玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

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誇りのありかた

2006年11月30日 | 政治・外交
小泉さんらしい割り切りというか、非情さというか。
いや、それとも国民の判断力を信頼する覚悟というべきだろうか。
それではあまりに褒めすぎだと思えば「何も考えてなさそうなところが小泉らしい」と言うこともできる。

小泉前総理も郵政造反議員たちの復党を認めたという。

asahi.com:小泉前首相、復党容認「白旗上げたのだから認めれば」
 小泉前首相は29日夜、郵政民営化をめぐる自民党の復党問題について「(復党条件を)のむことは白旗をあげて、土下座して戻ることだ。その場合、認めるべきだ」と述べ、11人の復党を容認する考えを示した。

 党新人衆院議員らで作る「83会」が、東京都内のホテルで開いた会合で語った。安倍首相、中川秀直幹事長、武部勤前幹事長も参加した。

 出席者によると、小泉氏は「歴史の中で離合集散は繰り返されてきた。国民が君たちを使い捨てにするかどうかの勝負だ。復党しようが、自分たちが勝ち抜くことだ」と強調。「支持率が低下するとか、それを踏まえての安倍さんの考え方だから、これは君たちがどうこう言うべきじゃない」と語った。小泉氏は平沼赳夫元経産相を念頭に「白旗を揚げていないのに復党願を出すおかしな人もいる」とも述べたという。

 安倍首相は「政権運営に協力したい人は受け入れて一緒にやっていきたい。今回の問題にいったん終止符を打って、新しい枠組みで取り組んでいきたい」と述べた。

そもそも復党問題は国民の生活には無関係な政界プロパーの問題であって、政治問題というより政治家問題にすぎない。
とはいえ、政治家問題が国民の政治不信を高めると政治の力が失われ問題を解決するのが難しくなってしまう。その意味で政治家問題をあまりいい加減に扱うと代償を支払わされることになる。
マスコミは「自民党が有権者の信頼を裏切った」と断じて国民の怒りを煽っているが、個人的にはあまりピンと来ない。朝日の社説では「改革継承を掲げる首相だが、これではいくら「新しい自民党」「政策本位」と叫んでみても説得力を欠く。」と書いているが、復党希望者に党の方針に服従する旨の誓約書を書かせたのだから、政策本位の姿勢は崩れていないように思う。もし無条件復党ということであればさすがに「政策本位はどうなった」と疑問と怒りを感じたろうが。

誓約書を提出した造反議員が復党することについて個人的な怒りは薄いけれど、自民党にとって良いことかどうかは疑問だ。怒ったり不信感を抱く有権者が多いらしいので内閣支持率は大きく下がるだろう。そして「小泉チルドレン」と復党議員のあいだで鞘当てが起きるのは間違いない。どうも「早すぎる」復党がうまい手とは思えない。
中川幹事長が考えていたように「まず統一会派を組み時間をかけて復党の道を探る」べきだったと思うが、それだと党内の無条件一括復党派の不満が高まり造反議員たちも焦って妙な動きをしかねない。結局どちらを選んでもうまくない。確たる決意というより成り行きと妥協の産物として今回の復党が実現したようであり、そのことが安倍総理の判断と決断力を疑わせる。

平沼赳夫氏が今回の復党騒ぎで男を上げたように言う人もいるが(三宅久之氏や立花隆氏、花岡信昭氏など)、私にはどうしてもそうは思えない。厳しい言い方をすると「余計なところにしゃしゃり出て混乱を起こしただけ」である。そもそも平沼氏は自分と立場の違う11人の窓口役など引き受けるべきではなかったし、中川幹事長に示された復党のための「屈辱的な」条件を一つも変えることができず(復党願の締切日を伸ばしただけ)、「平沼さんと進退を共にする」という議員も現れず、意気がって格好をつけながら恥をかいただけのように思う。
小泉前総理が全面降伏した11人にはまだしも温情的で、「誇り高い」平沼氏に辛辣なのは興味深い。
2004年の再訪朝のあと「私のプライドよりも、ご家族が1日でも早く帰国される事を選んだ」と語った小泉純一郎である。「信念の政治家」を自称する平沼氏の行動が安っぽい田舎芝居にしか見えなかったのだろう。
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恥の上塗り

