
導入牛をパソコン管理するようになり、5年が過ぎた。
そのお陰で、帳面が不要となり、画面を開けば、個々の牛の詳細が一目瞭然である。
出荷牛の詳細なデータ入り一覧表や写真入り生産履歴なども行番号さえ入力すれば忽ちプリントアウトできる。
出荷後の肥育成績や販売データなどの入力で、様々な分析も楽に出来る。
楽でないのは、導入時の詳細なデータの入力である。
数字であったり、英字であったり、漢字など日本語であったりである。
問題は、日本語入力で、種雄牛の代々三代祖であったり、母牛の名前、導入牛の名前、生産者や産地名など複雑である。
種雄牛については、賢いパソコンのこと、ちゃんと名前を覚えていてくれるので、頭文字がダブらなければ、「も」と入力すると「紋次郎」が現れる。
だから意外と楽に入力が可能なのである。
苦労するのは、母牛の名前である。
「かめただ4の2」などと延々入力するのに骨が折れる。
母牛の名前は、当然子牛時に命名されるが、それらの名前を記録しながら、様々な思いが浮かんでくる。
以前は、「安福×しらゆり」の産子で雌子牛であれば、確か「しらふく」、雄子牛であれば、「安百合」という法則があった。
今では、それはなく、子牛から親牛を判断することは出来ない。
具体的な名前の付け方には、畜主の家族愛、趣味、スーパースターや芸能界への憧れ、地域愛や個々の生活感など様々な背景が伺える。
既に出荷済みの約3,000頭の母牛の名前に目を通すと、畜主やその家族の名前、歌手であろうか「あきな・せいこ・ひばり」、女優「ありさ・さやか・ちはる・さゆり」、美しさを求めているような「あんくるい・おりひめ・ふくひめ」、地域愛「すずらん・ささゆり・はいびすかす」、「いちろう・しんざん」、未来志向「きぼう・のぞみ・みらい」、皇室の「きこひめ・かこ・あい」、行きつけのお店「いえらいしゃん・きゃさりん・きらり」など、これぞ牛の名前かいと言いたくなるような名前ばかりである。
これらの名前を入力しながら、つい、子供の頃の同級生たちの名前が次々に現れるので、彼女らを思い、どう暮らして入るであろうかと余計なことではあるが、懐かしさを抱かせてくれるのである。
そして、これらの名前のランキングである。
①たかこ 40 ②みつこ 24 ③ふくこ 20 ③しげこ 20 ⑤はなこ 19
⑥かつこ 18 ⑦あきこ 16 ⑦さくら 16 ⑦さつき 16 ⑦めぐみ 16
このランキングから、畜主の身回りの女性が引用されているのかな?
職場では登録する雌牛の名前を決めさせてもらっています(笑
初めて自分の泊まりのときに生まれた子牛を自分の名前にした日から、自分の家族、職員さんや、OBさんの奥様、娘さんの名前を勝手に拝借してつけまくっています。
不思議なものでそのほうが、彼女は誰だ!とか、すぐにわかるものですね。
ちなみに、「たかこ」さん、「あきこ」さん、「さつき」さんはうちにもいます。
f^_^;
…愛称を勝手に付けて呼んでいる牛も多いです。
保留牛で自分が名前を付けた牛は良いのですが、
導入牛の場合は気に入った名前ではない時も。
“いと4”という名前の牛は“えりぃ”と勝手に呼んでますが、
サザンオールスターズはご存知でしょうか?
(^^ゞ
息子や娘を育てて愛着を持っているんですから。
あなたのように牛に愛着のある牛飼いが益々増えることを願っています。
いい仕事していますね。
それ以前は、ホルスタインやF1牛の子牛は、人が哺乳するので、子牛たちは人慣れしていると思われていました。
だから、最近の和牛の子牛たちも人慣れしているケースが増えています。
こうなると、余計子牛たちが可愛く感じられます。
ミルクが欲しいと後を着いてきたりして。