玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

勇敢な眞鍋さん、情けない城内氏 (その2)

2009年08月03日 | 政治・外交
前の記事で「政治的な意味においてポスター問題は城内氏の自滅と決まった」「あとはゴシップとしての興味だけ」という意味のことを書いた。だが、2ちゃんねるなどでは多くの人が新事実や戦い方によっては城内氏が巻き返す可能性があると思っているようだ。
甘い、甘すぎる。尼さんが甘酒飲みながら川越銘菓あまたまを食べるより甘い(よくわからないたとえ)。

眞鍋さんが公式ブログで「ポスターの存在に困惑している、特定の候補を応援するつもりはない」と明らかにした時点で城内氏が政治的利益を得る見込みはなくなった。あとはどれだけ素早く、いかに少ない損失で撤退できるかの問題だ。ところが城内氏は「無断使用した事実はありません」と突っ張った。キツネに化かされたとしか思えないほど無理無茶無謀だ。「ご飯にかけるのはカレーですか、ウ●コですか」と聞かれて「●ンコ!」と答えるくらいありえない。眞鍋さん本人がNO!と明言した「応援ポスター」を使い続けても恥さらしになるだけなのに。

無理やり好意的に考えれば、城内氏は経緯が全然わかってなかったのだろう。
最初の釈明記事で「眞鍋かをり氏掲載のポスターに関し、あたかも無断で使用したかのような内容の書き込みが当ブログのコメント欄などでなされております」と書くくらいだから、単なる悪い噂だと勘違いしていたのかもしれない。根も葉もない噂なら「イチャモン扱い」という対応も理解できる。
だが実際はオフィシャルブログで眞鍋さん自身が「更新前に事務所にどこまで把握しているのかを聞いて その上で自分がそういった声明を出して良いか確認」した上での発言である。仮に城内氏が状況を理解していなかったのだとしても、それは情報収集力ゼロという意味となりまったく擁護できない。「驚くべき戦略眼のなさ」あるいは「情報収集力ゼロ」どちらにしても政治家としての城内氏の価値は激減し、評判ボロボロになり、恥をさらし、有権者は呆れ、ネットで笑いものにされるのに充分だ。

「結局はポスターを撤去したんだからいいじゃないか」という支持者もいるが、甘い、甘すぎる。尼さんが甘酒(略
織田信長の金ヶ崎崩れのように鮮やかな撤退戦をすれば負け戦でも「さすが」と感心される。だが意地を張って一日を無駄にした損失はどうがんばっても取り返せない。城内氏自身のことだけならはっきり言ってどうでもいいが、眞鍋さんはレギュラー番組の出演を自粛させられる実害を被った。城内ブログのコメント欄や2ちゃんねるなどでは「ポスターを剥がすべきだ」「いや必要ない」「謝ったほうがいい」「このまま突っ張るべきだ」という議論が燃え上がり、騒ぎはどんどん大きくなる。中傷まがいの、あるいは一線を越えた批判が飛び交う。関係者の誰も得をしない騒ぎである。その責任の全ては城内氏の愚かな初期対応にある。「きまぐれな日々」kojitaken氏が厳しく批判している通りだ。

 きまぐれな日々 城内実の「国籍法」を巡る酷い発言と「ポスター騒動」の連関



今さらあがいても無駄なのだが、それが理解できない一部の(?)狂信的な城内支持者は、眞鍋さん側の落ち度を鵜の目鷹の目で探し回って槍玉にあげたり、あるいは陰謀論を言い広めたりして城内氏を支援しているつもりだ。完全に逆効果である。
仮に眞鍋さんと彼女の事務所に大きな落ち度があったとしても、いやそれどころか全責任があるとしても、城内氏が「ダメなタレントの人気に頼ろうとしたダメな候補者」と見られるばかりだ。自分で掘って自分でハマった泥沼に眞鍋さんを引きずり込むだけである。タレントとの無理心中が「信念を貫く男」を名乗る政治家にふさわしいのか。まさかそんなことはあるまい。
眞鍋さんを泥沼に引きずりこんでも城内氏が脱出するための踏み台にはならない。そのことに気付いた狂信的支持者は陰謀論に走る。泥沼は闇の力が用意した罠であり、城内氏は甘い言葉で誘われたか、あるいは無理やり突き落とされたのだと。…な、なんだってー(AA略)。
城内氏が今の窮地に陥るのに決定的なミスは3つあった。

 1 (友人でも支持者でもない)眞鍋さんを応援ポスターに起用する決定
 2 (自分の後援者である)オフィスプロペラの木村社長に交渉を丸投げし、眞鍋さんへのあいさつもしない
 3 (眞鍋さんに拒絶された)ポスターの撤去を徒に引き伸ばす