2006年11月26日 | 政治・外交
いよいよ明日は「郵政造反議員」たちの復党願提出期限である。

「造反組」問題、平沼・中川氏なお溝…堀内氏は復党へ : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 郵政民営化に反対して自民党を離党した「造反組」無所属衆院議員12人の復党問題は、27日午前に復党願の提出期限を迎える。

 「造反組」は12人そろっての復党を目指しているが、平沼赳夫・元経済産業相は25日、中川幹事長が復党条件を緩和しない限り、復党願提出は難しいとの見解を表明した。12人全員が同一行動をとれるかどうかは不透明だ。

 「造反組」の堀内光雄・元自民党総務会長は25日、山梨県富士吉田市内で記者団に対し、「27日に(復党願を)提出する。(私は)基本的に復党する考えだ」と明言した。今村雅弘衆院議員も既に期限通りに復党願を提出する意向を表明している。

 一方、平沼氏は25日、岡山県津山市で自身の後援会の会合に出席し、復党願を提出するかどうか対応を協議した。会合終了後、平沼氏は「変な形で戻っても、何の主導権も発揮できないことも考慮の中に入れなければいけない」と記者団に述べ、中川幹事長が「郵政民営化支持表明」などの復党条件を見直さない限り、復党願提出は難しいとの考えを示した。また「(後援会幹部が)『信念を通せ』と言ってくれたことも胸に秘めて決断したい」と語り、今後、他の支援者の意見も聞いたうえで、27日午前に最終判断する考えを表明した。

 これに対し、中川幹事長は広島市で講演し、「筋道を通すことが一番大事だ。原理原則を説明できるやり方をしなければ、民意を失う」と述べ、復党条件を変更する考えがないことを強調した。こうした情勢を受け、中川氏と堀内氏が26日、会談し、復党条件について改めて協議することになった。

私自身は世論の支持を得られない形での「造反議員」復党には反対だ。
逆に言えば「世論の支持さえ得られたら復党も可」ということであり、確固とした意見があるわけではない。
そういういい加減な立場から見ても、「造反組」の議員たちのやりかたがあまりにも愚かしく身勝手でぜんぜん支持する気になれない。たぶん国民の多くがそう感じているはずだ。自民党に寄せられた意見のほとんどは「復党反対」だったそうだ。

陽介日記 2006年11月24日(金)
自民党本部には様々な意見が寄せられている。今回の復党問題をはじめ、様々な政策についてメールや電話で寄せられている意見を「国民の声」として毎週まとめている。

復党問題について、党本部で過去4週間を取りまとめた数値を聞きとった結果。
反対96.3%
賛成3.7%
であった。

自民党支持者は概ね反対であることは明らかであり、世論調査での反対50数%、賛成30数%は、野党支持者の数値も入っている事を考慮しなければならない。

不思議でならないのは、「造反」議員たちが平沼赳夫氏に復党の交渉役を任せたことだ。
郵政民営化にあくまで反対し続ける平沼氏(そのこと自体は一貫した姿勢を評価できる)を先頭に立てて現在の執行部に挑戦するような形をとればスムーズな復党が叶わないのは当然のことである。仮に国民のあいだに「郵政民営化を見直すべき」という声が高まっていれば強面を通すこともできただろうが、今はそのような情況ではない。そもそも平沼氏以外の11議員は「選挙結果に表れた民意」を理由として郵政法案に賛成票を投じたのではなかったか。それなのに「あくまで反対」の平沼氏を交渉役に選んだのはなぜなのかまったく訳がわからない。
引き受ける平沼氏もどうかしている。「私はあなたたちと立場が違うので引き受けられません」と身を引いていれば「さすが(自称)侍だ」と感心したのに、彼がやっているのはその逆である。

強まる対立 『復党』問題 糸口見えず
■平沼氏 『一方的条件』声高に批判

 平沼氏は約百五十人の後援会幹部の前で、強気一辺倒の中川氏について「一方的に一人の幹事長によって突き付けられた条件をのんで、私の先行きが切り開かれていくのか」と声を荒らげた。

