「わかってないのはあなたのほうじゃないですか?」と突っ込みたくなるけれど。
asahi.com: 皇室典範改正案、自民内に慎重論 首相は反対派を牽制
「女系天皇」(*)を認めない人々(私を含む)はまさに「愛子さまが天皇になられた時に、そのお子さんが男でも認め」られないからこそ今回の皇室典範改正に反対しているのであって、小泉総理の発言はトートロジー(同語反復)でしかない。
まさか小泉総理が「反対派は『女系天皇に反対すること』の意味を分かっていない」と勘違いしているとは思えないので(多少の危惧はある)、この発言はもう少し別の意味に読み解くべきだろう。
私が勝手に解読した(妄想した)小泉発言の真意はこういうことになる。
「愛子様が次の天皇になるのはほぼ間違いない」
「国民感情がそれを望んでいるからだ」「男系・女系を理解して反対している国民は少ない」
「数十年後、愛子皇太子(天皇)が出産されるころにはさらにその傾向は強まっているだろう」
「民主主義国では国民の意思が絶対だ」
「女系容認は時代の趨勢なのだから、反対派は無駄な抵抗をしないほうがいい(郵政反対派のようになりたくなければ)」
簡単に言えば「時代の趨勢」「国民感情」をバックにした脅しである。
小泉総理や「女系天皇」容認論者の意見にも一理はある。
皇室に男子が40年間生まれていないのは事実だし、国民の多くが「愛子様を皇太子に」と望み、「男系・女系」の違いを理解している人は少ない。そして日本国憲法第一条にはこう書いてある。
「有識者会議」のように「皇位の安定した継承」を至上価値として判断すれば、「女系天皇」に反対する理由は何もないように見えてくる。
私に言わせてもらえば、彼らは真に守るべきものを見失い、完全に本末転倒している。
「現在」と「未来」のみを考えれば「万世一系の皇統」にこだわるのは無意味なことだろうが、皇室の存在は「過去」(歴史)なしにはありえない。はるか歴史以前の昔、建国神話の霧の中から生まれ現在まで途絶えることない皇統こそが皇室の尊さを維持し伝える芯である。現在の皇室・皇位を守るため過去千数百年続いてきた万世一系を断ち切るのは「果実を守るために果樹を切り倒す」ような愚かしい行いとしか思えない。
歴代すべての天皇の父親を遡ると必ず神武天皇(の伝説)に直結するというこれ以上ない血筋の明快さと正当性こそを守るべきであって、「日本国憲法に定められた皇位」を「安定的に継承」するため「女系天皇」を認めようというのは無茶苦茶な話だ。
* 万世一系が絶たれれば神話との結びつきを失い天皇とは別のものになる。そのため「女系天皇」と括弧に入れる。
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asahi.com: 皇室典範改正案、自民内に慎重論 首相は反対派を牽制
政府が今国会への提出を予定している女性・女系天皇を認める皇室典範改正案について、自民党内で慎重論が強まっている。武部勤幹事長、久間章生総務会長、青木幹雄参院議員会長ら執行部が27日、国会内で意見交換し、「一度国会へ提出すれば修正は難しいので、慎重な対応が必要だ」との考えで一致した。
(略)
一方、小泉首相は27日、「女系天皇を認めないという議論は、仮に(敬宮)愛子さまが天皇になられた時に、そのお子さんが男でも認めないということ。それをわかっていて反対しているんですかね」と述べ、慎重論を牽制(けんせい)した。首相官邸で記者団に語った。
「女系天皇」(*)を認めない人々(私を含む)はまさに「愛子さまが天皇になられた時に、そのお子さんが男でも認め」られないからこそ今回の皇室典範改正に反対しているのであって、小泉総理の発言はトートロジー(同語反復)でしかない。
まさか小泉総理が「反対派は『女系天皇に反対すること』の意味を分かっていない」と勘違いしているとは思えないので(多少の危惧はある)、この発言はもう少し別の意味に読み解くべきだろう。
私が勝手に解読した(妄想した)小泉発言の真意はこういうことになる。
「愛子様が次の天皇になるのはほぼ間違いない」
「国民感情がそれを望んでいるからだ」「男系・女系を理解して反対している国民は少ない」
「数十年後、愛子皇太子(天皇)が出産されるころにはさらにその傾向は強まっているだろう」
「民主主義国では国民の意思が絶対だ」
「女系容認は時代の趨勢なのだから、反対派は無駄な抵抗をしないほうがいい(郵政反対派のようになりたくなければ)」
簡単に言えば「時代の趨勢」「国民感情」をバックにした脅しである。
小泉総理や「女系天皇」容認論者の意見にも一理はある。
皇室に男子が40年間生まれていないのは事実だし、国民の多くが「愛子様を皇太子に」と望み、「男系・女系」の違いを理解している人は少ない。そして日本国憲法第一条にはこう書いてある。
第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。皇室の地位は国民感情に支えられている。国民感情が「女系容認」なのだからそれに乗っかるのが楽だし、無理がない。
「有識者会議」のように「皇位の安定した継承」を至上価値として判断すれば、「女系天皇」に反対する理由は何もないように見えてくる。
私に言わせてもらえば、彼らは真に守るべきものを見失い、完全に本末転倒している。
「現在」と「未来」のみを考えれば「万世一系の皇統」にこだわるのは無意味なことだろうが、皇室の存在は「過去」(歴史)なしにはありえない。はるか歴史以前の昔、建国神話の霧の中から生まれ現在まで途絶えることない皇統こそが皇室の尊さを維持し伝える芯である。現在の皇室・皇位を守るため過去千数百年続いてきた万世一系を断ち切るのは「果実を守るために果樹を切り倒す」ような愚かしい行いとしか思えない。
歴代すべての天皇の父親を遡ると必ず神武天皇(の伝説)に直結するというこれ以上ない血筋の明快さと正当性こそを守るべきであって、「日本国憲法に定められた皇位」を「安定的に継承」するため「女系天皇」を認めようというのは無茶苦茶な話だ。
* 万世一系が絶たれれば神話との結びつきを失い天皇とは別のものになる。そのため「女系天皇」と括弧に入れる。
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千数百年の伝統を守れ