三つとも城内氏が自分自身の意志で決めたはずだ。私に言わせてもらば、三つともまったく馬鹿げた選択である。政治家として、44歳の男として、常識があれば決して選ばないやり方だと断言できる。まともな政治家を誘導してこんなことをやらせる方法など思いつかない。たぶん城内氏はよほど人並み外れているか(悪い意味で)、あるいは薬物か毒電波で闇の勢力に洗脳されているのだろう。どちらにしても議員になるにはあまりにも危なっかしい人物である。苦しまぎれの陰謀論は極端にハイリスクローリターン(ノーリターン・脳たりん?)であり、すでに充分傷ついた城内氏の評判に止めを刺すだけだ。私としてはべつに構わないけれど。
くだらない陰謀論を唱えるよりは、「選挙準備でストレスがたまり、つい判断ミスしてしまった」とか言って同情を引いたほうがマシだろう。優しい支援者がユンケルでも差し入れてくれるかもしれない。ファイト!いっぱーつ!(←それはリポビタン)


ポスター問題はもうどうにもならないとすれば、城内氏はどうすればいいか。私がアドバイスを求められたら「今は神妙な顔しておとなしくするだけ」「何かするなら自分で決めず、人生経験豊かな人に振り付けしてもらうべき」と忠告する。
城内氏が自称「信念を貫く男」でなくふつうの人だったら「眞鍋さんにちゃんと謝るべきだ」と言うだろう。だが今回のていたらくや過去の行動を見るかぎり、城内氏が世間で好感をもって受け入れられる謝罪ができる人とは思えないのだ。

 凪論:城内実氏のブログでの暴走はなぜ起こったか

慇懃無礼な、あるいは開き直りのような、おのれ可愛さが露骨に表れた謝罪をしても無意味だ。城内氏が評判を落とすだけなら結構だが、狂信的支持者が「城内先生が謝ってやったんだからありがたく思え」と眞鍋さんに強要するのは目に見えている。被害者をさらに傷付けるような謝罪は自己満足でしかない。それでは困る。
…と思っていたら、時すでに遅し! 城内氏が「謝罪」してしまった。

 眞鍋かをりポスター問題で城内氏が謝罪 「無断使用していない」 - MSN産経ニュース
 衆院選に静岡7区から無所属で出馬予定の城内実氏(44)の後援会ポスターに、タレントの眞鍋かをりさんの写真が使用された問題で、城内氏自身が3日、「眞鍋さん自身、眞鍋さんの事務所、ファンの方々にご迷惑をおかけしたことをおわびいたします」と謝罪した。

 衆院選に向けた共同インタビューの冒頭、城内氏自身が「私からお話ししたいことがあります」と切り出した。

 写真使用について城内氏側は「都内の会社を通じて了解をいただいている」としているが、眞鍋さんは自身のブログで「なぜその写真がポスターになったのか困惑している」と、自身が知らぬところで写真が使われたと抗議していた。

 城内氏はすでにポスターの大半を撤去済みとした上で、「(写真使用について)仲介した会社と眞鍋さんの事務所との間で十分に了解が得られていなかったようだ。私たちはご了解いただいたと思っており、無断使用していないと思っている」と説明。「おわびは申し上げるが、趣旨が伝わっていなかったとすれば非常に残念です」と述べた。


私たちはご了解いただいたと思っており、無断使用していないと思っている
「おわびは申し上げる、趣旨が伝わっていなかったとすれば非常に残念です」

………。
ドカドカドカドカ  ガラッ



海原雄山先生もお怒りのようです。嗚呼。


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2 コメント

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無断…使用? (てんてけ)
2009-08-04 11:04:43
TBSが放映した空想特撮シリーズに「ウルトラマン」という番組がありましたが、その第33話「禁じられた言葉」にメフィラス星人てのが登場しました。
メフィラス星人は暴力的に地球を侵略するのが嫌だと言いまして「地球人の代表としてフジ隊員の弟サトル少年を選び、サトルが「地球をあげます」と自発的に言うよう仕向け」ました。(URLのwikipediaから引用しました)
メフィラス星人がサトル少年を地球の代表にしたのは勝手ですが、別に地球人はサトル少年に全権を委任したわけではありません。
サトル少年がメフィラス星人に「地球をあげます」と言ってしまったとしたら、彼は本当に
「許可をとった!侵略ではない!譲渡だ!」
と言うつもりだったのでしょうかねぇ…。
Unknown (アルゴン金)
2009-08-04 17:52:46
キウチさんってどんな方か知らなかったので、今度の件で「おかしな対応する人だなあ」って思ってたんですが、本ブログと関連リンクからよーくわかりました。
要するに厨房なわけね。東大出元外務官僚・元衆議院議員の厨房なわけだ。
ベンキョウになりましたー。