すごーーーい長い題名に惹かれたこの本
岡田芳郎さんという人の著作です。
山形県酒田に生まれた佐藤久一。
20歳の時
大学をやめて
父親の経営していた映画館
「グリーン・ハウス」の支配人となります。
1950年代に
洋画をバンバン上映し
久一独自のアイデアと拘りを持って
世界一の映画館を目指します。
その頃はまだ普及していなかった
水洗式トイレの導入
トイレの明るさ、清潔さ、洗練された雰囲気を出し
酒田市民の間で評判になります。
又
夏
暑い館内を
井戸水の冷えた空気を天井裏に送り
送風機で冷気をシャワーの様に流す
等
冷房のなかったその頃の暑さ対策を考えたり
彼ならではのアイデアが人々の人気を呼び、夢を与えます。
その後34歳で上京
料理の世界に転じ勉強
酒田に戻り
「レストラン欅」
に引き続き
「ル・ポトフー」を開店。
食の世界に転じてからも
彼の拘りは
並みのものではなく
収支を考えない運営が
度々レストランの危機を招きます。
最終的に
時代の変化や
久一のお金にいとめをつけない経営方針に
終止符が打たれる時がやってきます。
有名人にも愛され
酒田のみならず
日本の各地から「ル・ポトフー」の味を求めてやって来た
多くの人達がいた中
病にも見舞われ
久一の人生に木枯らしが吹き始めることになるのです。