特に期待せずなんとなく見たテレビが面白いと得した気分になる。
珍しく今日は二本の当たり番組があった。ちょっと幸せ。
“ピョンヤン”を名乗れ よど号事件・交信記録の全ぼう
あらためて「35年前の韓国は本気で北と対決していたんだ」と感慨にふける。金大中政権以後、最近の韓国は北朝鮮に媚びるばかりで隠れ同盟国あるいは庇護者の印象しかない。
よど号を誘導した管制官はKCIAに沈黙を強要され職を奪われたそうだ。間接的に日本が迷惑をかけたことになり気の毒だ。だが元管制官氏は恨み言を並べることなく笑顔で「私は歴史の証人なので黙っていることはできない」と語る。とてもいい人だなあ、この人にはぜひ幸せになってほしいと思った。
よど号ハイジャック事件 - Wikipedia
福本を止めろ!捕手・野村の闘い
日本のスポーツドキュメンタリーにありがちな精神主義やお涙頂戴的な感動の押し付けがなく、野村と福本が知力を競う虚虚実実・丁々発止の攻防を淡々と伝える。まるで良くできた映画のシナリオのようで、思わず画面に引き込まれる。比較するようなものでもないが、わざとらしいサスペンス山盛りの“24 -TWENTY FOUR”よりよほど面白い。最近NHKのドキュメントは質が落ちたと残念に思っていたが、この番組はクールだ。
残念なのはどちらの番組もBSだけの放送で再放送されないこと。こういう良質な番組を地上波で放送すればNHKの印象もずいぶんよくなるだろうに。
珍しく今日は二本の当たり番組があった。ちょっと幸せ。
“ピョンヤン”を名乗れ よど号事件・交信記録の全ぼう
1970年3月31日、羽田発福岡行きの日航機「よど号」は、赤軍派9名によってハイジャックされた。乗員・乗客129名を人質に、赤軍派は平壌に向かうことを要求した。しかし、福岡板付空港を飛び立ったよど号が向かったのは、平壌ではなく韓国の金浦空港だった。金浦空港では、空港を平壌に見せかけ、ハイジャック犯を欺くためのさまざまな偽装が行われた。しかし、偽装は赤軍派に見破られ、3日後、よど号は平壌へと向かった。これまでてっきり日韓当局と操縦士が示し合わせて金浦空港に着陸したのだと思ってたが、実は韓国政府とKCIAが北朝鮮へのライバル意識で勝手にやったことらしい。よど号事件の前年、韓国では国内線のYS-11がハイジャックされており、国家の威信にかけてよど号を見逃すことはできなかった。
誰が、何のために、金浦空港の偽装作戦を考えたのか。真相は、今なお謎に包まれている。
番組では、ソウルのアメリカ大使館と本国との間で交わされた外交文書、韓国の管制官とよど号との交信記録、金浦空港の偽装工作の写真などの新たな資料を手がかりに、事件に関わった日本、韓国、アメリカの要人にインタビューし、よど号事件の謎に迫る。
あらためて「35年前の韓国は本気で北と対決していたんだ」と感慨にふける。金大中政権以後、最近の韓国は北朝鮮に媚びるばかりで隠れ同盟国あるいは庇護者の印象しかない。
よど号を誘導した管制官はKCIAに沈黙を強要され職を奪われたそうだ。間接的に日本が迷惑をかけたことになり気の毒だ。だが元管制官氏は恨み言を並べることなく笑顔で「私は歴史の証人なので黙っていることはできない」と語る。とてもいい人だなあ、この人にはぜひ幸せになってほしいと思った。
よど号ハイジャック事件 - Wikipedia
福本を止めろ!捕手・野村の闘い
1973年、この年初めてシーズンを前期、後期に分けプレーオフ制度を導入したパ・リーグ。前期優勝の南海は、後期、0勝12敗と阪急に負け続けた。しかしプレーオフで見事阪急を破り優勝。この裏には、南海のベテラン野村克也捕手が、阪急の若き盗塁王・福本豊を抑えるために開発した「クイックモーション」の存在があった。私はプロ野球に興味を持たないけれど、この番組はとても面白かった。
野村が35歳で選手兼監督となった1970年、福本は入団わずか2年目の23歳で盗塁王になる。当時、名だたる捕手が福本の盗塁阻止に挑むが、快速・福本の足は止まらない。「福本を刺さずに、優勝はなし!」と考えた野村は福本に対し、得意のささやき戦術や塁間に水や砂をまくという行為にまで出るが、効果はない。弱肩に悩んでいた野村はついに自軍の投手のフォームを改造するという対策に乗り出す。それが日本プロ野球で初めて生み出された「クイックモーション」だった。
番組では、既に功なり名をあげていたベテラン野村が、貪欲に新たな戦いに生きがいを見出し若き盗塁王に挑み、勝利するまでの舞台裏を描く。
日本のスポーツドキュメンタリーにありがちな精神主義やお涙頂戴的な感動の押し付けがなく、野村と福本が知力を競う虚虚実実・丁々発止の攻防を淡々と伝える。まるで良くできた映画のシナリオのようで、思わず画面に引き込まれる。比較するようなものでもないが、わざとらしいサスペンス山盛りの“24 -TWENTY FOUR”よりよほど面白い。最近NHKのドキュメントは質が落ちたと残念に思っていたが、この番組はクールだ。
残念なのはどちらの番組もBSだけの放送で再放送されないこと。こういう良質な番組を地上波で放送すればNHKの印象もずいぶんよくなるだろうに。