玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

泣いた老教授

2010年05月17日 | ネタとか
これは創作でしょう。要するにネタ、釣りのたぐい。
真面目に反応するだけバカらしい。

大学で起きた衝撃的な一コマ
はてなブックマーク - 大学で起きた衝撃的な一コマ

ざっと文章を読んで「これはネタだな」と直感したからブックマークで「ネタ」タグを付けて「うそくせー」とコメントした。その後で他の人のコメントを見ると素直に感心したり反論しているので驚いてしまった。最近ネットでよく見かける広告ではないが「うそ… 私の性格、悪すぎ?」と思ってしまった。うーむ。

どうしてネタだと直感したのか説明してみる。
まず、タイトルで煽ってるわりに前置きが長すぎ、文章が落ち着きすぎているのである。
本当に「衝撃的な一コマ」を目撃したのであれば、なによりもまず「老教授が涙を流して謝罪した」その瞬間の自分の感情とか周囲の光景に力を入れて伝えようとするはずだ。だが、元の文章は淡々としていて現場感覚がまったく伝わってこない。まるでテレビを見て書いているようだ。これが「友達から聞いた話」という体裁ならわかるけれど、実体験、しかも「衝撃的」という触れ込みで語るにしては生身の手触りがなさ過ぎる。

「老教授」のキャラクターも変だ。
麻生総理を「いいところが全くない首相」と言い切るくらい高慢な老教授が、生意気な学生に批判されたくらいでいきなり涙を流して謝罪するなんて創作としてもご都合主義に過ぎる。私が学生だったら「教授は自分の過ちを認めたんだ」と思うよりも「先生は欝じゃないのか、大丈夫か」と心配するだろう。

きわめつけは老教授を問い詰めた「群馬県前橋市の畜産農家の跡取り息子」のゼミ生。
まあ、「政治に大変興味があり、両親が農学部受験を勧めるのを裏切って政治経済学部に来」る学生がいないとは言わないが、いかにも都合が良すぎる。口蹄疫問題を利用して民主党・鳩山政権・支持者を貶めようとする臭いがしてかなわない。


タイトルも中身も安手でまるで出来の悪いライトノベルのようである。文章もひどい。
「まだ二十歳を少し超えたばかりで政治的経験の浅い私の愚考」とか「彼はゼミ内でいっとう真面目で通っている青年です」とか「まっすぐに手を上げ、良く通る声で老教授にたずねたのです」とか「寡聞にして知らなかった」とか、読んでいて背筋がぞわぞわする。私が編集者だったら「変に気取りやがってこのスカポンタンが」とつぶやいて朱を入れるだろう。
まったく、こんなくだらない文章を真に受ける人の気が知れない。

エクストリーム「子ども手当て」申請競技

2010年04月25日 | ネタとか
エクストリーム「子ども手当て」申請競技の暫定チャンピオンあらわる。

子ども手当:韓国人男性が554人分申請 孤児と養子縁組 - 毎日jp(毎日新聞)
 兵庫県尼崎市に住む50歳代とみられる韓国人男性が、養子縁組したという554人分の子ども手当約8600万円(年間)の申請をするため、同市の窓口を訪れていたことが分かった。市から照会を受けた厚生労働省は「支給対象にならない」と判断し、市は受け付けなかった。インターネット上では大量の子ども手当を申請した例が書き込まれているが、いずれも架空とみられ、同省が数百人単位の一斉申請を確認したのは初めて。【鈴木直】

尼崎市のX氏はまちがいなく勇者である。男は度胸、なんでもやってみるのさ!という思い切りが素晴らしい。
そしてとんでもなく非常識な愚か者か、常識を超えたキレ者のどちらかに違いない。すらすらと申請が通ると思っていたなら馬鹿だし、役所が渋っても法律論と駆け引きで突破できる能力があるなら大したものだ。無理だと思うけど。

2ちゃんねるやはてなブックマークを見たら、「以前のデマ騒ぎのとき『500人なんて大量申請はありえない』と言ってたやつらは反省しろ」みたいな意見がちらほらあった。2ちゃんねるはともかく、ブログで「500人なんてありえない」と書いてた人はどれくらいいたんだろう、自分は見た覚えがないが、と思って「子ども手当て デマ ありえない」で検索してみた。



…え、もしかして反省を迫られてるのは俺なのか!?


別に言い訳する必要はないのだけれど、誤解されると嫌なので以前の記事を再録する。

「子ども手当て」とデマ
はてなブックマークでデマの存在を知ったとき、ブクマ件数はまだ一桁だったと思う。自分もブックマークして「デマに決まってる」と否定コメントを書こうかと思ったけれど、「ブクマ件数を上げてかえって注目度を上げる・デマの拡大に手を貸す」のも嫌だなと思って無視するほうを選んだ。そのときは「バカらしいデマだからブクマが50くらいで収まるだろう」と思ったのだが甘かった。
なぜバカらしいデマなのかといえば、590人分の申請についてはともかく(無茶なことを企む勇者あるいはバカは常に存在しうる)、役所が疑いもせずただちに受理するなんてことがありえない。「お役所仕事」なんて言葉もあるように、役所というのは細かい書類の不備にケチつけたりもったいぶって引き伸ばしたりして申請がすらりと通らないのが普通である。生きるのにどうしても必要な生活保護でさえ難癖付けて認定を渋るのがお役所の体質だ。それなのに7670000円(!)という大金を支給する決定が即断即決なんてバカらしいにもほどがある。私が銀行で「一億貸してくれ」と言ったら即座に融資が決まる、というのと同じくらいありえない。


