salt&pepper days 

ともすれば、子どもとの時間に埋もれそうな日々。でもやりたいことは他にもいっぱい。刺激を求めて悪あがき中。

本の感想・やっと読み終わった・・・

2007-08-01 00:46:33 | 本・雑誌
いきなりですが、速読できる人がうらやましい。

今回はなにを読んだかというと
いまさらながら
『模倣犯』(宮部みゆき著・小学館)。
上下巻、しかもそれぞれ700ページ、600ページある。
(現在、文庫も出てますね)
しかも2段組。
時間をみつけてちょこちょこ読んで
1週間以上かかってしまいました。

で、つくづく思ったことといえば
「宮部さんは頭いいなあ」とか
「これ、取材が大変だっただろうな」とか。

内容は、ざっくり書くと
「複数の殺人事件に関わった人たち、つまり
犯人、被害者、その家族や友人、警察やマスコミの人間の
それぞれの立場から見た事件のあり様、
それぞれの人間の背景にあるものや
心のうちを丁寧にとらえ、出来事と時間を構築した小説」
とでもいいましょうか。

ミステリーとか推理小説の類は
読者の立場では、わりと気軽に読むけれど
決して軽々しく書けるものではないと、改めて思う。
人間の心の、深く暗いところをのぞき、向き合い、
そこから目をそらさない覚悟が必要な作業。
どんな小説を書くにもそうだろうけれど
この類のものは特に、事件や犯人の気持ちを
実際に体験した上で書くわけではなく
あとがきに書いてあったけれど
犯人像はあくまでも想像の人物。
迂闊なことは書けない。

読み応えはたっぷり、確かに長いけれど
どんどんページをめくれる。
ところどころ、弱さや温かさや
どうにもできない理不尽さ
生きることのせつなさを感じさせるところも、宮部さん。

途中から、ラストの展開は読める。
それでも、それをどう明かしていくんだろうと
期待感いっぱいで読み進められた。
えらそうなことを言ってしまえば
ラストのほうは、ちょっと書き急いだ感がある?
ごめんなさい、個人的な印象です。
長い哀しい道のりの末、あっという間に
事態が展開していった、ということです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