「蚊がいる」 穂村 弘 著
大分前に買ってあった本
仕舞い読になってしまうところでした。
いつか読もうと思いながら
なんとなく機を逸していました。
ところが
読んでみると
面白い!
この方
私は知らなかったのですが
歌人なのだそうですね。
絵本の翻訳なんかもなさっているそうです。
だから
繊細というか
着眼点が上手いんですね。
これは
随筆ですが
例えば
「桜」という題の随筆
毎年
お花見に行く時を迷ってしまう。
いつかはきちんと観なくてはなるまい。
いつにしよう。
今日か明日か明後日か
迷っているうちに、どんどん時間が経っていく。
いつでもどこでも良いのだけれど
気持ちの中で「最高の桜」を捉えたいと思うので緊張ししまう。
と言います。
最高の桜 は 最高の今 なのだと。
でも気楽に行けばいいものを
「今」のハードルを上げたがばっかりに
春が過ぎてしまうことがある。
そうです。
確かに
私も
毎年 お花見は
今年はどこへ行こう!
どこがいいかしら?
いつかな?
と
あれこれ
情報を探すのです。
でも
それが
小さな公園であっても
名所でなくても
静かに
花を愛でられれば良い
と思います。
ただ
どうしても
欠かしたくない
私の拘り
中目黒の目黒川です。
昔は静かで良かった。
最近は
人・人・人
食べ物の匂いが漂い
カフェ難民の人達がわんさか。
ちょっと
がっかりなのですが
それでも
足を向けてしまうのが
ここ
なのです。
最近は
忍者の様に
そそそそそ
と
人並みをすり抜けて
川に枝垂れる桜のみ
横目
真正面
未練たらしく
後ろを振り返りながらのお花見です。
他にも
色々 色々
共感できるお話が満載でした。
最後は
芥川賞受賞者の
又吉直樹さんとの対談で終わっています。