ご覧の通り、「590人といった大量申請はありうる」「それがただちに受理されることはありえない」と書いてある。
そして、尼崎市役所と厚生労働省は私の予想どおり怪しい大量申請の受付を拒否した。実を言えば、お役所仕事の通例として「いったん預かる、しばらく調査して(あるいは調査したふりをして)その後で受付拒否の返答をする」という形になると思っていたから今回のスピード拒否はちょっと意外だった。尼崎市役所と厚生労働省はよくやった。
「裁判に訴えれば韓国人男性が勝つんじゃないか」みたいな意見もちらほら見られるが、そんなことはない。裁判と机上の法律論(空論)とは違う。厚労省のQ&Aにもちゃんと書いてある。

子ども手当について 一問一答
母国で50人の孤児と養子縁組を行った外国人にも子ども手当は支給されますか。母国で50人の孤児と養子縁組を行った外国人については、支給要件を満たしませんので、子ども手当は支給されません。

子ども手当については、児童手当の場合と同様に、父又は母が子どもを監護し、かつ生計を同じくすること等が支給要件となっており、支給要件に該当することについて個別に市町村の認定を受ける必要があります。
「監護」とは、養育者が子どもの生活について通常必要とされる監督や保護を行っていると、社会通念上考えられる主観的意思と客観的事実が認められることとなっており、養育者と子どもの間で定期的に面接、連絡が行われている必要があります。
 また、「生計を同じくする」とは、子どもと親の間に生活の一体性があるということです。基本的には子どもと親が同居していることで認められます。しかしながら、勤務、修学等の事情により子どもと親が別居する場合には、従前は同居しているという事案が確認できるとともに、生活費等の送金が継続的に行われ、別居の事由が消滅したときは再び同居すると認められる必要があります。
 子ども手当の実施に当たっては、このような支給要件について確認を厳格化するなど、運用面の強化を図ることとしました。上記の支給要件に照らせば、ご指摘のような事案については、支給要件を満たしません。

日本の裁判所は行政よりの判決を出しがちだし、「法律の穴を付いて私欲を満たす」ようなやり方を嫌うからX氏のように常識を超えた大量申請が認められる可能性はない。
…たぶん。

輝け、ぴかぴか新党!

2010年04月15日 | ネタとか
「総理にしたい政治家No.1」の舛添氏と、「国民的人気の高い」東国原氏が新党を作るとか作らないとか。

舛添・東国原氏、15日にも会談…新党視野か : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 自民党の舛添要一・前厚生労働相と東国原英夫・宮崎県知事が15日に、東京都内で会談することが分かった。


 東国原氏が13日夜、大阪市内で橋下徹・大阪府知事との会食後、記者団に明らかにした。東国原氏側からの申し入れだといい、参院選前の新党結成も視野に入れた動きだとの受け止め方も出ている。舛添氏は自民党執行部に人事刷新を求める一方、政界再編や新党も選択肢だとする立場を示してきた。国民人気が高い舛添氏と東国原氏の接近は注目を集めそうだ。

舛添さん、新党に含み「あらゆる可能性オープン」 : 参院選 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 自民党の舛添要一・前厚生労働相は14日午前、国会内で記者団に「体制を刷新しない限り、自民党は(参院)選挙で勝てない。あらゆる可能性はオープンだ」と述べ、新党結成に改めて含みを持たせた。

はあ、そうですか。日本のためにがんばってください。

さて、仮に舛添・東国原新党ができたとして私はちっとも期待しないし、もちろん支持もしない。なぜかといえば、舛添氏と東国原氏が人間的に信用できず嫌いだからである。東国原氏についてはわざわざ批判記事を書いたこともある。かといって、海のものとも山のものとも知れない新党をむやみと叩くのも大人気ない。舛添・東国原新党ができたら半ば無関心、半ば様子見、基本的には冷たい視線、ということになるだろう。

新党ができればまず必要になるのは党名だ。私ははてなブックマークで「党名はぴかぴか新党で決まり」とコメントした。書いたときはおふざけのつもりだったが、いかなる気の迷いか天の啓示か、だんだんと「いや、これはもしかして”有り”なんじゃないか?」という気がしてきた。うん、「ぴかぴか新党」悪くないぞ。いやむしろ、なかなかいいじゃないか!これは有りだよ!(と思っているのは私だけ)。

すでに書いたように、私は舛添・東国原新党(実現したとして)を支持するつもりはない。だが、仮に私が彼らの支持者だとしたら、あるいは舛添氏か東国原氏から依頼を受けたブレインだとしたら、「ぴかぴか新党」という党名は本命や対抗案は無理でも「穴」としては充分にイケると思うのである。二十年ほど昔にトマト銀行ができたときのことを思い出してわくわくする。「ふざけている」「人様のお金を預かる銀行としてありえない」という批判をものともせず、全国的に人気を集めた大成功を再現するのだ。

なぜ「ぴかぴか新党」がイケるのか、箇条書きにしてみる。
マーケティング業界の胡散臭さ慣習を尊重してカタカナを多用した。ルー大柴などと言ってはいけない。

抜群のインパクト

舛添氏と東国原氏のルックス、そして「ぴかぴか」という語感。
最高のマッチングであり、まさに一度聞いたら忘れられない。
アンフォーゲタブルである。


ともかくフレンドリー

一足先にできた新党「たちあがれ日本」はなにやら偉そうな語感で反感を買った。
逆に「みんなの党」は最初バカにされたが(私もバカにした一人だ)、ぐんぐん支持率を上げている。
真似するなら「みんなの党」のようにほんわり癒される脱力系だ。
レッツイージーゴーイング。


ひたすらフレッシュ

「ぴかぴかの新品」「ぴかぴかの一年生」と、「ぴかぴか」はとにかくフレッシュである。
いや、61歳(舛添氏)と52歳(東国原氏)のオジサンをフレッシュに感じさせる言葉はこれ以外にない。
まさにワンアンドオンリー。