 自らの復党願提出については「熟慮に熟慮を重ねて、二十七日午前中には態度を表明したい」と明言を避けたが、民営化に反対し続ける「信念」の正しさをアピール。

 幹部からの意見聴取でも、「信念を貫いてこそ、平沼先生だ」との声が大勢を占めた。

 平沼氏は会合後、記者団に「私が信念の政治家だということは理解されている。変な形で戻っても、何の主導権も発揮できない」と述べ、中川氏が軟化しない限り復党は困難との認識を示した。

 平沼氏を除く十一人の造反組の間では、同氏の譲歩を期待する向きもあるが、現状では難しい。地元での言動からは、中川氏へのいら立ちを募らせている平沼氏の様子が浮かび上がってしまった。

平沼氏の言う「私の先行き」っていったい何なのだろう。いくら支持者の前とはいえ、「私」にこだわるのは(自称)侍らしくない。公のために私心を捨てるのが武士道ではなかったのか。「一人の幹事長によって突きつけられた条件」というのもわからない。無役の実力者(小泉前総理とか)が条件を突きつけたというなら「筋が通らない」と憤慨するのもわかるが、総裁に党運営を任された幹事長の出した条件はすなわち党の意思である。「幹事長何するものぞ」という平沼氏の態度は「復党したら執行部を無視して好き勝手にやる」と宣言しているようなものだ。

平沼氏は「そういう人」なのでしかたないとしても、11人の造反議員は明日どうするつもりなのだろう。
「郵政民営化反対を訴えて当選」しながら選挙後の国会で郵政法案に賛成票を投じた彼らは、今度は「復党交渉を一任」した平沼氏を裏切って復党願いを提出するのだろうか。もしそうであればこれ以上ないほど見事な「恥の上塗り」である。
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李方子妃を描いたドラマ「虹を架ける王妃」

2006年11月25日 | テレビ鑑賞記
嫌韓派や大日本帝国の悪を糾弾したい人たちには物足りなかっただろうが、私は気楽に楽しめた。

虹を架ける王妃~朝鮮王朝最後の皇太子と方子妃の物語~
日本の皇族から初めて異国に嫁いだ、方子女王(菅野美穂)。
留学という名のもとに11歳という幼さで日本に連れてこられた悲運の朝鮮王朝最後の皇太子・垠殿下(岡田准一)。
明治、大正、昭和という激動の時代、日韓の相克する渦の中で"日鮮親善"の美名のもとに政略結婚といわれて結ばれた運命的な縁を、真実の愛にしようと生きた二人。しかし、各地での抗日運動、垠の父親・高宗皇帝の急死、方子と垠の長男の急死、関東大震災、太平洋戦争終戦後の皇族地位剥奪など、様々な辛苦が二人を襲うのだった。
歴史の渦へと巻き込まれた美しく切ない恋の物語を、世界文化遺産、重要文化財などでのロケを交え、壮大なスケールで描いていく。

菅野美穂と岡田准一が上品で美しかった。史実の方子妃と垠殿下にはあまり似てないけれど。
菅野のか細い声がお姫様らしくていい。女優の声はルックスと同じくらい大事だ。
2003年に常盤貴子が愛新覚羅浩を演じた「流転の王妃・最後の皇弟」は好評だったらしいが、自分には常盤の声が興ざめだった。

セットと衣装が豪華で目を楽しませてくれた。テレビドラマとしてはずいぶん努力したのだろう。
豪華な李王家の屋敷やきらびやかな韓国の宮廷衣装に見とれてしまう。
結婚パレードや雪の降るシーンでのCG合成がチャチなのはご愛嬌。

