黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

明けましておめでとうございます――2017年こそ、「希望」の持てる国に!

2017-01-01 17:38:09 | 仕事
 明けましておめでとうございます
 年頭から、余り景気のよい話しではないが、年末、難易下なくテレビのクイズ番組を見ていたら、「日本の首相に相応しい人物は?」という日本の若者1000人に問うた問題の解答が、上位5人のうち「第1位安倍晋三 第2位小泉進次郎、第3位石波茂」となっていたことを知り、何とも言えない「嫌な気持」になった。
 現代の若者たちが、自分の身の回りのことにしか関心を示さず、「政治」「経済」「思想」「哲学」などといった分野に無関心であるということは、大学教師の経験やゲームに夢中になっている若者の姿を見ていて先刻承知していたことであったが、先のアンケート結果を見て、「今時の若者は……」というお説教的言辞だけは吐くまいと思っていたのだが、本当に現代日本の若者は「自分の頭で考えない=勉強しない」し、その余りに「批判精神が欠如している」姿に、愕然とせざるを得なかった。
 つまり、現代の若者たちは、安倍首相が「戦前回帰」=天皇を元首とする帝国主義的侵略国家を目指す「日本会議」の強い影響を受けた人間で、若者たちを再び戦場に狩り出すことを画策する――世界中で「戦争」を行うアメリカに追随し、その果てにアジアの盟主を目指す覇権国家になることを目的としている――極右的政治家であることを、本当に知っているのだろうか、と思わざるを得ないということである
 その証拠に、安倍首相が「寵愛」する稲田防衛相が、自分も同行した真珠湾で安倍首相が(形ばかりで中身のない)「(日米間の)寛容と和解」を謳い上げた翌日に、中国や韓国から「批判・非難」されることを承知で(確信犯的に)「靖国神社参拝」を行い、安倍自公政権が何を目指しているのかを明らかにした。稲田防衛相は、子供の頃から「生長の家」の信者で、安倍首相より猛も更に「日本会議」の意向を体現する政治家である。「アメリカの属国化」を加速させている安倍氏の「本音」が、「戦前」のようにアジアの盟主を目指すことであることを百も承知の稲田防衛相の「靖国神社参拝」、衣の袖から鎧が見えるとはこのことを言うのだろうが、そんな安倍政権に「50%」の支持を与える国民(若者)は、この国の将来をどう考えているのだろうか。
 またもう一つの証拠、それはアメリカに向かっては「寛容と和解」を言いながら、安倍首相(内閣)が如何に沖縄に対して「差別的」であるか、を考えれば、すぐ分かる。沖縄に対しては「寛容」も「和解」も必要ないと思ってのことなのだろうが、アメリカ軍の新基地を辺野古沖に造り、ヤンバルの森にオスプレイ用のヘリパッドを建設する。もうめちゃくちゃである
 さらに、今年の「年頭所感」で、相変わらず「一億総活躍社会の実現を目指す」と言うが、誰の目にも「失敗」としか思えない成長経済政策「アベノミクス」にすがりついて、格差社会の増大を放置したまま、「弱者」に優しくない政策を採り続ける安倍内閣が、空語=空念仏ばかりだということを、若者たちも少しは勉強して知るべきである。

 年頭に当たっても、相変わらずの「愚痴」めいたお説教調の文章になってしまったが、今年も変わらず、「批判精神」だけは堅持し、文芸批評の仕事をやっていこうと思っている。
 よろしくお願いします。
 ご支援・ご声援ください

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私は若者ですが、批判的です。 (佐々木)
2017-01-03 16:45:13
黒古一夫先生、初めまして。本来ならば、フルネームで黒古先生にコメント投稿させて頂きたいのですが、最近はネット上での実名の怖さを肌で感じるため、誠に失礼ですが、苗字のみの投稿で失礼いたします。

私は若者ですが、テレビのアンケートなどには、懐疑的な目を持っております。おそらく、民法放送局やNHKなどは、近ごろは中立的な正しい報道をしているようには思えません。ですので、私はラジオを近ごろ情報収集源にしております。

仲間内の哲学や思想に興味がある人は、まだ批判精神を持っていると思います。

先生のお名前は、たまたま手に取った、立松和平さんの『光の雨』の解説で、拝見いたしました。

まだ、若い世代のごく一部の知的な方たちには、批判精神は、衰えていないと私は思います。

物騒な世の中ですので、黒古先生もどうぞお体にお気をつけてお過ごし下さい。失礼致しました。
返信する
嬉しいコメントです。 (黒古一夫)
2017-01-05 07:41:39
佐々木さん

 コメント、ありがとう。
 もちろん、僕は貴方のような若者が今でも存在するであろうことは信じていました。
 このブログを開設したのは、大学の授業以外で何とか僕の日頃思っていることを、卒業したゼミ生や他大学に通う学生、さらにはもうすでに働いている次世代を担う若者に伝えられないか、と思ったのが動機でした。
 その後、年月を経るにつれ、若者だけでなくいろいろな世代の人たち及び(日本語を解する)外国人から「読んでます」というコメントを直接頂いたりして、今日まで続けてきました。
 ただ最近は、僕のブログを読んでくれる人も固定化しているのではないか、何か工夫しなければとも思っていたので、貴方のコメントは大変嬉しく思いました。内容も、「批判精神を持つ若者はちゃんと存在する」というもので、僕が大学の枠を越えて構想したこのブログの意義が伝わっていることも知ることができ、ブログを持続してきてよかったな、と思いました。
 そうです。貴方の言うように、最近のTVは「堕落」の一途を辿っているように思います。例えば、連日のように報道される「小池百合子東京都知事」に関するニュースや報道を見ていると、彼女のこれまでの言動や経歴を鑑みて、僕にはどうしても「単なる権力志向の強い女性」政治家としか思えないのに、権力に阿るコメンテーターやキャスターは、「東京都大改革」(眉唾物ですが)のリーダーとばかりに持ち上げ続けています。
 権力を自分の思い通りに揮うために、自民党都連とは対立するが、自民党本部(安倍首相ら)とは仲良しのままでいる、という小池氏の「矛盾」した在り方を徹底的に批判したTVのコメンテーターやキャスターを僕はこれまで見たことはない。
 安倍首相に関しても、新聞などでは「アベノミクス」の失敗については論じられても、TVで正面からアベノミクスを批判したのを聞いたことはない。しかも、安倍首相(実は小池百合子も)が「戦前回帰」を目論む「日本会議」に大きな影響を受けた政治家であることも、TVは正面から取り上げたことがない。
 斯様に、日本のジャーリズムが「死に体」状態になっているとき、貴方のような若者が一人でも存在すること、これほど力強いことはない、都僕は思っています。
 是非これからも「批判精神」を忘れずに、時々はこのブログに登場してください。
 なお、僕について、できれば「先生」は止めて頂けると嬉しいのですが。普通に「黒古さん」で結構です。
 では、また。
 
返信する

コメントを投稿