そしてアンチ・イデオロギー

右翼だ左翼だ、保守だリベラルだと抽象的な政治用語に関心を持つ有権者は少ない。
とにかくぴかぴか輝いていれば衆目は集まるものだ。
若さに輝く小泉進次郎議員を広告塔として活用する自民党を見ればわかる。
ドントシンク、フィール!である。


オイルアンドウォーター、バット、ゼイアーブリリアント

舛添氏は東京大学を卒業し大蔵省に勤めたバリバリのエリート。
一方で東国原氏はたけし軍団から一念発起して早稲田に入り政治家を目指した庶民派。
水と油ほど違う二人の、誰にでも一目でわかる共通点は頭部の毛髪状況だ。
ブリリアントな二人は仮面ライダーWのように切っても切れないバディ(相棒)、正義のヒーローとなる。
無駄遣いする官僚を「カウントユアシン」(お前の罪を数えろ)と断罪すれば国民的スタンディングオベーション間違いなし。


うつむきがちな人々をエンカレッジメント

21世紀になってから、小泉・安倍・福田・麻生・鳩山と頭部がぴかぴかしていない総理大臣ばかり続いた。
福田氏はちょっと微妙だが、「額が広い」部類に入り宮沢氏や中曽根氏とは比べ物にならない。
頭髪に悩む人々にとってはちょっぴり淋しい時代が続く。
彼らが舛添氏と東国原氏率いる「ぴかぴか新党」の活躍を見れば「自分も輝こう」と大いに元気が出るに違いない。
ドントマインド、レッツシャイン!



…いかがだろうか。最初は疑った読者もだんだんと「もしかしたら有りかも」と思えてきたに違いない。
「ぴかぴか新党」、最初はふざけているように感じても一ヶ月もすれば誰も笑わなくなる。いや、「ぴかぴか」と聞くだけで人々の心に勇気がわいてくる。政治を輝かせ、希望を失いかけた日本に光をとりもどせるのは「ぴかぴか新党」だけだ。光れ、輝け、ぴかぴか新党!
ご清聴ありがとうございました。






以下は蛇足。
もちろんこの提案は8割がた冗談である(2割は本気かよ!とツッコんでください)。
「みんなの党」のように国会で存在感を示し支持率を上げられればいいが、ツートップの関係がギクシャクして人気が低迷するようだと「ぴかぴか新党」は笑いものにされる。舛添氏と東国原氏はどうでもいいが、巻き添えを食うだろう薄毛の人たちに申し訳ない。この文章はあくまでも冗談として、舛添・東国原新党が実現するなら真面目な党名を選んでおふざけなしに政治に取り組んでいただきたい。私は支持しないけど。
なお、この文章中では小党の成功例(いまのところは)としてみんなの党をだいぶ持ち上げたが、私自身は特にかの党に好意を持っているわけではない。

書いた後で検索してみたら、「新党かがやき」という提案もあった。こちらのほうがいかにもありそうで現実味がある。そのかわり、普通すぎて突破感がない。どうせならひたすらインパクトに賭けた「ぴかぴか新党」のほうがいい。

自民党の逆

2009年12月06日 | ネタとか
「鳩山総理は普天間基地移設問題をどうするつもりなんだろうね?」

「決まってるじゃないか、自民党と逆のやり方をするんだよ」

「自民党の逆って?」

「自民党は沖縄県民に負担を押し付けて、アメリカのご機嫌をうかがって、なんとか解決策をまとめようとしただろ?」

「ああ、そうだね。じゃあ鳩山さんは?」

「沖縄県民にリップサービスして、アメリカに自分の都合を押し付けて、ぜんぜん解決策をまとめる気がないんだよ!」


ただのジョークです。
でも、最近のニュースは軽くジョークを超えそうな勢いなので怖い。

移設先決定 参院選後に 「普天間」政府方針/WGで米側に伝達 - 沖縄タイムス
 米軍普天間飛行場の移設問題で、政府は移設先の方針決定を来年7月の参院選後まで先送りする意向を固めていたことが5日、分かった。鳩山由紀夫首相は外務、防衛両省が目指していた「年内決着」より、連立を組む社民党、国民新党に配慮し、政権維持を最優先させる方針を示している。関係者によると、首相の意向は4日の日米閣僚級ワーキング・グループ(WG)で米側にも伝達されたが、米側は反発したという。普天間移設問題は一層混迷が深まっている。

おかしなおかしな田母神さん

2009年12月03日 | ネタとか
この人はまだこんなこと言ってるのか。

田母神氏「私は『日本はいい国だ』と言ってクビになった。おかしい」…"笑っていいとも"でタモリに:アルファルファモザイク - 2ちゃんねるスレッドまとめブログ

いや、おかしいのは田母神さん、あなたの方ですから。

長年連れ添った夫婦がいるとする。とりあえず平穏に幸せに数十年暮らしてきた。
そのダンナが奥さんに「昔の君は素敵だったね。でも今の君はみっともないオバサンだよ」と言えばどうなるか。
もちろん怒られるに決まってる。愚かなダンナがどれほど叱られ嫌味を言われ、稼ぎの少なさや家族サービスの乏しさ、果ては腹の出方から頭髪の薄れかたまでどれほど糾弾されるか想像するだけで恐ろしい。離婚話が出ても不思議はないくらいだ。
まともな男なら今の奥さんを侮辱するようなことは言わないし、まして「奥さんを褒めたのに怒られるのはおかしい」などと言い訳してさらに激怒を誘うようなバカな真似はしない。男同士の間でも「お前が悪い、奥さんに謝れ」と非難ごうごうだろう。