映像の美しさは充分に合格点だけれど、物語は念入りにアクを抜いてずいぶんと軽いものになっていた。
歴史ドラマというよりラブストーリーを意図して作ったのだろう。フジテレビのコピーも「二夜連続・奇跡の夫婦愛スペシャル」だ。
「日本帝国主義」も「朝鮮民族主義」もごくあっさりと描かれ、ヒーローも悪党も出てこない。
結果として誰にでも見やすいドラマに仕上がっている。
それなのに定説とは言えない「高宗毒殺説」をすらっと出してきたのには驚いた。一体どういうつもりだろう。
戦後の困窮や韓国に帰国が叶わなかった事情を完全にカットしたのは各方面への差しさわりを配慮してのことか。
見ている間ずっと「今日は前編で、明日は戦後の苦闘と韓国での福祉活動を描いた後編が放送されるのだろう」と思い込んでいたので、昭和20年でドラマが途切れいきなり菅野が老女になったのに驚いた。できればあと一時間は方子妃の生き方を見たかった。


参考リンク
    流転の王女==李 方子(り まさこ/イ・パンジャ)
    李方子
    JOG(178) 日韓の架け橋・李方子妃
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女優目当てにドラマを見る

2006年11月20日 | テレビ鑑賞記
この冬は私の好きな女優の出演するドラマが多くて、毎日テレビを見るのに忙しい。
そもそも暇人じゃないと複数のテレビドラマを見てられないような気もするが、気にしないことにする。

●日曜  仲間由紀恵 「功名が辻」
「トリック」第一作の頃から大ファンの仲間ちゃん。
大河の主役なんて大丈夫か?と心配したけれど、最近は美しさに加えて貫禄さえ備わってきて眩しいほど。芸達者な共演者に囲まれて女優として大きく成長した。紅白の司会もがんばれ。

■火曜  松たか子 「役者魂」
松さんは相変わらず可愛くて魅力的だが、脚本がピンボケで残念。久しぶりのドラマ出演なのに。

●火曜  本仮屋ユイカ 「僕の歩く道」
彼女の演技は自然で素晴らしい。声がいいから松たか子のように歌手もやってほしい。

■金曜  長澤まさみ 「セーラー服と機関銃」
いちばん期待していたけれど、残念ながらもう一つ輝きが足りない。視聴率の伸び悩みにもそれが表れている。
なぜだろう?荒唐無稽なアイドルドラマをやるには「女優」すぎるのか。

●土曜  戸田菜穂 「ウォーカーズ」
安定した演技と美しさ。和風の顔だちが遍路姿によく似合う。
戸田さん目当てで見始めたけれど大人のドラマとしてよく出来てる。さすがNHK。

これだけ見ていればもう充分、というかなかなか見きれないのだが、もう一本見たいドラマが増えてしまった。

◎木曜  内山理名 「嫌われ松子の一生」
これまで内山理名という女優を意識してなかったが、このドラマでの彼女はとてもいい。
無垢ゆえに転落していくヒロインを演じて過不足ない。
悲劇的なストーリーを無邪気な笑顔で軽やかに見せるのも、自暴自棄の怒りや切ない涙で重くするのも自在。
それでいて技巧を感じさせない素直な演技が心地よい。手際のいい家庭料理の味わい。

そういえば、2004年11月に放送された樋口一葉のドラマを見て「地味だけど真面目な女優さんだな」と好感を持ったことを思い出した。内山は新人女優とはいえないけれど、今年のエランドール新人賞を受賞している。プロデューサー協会が実力の伸びを認めたのだろう。
広末涼子や竹内結子、矢田亜希子といった期待された若手女優が結婚や出産や離婚で足踏みしているうちに、内山理名がトップに躍り出るかもしれない。
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It's a Discovery !!!

2006年11月18日 | ネタとか
アメリカで著作権の問題がどうなっているのか知らないが、これには驚いた。



スタンリー・キューブリック監督の不朽の名作がDivX Stage6にアップロードされている(画像をクリック)。
2時間28分の完全版で、私の持っているビデオテープ(10年ほど昔NHK-BS2で放送したのを録画)よりずっと高画質。
どう考えてもワーナーが許可したとは思えないので消えるのは時間の問題だろう。
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そういえば

2006年11月16日 | 日々思うことなど
「死ねばいいのに」という言葉を「いじめによる自殺」騒ぎが起きてから聞かなくなった気がする。
まあ、どうせ半年もすれば何事もなかったように楽しげに使われるのだろうけど。

あらゆることを「事件」として騒ぎ立て数ヶ月で消費するマスコミと善良なる日本国民。
もちろん自分も飽きっぽくて流されやすい。
そういえば「BSE」とか「靖国問題」とかどうなったんだっけ。


とても純粋で心優しい女の子がこんなことを書いていた。

   永遠に殺人犯になるのに、ちゃんとその覚悟と償いをして生きていくの?

