【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

香りの扉

2009-10-09 17:00:17 | ハーブと香り雑学


   台風一過・・となれば、今日は勿論晴れですね。空気が澄んで綺麗です。
  しかしながら・・今は、曇り空になっています。

   『アンの世界』 では、台風は登場して来ませんが、嵐は多いようですね。
  台風は、やがて通過して行きますが、そこではどうやら居座る事もあるそうです。こんな風に・・。

   “・・・辺り一帯は凶暴な、異様な、敵意ある様相を呈していた。
  迫り来る嵐の前には樹木さえも見慣れぬ形に見えた。
  ・・・ 略 ・・・
   その夜の風は、風などというものではなかった。
  野獣の咆哮さながらであった。
   2日間というもの、灰色の雨が渦巻きながら更に
  灰色の海に降り注ぐ他は何も見えず、
  下クィーンの浜の頑固な岩にとどろき、
  ぶち当たる巨大な寄せ波の凄まじい音楽の他は、
  何も聞こえなかった。・・・”
               【「丘の家のジェーン」 26.】



   さて、今日のアロマタイムは蝋燭で。
  心地良い香りと、癒やしの真髄、ゆらゆら感が同時に楽しめます。
  それに今日は肌寒いので、オレンジの暖かさ、温もりも欲しくて。  
   
   精油は、「ローズマリー」。庭からその小枝も摘んで来ました。
  こうしますと・・視覚からも香気が感じられ、より効果的な気がします。
  ツンと来る香りは、神経を刺激して気分をシャキッとさせます。
   
   それもその筈、ローズマリーは、血圧を上昇させる効果があり、(朝の弱い人に最適)
  更に、呼吸器官を健全にする効果も。
  
   お湯に数滴落として吸入すると、喘息などの呼吸器系疾患に大変有効です。
  お茶として頂けば、血中のコレステロールを引き下げる効果もあるそうです。

   そしてもう一つ。硝子の器には、お土産などのミニチュア香水を入れています。
  尤も、ミニチュア香水の中身はオード・トワレですね。

   この硝子の器、窓際に並べて置くと、日射しで瓶がキラキラと光ります。
  プラス、蝋燭とランプの灯り。気分が浮き々して来ませんか・・?

   最後に。今日も、芳香たっぷりの詩人、ボードレール の詩をどうぞ!



 



                 幽玄なる薫香

     読者よ、君は時あって、吸い込んだ事はないかな、
     陶然とむさぼるようにゆったりと
     聖舎に満ちた薫香くんこうを、
     花袋においぶくろに染み込んだ蘭麝らんじゃの香を?

     誠にこれは、現在に蘇り、僕らを酔わせる過去の時間だ、
     幽玄な魔法の魅力だ!
     かくてこそ恋人は愛人の肌に触れて
     思い出の甘やかな花も摘み取る。

     生きた花袋寝室の振香炉と呼ぶにふさわしい
     しなやかで重い彼女の頭髪かみのけから
     野生の香気が立ち舞った、

     そして爽やかな彼女の若さの染み込んだ
     モスリンか、びろうどか、彼女の着衣きものから、
     毛皮の匂いが舞い立った。

                                【ボードレール ╱ 堀口 大学訳】