玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

「フレフレ少女」見たよ

2009年08月24日 | テレビ鑑賞記
投票日まで一週間切ったし選挙のことでも書こうかなと思ったけど、いろいろめんどくさいのでフレフレ少女について。
おもしろかったよフレフレ少女、かわいいよ素敵だよガッキー。

「フレフレ少女おもしろかった」とか言うと目の肥えた映画好きの方々から白い目で見られそうですが、うるせーんだよオタクどもが!ひとさまの好みにケチつけるんじゃねえ!…などとキレるのも暑苦しいので普通に言い訳します。映画館で1800円(だっけ?)払って見たら腹立つだろうし300円でビデオ借りたとしてもその金で「ドロリッチ買って喜んで飲んだらカロリーが気になって一時間ジョギングしたら汗だくでシャワー浴びたら気持いいぜ」体験したほうが満足感高そうだけどつまり要するに夏の夜にテレビで見て暇つぶしするにはうってつけのアイドル映画としてたいへん結構でした。

この映画がどういう経緯で作られたものなのかぜんぜん知らないけれど、「ガッキーの学ラン姿が見たい!」というマニアックな誰かの欲望をかなえるためだと考えるとストンと腑に落ちるし、その誰かさんはすごく正しい!先見の明がある!あんたはエラい!と賞賛するのにやぶさかでない。以下ストーリーとか設定とか無視して新垣結衣さんのコスプレ映画として論じる無礼をどうかお許しください(誰に謝ってるんだ)。

画面に最初に登場したガッキーは女子高生ということでセーラー服を着ているのだけれど、正直言って微妙である。私はこの映画の存在をこれまでテレビCMだけでしか知らず、ガッキーの年齢(撮影当時20歳)とか雰囲気からして大学の応援団の話なのかな?と思っていた。まさか女子高生で攻めてくるとは思わなかった。無理があるだろjk
新垣結衣さんは顔立ちも「かわいい」というより「すっきりした美人」であり、なにより手足がすらりと長い。セーラー服を着て教室で座っているよりスーツ着てメガネかけて教壇に立つほうが似合ってる。メガネ…美人教師…タイトスカート…いやいやそれはエロすぎだから!ガッキーアイドルだから!まったく男って奴はバカでスケベだから困る(って自分だろ)。

「なんだかなあ」と思って見ていたセーラー服はあくまでオードブルで(贅沢だなー)、この映画の本質はあくまでも学ランガッキーにある。ところがガッキーはなかなか学ランを着てくれない。ほのかな恋とか仲間集めとか地獄の合宿とか応援団精神とかどうでもいいから早くしろ早く。ガッキーの入浴シーン(といっても顔だけ)を忘れずに入れた製作者のサービス精神は高く評価できる。

汗と涙の応援団合宿でがんばったガッキーは暑苦しい先輩(内藤剛志)に認められて団服、つまり学ランを手渡される。よくがんばったガッキー、こぶしを握り締め目に涙を浮かべて応援していた私(嘘)も感動した。だから早く学ラン姿を見せてくれ。ちなみに、学ラン授与の儀式は二代目スケバン刑事が暗闇指令からヨーヨーを手渡されるシーンのオマージュである。     (←信じるなよ!)
学ラン姿のガッキーは期待にたがわずよく似合っていてカッコいい。素敵だ。やはりアイドル映画はコスプレしてなんぼである(セーラー服を含む)。ガッキーのセーラー服姿を微妙にしていた要素、つまりスッキリした美貌や手足の長さが学ランにピタリと決まって見映えがする。うる星やつらの竜之介とか「鈴木くんと佐藤くん」(変)の佐藤藍子とか、学ラン美少女は何人かいたけれどガッキーはそのすべてを超えた。ガイアがガッキーに輝けと囁いている。

学ランガッキーに大満足してその後のストーリーはよく覚えていない。というかクライマックスで野球部が勝とうと負けようとどうでもいい。あくまでも応援団(とガッキーコスプレ)の映画なのだから。むしろライバル校の応援団長が見せる硬派ぶりとか応援団文化のほうが面白かった。今でもあんなに気合の入った硬派がいるのだろうか?絶滅危惧種に指定してただちに保護すべきだ。私が高校生のころ(大昔)にはすでに応援団は「モノズキな連中だなー」と憫笑されていたように思う。自分も体育会とか硬派とか苦手な軟弱者だったので「ダサい、野蛮だ」と決め付けていた。だが今になってみると硬派の文化というのそれはそれで味わい深い。ヤンキー文化の源流としてシーラカンスとかオオサンショウウオのような存在感がある。応援団はたぶん旧制高校から続く日本独自のものなのだから、硬派一直線の高校生は自分は伝統文化の担い手なのだという誇りを胸にひたすら男磨きにはげんでいただきたい。

