玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

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厄病亀

2009年09月28日 | 日々思うことなど
私は経済のことはギリシャ語と同じくらい得意である。
要するにチンプンカンプンということですが。
そんな自分にも最近の亀井金融・郵政担当相の債務返済猶予(モラトリアム)論はたいへん危なっかしく見える。
大丈夫か本当に。誰かなんとかして。

金融音痴を露呈した民主党 「返済猶予」が引き起こす深刻な副作用 JBpress(日本ビジネスプレス)
asahi.com(朝日新聞社):「私の発言で株価下がるような銀行は…」勢いづく亀井節 - 政治

それはともかく(ともかく?)、株価も順調に(!)下がったことだし、亀井大臣が「厄病亀」呼ばわりされる日は近いと思われる。
というか、まだ誰も使ってないのが不思議だ。




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首相指名「白紙投票」論の馬鹿らしさ

2009年09月04日 | 政治・外交
「貧すれば鈍す」などというけれど、惨敗した自民党は矜持とか常識的な判断力をどんどん失っているようだ。

首相指名「白票で統一」…自民内に広がる : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 16日の衆参両院での首相指名選挙に関し、自民党内では白票を投じるよう対応を統一すべきだとの意見が広がっている。

 3日の山崎派会合では武部勤・元幹事長らが「白票を投じる。『麻生』とは書けない」と、執行部を批判した。地方組織では福島県連が4日の全国幹事長会議で、白票投票に変更するよう申し入れる予定だ。首相指名選挙で造反が続出すれば党再建の出はながくじかれる。2日の谷垣禎一・元財務相、高村正彦・前外相らベテランの会合では「党内をまとめるには白票しかない」との意見が相次いだ。

 一方、石破農相は3日の津島派の会合後、記者団に「白票はあり得ない。首相指名は議員が国民から負託された仕事だ」と訴えた。「18日告示・28日投開票」の日程を首相指名選挙前に前倒しし、新総裁に投票できるようにすることを念頭に置いた発言と見られる。町村派会長の町村信孝・前官房長官も記者団に「できればその方が良い」と前倒し論に理解を示した。


自民執行部、首相指名は「白紙投票」で調整 - asahi.com(朝日新聞社)
 自民党執行部は、16日召集の特別国会の首相指名選挙で「白票」を投じる方向で党内調整に入った。総選挙惨敗の責任を取って党総裁辞任の意向を表明した麻生首相の名前を書くことに対する強い反発に配慮した。ただ、「白票」への抵抗感も根強く、党内調整に手間取る可能性もある。

(中略)

 首相周辺は4日朝、「白紙しかない。総理も白紙だろうが何だろうがまとまればいい(との考えだ)。白紙から出直すという意思表示でいいのではないか」と語った。首相と細田博之幹事長ら党幹部の調整でも、白紙投票もやむを得ないという方向になっているという。

バカじゃなかろうか、とか小学生じゃあるまいし、という感想しか出てこない。
ひたすら見苦しくて情けない。本当にいい加減にしてほしい。

そもそも、「首相指名選挙で麻生総裁の名を書きたくない」という感覚がわからない。
いや、「なんか嫌だな」「ちょっと恥ずかしい」と感じること自体はわからなくもないのだが、保守政党の国会議員とあろうものがそれを公言したり、あまつさえ党執行部が白紙投票で統一しようとするなんてあまりにも非常識で考えられないことだ。

8月30日の選挙であなたたち自民党の候補者は「麻生内閣の存続」を訴えて選挙戦を戦ったのではないのか。
それを信じた多くの有権者が投票した。獲得議席数で惨敗したとはいえ自民党の得票率は小選挙区で38・6%(2730万票)、比例区では26・7%だ。当選した議員が「麻生と書きたくない」とゴネるのは投票してくれた有権者への裏切りではないか。
さらに言えば、自民党は保守政党をもって自らを任じているはずではないのか。
保守的というのは、既成の秩序を尊重する、伝統的倫理を守るということだろう。「空気」やらその時の感情に流されて好き勝手を言うことではない。秩序の軽視とか伝統的倫理の変革をよしとするラジカルな個人主義の党であればともかく、保守政党の議員が子供のようなわがままを叫んで恥じないというのはまったくどうかしている。保守的な政治家が「日本人なら皇室や国旗を敬うのが当然」と宣うのであれば、自分の党の代表(自民党総裁)をちゃんと尊重して範を示すべきだ。

仮に麻生総裁が「選挙で惨敗したのは自分の責任ではない、自民党総裁は辞任しない」などと開き直っていれば「ふざけるな、お前なんかに投票できるかよ」と議員が反発するのもわかる。だが実際は潔く自分の責任を認め、辞任の意向を明らかにしている。「総裁選の日程が遅すぎる、特別国会前に新総裁を選ぶべきだ」という意見には一理あるが、首相指名選挙造反の脅しでゴネるのは筋違いである。
自民党所属議員は「お疲れ様でした」と気持よく見送るのが麻生総裁と麻生内閣を支持してくれた国民に対する礼儀だろう。雪斎先生は「自民党全体で麻生総裁の切腹を「介錯」するのだと思えば済むことである」とまことにうまい言い方をしている。首相指名選挙で麻生総裁に投票して負けるのは選挙で惨敗した総決算にふさわしいけれど、白票とか総裁以外の誰かに投票という姑息なやり方はただの恥さらしだ。
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「愚民」とか「B層」とか(その2)

