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神奈川県の西部にある「小さな町」で暮らす私777>日々の生活の様子、見たこと、感じたこと、思ったことを綴っていきます。

十二単衣を着た悪魔~♪ 読書感想文です

2024-06-03 | 本と雑誌
世界最古の長編小説としてあまりにも有名で、日本人なら名前だけは絶対に知っている「源氏物語」~♪
その「源氏物語」への想いを変えてしまうような「もう一つの源氏物語」というべき本を読みました!

最高に面白い!  
「十二単衣を着た悪魔  源氏物語異聞」 内館牧子  著          
         

就職試験を五十八社続けて落ち、彼女にも振られた二流大学出身の雷。
そんな時、弟の水が京大医学部に現役合格したとの知らせが入る。水は容姿端麗、頭脳明晰、しかもいい奴と、非の打ち所がない。

フリーターとなった雷は、アルバイトで「源氏物語」イベントの設営を終わり帰宅する途中、突然火の玉に襲われ打たれて意識を失う。
気が付いた場所は平安時代・・・タイムスリップしてしまったのです。

そこはあの源氏物語の世界だった。優秀な弟へのコンプレックスを持つ自分を一宮に重ねつつ、光源氏の神的人たらしに魅せられ、己の生き方を模索してゆく雷の日々・・・。
雷は、アルバイト先で配られた『源氏物語』のあらすじ本を持っていたため、次々と未来を予測し、比類なき陰陽師として、その世界で自分の存在価値を見出す事に成功します。
雷は自分と同じような立場の一宮に肩入れするようになり、その母親・弘徽殿女御(こきでんのにょうご)と接するうちに、彼女の心の強さと野心に感服するようになります。
(実際の源氏物語では悪役のイメージ強かった弘徽殿女御ですが、この本では生き方、考え方が、とっても現代的で個性の強い女性に描かれています)。

そして・・・ある日、現実の世界に戻った雷は、「源氏物語」の奥深い内容を追求すべく、自分の進むべき道を見つけるのです。

内館牧子さん~とても個性的な方ですから(大相撲の横綱審議委員も務めていらっしゃいましたね)、そんな感じが強く出ているこの物語は、読んでいて、涙も笑も怒りもたくさんあって、本当に面白い!