気になる女性

2009年02月12日 | テレビ鑑賞記
なんだか思わせぶりなタイトルですが、恋愛とかそういったお話じゃないので、どうもすみません。

「いいとも少女隊」のリンさんが気になる。
私が「笑っていいとも!」を見るのは南野陽子が出ている木曜日だけなのだが、番組中のゲーム「定番ショー」(世間で定番とされるものを一人ずつ書いてチームで合わせる)で南野チーム側のアシスタントをしてるのがリンさんなのだ。南野陽子が写るとその奥にリンさんがいて笑ったりうなずいたり拍手したりフリップの用意なんかしている。その姿がなんだか気になる。もっと見ていたいけれど彼女のことを詳しく知りたくもない、という微妙な感じ。

ここで「リンさん」という呼び方について説明。
基本的に芸能人には敬称をつけないのだが(「南野陽子」「タモリ」)、リンさんについては「たぶんタレントさんなのだろうけど、他で見たことないしなんか素人っぽいし、普通の女の子がいいとものアシスタントをしていると思うほうが楽しいのであえて一般人として見る」という意味の敬称である。相棒のナオミについては、「ビヨンセの物まねをする芸人さん」という認識なので呼び捨てにする。特にリンさんをえこひいきしているわけじゃないのでご理解ください(…やっぱりえこひいきかな?)。

リンさんのアシスタントぶりを見ているとなんとなくいい気持になる。
控えめで甲斐甲斐しい。フレームいっぱいに写るのはオープニングだけで、タモリや他のタレントに番組中で言葉をかけてもらえることはほとんどないけれど、楽しそうに仕事をしている。それは相棒のナオミも同じなのだが、ナオミの場合は「タレントがテレビで仕事するのは当たり前」という感じであまり印象がない(ナオミさんごめんなさい)。
どうやら自分は「普通の、感じのいい女性が楽しげに働いている」姿を見るのが好きらしい。アイドルの水着グラビアやヌードより好きかもしれない。コンビニとかファミレスとか銀行とか本屋さんで感じのいい女性を見かけると「この人を30分くらい見ていたいな」と思うことがある。もちろんそんなことしたら怪しまれるので実際にはやらないけど。
ある種のスケベ根性なのは間違いないが、かといって話をしたいとかお近づきになりたいという感じでもない。なんというか、失礼な言い方だけど彼女たちを生身の人間と「感じのいい女性」という記号の中間くらいに意識している。「生身」が三次元で「記号」が一次元だとすると中間は二次元か。いや、すでに「二次元萌え」という言葉はあるから「2.5次元萌え」としておこう。

話をもとに戻すと、リンさんが気になるのはやはり2.5次元萌えの一種らしい。
「リンさんってどんな顔だっけ」とイメージ検索してみたら、探していた「いいとも」のスチール写真が見つかった。他にもいろいろな情報があった。名前が「鈴木凛」ということもわかったし、さらにはタレントさんらしいことも知り(そりゃそうだ)、中華系サイトでは色っぽい表情の水着グラビアまで見つけてしまった。
自分で検索しておいて「見つけてしまった」もなにもないものだが、「見なきゃよかったかな」と微妙に後悔するのが2.5次元萌えの症状である。リンさんはタレントさんだけあってやっぱりかわいいし、水着グラビアもそれ自体はたいへんけっこうなのだが「これを見てしまうともう『普通の女の子がいいとものアシスタントをしている』という夢が持てないな」と感じてしまう。そうはいってもやっぱり「タレントの鈴木凛」じゃなくて「リンさん」として見ようとするのに変わりはないけれど。
ここまで書いてきてようやく気付いたが、これってキャバクラに行ったとき女の子が「本業は女子大生です。お店に入ったのは三日前で、業界のシステムとかわかりません」と言うのを「本当かなあ(そんなわけないだろ)」と思いつつ一応は真に受けるのに似ている。現実の女性とちょっとだけ距離を置いてちょっとだけ理想化するほうが気楽で楽しい。
もちろんいいことだけじゃなく代償もあって、まともに女性と(人と)関わりたくないとか恋愛ができないとかいった副作用がある。私の場合はどうかというと、特にデリケートな問題なので回答は控えさせていただきます。

