玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

ビデオ流出は「ハプニング」

2010年11月15日 | 日々思うことなど
尖閣諸島における漁船衝突事件のビデオ流出犯を擁護する世論が過熱している。特にネット世論では勢いが増すばかりだ。
一週間程度で熱が醒めるんじゃないかと思っていた(期待していた)私は見通しが甘かった。

残念なのは、人々がビデオ流出を擁護するのに熱くなればなるほど、本来の問題である「尖閣諸島における日本の主権確保」や「菅内閣・民主党政権の外交能力」という根本的な問題がおろそかになることだ。ビデオ流出事件それ自体は単なるハプニングであり、国民あげて大騒ぎするような話ではない。さらに言えば、今回の漁船衝突事件も「尖閣問題」という大きな構図の中ではひとつのエピソードに過ぎない。
期せずして、自民党と共産党という左右の軸で対極にある政党の党首が「ビデオ流出」騒ぎが加熱することを戒めている。

公開すべきものをしてこなかったことが問題/尖閣ビデオ問題 志位氏 - しんぶん赤旗
 志位氏は、「明らかになったビデオ映像を見れば、本来、これは非公開にしておくべき内容のものではなかったというのが私たちの判断だ。こういう内容のものであれば、政府の責任でもっと早い段階で公開すべきだった」とのべました。

 そして、志位氏は「いま問われるべき問題の焦点は『ビデオ流出問題』ではない。政府がビデオ映像の扱いについて、責任ある方針をもたず、早い段階で公開すべきものを公開してこなかったことにこそ問題の焦点がある」と強調。「公開すべきものを公開しなかったことが、今回の流出問題につながった。その責任こそ問われるべきだ」と指摘しました。

「二・二六も命令無視」映像流出保安官を自民・谷垣氏が批判 - MSN産経ニュース
 自民党の谷垣禎一総裁は14日午後、さいたま市で講演し、中国漁船衝突の映像流出事件で神戸海上保安部の海上保安官(43)が関与を認めたことについて、青年将校らがクーデターを企てた二・二六事件を引き合いに出し「映像流出を擁護する人もいるが、国家の規律を守れないのは間違っている」と批判した。

 同時に「二・二六事件でも『将校の若い純粋な気持ちを大事にしないと』という声があり、最後はコントロールできなくなった」と指摘した。

 一方で「政治の責任で解決する姿勢がなかったことが一番の問題だ」と菅内閣の対応を非難。「政権担当能力を失っており、一日も早く退陣させないといけない」と強調した。


ビデオ流出犯を擁護して大騒ぎするのは連続ドラマ(尖閣問題)の一つの回(漁船衝突事件)の端役(sengoku38)の評価に血道をあげるようなものだ。そろそろ我に返って本来の問題に立ち返るべきである。


不思議なのは、多くの人が「衝突事件で船長が釈放されたこと」と「ビデオ流出で主任航海士氏(sengoku38)に対して処罰が検討されていること」という二つの問題を直結させて不公平だなんだと論じたがることだ。
いったい何なのだろうかこれは。私には二つの問題は別の話であることは自明で、一つの問題の裏表のように語る人たちの思考法がどうにも想像しにくい。しかも、「法を曲げて船長を釈放したのはけしからん」と言いつつ「sengoku38は立派なことをしたのだから杓子定規に罰してはいけない」という擁護が世論(というか世間の気分)の主流らしい。ますますわからない。
まるで「衝突漁船の船長」と「sengoku38」がシーソーの両端に乗っているようである。衝突船長がけしからん、罰すべきだとシーソーの左端を下げると、右端に乗ったsengoku38の評価が自動的に上がる。まことに奇観と言うほかない。


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1 コメント

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ヤクザ国家・中国と泥棒国家・ロシア (盗っ人・メドベージェフ)
2010-11-15 20:02:41
尖閣ビデオを見た人の中に、率直に反中感情を抱いた人が多数いたとしても不思議ではない。
それほど、反日中国船の行動は極めて悪質であった。
赤い中国のために国民に対して隠蔽し続けてきた赤い菅・仙谷政権は信用できない。
赤い政権はその言動によって蟻地獄に落ちた。民主党支持率は、今年中に確実に25%以下になる。