牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

夏場の草作りはヒエに限る

2008-08-26 19:08:13 | 飼料


以前勤務していた牧場の話である。
50~60頭の繁殖雌牛から子牛生産して、肥育までを行う牧場である。
凡そ10ha程度の圃場で粗飼料生産を行い、繁殖牛と仔牛には、年間を通じてそのロールベール製のヘイレージを飽食させている。
考えてみれば、今時珍しいやり方であるが、飼料高騰の今後を考慮する時、功を奏した粗飼料の自給生産なのかも知れない。
ここでの粗飼料生産は、その全てがロールベールによる貯蔵方式である。
5月の連休が終わると、イタリアンライグラスを収穫し、その1月後に2番刈りをし、さらに約1月後に3番刈りを行って収穫する。
イタリアンライグラスは夏場には、萎凋し枯れるため、そのまま放置し、それを待っていたかのように、ヒエが勢いづく。
それを9月になれば収穫してベールするが、結構の収穫量である。
ヒエを収穫後は、堆肥を散幡して次年用のイタリアンライグラスを播種する。
また一部には、春まきのスーダングラスを播種し、夏場に2~3回刈り取りベールし、最後はヒエ頼みである。
ヒエを粗飼料にすることを、怠け者のすることと遠吠えする御仁もあったが、イタリアンライグラスよりも嗜好性が高く、粗飼料としてりっぱに利用できるのである。
ひえの最もの長所は、肥料が不要であることである。
それと、何処の土壌も肥料過多であると新聞で拝読するが、その点、ヒエは過多となった土壌を綺麗に掃除してくれるのである。
牛は、ヒエの種子も大好物のようである。
もう、15年以上同様の栽培体系を継続している。




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2 コメント

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粗飼料購入 (Piyo)
2008-08-27 17:20:16
(・ω・)/

離乳後の育成牛には、
配合飼料はもちろん粗飼料も全て購入したものを与えています。

少頭数の牧場で、
トラクター等を揃える資金も予定もないが、
夏場だけは母牛にほとんど経費をかけずに管理出来る放牧地はもう少し広げてあげたいです。

ローズグラスの種がどこからか飛んで来て放牧地に点在していますが、
あまり好んでは食べない様です。

贅沢な…
といつも思っています。

(´∀`)/
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Unknown (kuroiusi)
2008-08-27 18:49:50
放牧で牛が飼える、と思っただけでうらやましい限りです。
購入粗飼料で育成とのことですが、放牧のまま育成しては如何ですか。
栄養管理がうまくいけば、自給飼料が一番だと思います。
肥育する側は、放牧状態で十分草を食べた子牛がほしいのです。
7ヵ月で210kg以上であれば最高なのです。
現状では、この様な条件下では、競りに出てきませんよね。
この様な牛は、草になれていて、草を飽食給与にしても良く食い込んでくれます。
草を食い込まない子牛は、肉量も肉質も期待薄なのです。

放牧場を一坪ずつでも増やして下さい。
牧野は牛が作ってくれるはずです。
最近は、山地放牧も見直されつつあります。

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