なんだか暗くなったので話を元に戻す(逃げてるなあ)。
「2.5次元萌え」にとってテレビほどすばらしいものはない。ぼーっと眺めているだけで感じのいい女性が見つかるし、意識して探せばもっとたくさんいる。テレビのいいところは女性を長時間見つめても怒られないことだ。とはいえ、何人かでテレビを見ているとき食い入るようにお気に入りの女性ばかり見つめると変なのでやめたほうがいい。
アイドルDVDとか「ネットアイドル」では「テレビで見かける感じのいい普通の女性」の代わりにはならない。アイドルは男たちに見てもらうのが仕事だし、ネットアイドルは仕事ではないにしても「私を見て!」という意識が強い。「見る ― 見られる」関係を意識してなさそうな(実際はどうか知らないが)女性を見てなんだかいい気持ちになるのが2.5次元萌えの楽しみなのだ。週刊誌などでは女子アナが人気だけれど、民放の女子アナはタレントと見分けのつかないことが多くて2.5次元萌えの対象になりにくい。私のお気に入りはNHKの女子アナとか地方局のレポーターさんなどである。

たとえば「解体新ショー」の久保田佑佳アナはなかなか微妙な存在で、見るものの力量が問われる。彼女はNHKのアナウンサーなのに毎回毎回アイドルみたいなキャピキャピ(死語か)の衣装を着ている。ミニスカートだったりフリルがバリバリだったり髪にリボンをしてたり(してたっけ?)。これを「タレント気取りかよ、いくらなんでも媚びすぎじゃないか」と思ってしまうとつまらない。「久保田アナ自身はアイドルみたいな衣装を恥ずかしがってるのに、上司の命令で無理やり着せられている」と妄想したほうが趣が深い。本当のところはどうか知りませんが。久保田アナはいつでもニコニコしてるし。

妄想しなくてもぼーっと眺めて素直に「ああいいなあ」と思えるのがBSニュース「きょうの世界」の丁野奈都子キャスターだ。例によって丁野さんがどういう人なのか知らないし特に知りたくもないけれど、彼女の姿を見ているとちょっとだけ幸せな気持ちになる。女性っていいな、感じのいい女性はまことに日本の宝であるな、と思える。
容姿も雰囲気も仕事ぶりも、ほどよく感じがよくて決して過剰じゃないところがすばらしい。容姿でいえば、たとえばフジ「ニュースJAPAN」の滝川クリステルさん(好きですが)なんかはちょっと美しさが過剰だ。「ニュースキャスターよりモデルのほうが向いてるんじゃないか」とか余計なことを考えてしまう。その点、丁野さんは世界のニュースを伝える女性として過不足のない美しさ(どんなだ)である。
雰囲気と仕事ぶりもいい。引き合いに出して申し訳ないが、「ニュースウォッチ9」の青山祐子アナは画面から「張り切っている、元気がある」アピールが伝わってきてなんだか疲れる。スポーツコーナー担当だったときは元気さが合っていたけれど、メインのキャスターとしては過剰だ。「ニュースウォッチ9」のあとで「きょうの世界」を見ると丁野さんのあくまでも普通でていねいなニュースの伝え方に癒される。


なんだか話があっちこっちにいってしまったが、そうだ、「いいとも」のリンさんのことを書いていたのだった。
私が彼女のことを「たぶんタレントさんなのだろうけれど素人っぽいな」と感じたのは地味さからである。相棒のナオミにたいへん存在感があるのに対して、リンさんはなんだかとても普通だ。その昔(というかすでに大昔)おニャン子クラブで、平凡な顔立ちの新田恵利がいちばん人気があったことを思い出す。
「いいとも」で見ている限りではリンさんの顔立ちも地味で、松たか子とかNHKお天気キャスターの半井小絵さんにちょっと似ている。松たか子も半井さんもけっこう好きだ。私の好みはともかく、リンさんも地味系(微妙系)美女タレントとして人気が出てCMやバラエティに出るのだろうか。そのときは普通の女の子の「リンさん」ではなくタレントの鈴木凛としてある程度シビアな目で見てしまうだろう。彼女に売れてほしいようなそうでもないような、なんだか微妙な気持ちでリンさんを眺める木曜日である。

夏が終わる日

2008年08月12日 | テレビ鑑賞記
オリンピックには基本的に興味がないのであまり見ていない。
それでも開会式は少しだけ見た。30分くらい。
金を掛けてるのと気合が入ってるのはよくわかった。
中国の歴史と文化が豊かで素晴らしいのも納得した。
それでも手放しで興奮したり喜ぶことはできなかった。
むしろ見ているうちにだんだん淋しくなってチャンネルを替えた。

