【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

ミス・マープル最後の事件

2011-05-08 16:18:36 | A・クリスティーの館






「この庭で出来るだけの事を
やろうとしておりますの。
ひどくほったらかしにされて。
例えばこの 蔓草 ですが、
それは厄介な代物ですよ。この根は」
「地中にどこまでも伸びて行ってます。
大変深くまで ―― 土の下にはびこるのです」
(中略)
「恐らくその前から」  ミス・マープルは言った。
「地中にはびこり・・・
恐ろしく有害なんですよ、警部さん、
成長しようとする花の命を奪うのです・・・」
           【A・クリスティー作 「スリーピング・マーダー」】 


   

   こちらは今日も晴れ。
  昨日より2、3度、気温は低いものの、それでも夏日です。

   そして、いつもの庭に嬉しい発見。
  去年以上に・・いいえ、去年の何倍もの蕾を付けた薔薇が、
  開花に向けて秒読み段階。嬉しい悲鳴を上げています。




                           【A・クリスティー作 「スリーピング・マーダー」】




   さて、久し振りの 「クリスティーの館」。
  やっと 『スリーピング・マーダー
  (Sleeping Murder)』 を読み終えました。

   今回もミス・マープルものですから、
  例に洩れずと言いますか、私は・・。

   謎解きよりもお茶シーンやガーデニング、
  はたまた家の佇まいやインテリア等の
  描写に興味津々(しんしん)。

   おまけに上記のような描写で、 
  物語は始まります。
  期待の程が分かりますね。

   その上 アン  は勿論、
  エミリージェーン とも
  共通点たっぷりですもの。

   とは言え、蔓性の植物を
  昔の殺人事件になぞらえるなど、
  クリスティーの面目躍如たる処でしょう。

   そうそう、今回も邸には名前が付いています。
  その名は 「ヒルサイド荘」。

   アンの 「炉辺荘」 もそうですが、イギリスなどでは
  邸に名前を付けるのが一般的のようですね。

   “この邸には 名前は付いておりません 。
  トムギャロン家にとって、エルムスとかチャスナットとか、
  クロフトなどというくだらぬ名前は用がないのです。”
 
                  
                            【「アンの幸福」 第3年目9.】

   ところで、「ヒルサイド荘」 は、
  冒頭の写真(置物)のような家でしょうか・・。

   ここはたっぷり 「想像の余地」 を働かせて、
  そんな家で私もお茶・・と致しましょう。

   そうそう、肝心の犯人。今回は当たりました。
  最も犯人らしからぬ人という事で。

   でも、ミス・マープルのように論理的な解明は出来ません。
  単なる勘。これでは駄目ですね。