牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

鉱塩は使い分ける

2011-02-24 19:11:37 | 予防治療







一般的に肥育用配合飼料にはNaclは配合されていない。
湿気や配合の変質を引き起こすからである。
その代わりミネラルなどを含ませ固形化された鉱塩を利用している。
去勢牛は、尿道結石症の発生が出易い。
それを予防している一つが、塩化アンモン入りの鉱塩である。
去勢牛を用いて肥育するようになった当初の55~65年頃まで粗飼料には生草を給与していたが、その頃はこの尿石症やビタミンA欠乏症の発生は極希であった。
その後、粗飼料に稲ワラを利用するようになり、配合飼料の給与割合が多くなるにつれて、尿石症やA欠乏症が多発するようになった。
このうち、尿石症を発症したものには、塩化アンモン30gを水で溶いて与えることで、回復した。
その後、この効果を利用して塩化アンモンを混合した鉱塩が市販されるようになり、予防効果が一般的になった。
最近では、従来品(写真上)に加えて尿石症への予防効果をさらに高めるために、塩化アンモンを従来品より2倍混合した200TZが市販されている。
一方、雌牛の場合は、尿管の構造が去勢牛と異なることから尿石症の発症は皆無であるために、塩化アンモン入りの鉱塩は不要である。
そのために、雌専用として安価な岩塩(写真下)を導入して利用している。



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1 コメント

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参考になりました (MIND)
2014-03-10 20:29:08
はじめまして。私は繁殖牛農家です。
今まで使ってた鉱塩を販売業者がやめてしまい、写真下のボバインソルトを入れてきました。
なるほど、ボバインソルトは尿石予防には効果なしなので虚勢子牛には与えないほうがよいのですね。

ありがとうございました。
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