粗が気になったわけじゃない。会場にWindowsのブルースクリーンが出ようと「巨人の足跡」がCGだろうと、そんなことはどうでもいい。むしろご愛嬌である。
「画面は明るく華やかなのに、出てくる人たちみんなはしゃいでいるのに、見ているうちなぜか物悲しくなる」
この感じは何かに似ている。そうだ、毎年恒例のアレだ。
日が短くなりはじめ、天気予報で台風情報が流れるようになり、小学生が大量の宿題にてんてこ舞いする頃に放送されるあの番組。

24時間テレビ 「愛は地球を救う」 - Wikipedia
24時間テレビ 「愛は地球を救う」(24じかんテレビ あいはちきゅうをすくう)は、日本テレビ系列(NNS)の放送局が毎年8月下旬の土曜日から日曜日にかけて生放送で実施されている募金チャリティー活動を目的とする日本のテレビ番組である。通称「24時間テレビ」(英語表記:24HOUR TELEVISION "LOVE SAVES THE EARTH")。

そういえばオリンピックも24時間テレビもマラソンが目玉だ。まあこれは日テレが真似たのだけど。
あと二週間でオリンピックは閉幕し、子供たちの夏休みは終わり、セミは骸をさらす。
がんばれ日本、加油中国。

ヤスコとゴンゾウ

2008年07月23日 | テレビ鑑賞記
夏のドラマで見てるのは二つ。
暑いのでなるべく頭を使わないで(必要なときも使ってないけど)ぼーっと見てられるドラマがいい。


■ ゴンゾウ テレビ朝日系 水曜9時

「風林火山」内野聖陽と「ファイト」本仮屋ユイカ。どっちも好きだ。
内野聖陽はさすがに演技がうまい。うまいけど男臭くて暑苦しい。うまいけど臭くて熱い、とんこつラーメンのような役者だ。
本仮屋ユイカの顔は地味だ。地味だけどかわいい。昔の彼女にちょっとだけ似てる。もし性格まで似てたらかわいいというよりおっかないが、このさい気にしない。ユイカの和風顔が内野の暑苦しさを中和してる。これが山田優だったら暑苦しくて見てられない。
ストーリーは今のところよく分からない。
女子大生殺しの本筋はまだ動かず、登場人物紹介とともに燻製ニシンを食わされる。今のところ特におかしな部分はないので、ちゃんとまとめてくれるだろうと期待。
同じテレ朝系、去年秋の刑事ドラマ「ジョシデカ!」はひどかった。第一話を見たときから嫌な感じがして、予感がそのまま的中してしまった。無能なトリガー・ハッピー(拳銃撃ちたがり)の女刑事に魅力を感じるのは無理だ、いくら仲間由紀恵でも。
今のところゴンゾウは大丈夫そうだ。「伝説の刑事」(内野)の復活と鶴(本仮屋)が退院して捜査に加わるのに期待。
筒井道隆の演技と存在感がアイスキャンデーのように涼しくてよい。エアコンいらずの爽やか男。


■ ヤスコとケンジ 日本テレビ系 土曜9時

「鹿男あをによし」で気になっていた多部未華子と、このあいだで見て気になっていた広末涼子が出てるので見ずにいられない。特に多部の三つ編みと広末のヤンキーコスプレがポイント高い。
多部未華子はいいなあ。
声を聞いてるだけで癒される。そういえば本仮屋ユイカも声がいい。自分はけっこう女性の声にこだわるほうだ。女性を顔か声のどちらかで選べ、と言われたら声で選ぶかも。…と言いつつ、ずっとファンを続けてる南野陽子の声は甲高くて聞きづらい。好きだけど。
多部未華子という女優さんは不思議な人で、特に美人じゃないし演技も感動的にうまいわけじゃないけど、なんか気になるのである。雰囲気がいいというか頭よさそうというか、筋の通らないことはしない真面目さを感じる。本当はどんな人なのか知らないけど。
広末涼子もいいぞ。むしろ良すぎて困る。
アイドルとしての全盛時代からゴシップ量産時代にかけての広末には興味なかったけど、最近はなんだか気になる。このあいだテレビで見た「バブルへGO!」の広末はなかなか良かった。特に競泳水着が(結局そこかよ)。
あれ以来、心のどこかに「広末のコスプレが見たい」という願望が生まれたらしい。そんな自分にこのドラマはぴったりだ。広末の目に炎が写る(ヤンキースイッチON)と大喜び。似合わないヤンキー言葉で凄んだり特攻服姿でキメる広末を見て「そうそう、これが見たかったんだ、俺は!」という感動に包まれる。求めよ、されば与えられん。
世の中に「広末のコスプレが見たい」密かな欲望を抱く視聴者がどれだけいるのか、それともぜんぜんいないのか知らないが、すくなくとも私は大満足である。個人的好みにピンポイントで命中。日テレよくやった。
お話のほうはいかにもマンガ原作という感じでバカっぽくてたいへん結構である。見ている間ずっとニヤニヤしてしまう。出演者もみな楽しそうだ。多部未華子のおバカな女子高生も、松岡昌宏のヤンキー少女漫画家も、広末の元ヤン花屋もかわいい。ジャニーズの坊やはどうでもいいが、とりあえず爽やかだからよし。
「ごくせん」がひどいマンネリで壊滅的につまらなかったので、新しいフォーマットというだけで面白く感じてしまう。毎回ちゃんと趣向を凝らして、続編が作れないくらいきれいな終わり方をしてほしい。月並みな説教と感動はいらないから。