   苦しませて命を失わせて、やったがわは普通に生きていけるのはあまりにもおかしい

   殺人に時効なんかいらない時効なんかが存在する意味がわからない

彼女はアイドルという仕事をしていて、たぶん心のどこかで自分が簡単に使い捨てられることを恐れている。
今はとても好調だけどスキャンダルや悪意のデマで一瞬にして人気が消えても不思議はない。
楽しんで、おもちゃにして、使い捨てた側は何の痛みも感じず忘れてしまう。そのことを彼女は知っている。
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「問答無用」はいらない

2006年11月12日 | 政治・外交
今の日本に核武装が可能とは思わないが、核についての議論をタブーにしようとする野党とマスコミはもっといらない。

核を持つ 日本を危うくするだけだ : 朝日新聞 11月11日社説
 北朝鮮の核実験後、麻生外相や自民党の中川政調会長らが、核について議論する必要性を繰り返し説いている。

 議論するだけならよいではないか。そんな声もあるようだが、要職にある政治家が議論しようと言う以上、それだけではすむまい。まず自分の意見を言うべきだ。

(中略)

 外相も政調会長も、もし異論があるのなら、ぜひ語ってほしい。

略した部分には日本が核武装を強行した場合のデメリットが書かれていて、それにはだいたい同意できるが、最後の「もし異論があるのなら」という言葉にはカチンと来る。科学や数学ならともかく、政治的な問題で「誰からも異論の出ない」絶対の正論などそうそうあるものではない。「もし異論があるのなら」という一言に朝日の思い上がりが透けて見えるようで胸が悪くなる。
(全文はmumurブルログに転載されてます。朝日サイトが削除されたらそちらへどうぞ)

それはともかく、政治家が核について議論しようとすることさえ「不見識な発言」と断じていた朝日が「まず自分の意見を言うべきだ」と態度を変えたことは評価できる。狼少年の思うまま踊らされる国民は多くないと理解したらしい。できれば居丈高に議論を封殺しようとした過ちを反省してほしいものだが。
とはいえ、安倍総理が国会で「閣内、政府、党の正式機関において核を保有するという可能性の上での議論は一切しない」と明言しているのにさらに「自分の意見を言え」と要求しているのはわけがわからない。そんなに「核武装論」(核議論必要論ではなく)が聞きたいのだろうか。どうせ「問題発言」をさせて麻生外相や中川政調会長の首を取るつもりなのだろうが、麻生氏も中川氏も朝日の挑発に乗せられるほど愚かではないので無駄なことである。

少し頭を冷やしたらしい朝日はともかく、東京新聞(中日新聞)はあいかわらずひどい。

『個人的発言』という詭弁 『核』へ誘導 : 東京新聞
 政治家の「個人」の裁量は広がっているが、政治評論家の本澤二郎氏は「国会議員は国民の代表。当然、公人で個人の意見というのはあり得ない」と話す。

 核武装論についても「公人が核武装論を議論するべしと述べ、首相も容認しているということは日本政府の意向と世界では受けとめられる。個人の問題といっても、国際社会では通らない」と批判する。

 前参院議員の平野貞夫氏も「政治家が政治について話す場合、これは公的、これは個人の発言というのは成り立たない。発言には常に責任が発生する。(現在の『個人の責任論』は)『はぐらかし』の小泉劇場型政治の悪い影響であり、詭弁(きべん)以外の何物でもない」と憂う。
(中略)
 では、政府与党幹部は好きに発言できないのか。本澤氏は「できる」としたうえで、次のような条件を付ける。「自民党幹部が核武装について発言するのであれば『残念ながら自民党の非核三原則と自分の考えは相いれない』として、党から離れて発言すべきだ」

