さくらおばさんの ひとりごと

日々の想いを綴ります。

俳優座公演 『沈黙亭のあかり』

2010-05-26 | 演劇
          


 作:山田太一、演出:中野誠也の『沈黙亭のあかり』をみました。

 面白かったです。



 「沈黙亭」のマスターは、4年前の妻の自殺がショックで耳が聞こえなくなり、しゃべれなくなりました。

 店に来る客とは、ホワイトボードでの会話。

 常連客は、聞こえないししゃべれないマスターであることで、安心していられる。


 ある日、15歳(13歳だった?)の娘に自殺された母親がこの店へはじめてやってくるところから、これまでの日々と違ってきます。

 ちょっと日常では起こりそうもない事件が勃発。

 緊張の頂点で、マスターが声を・・・。


 コメディーですので、随所に笑いが起こります。

 それでも、自殺をめぐる会話は、あとに残されたものにとっての傷の深さを教えてくれます。



 
 時には沈黙もいいことがある。言葉をぶつけ合うのもいい。

 人と人との関わり合い。

 面倒なことも少なくありませんが、人との関わりの中でまた、知ること、学ぶことができるし、どうしたって一人では生きていけません。

 あぁ、誠実に生きて行きたい。



 この芝居で、露口六郎というお年寄りを演じた遠藤剛さんが、すっごくよかった!
 
 とぼけているけどしっかりしている人物です。

 ごく自然な演技ですが、声も言葉も客席によく届いていました。


 実は、遠藤さんは私と同年で友だちでもあります。

 友だちだから贔屓しているわけではありませんよ。ほんとうにうまいのです。「うまい」と感じさせないのですよね。



 幕間に流れる音楽(ギター)もよかったです。



 
 この『沈黙亭のあかり』は、新宿・紀伊國屋ホールで5月30日(日)までです。



           劇団俳優座

             http://haiyuza.co.jp/
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