玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

Rugemor til salg (売買される代理母)

2008年10月06日 | 代理出産問題
NHK-BS1で「代理出産」のドキュメンタリーが放送される予定。

BS世界のドキュメンタリー シリーズ 子どもがほしい「闇の代理出産マーケット」
~2007年 デンマーク DR制作~
10月13日 月曜深夜[火曜午前] 0:10~1:00
不妊のカップルが第3者の女性に精子を提供して子どもを出産してもらう「代理母出産」。ヨーロッパの国々では代理母出産が殆ど認められていないため、インターネットなどで海外の代理母を捜しトラブルに巻き込まれるケースが増えている。番組では、ペルー人の悪徳代理母に騙されたデンマーク人カップルのケースを追跡取材し、ペルーなどの途上国で見られる、先進国のカップルをターゲットにした闇の代理母マーケットの実態に迫る。


「デンマーク "代理出産"」で検索したら、隣国スウェーデン在住で "BABY BUSINESS" 問題に関心を持つ人のブログを見つけることができた。こういうときネットの威力を実感する。

デンマークの代理母事情 - BABY BUSINESS
デンマークでは、Rugemor/代理母が禁止されている。しかしながら、海外に渡ってまで利用する人は多いということだ。渡航先は、インドなどのアジア。


デンマーク国営テレビのDRで、1月9日にドキュメンタリーが放映された。タイトルは、Rugemor til salg(売買される代理母)


実際に見てみないとわからないが、日本の多くの「代理出産」ドキュメンタリーのように依頼者目線べったりのお涙頂戴ではなさそうだ。
なぜか日本では「海外では代理出産が認められている」「代理出産容認は世界のトレンド」と思われているが、「ヨーロッパの国々では代理母出産が殆ど認められていない」のである。
「代理出産」が少子化対策に役立つというトンデモを言う人までいる。出生率の高さ(フランス=2.0 日本=1.3)で「少子化対策を見習うべき」とされるフランスでは、「生命倫理に関する2004年8月6日の法律」により「代理出産」契約は公序良俗に反して無効とされているのに。

「それでも海外で『代理出産』を依頼する人がいる、海外で貧しい女性の子宮を買わせるよりも日本国内で『代理出産』を認めるべき」という意見もある。とりあえずこれを「代理母自給論」と呼ぶことにする。
「食料自給論」が現時点では(そして予想される限りの未来において)夢物語であるように、「代理母自給論」も現実無視の理想論でしかない。「代理出産」の利用を希望するカップルは多く、「代理母」志願者は少ない。需給の不均衡はあまりにも大きく解決の見込みはない。
貴重な「代理母」の前には行列が並びコストは上がる。待ちきれない、あるいは安価な「代理出産」を求める依頼者が海外で「代理母」を求めるのは間違いない。
「代理出産」公認は潜在的依頼者の欲望の後押しとなり、かえって海外における「代理母」漁りを勢いづけるだろう。学術会議の答申に従い、フランスを見習って速やかに「代理出産」を法律で禁止すべきである。


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