 平野氏は「非核三原則を守る」という前提で、議論の必要性を認めることは論理矛盾だ、と喝破する。

 「本来、非核三原則を守るのなら核兵器保有論を議論する必要はない。三原則は守るが議論しようというのは、サブリミナル(刷り込み)効果を狙った悪質なやり方だ」。そのうえで、安倍首相の黙認を積極的な「役割分担」とみる。

本澤氏の論法を借りれば、「公人がいじめについて議論すべきというのは、いじめを容認するのと同じだ」と言えそうである。馬鹿馬鹿しくて話にならない。平野氏は「『「非核三原則を守る』という前提で、議論の必要性を認めることは論理矛盾」と言っているが、それなら「憲法を守るという前提では憲法改正論者との議論はできない」のだろうか。冗談もいい加減にしてほしい。「問答無用」は民主国家の政治にふさわしくない。「核」議論であれ「天皇制」議論であれ、必要とあれば堂々と論じ合って決着をつければいいことだ。
「結果が明らかのに議論するのは労力の無駄」という政治的コスト論ならまだしも理解できるが、中川氏や麻生氏を糾弾する人々の言葉は非核三原則を神格化して崇める信者のようで冷静さが感じられない。非核三原則が真に合理的なものであるのなら、まともに議論すれば必要性が再確認されるだけだ。国民の反核意識と英知を信じていれば「反核派」が議論を恐れる必要はない。

「政治評論家の本澤二郎氏」の名前に見覚えがなかったので検索してみたが、本澤二郎で931件、本沢二郎でも2,340件しかヒットしなかった。失礼ながらヒット数241,000件の森田実氏や114,000 件の花岡信昭氏などと比べると政治評論家として桁違いにマイナーな方のようである。
「前参院議員の平野貞夫氏」はかつてYahoo掲示板をソースにして(!)小泉総理に辞任を迫ったという、実にユニークな見識をお持ちの方である。はっきり言ってしまうとトンデモであり電波さんだ。
東京新聞はこういう人たちの言葉を借りないと「核議論を封じ込めよ」という主張ができないのだろうか。情けないことだ。

参考リンク
  カワセミの世界情勢ブログ: 日本の核武装問題に関する国内議論への所感
  【正論】櫻田淳氏 核論議における「無粋」と「洗練」再論
  [核論議]「議論すら封じるのはおかしい」11月8日付・読売社説
  「核」論議 もう思考停止はやめよう:産経新聞社説
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「見巧者」に程遠いマスコミ

2006年11月08日 | 政治・外交
いつものことだがマスコミの「~とみられる」報道は思い込みばかりでまったく当てにならない。

小泉前首相:復党に反発する新人議員にクギ-今日の話題:MSN毎日インタラクティブ
 小泉純一郎前首相は7日、自民党「日本夢づくり道場」のあいさつで、昨年初当選した衆院議員61人に対して「政治家は使い捨てにされることを覚悟しなければならない。甘えちゃだめだ」と述べた。自民党執行部が進める郵政造反組の復党を容認し、復党に反発する新人議員に党内を混乱させないようクギを刺した発言とみられる。

 小泉氏は「参院選に負けるぞ」と語るなど、早期復党に異論を唱えていただけに新人議員は衝撃を受けた様子。杉村太蔵衆院議員は記者団に「使い捨てされないように頑張る」と語った。【米村耕一】

毎日新聞 2006年11月7日 19時28分 (最終更新時間 11月7日 23時17分)

NHKニュースウォッチ9やFNNニュースJAPANでも「小泉前総理が『造反組』の早期復党容認の意向を示した」と伝えていたが、私は「あれ、小泉さんがそんなこと言うかな、おかしいぞ」と不審に思った。
こういうとき頼りになるのは「書き起こしの名人」さくらさんだ。