絶対無理な犯人(最終回)

2008年07月12日 | テレビ鑑賞記
最終回を迎えた春クールドラマの感想(前回はこちら)。

■ 絶対彼氏 火曜9時 フジテレビ系
70点
最終回だけで20点評価アップ。
「ロボットの純粋な愛とそれに応える素直な少女」が見たかったのに、中盤までは「馬鹿なロボットの空回りと堅物女のすれ違い」ばかりでつまらなかった。せっかくもこロボという素材を得たんだから楽しいファンタジーを作れ。「派遣社員の御曹司への片思い」なんてぜんぜん興味ない。
「生真面目で重い」ヒロインの設定が間違っていた。自分だったら「つまらない堅物」じゃなくて「素直な天然」にする。もこロボとのラブラブバカップルぶり、ロボ彼氏の完璧さと限界、事情を知った周囲のやっかみと心配… いくらでも面白い話ができそうなのに。ミカ(ヒロインの女友達)は意地悪な敵じゃなくて「天然のヒロインに突っ込みを入れる」冷静な友達にする。
…と、不満は多いけれどロボが健気で最終回が切なかったから後味は悪くない。今期の主演男優賞はもこロボに決まり。

■ 無理な恋愛 火曜10時 フジテレビ系
60点
最終回で20点ダウン、夏川さん補正で10点アップ。
最終回前までは「いい人たちの心温まるドラマ」で満足して見てたのに、強引に主人公(堺正章)とヒロイン(夏川結衣)を結びつける終わり方でがっかり。よほど堺正章に感情移入した視聴者以外は納得できないだろう。
「三人(堺・夏川・チュートリアル徳井)がそれぞれの道を歩き出す」ほうがずっと爽やかで良かった。立木(堺)は祥子(青木さやか)といい雰囲気になれば応援したのに。あれだけ尊敬され慕われてるんだから応えてやれよ。

■ キミ犯人じゃないよね? 金曜11時15分 テレビ朝日系
50点くらい
途中で脱落、最終回は見た。
ヒロインの「謎の記憶」がたいしたことなかったのは予想通り。
いちばん魅力的な登場人物が特別出演の「ささやき刑事」(升毅)というのはどうかと思うが、金曜ナイトドラマならこれでいいのかもしれない。要潤はボケを熱演してご苦労様。貫地谷しほりは期待したほど魅力がなかった。演技力のある人なので次回作に期待(「あんどーなつ」見てないけど)。

■ トップセールス 土曜9時NHK総合
70点
夏川さん補正で10点アップ。
「トップセールス」というタイトル、「成功した女性の一代記」というイメージでカタルシスを期待したけれど、もともとそういうドラマじゃなかったようだ。スカッとすることもなく、しんみりするにも物足りず(蟹江敬三さんはよかった)、薄味の料理で腹八分目という感じ。

■ ごくせん 土曜9時 日本テレビ系
60点
仲間ちゃんだけど補正はなし。
11回連続で「A定食」を食べたような気分。

絶対無理な犯人

2008年05月10日 | テレビ鑑賞記
暇なので、いや怠け者なのでテレビばかり見ている。

■ 絶対彼氏 火曜9時 フジテレビ系
今期ではいちばん面白い。
もこロボが機械らしく素直でかわいい。
だんだん人間的になっていくのだろうけど、私はロボットらしいもこロボでいてほしい。
そういえば「鹿男あをによし」でもロボ鹿がチャーミングだった。
夏クールにフジがロボット出演ドラマを作ればきっと見る。ロボ萌え。
お話のほうはたわいなくてスイーツでたいへん結構である。
主人公の考えのなさと身勝手さにムカつくが、相武紗季がかわいいので許す。
シュークリーム話はつまらないので早く片付けてくれ。人間同士の好いた腫れたよりもこロボの活躍が見たい。
主人公の友達(悪女)役の上野なつひが美人だ。
瓜実顔で色白、目は切れ長でみどりの黒髪。せっかくの和風美人なのだから温泉行きの回で浴衣姿をもっと見たかった。

