モラルハラスメント 人を傷つけずにはいられない

マリー＝フランス・イルゴイエンヌ氏の著書。
イルゴイエンヌ氏はフランス人で、精神科医および家族心理療法家であられます。

1980－1985年、巴里第五大学で精神病理学の非常勤講師を務められた後
亜米利加と仏蘭西で犯罪被害者学を学んだのをきつかけにモラルハラスメントの研究に携わり、98年本書を出版されました。

本書の反響が大きかったため、続編として職場に的を絞った「モラルハラスメントが人も会社もダメにする」を2001年に出版されました。続編はこれから読んで行きます。

まづ。
モラルハラスメントとは・・・
セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、アカデミックハラスメントなどは日本でも知られてゐますが、「モラルハラスメント」とは耳新しい方もいらつしやるのでは。

モラルハラスメントとは「言葉や態度により、巧妙に人の心を傷つける精神的な暴力」と表紙扉裏に書かれてゐます。これを端的に言ふとまあ、「いじめ」です。
セクシャルハラスメントやパワーハラスメントはモラルハラスメントの具体例のやうなものでモラルハラスメントは、相手を不愉快にする全行為の総称のやうなものではないかといふのがあたくしの感想であります。

「いじめ」、それも大人の「いじめ」ですから手が込んでゐる。　言い逃れが出来るやうないじめ＝攻撃になつてゐる。
ここが質の悪いところです。
このモラルハラスメントなる「大人のいじめ」は、職場だけでなく、家庭内の中でも行なはれます。
本書は、家庭と職場のモラルハラスメントを取り上げ、加害者の行為や人間性を研究し被害者の人間性、モラルハラスメントを受けた被害者への影響、被害者へのアドバイスと章に分かれて記述されてをります。

りゐべが共感したのは、次の記述です。（職場の部分以降に限ります）
1.同僚が同僚を攻撃する　P108　
これは、まさにC部署です。
2.直接的なコミュニケーションを拒否する　P118
これは、まさにHとNです。　
3.相手の評判を落とす、相手を孤立させる　P120
これはHの行為そのものです。
4.部下に対して不公平な扱いをする　P138
これは、まさにHとNです。　
5.話をそらす　P176
これは、まさにHとNです。　
6.言つてゐることと矛盾する態度をとる　P183
これは、まさにHとNです。　
7.権力を濫用する　P192
これは、まさにHとNです。　
8．加害者とはどんな人間か　自己愛的な変質者以下　P209
これは、まさにHとNです。　

HとNの異常性に関する「おかしい奴」は万国共通なのですね。
世界遺産の建立物等に落書きする馬鹿と同じです。