死刑を宣告されていたサダム・フセイン元イラク大統領が処刑された。
今後のイラク情勢がどうなるか心配だけれど、個人的にはマスコミで使われる「フセイン大統領」という呼び方のほうがずっと気になる。おかしい。変だ。聞いてるうちに恥ずかしくなる。
私はアラブ文化のことは何も知らないけれど、それでもNHKのニュース番組で何度も大野元裕氏(中東研究会上席研究員)の解説を聞いているうちに元大統領の名前が「サッダーム・フセイン・アッ=ティクリーティー」略するときは「サッダーム」であると教えられた。「フセイン」は父称であって日本人の考えるような姓とは違うらしい。生前のサダム・フセインは「俺はサダムだ」と名乗ることはあっても「自分はフセインです」とは言わなかったんじゃないか。
人名 イスラム圏の名前 - Wikipedia
たった4文字増えるだけなんだから、マスコミは「フセイン元大統領」じゃなくて「サダム・フセイン元大統領」と呼んでやれよ。首を吊られてしかも名前まで適当に扱われるのはいくらサダム(フセインの息子・ティクリート出身)が悪党でも気の毒だ。
今後のイラク情勢がどうなるか心配だけれど、個人的にはマスコミで使われる「フセイン大統領」という呼び方のほうがずっと気になる。おかしい。変だ。聞いてるうちに恥ずかしくなる。
私はアラブ文化のことは何も知らないけれど、それでもNHKのニュース番組で何度も大野元裕氏(中東研究会上席研究員)の解説を聞いているうちに元大統領の名前が「サッダーム・フセイン・アッ=ティクリーティー」略するときは「サッダーム」であると教えられた。「フセイン」は父称であって日本人の考えるような姓とは違うらしい。生前のサダム・フセインは「俺はサダムだ」と名乗ることはあっても「自分はフセインです」とは言わなかったんじゃないか。
人名 イスラム圏の名前 - Wikipedia
アラブ人の伝統的な名前はクンヤ(「某の親」)、イスム(本人の名)、ナサブ(「某の子」)、ニスバ(出自由来名)、ラカブ(尊称・あだな)の要素から成り立っている。
- クンヤ
- (引用略)
- イスム
- イスムは本人の名である。男性にはムハンマド、ウマル、ウスマーン、アリーなどイスラム初期の指導者の名や、イブラヒーム(アブラハム)、ムーサ(モーゼ)、イーサ(イエス)など預言者たちの名のほか、神のもつ99種の別名に奴隷を意味する「アブド」をつけたアブドゥッラー(神の僕)、アブドゥッラフマーン(慈悲深き方の僕)などの名も好まれる。女性にはハディージャ、ファーティマなどムハンマドの家族に由来する名前や、ヤスミーン(ジャスミン)、ズフラ(美)、ヌール(光)など女性らしさ・美しさを表す名前がよくつけられる。
- ナサブ
- ナサブは「イブン=某」(某の息子)、「ビント=某」(某の娘)という形を取る。また、某(本人の名)・イブン=某・イブン=某・…と本人の名の後にナサブを連結して先祖をたどる表現もできる。イブンはビン、ブンと言うこともあり、イラクなどでは、元イラク大統領サッダーム・フセインのように「ビン」が省略されて、ナサブ(この場合はフセイン)をイスム(この場合はサッダーム)の後ろに直接連結する(イラクの例の詳細は後述)。
- ニスバ
- ニスバは出身地・所属部族・所属宗派に形容詞形語尾「イー」を付けた形を取る。マグリブ出身ならばマグリビー、アフガニスタン出身ならアフガーニーとなる。
- ラカブ
- ラカブは本人のもつ尊称である。例えばアイユーブ朝の建設者ユースフ・ブン=アイユーブはサラーフッディーンのラカブを持ち、このラカブが転訛した「サラディン」の名がよく知られている。
以上からわかるように、本来アラブ人には親子代々が継承する姓は厳密には存在しないが、部族民や上流階級などの成員で、祖先がはっきりしている者は、ナサブやニスバやラカブが『家名』のように用いられることもある。日本や欧米の人々には一般に姓と見なされているオサマ・ビン=ラディンのビン=ラディンは、何代前もの先祖某の名を使った「ビン=某」がいわば『家名』のようなものとして用いられた例にあたる。
現在はスンナ派とシーア派、北アフリカ地域とアラビア半島地域とで異なるというように、集団・地域による傾向に大きな差が存在する。
例えばサウジアラビアではパスポートに記載される名前は、「本人の名(イスム)、父の名によるミドルネーム(ナサブ)、祖父の名によるミドルネーム(ナサブ)、『家名』(先祖のナサブ、ニスバ、ラカブなど)」という順に表記される。
イラクの場合は、元大統領サッダーム・フセイン・アッ=ティクリーティー(Saddām Husayn al-Tikrītī)はティクリート出身のフセインの子サッダームと読み解ける。サッダームの長男ウダイ・サッダーム・フセイン・アッ=ティクリーティー(Uday Saddām Husayn al-Tikrītī)はティクリート出身のフセインの息子サッダームの子ウダイ、サッダームの次男クサイ・サッダーム・フセイン・アッ=ティクリーティー(Qusay Saddām Husayn al-Tikrītī)はティクリート出身のフセインの息子サッダームの子クサイとなる。ウダイとクサイの例からわかるように、地名によるニスバは必ずしも当人の出身地を表すのではなく、父や祖先の出身地を表す場合もあるので注意が必要である。
たった4文字増えるだけなんだから、マスコミは「フセイン元大統領」じゃなくて「サダム・フセイン元大統領」と呼んでやれよ。首を吊られてしかも名前まで適当に扱われるのはいくらサダム(フセインの息子・ティクリート出身)が悪党でも気の毒だ。