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作:山田太一、演出:中野誠也の『沈黙亭のあかり』をみました。
面白かったです。
「沈黙亭」のマスターは、4年前の妻の自殺がショックで耳が聞こえなくなり、しゃべれなくなりました。
店に来る客とは、ホワイトボードでの会話。
常連客は、聞こえないししゃべれないマスターであることで、安心していられる。
ある日、15歳(13歳だった?)の娘に自殺された母親がこの店へはじめてやってくるところから、これまでの日々と違ってきます。
ちょっと日常では起こりそうもない事件が勃発。
緊張の頂点で、マスターが声を・・・。
コメディーですので、随所に笑いが起こります。
それでも、自殺をめぐる会話は、あとに残されたものにとっての傷の深さを教えてくれます。
時には沈黙もいいことがある。言葉をぶつけ合うのもいい。
人と人との関わり合い。
面倒なことも少なくありませんが、人との関わりの中でまた、知ること、学ぶことができるし、どうしたって一人では生きていけません。
あぁ、誠実に生きて行きたい。
この芝居で、露口六郎というお年寄りを演じた遠藤剛さんが、すっごくよかった!
とぼけているけどしっかりしている人物です。
ごく自然な演技ですが、声も言葉も客席によく届いていました。
実は、遠藤さんは私と同年で友だちでもあります。
友だちだから贔屓しているわけではありませんよ。ほんとうにうまいのです。「うまい」と感じさせないのですよね。
幕間に流れる音楽(ギター)もよかったです。
この『沈黙亭のあかり』は、新宿・紀伊國屋ホールで5月30日(日)までです。
劇団俳優座
http://haiyuza.co.jp/