ここまで書いてきて、「もしダンナじゃなくて奥さんが連れ合いを侮辱したらどうだろう」と考えてしまった。
フェミニズム的に地雷を踏みそうなので具体的に書くのは避けるが(根性なし)、またちょっと違った反応が起きるような気がする。
もしかしたら田母神氏は男らしい武人というよりも甘ったれたオバサン根性の持ち主なのかもしれない。

国会議員のジョーク(?)二題

2009年11月29日 | ネタとか
いったいどこが面白いのやら。

Twitter / 蓮舫
本が欲しい、という娘と本屋へ行く途中。私「なんで本が欲しいんですか?」、娘「文字のあるものを読みたいからです」、私「買わないで図書館で借りればいいのでは?」、娘「大切に手元にとっておきたいから」、私「でも、今までの本は全部整理されてないですよね」、娘「いいから買って!」。はい。

はてなブックマーク - Twitter / 蓮舫: 本が欲しい、という娘と本屋へ行く途中。私「なんで本が ...
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蓮舫議員のつぶやきをネタとかブラックジョークと呼んで賞賛する人が多いけれど、私にはちっとも笑えない。ウケている観客の姿を含めて、なんだか嫌なものを見せられた気がする。この感じが何かに似ていると思ったら、安っぽいテレビバラエティーだ。
島田紳助とか和田アキ子のような柄の悪い大物タレントが「ヤンチャな」武勇伝を披露して、スタジオの若手芸人や二流タレントが生ぬるい賞賛やニヤニヤ笑いで受け入れる。私は「ケッ」と思って即座にチャンネルを変えるけれど、そういうのを喜ぶ視聴者は多いらしい。

moyari氏の批判が私には一番しっくり来る。
「『悪の官僚相手に一歩も引かなかった私。でも娘には弱いの』ですか。もしかして『そんな私も好き』だったりするんですかね?」
他人に厳しく自分(身内)には甘い。2ちゃんねる式に言えば「スイーツ(笑)」というやつだ。これをネタにするには厳しいツッコミが欠かせない。
突然現れたビートたけしがピコピコハンマーで蓮舫議員の頭をぶっ叩いて
「いつまでカワイコぶってやがる、このオバサンが!」
「そのうちお前も『私を党の代表候補として選挙を戦うおつもりはありますか』とか言い出すんじゃないか?」
とぶった斬ってほしい。それでやっと笑えるようになる。



蓮舫議員についてはツッコミが足りなすぎるけれど、その一方で小池百合子議員には必要以上に厳しいツッコミが入りまくり、雪合戦で石の入った雪玉をぶつけられているようでこれまた笑えない。

Twitter / 小池百合子
中共の「日本解放工作要綱」にならえば、事業仕分けは日本弱体化の強力な手段。カタルシスを発散させながら、日本沈没を加速させる…。

はてなブックマーク - Twitter / 小池百合子: 中共の「日本解放工作要綱」にならえば、事業仕分けは日 ...

私の感覚だと、蓮舫議員よりは小池議員のつぶやきのほうがまだしもジョークとして成立しているように思う。別に面白いジョークじゃないけれど。
小池議員がどういうつもりで言ったのか知らないが、冗談だとすれば陰謀論のパロディーだし、本気だとすれば(そうでないことを願う)小池議員の存在自体がジョークみたいなものだ。
現在の小池議員は野党の一議員にすぎないから、陰謀論ジョークを飛ばそうが小池氏自身がネタにされようが、直接国民の生活に影響することはない。事業仕分けで大鉈を振るう蓮舫議員がトラだとしたら、予算編成に影響力ゼロの小池議員は猫みたいなものだ。「つまらないジョークだな、真面目に仕事しろ」とか「バカじゃなかろうかこの人は」の一言で片付けられる。熱心な自民党支持者は「これじゃ困るよ」と苦情を言うだろう。嬉々として石つぶてを投げるのは自民党叩きが趣味の人たちに違いない。

■追記

小6息子は巨人ファン!蓮舫議員が乾杯~(社会) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース
 【スポーツニッポンフォーラム】懇親会には民主党の蓮舫参院議員が出席し、乾杯の音頭を取った。政府の行政刷新会議による「事業仕分け」の仕分け人として連日作業している市谷の国立印刷局体育館から駆けつけ、「今、日本で最も気の強い女として報道されていますが、こんな晴れやかな場所に呼んでいただきスポニチさんの懐の深さを感じます」とあいさつ。「きょうは“思いやり予算”(防衛省の在日米軍駐留経費負担)を仕分けしてきましたが、スポニチさんだけは仕分けたくない」と話し、笑いを誘った。また、小学6年の長男(12)が巨人ファンといい「原さんにこんなに近くでお会いできてうれしい。巨人も仕分けたくない」と笑顔で語った。

だ め だ こ り ゃ

謎の飛行艇と「2乗3乗法則」

2009年04月02日 | ネタとか
きのうはエイプリルフール。
円谷プロの特設サイトを楽しみにしていたのに、サーバーが重すぎてほとんど見られなかったのが悲しい。メトロン星人の陰謀に違いない。
それはともかく、「エイプリルフールネタだったらよかったのにね」という残念な記事がこれ。

特集:生かせ!知財ビジネス/逆説理論で“開発” 宙に浮く飛行艇 - FujiSankei Business i./Bloomberg GLOBAL FINANCE
 世界が栃木県の片田舎で生まれた発明に大きな注目を寄せ始めた。驚異の飛行艇が現れた。

 その飛行艇は両翼がない。魚のマグロが3本寝たような形状である。ほとんど滑走することなく垂直に近い角度で上昇し、180度旋回や横転を瞬時にこなす。圧巻は、空中停止。そのままゆっくり下降して着陸できるが、上昇や直進を再開することもできる。まるで水中を泳ぐ魚のように自由自在。見た者誰もがUFOの実在を信用するようになる。