さくらの永田町通信: 敵あまたなりとも
<小泉純一郎前総理あいさつ@「日本夢づくり道場」>

夢といえばね、誰でも夢持ってる。みんな違う夢でいい。人間それぞれ持ち味が違うんだから。私はよく歌舞伎を見に行くんですけども、歌舞伎のいい役者ってのは、さまざまな持ち味があって、名優がたくさんいます。私がいちっばん気を付けているのは、実際その名役者が動作している、踊ったり、セリフを言っているところではない。じっとしているとき。それぞれの役があって、セリフがあって、誰かが動作する。そのときに、いい役者ってのはその雰囲気に合わせて、緊張しているときには黙っていても緊張感が漂っているんですよ。雰囲気が漂っている。おもしろい場面には、くすっとして?おもしろい雰囲気が出てる、何にも言わなくとも。ところが、いい役者でない役者は、自分がセリフがない、自分の役、動作が終わると、ポカーンとしている。それが雰囲気に出ちゃう。ここが、いい役者とそうでない役者の違いなんです。黙っているからといって、見てる人は見てる。皆さんみたいに、演説しているときだけ、自分が質問しているときだけ、選挙民と握手しているときだけ、酒飲むときだけ、お酌しているときだけが政治活動じゃないんですよ。日頃の行動、選挙民は言葉よりも感ずるんですよ。この人は何をしてくれるか、信じることができるか、期待できる、こう雰囲気を出すというのは日頃の行動ですね。よく学び、よく遊べという言葉がある。机の上の勉強だけが学びじゃないんですよ。遊ぶということも必要なんです。だから、これからは、そういう、皆さん努力、どういう政治家になるか楽しみなんですよ。

 ただ、政治家っていうのは、常に使い捨てされるということを覚悟しなければいけない。使い捨てにされるっていうことを嫌がっちゃいけない。総理大臣だって使い捨てにされる。国会議員だって、一回一回選挙ごとに使い捨てにされるということを覚悟しなきゃいけない。当たり前なんです。甘えちゃだめです。だからこのとき使ってもらった、選んでもらったということに喜びを感じながら、そのたび全力を尽くす。さらに使おうと有権者が思ったら、また使ってもらえばいい。使い捨てされるなんてイヤだなんて言った人は、国会議員にならない方がいい。常に使い捨てされて当たり前だと思って、日頃向上心を持って頑張っていただきたい。そして夢。夢は実りがたいんですね。ジャマする人たくさんいる。敵はあまたなり。しかし、勇みて行かん。こういう気持ちを持って、夢を持ちながら、志を持って頑張っていただきたい。


小泉さんの言っているのは「選挙民は政治家の日頃の行動を見ている」「政治家は落選(使い捨て)を恐れず夢に向かって進む志を持て」ということだ。彼の目はまっすぐ有権者に向けられており、決して「党執行部を恐れよ、逆らうな」とは言ってない。
それなのにマスコミが何故「自民党執行部が進める郵政造反組の復党を容認し、復党に反発する新人議員に党内を混乱させないようクギを刺した発言」と曲解するのか判らない。
もし素でそう思ったのなら政治部記者がいかに小泉という男を理解してないかの証だし、わざと捻じ曲げたのならその姑息さに呆れる。
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悪い男

2006年11月06日 | ネタとか
アイドルの恋の悲しい結末。

きゃんちまいんち!:元カレ
昨日、元カレに会った。


いつもの所に彼はいた。彼はまるで何もなかったかのように私を見ていた。

でも私はその場をすぐに立ち去った。彼に気がつかなかったふりをした。

だって、もう終わったことなんだもの。
私たちは去年のクリスマス後、別れた。彼が他の女性と抱き合っているところを見てしまったのが原因だった。


小明の秘話@放心中:Re:
こんなことメールで報告するのもアレなんだけどさ、
今日、仕事帰りに、
偶然喜屋武ちが前大好きだった人を見たんだわ……。

変わってなかったよ!
なんか懐かしくて、
声かけようかな?
って思って近づいてったらさ、えーと……、


ちょっと聞いて良いことかわかんないんだけど、
彼、結婚してたの?
隣に、小さい男の子と若いお母さんがいて……。

もしかして、喜屋武ちは知ってたの?
もう別れた後だし、今更かもしれないけど、
私、やっぱり許せないよ!


きゃんちまいんち!:ショック
わたし・・・わたし・・・・。

彼のことなんて・・・思い出したくなかったのに!