■ 無理な恋愛 火曜10時 フジテレビ系
夏川結衣さん目当てで見ている。
夏川さんが柳眉を逆立てて怒る姿が大好きだ。
「菊亭八百善」でも「結婚できない男」でも「夏川さんに叱られたい!」と思っていた。俺はマゾか。
最初のうちは堺正章が夏川さんの相手役ってキツいな、それこそ視聴者に無理を強いてるという印象だったが、堺の役がいやらしくならず善良な狂言回しなので気の毒になってきた。
チュートリアルの徳井は演技も顔もいい感じで無味無臭だ。ダメ男ぶりに嫌味がない。
もっとダメになって夏川さんを怒らせてほしい。ラブシーンは無しの方向でお願いします。

■ キミ犯人じゃないよね? 金曜11時15分 テレビ朝日系
金曜ナイトドラマ枠はなんとなく見てしまう。
「トリック」のオマージュというか焼き直しというか、特異な能力を持つ貧乏少女と間抜けなエリートの大男が組んで怪事件を解決するお話。正直言ってあまり面白くない。

■ トップセールス 土曜9時NHK総合
やっぱりこれも夏川さん目当てで。
なんというか惜しい。いくら夏川さんでも20代の役はきつい。
椎名桔平や石田ひかり(髪型がすごい)と若者の恋愛群像を演じられても目のやり場に困る。
いっそ恋愛関係はカットして全6話にしたほうが良かった。
舞台は昭和40年代のカーディーラー。懐かしい車がたくさん出てくるのはちょっと楽しい。
残念ながらストーリーがどんより重くてカタルシスが足りない。
上司役の蟹江敬三はカッコいいけど、どうやら死んでしまうらしい。

■ ごくせん 土曜9時 日本テレビ系
仲間ちゃんのために。
水戸黄門のように「ごくせん」フォーマットを固めて面白さのレベルは下がっていない、はず。
だがあまりにも代わり映えがしなくて再放送を見ているような錯覚に陥る。
仲間ちゃんはもうこれで「ごくせん」から卒業すべきだ、と思ったら映画化されるのか。
お仕事ご苦労様です、という感想のみ。
「トリック」の映画はお金を出して見たけれど、こちらは見たいと思わない。

あしたの斉藤さん、鹿男の母

2008年02月28日 | テレビ鑑賞記
最近どうも時間が足りないと思ったら、テレビドラマをたくさん見ているせいだと気付いた。
ネットで見かける意識の高い人たちは「テレビなんて見ないよ」「ドラマを最後に見たのはいつだったか覚えてない」などとのたまうのだが、私はいまだにテレビ中毒なのだ。数えてみたらほとんど毎日一時間以上ドラマを見ている。


火曜10時 「あしたの、喜多善男」 フジテレビ系
期待度は一番高かったけれど最近は脱落気味。話の展開が遅すぎる。松田龍平と栗山千明の「ハゲタカ」カップルは絵になる。ブラック善男が怖い。吉高由里子がコケティッシュで可愛い。脚をマッサージしたい。

水曜10時 「斉藤さん」 日本テレビ系
偶然第一話を見たら案外面白かった。視聴率もいいらしい。空気を読まず正義感の強い変人「斉藤さん」は格好いけれど完璧超人にしてしまうとつまらない。もっと失敗したり「正義が人を傷つける」部分を描いてほしい。斉藤さん(観月ありさ)の友人・真野さん(ミムラ)がかわいい。

木曜10時 「鹿男あをによし」 フジテレビ系
今期ドラマで一番好き。奈良の風景が美しい。幻想的な雰囲気と(今のところは)しょうもないストーリーに波長が合う。玉木宏のやつれかたがリアルだ。多部未華子は目力がある。なんといってもロボ鹿と藤原先生(綾瀬はるか)が可愛くてたまらない。萌えまくり。

金曜10時 「エジソンの母」 TBS系
良心的な作品とは思うがそれほど面白くない。なぜ見ているのかといえば伊東美咲さまのためである。あいかわらずお美しい。演技はまあそのアレだけど、先生役を楽しそうに演じてる。もともと彼女は幼稚園の先生志望だったから小さい子供の面倒を見るのが好きなのだろう。元婚約者の谷原章介に何度も「つまらない女」とバカにされるところが面白い。美咲様は容姿が完璧なので「できる女」の役だと鼻に付く。エルメスみたいに天然だったり「危険なアネキ」やこのドラマのように欠点のある役のほうが魅力的だ。

