牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

再度講演を拝聴して

2010-09-21 18:23:08 | 飼料

和牛に関して、給与飼料中の微量要素が不足しているという講演があった。
講演は京都大学大学院農学研究科の鳥居伸一郎助教である。
主なる内容は、同助教らが09年に実施された微量元素含量の全国調査(繁殖雌牛290戸、育成子牛(164戸)により、とくに繁殖雌牛への銅や亜鉛などの不足が明らかであるとし、繁殖牛では、毛色が日焼けしたように茶色になるとか、繁殖成績の低下、子牛の発育不足などに関係があるとし、日本飼養標準に標準値とされている値の倍程度を与えることで銅不足は解決するというものであった。
銅などの不足の原因は、繁殖牛に給与される粗飼料は含まれる銅の割合が少なく、銅の割合が一定量補充されている配合飼料の給与割合が少ないためであるとしている。
これらの元素を補給するには、これらが強化された配合飼料や総合ミネラル添加剤を用いると良いとのことであった。
これらのうち、毛色については、粗飼料主体で銅不足の状態で生まれた仔牛は茶色で、哺液剤などを与えることにより、毛色が黒くなり、3~4ヶ月頃乾草を飽食させれば、再び茶色となり、子牛市場を意識して、育成配合を増やすことで、再度濃くなると言う話もあり、うなずける面があった。
ある施設で、低コストが目的で、離乳後の子牛に良質のヘイレージを飽食させているが、発育も今一であるが、毛色がやたらと茶色であることに気づくことがあった。
この研究報告については、個々の飼育環境により問題なく飼育されているケースが多々あるはずであるが、その逆もあると言うことであろうと解釈した。
なぜならば、大多数の繁殖牛は年1産の分娩間隔をなし、繁殖雌牛の頭数に比し子牛頭数が下回っているとは実感していないからである。
繁殖経営者がそのことを意識しながら対処する情報源となったことは事実で興味深い調査研究であった。




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1 コメント

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こんにちわ^^ (真琴@ちょっと辛い・・・)
2010-09-26 12:12:52
ちょっと気になる記事があって、読んでいました^^

また、時間がある時に読みに来ますね^^

頑張って下さい^^
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