くから土地の産業と結びついたもので、それぞれの職業によって、役割もおのずと決まっていました。
「鹿島踊り」・・・業業関係者。
「花山車」「櫂伝馬」・・・開運・石材関係者。
「お囃子」・・・商店・その他の若人衆。
「神輿」・・・厄年・その前後の年の人。
ですから・・・「女・子どもには縁のないまつり」として「見るだけ」のお祭りでした(笑)
今では、「女性もかつぐお神輿」が2基もでますし、各自治体で「子どもはやし・子ども神輿」も出て、あちこちで賑やかな声と音が聞こえます~~♪
28日の夜、お神輿が、海を渡って神社に帰る「還幸祭」は、とても華やかで、多くの人が港に集まります。
満艦飾の小早船やはやし船のちょうちんにも明かりが入り、花火も打ち上げられます。
「鹿島連」を共に、「お神輿」の乗った「神輿船」が出発するとき、神主様の足(左か右か忘れました=苦笑)が、船へ渡された板にかかったとき、一斉に「東西のはやし船」から、太鼓が打ちならされる様は、豪快です。
私の好きな瞬間です~~♪
この後、宮前に着いた船から降りた「お神輿」は、100段以上ある階段を一気に担がれて登っていきます。 これは圧巻です!(27日の降りるときもすごいんです!)
港から、神社までの陸路には、多くの夜店も出て、港で船を見送った人たちが、ゾロゾロと楽しみながら神社へ向かいます。
「鹿島踊り」は漁業関係者。
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