こちらは今日も快晴になりました。
朝は随分冷えましたが、日中は
昨日以上に気温も上がりました。
本格的な春まで、もう少しですね。
でも、この後少しが、案外長く
感じられたりするものですが・・。
こうなりますと、
桜の花芽も一気に膨らみますね。
前回、桜林に行ったのは、
1月上旬。
その時ですら、その芽は、
しっかり付けていましたものね。
冬の寒さをただじっと堪えているようで、
その姿に、いじらしさを覚えたものです。
ところで季節的には少々、遅きに失した感は否めないのですが、
思想家、内村鑑三のこんな詩を見つけました。
題名は、『寒中の木の芽』。発表は、明治29年 (1896年) の事です。
この詩は、日本の四季(自然)を謳(うた)っているのですが、
この詩を読むと、なぜかフッと、心が軽くなる気がするのです。
奇をてらう事なく、自然のままに・・肩の力を抜いて・・
生きる事はどういう事なのかを、教えてくれているような気がします。
【寒中の木の芽】
Ⅰ 春の枝に 花あり Ⅱ 花散りて後に
夏の枝に 葉あり 葉落ちて後に
秋の枝に 果あり 果失せて後に
冬の枝に 慰めあり 芽は枝に顕 (あら) はる
Ⅲ 嗚呼 (ああ)憂いに沈むものよ
嗚呼 不幸をかこつものよ
嗚呼 冀望 (きぼう) の失せしものよ
嗚呼 春陽の期近し
内村鑑三は、この詩を書いた丁度その頃、
年譜によれば京都にいたようです。
この木の芽が、桜かどうかは定かではありませんが、
ひょっとしたら、京の桜かも知れませんね。
となると、鴨川辺りでしょうか・・?
1896年と言えば、日清戦争の2年後です。
「日本に必要なのは、無言の無意識の愛国心であって、
今日の騒々しい愛国心ではない。」
(~「病的愛国心」 より) と書き、一方では・・。
「我が国民の持つ多くの美点に、
私は目を閉ざしている事は出来ない」
(~「代表的日本人」 より) と書いています。
果たして今の日本は・・どうなのでしょうか。