2009年09月01日 | 政治・外交
前の記事では「選挙で負けた側の支持者が勝った側に投票した有権者を「愚民」(「B層」)呼ばわりしてバカにするのは見苦しい」と書いた。
「負け惜しみはみっともない」という感覚はとりあえず同意いただけたとして、「愚民」呼ばわりするな、というのには異論が出るだろうと思う。「バカと言う人がバカなんです」という小学校の先生めいたお説教を聞かされたら「バカにバカと言って何が悪い」と反論したくなるのが当然だ。
その通り、何も悪くない。言われた相手(バカ)の気分が悪くなるだけだ。「バカの気分を悪くしてやると胸がスッとして気持いいなあ」と感じる人はいくらでも「敵方」に味方した有権者を愚民呼ばわりすればいい。どうぞご自由に。

…これだけでは何なのでもうちょっと書いてみよう。
私が問題にしたのは「選挙の敗者が勝者(有権者の多数)をバカにすること」である。一般論として、倫理の問題として「バカをバカにするな」というよりも、「それって政治的戦術として不合理だよね」という考えに近い。選挙は支持(共感)獲得ゲームなのだから、嫌われるようなことをすればますます勝てなくなる。
ものすごく乱暴に言ってしまうと、人間を動かしているのは感情と欲望である。理性は感情と欲望をかなえるための道具にすぎない。
感情の中でも「名誉の感覚」は個人の基本的なアイデンティティに関わる敏感な部分だ。ちょっと触れられただけでも痛みに飛び上がり、怒りの炎が燃え上がる。

殺人 - Wikipedia
瑣末な揉め事(口論)のケース

殺人事件の動機で最も多いケース。
目と目が合った、肩がぶつかった、足を踏みつけた、車で追い越しをされた、パッシングをされた、順番を無視した等、一歩引いて謝れば解決できるのにそれをせず、口論をするうちに熱くなって止められなくなり殺してしまうというもの。多くが傷害致死で起訴され、ナイフのような致命傷になる武器で攻撃をした時に殺人で立件される。

この動機はその場でのものの他、後に尾を引き計画的に殺されるという事件も発生している。

殺人はさすがに極端な例だが、他者の「名誉の感覚」をみだりに傷付けるとろくなことにならないのは間違いない。
「バカにされた」と感じた人がバカにしてきた相手に好感を持つだろうか。「よくぞ忠告してくれた」と感謝するだろうか。そんなことはほとんどありそうにない。むしろ反感と不信ばかりが募る。

 (こいつは嫌な奴だ)
 (私をバカにした、私の感情を平気で・面白がって傷付けた)
 (こいつは私に悪意を持っているのだろう)
 (こいつの言うことは私を陥れるための罠だ)

一度不信感を持たれると、どれほど「正しいこと」を言ってもなかなか聞いてもらえない。腹いせのために「批判」を無視して「忠告」と反対のことをわざとやったりする。

 「あっ、バカだなあ、今の交差点で右折だろ!グズグズしないでUターンして!」

 (ムカついて)「…こっちのほうが近道なんだよ、黙ってろ!運転してるのは俺だ!」

そのまま間違った道を突き進んだ二人は山の中に迷い込んでガス欠になったりする。「バカにバカと言った人」がそのせいで「バカ」といっしょにバカな目にあう。これではどちらがバカなのかわからない。


「バカと言う人がバカなんです」と「バカにバカと言って何が悪い」の対立は、善悪(倫理)の問題として論じるよりも損得の問題として、コミュニケーション技術の話として考えたほうが便利だ。
そのときの状況や相手との関係によっては「バカにバカと言う」ことが適切で簡単なこともあるだろう。
だが、むしろ相手の感情をこじらせて悪い結果になることが多そうだ。なにしろ相手は「バカ」なのだから、感情にとらわれて不合理な判断をする傾向が強い。それがわかっていながらわざと侮辱する人も決して賢いとは言えない。
「バカ」とどうやってコミュニケーションするかという永遠の大問題について考えるとき思い出す話がある。

戦争の始まりと終わりがよくわからない
中世ヨーロッパ人の暮らし

どちらも2ちゃんねる初期の名スレだ。
「戦争の始まりと終わりがよくわからない」のスレ主は空想的平和主義者であり、「中世ヨーロッパ人の暮らし」のスレ主はファンタジーと史実を混同している。どちらも無知な「バカ」だ。「バカ」に対して軍事板住民と世界史板住人はバカにしたり親切に教えたりしながら対話を重ねる。1000に達した頃にはスレ主は学ぶ喜びを知り、専門板住民は知識を分かち合う楽しさを思い出す。
「バカをバカにして山の中に迷い込む」ナビゲーターとは対照的だ。基本的にバカな私もどちらを見習うべきなのか悩むことはない。
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