 ≪全く新しい航空理論≫

 飛行艇の名は「ベルシオン飛行艇」だ。栃木県に研究施設を持つベンチャー、グローバルエナジーが開発した。

 視察に訪れた航空理論のある専門家は目の前で見ていながら信用せず「どういうトリックを使っているのか」と声を荒げた。

 通常の航空理論は機体に備わった両翼の上下間で、機体が直進滑走する際に発生する気圧差により揚力を発生させ、空中へ舞い上がる方式であるからだ。直進速度が落ち揚力が減少すると失速して墜落する。だが眼前の機体は空中停止し、両翼がないのだ。

 開発者の鈴木政彦会長は「空気をつかむ、という新しい考え方で飛んでいる。正統な航空理論を学んできた方は自己否定になるため信じないが」と笑う。

 “空気をつかむ”とは、両サイドの胴体で空気を逃がさないように空気抵抗を作り“抵抗の反作用で浮く”ことだという。例えば、水泳は水をつかんで後方へ押しやる時の反作用で体を前へ進める。空気中も同じ。空中停止はさながら立ち泳ぎだ。

 

 同社は実は、回転時に発生する負のトルクがなく、微風時から回転し騒音もない「ベルシオン式風車」で知名度を上げつつある。現在、関連のベルシオンパワー(杉崎健COO)が事業化を進めており、大手コンビニが環境対策の一環で広島県呉市内の店舗で導入テストを始めている。ゆくゆくは各店舗の使用電力を風力発電で補う構想だ。

 ≪外国企業が殺到中≫

 鈴木氏は「最初開発したのはベルシオン式風車の方。従来の風車理論とは逆説の位置にあり、学界から批判された。従来の風車は航空理論から生まれたもの。つまりベルシオン式風車の力学を証明するには、飛行艇の開発が必要だった。逆説の正しさを証明したかったのだ」と語る。

 飛行艇の情報はやがて口コミで伝わり、各国から視察や交渉申し込みが現在、殺到している。米、独、印、中、東南アジアや中東諸国の企業や研究所、政府関係者だ。「知的財産権交渉が中心となるので、各国で知的財産権を確立しておくことが課題。世界で500件以上を出願する予定で、著名な米国知財弁護士であるヘンリー幸田先生と相談し、戦略的に進めている」とする。

 一方、国内組の出足は遅い。鈴木氏は「権威も実績もないベンチャーが日本で認めてもらうには、海外で認めてもらうことから始めなくてはいけないことが分かった。残念なことだが仕方ない」と、ため息をもらす。

 「今夏、人が乗れるグラスファイバーかカーボン製の長さ5、6メートルの実機を作成し試験を許可してくれるどこかの湖上で飛ばしたい」と鈴木氏。最初に乗って飛行するのは「もちろん自分だ。機体が大きくなるほど空気をつかめ、安定して飛べるはず」と少しも恐れていない。

 歴史上の大発明家と変わらぬ、旺盛な開拓者精神がそこにはある。(知財情報&戦略システム 中岡浩)


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まあそのなんというか。
逆説の航空理論って何なのか、鈴木政彦氏がどういうお方なのか、グローバルエナジーがどんな会社なのか、まったく存じませんけれど(面倒なので調べてない)、「機体が大きくなるほど空気をつかめ、安定して飛べるはず」ということだけは絶対にありえない。
それこそ「水からの伝言」レベルのナンセンスである。締めの名セリフがトンデモだから記事すべてが胡散臭くなり「エイプリルフールネタじゃないのかこれ」と思ってしまう。いや、本当にエイプリルフールのネタ記事ならよかったのに。

なぜ「機体が大きくなるほど空気をつかめ、安定して飛べるはず」ということが絶対にありえないのか。
「逆説の航空理論」が何なのはともかく、空気を利用し地球の重力に逆らって飛び上がるのには違いない。であれば、未来永劫いつまでも絶対確実に「2乗3乗の法則」からは逃れられない。

「2乗3乗の法則」とは何か。名前はいかめしいけれど、小学生でもわかる簡単なことだ。
よく飛ぶ模型飛行機ができたので、設計図を10倍に拡大して自分が乗れる実機を作ろうとする。
そのとき胴体の長さと幅、そして翼の長さと幅も10倍になる。当然、平面図つまり翼の面積は10×10=100倍になる。
ところが、三次元の物体の本当の大きさは「体積」であり、高さ方向の係数がかかる。これも10倍だから10×10×10=1000倍だ。
結果として「翼面積は100倍、体積(=重量)は1000倍」の鈍重なシロモノができあがり、これではまともに飛べない。
飛行機はムクの塊じゃないから体積そのまま重量が増えるわけではないけれど、それにしても「巨大化すれば重量がかさみ、相対的に翼面積が減少して飛ばすのが難しくなる」のは避けられない。これこそが飛行機の発明以来たくさんの技術者を悩ませてきた「2乗3乗の法則」だ。
さらに追い討ちをかけると、エンジン(推力)にも2乗3乗の法則が効いてくる。
プロペラやジェットエンジンの推力を決めるのは前方投影面積だ。要するにたくさんの空気をつかまえて後ろに押し出せば強い力が出る。だからといってそのまま大きさを倍にすると、前方投影面積は4倍なのに体積は8倍となり、推力重量比が低下してしまう。まったく困ったものだ。