金曜11時15分 「未来講師めぐる」 テレビ朝日系
フカキョン主演のクドカンドラマ。何も考えずに楽しめる。深田恭子はいくつになっても可愛いな。黒川智花に食われるかと思ってたらきょーこりんの魅力を再発見してしまった。

土曜9時 「フルスイング」 NHK総合
先週で完結。文句のつけようがないほど良いドラマでした。あまりにも「いい話」なのでひねくれ者の自分が拒絶反応を起こさなかったことが不思議。たぶんドラマの終着点がはっきりしていたからだ。生徒に夢の力を語り続けた「高さん」がわずか一年の教師生活で倒れる。まさに夢半ばにして果てる。それでも生徒と同僚教師は「夢」「氣力」を受け継いで未来に歩き続ける。夢が叶うのは幸せだけれど、叶わない夢が受け継がれるのは美しい。

月曜~土曜 「ちりとてちん」 NHK総合
ただ一言、傑作です。


番外
日曜8時 「篤姫」 NHK総合
「義経」「功名が辻」「風林火山」で大河ドラマを見る習慣がついたので3話まで付き合ったが、いい加減アホらしくなってリタイア。朝ドラ系スイーツ(笑)大河は視聴率好調だそうで結構だけれど、いい年した男にはついていけない。宮崎あおいは別に嫌いじゃないが「純情きらり」でも「篤姫」でもぜんぜん魅力的に見えないのはなぜだろう。朝ドラや大河よりも「ちょっと待って、神様」のような小品佳作のほうが向いてるのに、もったいない。

「フルスイング」第二話

2008年01月27日 | テレビ鑑賞記
以下は私信です。
HALTANさん、「フルスイング」ご覧いただきありがとうございます。

ワサビより効く「フルスイング」 - 玄倉川の岸辺

『フルスイング』って面白いのですか? - 躁うつ病高齢ニートの映画・TV・床屋政談日誌
『フルスイング』第2話「逃げない」 - 躁うつ病高齢ニートの映画・TV・床屋政談日誌

「なんであそこまで誉めるのか全く分からない」とおっしゃいますか。
酷いです。
傷つきました。
HALTANさんは血も涙もないおかしな人です。
謝ってください!


…と、責めたりはしません。
私も第二話を見ましたが正直言って特に感動しませんでした。よくできてましたが普通です。
涙の降水量を比べれば第一話は200ミリ、第二話は5ミリ、といったところです。土砂降りとにわか雨くらい違います。
それでも個人的には充分に楽しみました。剣道着のフッキー(吹石一恵)は凛々しかったし、田辺さん(徳永えり)は素朴でかわいかった。ピンで留めた前髪とちょっと太目の脚がいい感じです。

私が「今年最高のドラマ」と感激したのは、第一話があまりにも、異常に出来がよかったからです。
いえ、こういう言い方をすると実際にご覧になったときがっかりさせるかもしれません。出来がよかったというより私の「ツボにはまった」と言うほうが正しい。

第一話の中心は森君でした。クラスの後ろのほうの席に座っている長髪で暗い感じの男子生徒です。
ストーリーについては申しませんが、ありきたりの・ベタな・何十回も見たような学園ドラマの定番です。それでも手放しに感激したのは、森君の姿を見て「こいつは俺だ」と思ってしまったから。うかうかと感情移入してドラマ製作者に首根っこを捕まれました。あとは思うまま振り回されるだけです。
森君はある事情で心を閉ざし会話を断って自ら孤独を選びました。だがそんな自分に満足しているわけじゃない。自らを責め、運命を恨み、太陽の光を避けて日陰で過ごす。森君のいじけた表情に嫌悪を感じながら、どうしようもなく「こいつは昔の俺であり今の自分だ」と思いました。なぜそう思ったのかは書きません。痛いから。
「フルスイング」第一話では高さん(高林先生)が森君の心を暖め、こわばりを癒す姿が描かれました。まるで上手なマッサージ師が客の体を揉みほぐすように、です。見ている自分も心のツボを押されてヒイヒイ叫んでしまいました。とても人さまにお見せできる姿ではありません。バーチャルマッサージで凝りが取れるはずもないのですが、見終わったあとカタルシスを感じたのは確かです。

2ちゃん情報によれば、第一話をどこぞの動画サイトで見ることができるとかできないとか。
番組掲示板にはたくさん反響が寄せられてますから、遠からず再放送もされるでしょう。もし気が向いたらご覧いただき「あいつはこんなベタなドラマを見て泣くのか」と呆れてください。
私は山田太一ドラマと阿久悠の歌謡曲で育ったベタベタに通俗的な人間なのです。公言するのは恥ずかしいですが今さら変えられません。山田太一と阿久悠の影響を否定することは私の人生を否定することです!

