池澤夏樹さんの
「双頭の船」
☆=帯に記してある文=☆
「彼らは希望を運ぶのだ」
瀬戸内から北を目指す小さなフェリー
それは、
傷ついたすべての者を乗せて拡大する
不思議な「方舟」だったーーー。
失恋目前の
トモヒロが乗り込んだ
不思議な方舟
中古自転車を積み込みながら
北へと向かい
被災地の港に停泊する。
200人のボランティア
100匹の犬
猫や小鳥
亡命者。
やがて
船上に仮設住宅が建ち
新しい街と新しい家族が誕生し・・・
希望を手放すまいという
強い意志に満ちた
痛快な航海記。
現実的ではない
絵本の様な世界
でも
現実であったらいいな
と思ってしまう様なストーリーです。
第1章「ベアマン」を読み始めた時は
「ん? ん?」
「なんなの?」
「なんだ、この本は」
と戸惑いを感じ
先に読み進もうか
ちょっと躊躇してしまいました。
読み進む中に
次第に引き込まれ
最期は
「読んで良かったー」
と思う本です。
初めのページに
あの
井上ひさしさんの
「泣くのは イヤだ 笑っちゃえ」
ひょっこりひょうたん島の一文が。
そうそう
最初
私は
この一文はミスっていたのですが
この本を読んでいる間
作家 井上ひさしさんと
ミヒャエル・ゾーヴァの
「ゾーヴァの箱舟」
の絵本が
頭の中を巡っておりました。