要するに、空を飛ぶものは小さければ小さいほど楽であり、大きければたいへん苦労するのだ。
チョウはお気楽にふわふわ空気の中を漂っているけれど、ジェット旅客機は何キロも必死に滑走路を走らないと飛び立てない。これこそが冷厳な物理学(2乗3乗の法則)に支配される航空機の姿だ。
「ベルシオン飛行艇」の理屈は知らないけれど、実験映像を見る限り「驚異の飛行艇」は長さ1メートル程度の小さいものだ。チョウやハエがホバリングしても誰も驚かないように、この大きさの模型飛行機がホバリングするのは簡単だ。極論すれば、ちょっと強力なエンジンがあれば機体の設計など大して影響がない。
鈴木氏の言うように「機体が大きくなるほど空気をつかめ、安定して飛べる」実機が軽やかに飛んでみせたら私も大いに感心するが、革命的に強力なエンジン(ミノフスキー融合炉とかS2機関とかシズマドライブ)ができない限り絶対無理だ。

先日の毎日新聞のフリーエネルギー記事(幻影随想: 毎日新聞がフリーエネルギー詐欺に引っ掛かっている件について)もそうだけれど、大手マスコミの記者でも科学部以外はびっくりするほど科学的常識が抜けている。私のようなド素人でも「えーと、ネタだよねこれ? …違うの?」と呆れてしまうくらいだ。
しっかりしてくださいよまったく。

風邪の夢

2009年02月19日 | ネタとか
夜中にネット巡りしてたらなんだか具合が悪くなった。
頭が重い、胃がむかむかする、節々が痛い。「あれ、風邪かな」と思ったとたんに背中に強烈な寒気が走る。あわてて薬を飲んで布団にもぐりこみ、「インフルエンザじゃありませんように」と祈る。熱のせいか薬のせいか、なんだか妙な夢を見る。



一夜明けるとすべての表面に斑点ができていた。
小指の先ほどの大きさで、丸くてクレーター状に縁が盛り上がっている。内部はややへこんでいてじくじくしている。要するに巨大なニキビが潰れたような代物だ。そんなブツブツが家の床から天井、本やテレビ、洋服も家具も自動車もガラス窓もゲーム機も、ありとあらゆるものの表面を覆いつくしている。もちろん人の体も例外ではない。
「ああ、今年もそんな季節なのか」俺はちょっぴり憂鬱になる。別に驚きはしない。
5年ほど前から毎年春の気配が訪れるころに起きる奇妙な現象で、「表面病」と呼ばれている。文字通りすべての表面にブツブツを作るが、内部には何の影響も与えず、一週間ほどできれいに消えてしまう。
原因はまったくわかっていない。化学物質の影響とも、放射線だ、いや病原体だ、はたまた宇宙人の仕業だとまで言われるが、科学者の必死の努力にもかかわらず解明の糸口さえつかめない。
世間は一年目二年目には大騒ぎしたが、三年目には慣れてしまった。今や表面病は黄砂や花粉病のような春先の風物詩である。そうはいってもブツブツだらけの姿を人に見せたくはないから、この時期は「表面病休暇」で家にこもる人が多い。どうしても外出する必要があるときは大きなサングラスとマスクで顔を隠す。日ごろ「人は見かけじゃない」と言っている人ほど表面病に大騒ぎしたり、かと思うと「表面病によってルックスの格差は粉砕された!今こそ立ち上がれ、全国のブサイクたちよ!」と煽る連中もいて、この時期は変に騒々しい。
俺は出かけなければならない用があるのだが、うっかりサングラスとマスクを用意するのを忘れていた。ブツブツだらけの顔で町に出てもいいのだろうか。ミイラ男みたいに顔に包帯を巻くか、それとも紙袋でもかぶろうか。考えているうちになんだか面倒になり、外出はやめにする。
表面ばかり気にする世の中に俺はうんざりしているし、世の中のほうでも俺を必要としていない。バカバカしい、引きこもってゲームでもするさ。
…と思ったけれど、表面病はテレビ画面も本のページも覆いつくしていて、暇つぶしもままならないのだった。俺は呆然と天井を見上げたが、そこもブツブツだらけだ。


悪夢も見れば、夢のようにすばらしい夢(変な表現)も見る。


僕の彼女は長澤まさみだ。
長澤まさみに似た彼女、ではない。長澤まさみ本人である。
どこで知り合って、どういうふうに付き合いを深めて恋人になったのかぜんぜん覚えていない。どうでもいいじゃないかそんなことは。とにかく、僕の汚い部屋の真ん中で、長澤まさみが女の子座りをしてうるんだ瞳で僕を見つめている。これは夢でも幻でもない現実だ。
彼女の発するオーラがこの部屋を満たしている。すべてのものが祝福され価値を二倍に増した。もちろん僕自身も、彼女を愛し、彼女から愛されることで初めて完全な人間となる。プラトンのアンドロギュノスの寓話を思い出す。彼女こそ僕の失われた分身だ。出会った瞬間に二人ともそれに気付いた。だから彼女は今ここにいる。
長澤まさみの輝く瞳、甘い唇、豊かな胸、すらりと伸びた手足。そのすべてが僕のものだ。僕が望むことなら彼女は何でもしてくれる。二人は恋人同士なのだから。こんなとき、健康な男が望むのはただ一つ。そう、誰にも邪魔されない濃密な愛の時間。
「まさみ」と僕は呼びかける。「ちょっと膝枕してよ」
彼女は恥ずかしがるけれど、結局は願いを受け入れる。なにしろ僕にメロメロなのだ。
僕はごろりと床に横たわり(その前に散らかった本や雑誌をたくさんどかさなければならない)、遠慮せず彼女の太股に頭を預ける。見上げると長澤まさみの笑顔がある。優しい手がそっと頭を撫でてくれる。
膝枕の上でたわいもない話に生返事するうちにだんだんうとうとしてくる。彼女の肉体の弾力、温かさ、息遣いと鼓動。目が覚めたとき彼女が消えているんじゃないかと心配したりしない。明日はいつも今日より明るいし、幸せはいつまでも続く。愛は決して失われることがなく、与えれば与えるほど自分も豊かになる。ぼんやりとそんなことを思っているうちに、いつしか眠りの淵へと引き込まれる。