あの男の虜になる前に別れてよかった。
文才とユーモアとオタク属性を兼ね備えたアイドルって素敵だ。
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ロリコン嫌い

2006年11月03日 | 日々思うことなど
ホモもレズもSMもスカトロも大人同士で勝手にやればいいと思うが、ロリコンだけは苦手だ。

ZAKZAK:日テレに「未成年者を性的対象にしている」クレーム
 問題となった番組は、人気音楽バラエティー「ウタワラ」の「夏休み2時間スペシャル」(7月30日放送)。

 小学生以下の女子がセクシーな踊りを競い合う「チビっ子エロかわダンス選手権」というコーナーに、地方予選を勝ち抜いた2-12歳の計9組が参加した。

 参加者は、へそを露出した衣装や激しく腰を揺らす振り付けを披露。番組レギュラーの和田アキ子、友近らとともに、「エロかわブーム」の立役者・倖田來未(23)が審査を行った。

 だが、これが9月26日に行われた放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会で問題に。

 「親が娘の性を商品化していることに対して、自覚が足りないのではないか」「エロという言葉を子供に使ったり、日常のなかに平気で飛び交っていることに違和感があり、嘆かわしく思う」-など否定的な意見が続出した。

 BPOはこの審議内容を日テレに文書で報告。名指しはしなかったが、加盟する民放各局とNHKに、少女を性的対象視する番組が目立つとして、番組制作への配慮を要望した。

Ameba News|Tバック写真集発売の小学6年生「女優になりたい」
 小学6年生のグラビア・アイドルの三花愛良(みはなあいら・12)さんが22日に初写真集『はいちゃった。』(心交社)の発売記念イベントを東京・神保町の書泉ブックマートで行った。イベントには200人を超えるファンが詰めかける、大人気ぶり。

 沖縄で行われたロケでは、小学生ながらTバックをはいた撮影を行い、写真集ではその姿を披露している。

いくらなんでも大人が小学生を性的関心の対象にするのはひどい。
では中学生ならいいのかといえばいいのかといえばもちろんそんなことはないのだが。
交通違反でたとえるなら「女子中学生エロ」は赤キップ(免停)で「女子小学生エロ」は免許取消しという感じである。
大人の男が女子小中学生タレント・女優のファンになってはいけないとは言わないが、いや私だって美山加恋や志田未来を見て「かわいいな、演技が上手いな」と感心するけれど、それとエロティシズムの対象として見ることとはずいぶん違う。

以下は上に書いたことと直接の関係はないが、私は宮崎アニメにときおり噴出する御大のロリコン趣味がどうにもこうにも苦手だ。酢豚に入ったパイナップルよりも不愉快である。
最初に嫌だなあと思ったのは「未来少年コナン」GYAOで放送中)のダイス船長である。中年男のダイスがラオ博士の居場所を聞き出すために、あるいはハイハーバーで亡命を受け入れてもらえるようにという下心でラナの歓心を得ようとするのはわかるが、そういう目的が失われた後も「ラナちゃん…(萌え)」という態度が変らない。どう見てもロリコンである。自分がバラクーダ号の乗員ならあからさまに白い目を向ける。もっともダイスは後にモンスリーという魅力的な大人の女性と結ばれており、ロリータにしか興味が持てないわけではない。たぶん一時の気の迷いだったのだろう。それにしては描写がしつこいが。

次に気色悪かったのは「天空の城ラピュタ」のドーラの息子たち。誇り高い(?)空賊がまだ毛も生えない女の子に懸想してどうする、恥を知れ恥を。とはいえ、彼らはおっかない母親に厳しく統制され長いあいだ女日照りの年月を送ってきたようなのでちょっぴり同情する。

「千と千尋の神隠し」はなんだか微妙だ。油屋は遊郭であり湯女は遊女のメタファーであると言われており、カオナシが千(千尋)を追いかける執拗さはまるでストーカーのようだが、なぜか映画全体の印象はあまりロリ臭くない。たぶんヒロインのルックスが可愛くないからだ。よかったよかった。
映画としてはつまらなかったけど。
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