…そこまで大げさに言うことじゃありませんね。駄文失礼しました。

ワサビより効く「フルスイング」

2008年01月24日 | テレビ鑑賞記
年が改まってからまだ一月もたっていないけれど、2008年最高のドラマは満場一致で「フルスイング」に決定しました。おめでとうございます。
…と、断言したくなるほどいいドラマである。

フルスイング | NHK 土曜ドラマ
  「教える」ことに人生の全てを捧げた一人の男がいました。打撃コーチ高畠導宏さん。七つのプロ球団を渡り歩き、落合、イチロー、小久保、田口を始め、30人以上のタイトルホルダーを育てた名伯楽は、還暦間近で福岡の高校の教師になりました。

  高畠さんは30年のコーチ人生で培った優れたコーチング力で、悩める思春期の子どもたちと現場の教師たちを大きく変えていきます。

  自ら、悩み、迷い、葛藤する姿をさらけ出す素敵さ。高みから何かを教えるのではなく、「生きる力」を伝えようとする熱意。「俺だけの先生」「私だけの先生」と子どもたちに思わせる「好きにならずにいられない」教師の姿がそこにありました。

  わずか1年でがんに倒れ、志半ばで逝去した新米教師「高さん」と、彼の思いを受け止め、成長していく子どもたちと教師たちの感動の実話をドラマ化します。

土曜9時は「世界ふしぎ発見」を見る(というかぼーっと眺める)のが習慣なのだが、NHKのドラマに吹石一恵が出るというのでおっぱい鑑賞のためにテレビを二画面表示にした。気がつくとネス湖の怪物はすっかりお留守になり、心は九州の高校に完全に引き込まれていた。

特に主演の高橋克実がすばらしい。
体温と人生経験を感じさせる厚みを持った人物像を作り上げている。だから生徒たちに「夢」の力を語っても嘘臭くならない。バラエティー番組でおちゃらけているイメージとは違い、包容力と優しさと強さを兼ね備えた「伝説のコーチ」になりきっている。モデルとなった高畠さんの指導を受けた選手が太鼓判を押すほどよく似ているそうだ。

本や映画の宣伝文句で最近(でもないか)やたらと「泣いた」「泣ける」が多い。私などは「そんなに泣きたきゃワサビでも舐めてろ」と普段バカにしているのだが、不本意ながら「フルスイング」を見て大いに泣いたことを認める。いや、むしろ開き直って「あれを見て泣かない奴はおかしい」とさえ言いたい。何にでもケチを付ける2ちゃんねるドラマ板でも絶賛されていた。珍しいことだ。
番組紹介(プレマップなどで流れるあれ)がまたよくできている。約五分とちょっとした長さだが、「フルスイング」に興味を持った方はぜひご覧ください。

  番組紹介 WindowsMedia形式

星新一のショートショートをNHKが映像化

2007年11月10日 | テレビ鑑賞記
星新一の名作をNHKが映像化。
放送は11月10日、つまり今日の深夜だ。

星新一 ショートショート劇場

チャンネル :総合/デジタル総合
放送日 :2007年11月10日(土)
放送時間 :翌日午前0:35~翌日午前0:50(15分)

「ショートショートの神様」とよばれる、作家・星新一。生涯に残した作品は1000話を越え、奇抜な発想、ウィットとユーモアに富んだ作品は、今もなお絶大な人気を誇る。時代を超えて新鮮な輝きを放つ膨大なショートショートのなかから、5つの作品を厳選。多彩な演出手法を用いて、不安や恐怖ばかりでなく、ときには温かさや安らぎを感じる近未来の不思議な寓(ぐう)話集として映像化する。

うれしい!このあいだ星さんのことを書いたので特に期待してしまう。

尊敬する星さんのショートショートを映像化するのがNHKでよかったと思う。私は基本的にNHKの番組の「ほどのよさ」が好きなのである。星作品の上品なユーモアと残酷さを生かしてくれたらうれしい。
「世にも奇妙な物語」などで何度か映像化されているけれど、アレンジや演出が過剰で納得できないことが多かった。今回の映像化は「一人芝居や朗読、アニメなどさまざまな演出で映像化」するそうで楽しみだ。

ちょっと残念なのは告知が少ないことと再放送の予定がないこと。15分のミニ番組だから告知が少ないのは仕方ないが、幅広い世代で星さんのファンは多いのだから深夜に一回だけ放送して終わりではもったいない。ぜひ何度か再放送してほしい。