朝の光が容赦なく瞼を貫く。
夢の中で眠りに入ったら、現実の自分は夢から覚めてしまった。
長澤まさみの姿は消えている。なぜだ!?
呆然としてしまい、自分が誰でどこにいるのか、理解するまで数秒かかった。「なんだ、夢か…」
気がつくと風邪の症状はすっかり消えていた。
そりゃそうだ、と私は思う。
なにしろ、長澤まさみに膝枕してもらったんだから。

いつまでも坊さんと思うなよ

2008年07月09日 | ネタとか
平凡な大学を平凡な成績で卒業した「ぼく」は地味な大企業に入社する。
運試しのつもりで入社試験を受けたら受かってしまったのだ。
入社式ではなぜかお偉方が頭の形や声量をほめてくれる。皮肉めいたことを言う人も。

不思議に思いながら初出社。
「企画開発五部」の辞令を渡される。野心があれば「企画開発」に喜ぶのだろうが、平凡に生きていきたい「ぼく」は総務を望んでいた。不安がる「ぼく」を人事部の人が励ます。「君の頭の形のよさと声量があれば大丈夫」。
連れて行かれた「企画開発五部」は地下倉庫の奥。なぜか抹香臭い。
防音扉を開けると読経の声がとどろく。

観自在菩薩行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄。舎利子。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。受・想・行・識亦復如是。舎利子。是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。是故空中、無色、無受・想・行・識、無眼・耳・鼻・舌・身・意、無色・声・香・味・触・法。無眼界、乃至、無意識界。無無明、亦無無明尽、乃至、無老死、亦無老死尽。無苦・集・滅・道。無智亦無得。以無所得故、菩提薩埵、依般若波羅蜜多故、心無罣礙、無罣礙故、無有恐怖、遠離一切顛倒夢想、究竟涅槃。三世諸仏、依般若波羅蜜多故、得阿耨多羅三藐三菩提。故知、般若波羅蜜多、是大神呪、是大明呪、是無上呪、是無等等呪、能除一切苦、真実不虚。故説、般若波羅蜜多呪。
即説呪曰、羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶。般若心経

中には10人ほどの坊さんと尼さんがいてお経を読み木魚を叩いている。
「な、何ですかここは」
「わが社の中枢、企画開発五部・通称B部(坊主部)へようこそ」

世間では普通の電気部品メーカーと思われているK電機の秘密、それが「読経による鎮護会社」を業務とするB部だった。
といっても社風が特に仏教的というわけではない。一般社員のほとんどはB部の存在自体知らないか、知っていても興味を持たない。なぜB部のような非生産的な部門が存在しているのかというと、創業者であるカリスマ会長(谷啓)の趣味らしい。現社長(会長の息子)はB部を廃止したがっている。その動きに対抗して会長が特に指名した「頭の形がよく声量のある新入社員」こそが「ぼく」だった。

「仏教大学を出た本職を入れればいいじゃないですか」
「会長は色事でも宗教でもプロがお嫌いなのだ」「銀座のバーに行ったことがないといつも自慢しておられる」
「そんな無茶な」
「君は会長に見込まれた期待のエースだ、逃げるのは許されない。さあ、さっそく剃髪だ」
「うわあああああ」

B部の社員のほとんどは宗教心を持たない「コスプレ坊さん・尼さん」である。
他部署でトラブルを起こしたり仕事に行き詰った社員が息抜きとしてB部に配属される。彼らは数年間「坊さんごっこ」をしているという意識だ。個性的な人間ばかりで、真面目で素直な「ぼく」は翻弄される。
まともに仏教と向き合っているのは部長(柄本明)と広末(広末涼子)の二人だけ。「ぼく」は袈裟の着こなし、経の読み方、木魚のたたき方を厳しく仕込まれる。

ときどき会長が現れては謎の訓辞をする。深い意味があるようでないような内容。他の社員は聞き流しているが「ぼく」はますます頭が混乱する。気が付くと広末だけがいつも会長訓示を欠席している。
実は広末は会長の愛人の娘だった。現社長からは家族として認められていない。小さい頃から仏教好きで「将来の夢は尼さん」だったのが、会長の命令で無理やりB部に入れられた。彼女は会長のいい加減さとわがままさに反発している。

部長はただ一人の本職である。実家の寺を潰してしまい、路頭に迷っていたところを居酒屋で会長に拾われた。ちょうど前部長(これも元坊さん)が定年を迎えB部は存続の危機を迎えており、「まともに経が読めれば誰でもよかった」というのが本当らしい。それでも部長は会長に忠誠を誓い、B部の存在に疑問を持たず熱心に経を読み続けている。

B部の存在について緘口令が敷かれているわけではないが、なぜか社外への秘密が保たれている。
それは会長のカリスマ性のためだとも、あるいは会社の恥部としてタブーにされてるのだとも言われているが本当のところはわからない。

「ぼく」と坊さん社員たちとの交流。バカバカしいトラブルが続出。
個性的な連中が起こすドタバタの尻拭いはいつも「ぼく」と広末先輩の役目だ。二人の間になんとなくいい雰囲気が。
袈裟も読経も板に付き、立派な「坊さん社員」となった「ぼく」は「これこそ天職ではないか」と思い始める。
そこに勃発する大事件。
K電機を揺るがす騒動はやがて日本の存亡、世界の運命にも関わる未曾有の法難であることが明らかとなる。これを止められるのは素人坊主の集まり「企画開発五部」しかない!
ついに語られる会長の秘密、「B部」の謎、そして坊さん社員たちの意外な過去と能力。
果たして「ぼく」は世界を救えるのか、そして恋の行方は!?



…という夢を見た。
「なんだ夢の話か」とがっかりした読者は正しい。人の夢の話ほどつまらないものはない。
夢を見ていたときは「なんておもしろいんだろう!」と興奮したのに書き起こしてみたらそれほどでもなかった。なんだか「ショムニ」「ケイゾク」「鹿男あをによし」と、タモリ倶楽部「東京ボーズスタイル2008」を混ぜ合わせたみたいだ。
ヒロスエの尼僧姿が見たい!というマニアが2000万人くらいいたらドラマ化されるかもしれない。
ちなみに私自身は、夢でたくさん見たからもういいや。特に広末涼子のファンじゃないし。
それにしてもなぜ広末なのだろう。謎。

ザビエルが来た!

2008年06月29日 | ネタとか
やっぱりザビエルだよな! あいつはイカしてるよ!! 最高!!!
……などと妙に興奮してしまった。小学生か俺は。

asahi.com(朝日新聞社):卑弥呼は正解99% 歴史の人物、業績は?小6など調査 - 社会
 日本の歴史上の人物はどんな業績を残したか。小学校6年生では卑弥呼や外国人の正答率が9割を超えた一方、幕末~明治に活躍した政治家は軒並み5割以下だったことが、国立教育政策研究所が27日公表した調査結果で分かった。研究所は「近現代史では登場人物が増え、特徴的なエピソードを教えるのが難しくなる。特に明治以降は工夫が必要だ」と分析している。

 この調査は社会科の理解度を調べるのが目的で、07年1~2月、全国の小6生6665人と中3生9394人を対象に実施された。

 小学校の学習指導要領に明記された42人の業績を示し、どの人物なのかを選ばせる問題では、「邪馬台国の女王になった」卑弥呼が正答率トップ。以下、「キリスト教を伝えた」ザビエル、「黒船で来航した」ペリー、「黄熱病の研究」の野口英世、「水墨画を完成させた」雪舟と続く。

私は九州出身でもクリスチャンでもないので、特別ザビエルに思い入れする理由はない。だが、小学生中学生に強い印象を残した理由はよく分かる。なんといってもザビエル様はカッコいい。個性的で超ビジュアル系でインパクト抜群だ。正答率97.7%は伊達じゃない。


ザビエル様


小学六年の社会科教科書でザビエル様に出会ったとき、脳天から爪先まで衝撃が走った(大げさ)。
「な… なんだこいつは!」
感銘を受けたのは私だけではなかった。前の席にいたお調子者の男子(吉田くん)は「すげー!」と叫び、隣の席のかわいい女子(中山さん)はくすくす笑った。
先生は「こら、騒がない! …まったく、このページになるといつもこうなのよ」とぼやいた。
先生がどれほど注意しようと、ザビエル様のお姿は小学生の心をつかんで離さない。休み時間にはほぼ全員の教科書に落書きされ、無残にもザビエル様の頭には角が生え、サングラスをかけ額に「ハゲ」の文字が刺青されるのであった。

大人になってから見てもやはりザビエル様のお姿はインパクト抜群だ。
まず独特の髪型。あれは「トンスラ」という。ドラゴンクエストにも出てた。いや、それはトンヌラだ。サマルトリアの王子弱すぎ。

トンスラとは - はてなダイアリー
tonsure

髪型の一つ。頭頂部の毛を円形に剃ること。

キリスト教の信者が聖職者である司祭になる修行の通過儀礼として行う。

なお、頭頂部を丸く剃る理由としては、

「キリストの頭に巻かれていたイバラの冠の形に似せているため」

というのが最も有力な説である。

小学生がイバラの冠など知るはずもなく、ザビエル様の髪型は「カッパハゲ」だということでクラス全員の意見は一致した。

ザビエル様のチャームポイントは髪型だけではない。天を見上げるまなざしも素敵だ。
神への熱烈な愛情を見て取るのが正しい鑑賞法だが、小学生の素直な感想は「危ない目つきのおじさん」である。「高橋先生に似てる」「駄菓子屋のオヤジそっくり」「吉田のお父さんじゃないか」といった言葉が飛び交い、吉田くんは「ぜんぜん似てないよ!」と本気で怒った。

そしてザビエル様の手。
なんだか折り紙細工のように立体感がない。指が骨折したように見える。
それはともかく、自分の心臓を手に持ち、そこに十字架が突き刺さってる。こんな不思議なものを見たのは初めてだ。
 「心臓を取り出すと死んじゃうよ」
 「なんという勇者」
 「というより無茶」
 「絵が下手だなあ」
 「昔はこれでも上手だったんだよ」
 「わたしのほうがうまく描けそう」
 「俺のほうがうまいぞ」
 「えー」
 「何を、それなら勝負だ!」
小学生はつまらないことですぐケンカする。


ザビエル様はカトリック教会で認められた聖人だ。「聖パウロを超えるほど多くの人々をキリスト教信仰に導いたといわれている」偉大な宗教家である。
そんな人をカッパハゲとか目つきが危ないとか書いてしまい、不快に感じた方にはおわびします。申し訳ありません。
ザビエルやカトリックを揶揄するつもりはまったくない。
キリスト教のことなど何も知らない小学生の心にザビエルの画像はインパクトを与えた。落書きしてはしゃいだのは子供の頃の懐かしい思い出である。ザビエル様ありがとう、というのが私の偽らざる気持だ。
本当に、正答率97.7%は伊達じゃない。