さくらおばさんの ひとりごと

日々の想いを綴ります。

「賃貸住宅追い出し屋被害110番」

2009-07-30 | 暮らし
             

              夾竹桃  09.7.17



 肌寒かったり、うだるような暑さだったり、おばさんはついて行くのがたいへんです。

 セミの声が賑々しくなってきました。




 国公一般ブログ「すくらむ」に、いわゆるゼロゼロ物件賃貸住宅などの、暴力的強制的な追い出し被害からの救済を目的にした、反貧困ネットワークからのお知らせが掲載されていました。

 大事なことですので転載させていただきます。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~以下転載~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





「賃貸住宅追い出し屋被害110番」常設します!


 私たち「首都圏追い出し屋対策会議」は、弁護士、司法書士、市民有志などで構成し、「敷金礼金ゼロ、保証人不要」をうたい文句に賃借人を勧誘するいわゆるゼロゼロ物件賃貸住宅などで起こっている強制的追い出し被害について、被害救済を目的とする団体です。


 ゼロゼロ物件の保証会社の中には、家賃を少しでも滞納すると、「鍵を勝手に交換し居宅に立ち入る」、「不当な違約金を取り立てる」、一定期日までに違約金を支払わないと「家財道具を全部勝手に処分し追い出す」などの約束をさせ、脅しを繰り返したり、約束を理由に本当に追い出したりということが行われています。また、深夜、未明を問わずに家にやってきたり、一日何十回も電話をかけてきて、無理矢理に家賃を取り立てる被害が多発しています。


 そもそも、こうした約束をしたとしても無効であると考えられます。また、無断で居宅に立ち入り、家財道具を勝手に処分し、強制的に退去させる行為は、刑法上の住居侵入罪・不動産侵奪罪にあたると考えられ、このような行為を許しておくわけにはいきません!これらの被害や家賃の過酷な取り立てでお困りの方は下記にご相談下さい。司法書士や弁護士がすぐ対応致します。



  首都圏追い出し屋対策会議
 代表 弁護士 宇都宮健児

 ▼「賃貸住宅追い出し屋被害110番」常設


 相談受付電話
 03-3379-5211
 (朝10時から夕5時まで)
 代々木総合法律事務所内
 事務局長 弁護士 戸舘圭之まで

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『ロスジェネ』刊行企画のお知らせ (追記あり)

2009-07-23 | 催し物
 世間を騒がせて(?)創刊された超左翼マガジン『ロスジェネ』は、いま第3号が発売中です。私はまだ手に入れていないのです・・・。

 で、 『ロスジェネ』刊行企画のお知らせ が、作家で『ロスジェネ』編集長・浅尾大輔さんのブログにありましたので、転載させていただきます。


    
          



【お知らせ】ロスジェネ第3号企画「近代100年の問い──文学とアートの過去・現在・未来」


さて、ロスジェネ第3号「エロスジェネ」刊行企画のお知らせです。

紀伊國屋書店第58回紀伊國屋サザンセミナー
「エロスジェネ」(「ロスジェネ」第3号)刊行記念座談会

2009年8月10日(月)午後6時半開場、7時スタート

近代100年の問い──文学とアートの過去・現在・未来

出演者: 小森陽一(東大教授/国文学者)
     会田誠(美術家)
     
     大澤信亮(批評家、「ロスジェネ」編集委員)
     浅尾大輔(作家、「ロスジェネ」編集長)
     増山麗奈(アーティスト、「エロスジェネ」編集責任)

100年前、世界の中心・ロンドンで精神を病むまで近代を味わい、高等遊民という名の「ロスジェネ」を主人公に小説を書き続けた夏目漱石。
漱石の死の数年前に渡仏、芸術の都・パリで喝采を浴びるという日本画壇の悲願を達成しながら、太平洋戦争中その力のすべてを「戦争画」に叩き込んだ藤田嗣治。

彼らの絶望と希望を私たちは一度でも魂で受け止めたことがあるのか。

漱石研究の第一人者・小森陽一氏、「戦争画RETURNS」で近代日本画を問うた美術家・会田誠氏を迎え、資本主義の暴力を怒りの沸点で味わった「ロスジェネ」が、今、グローバル下の文学と芸術という「近代100年の問い」を切り開く。現実の矮小化、下らぬマッピング、偽の問題、愚劣な揶揄が許される時間はもう終わりだ。
(大澤信亮 ロスジェネ編集委員)


2009年8月10日(月)
開演 19:00   開場 18:30
場所 紀伊國屋書店 新宿南店7階 紀伊國屋サザンシアター
共催 紀伊國屋書店/ロスジェネ
協力 かもがわ出版
   定員 300名 入場料/1000円  

〈チケット取り扱い〉7月18日(土)午前10時より発売
前売り
紀伊國屋サザンシアター 紀伊國屋書店 新宿南店7階 (10:00~18:30)
キノチケットカウンター 紀伊國屋書店新宿本店5F (10:00~18:30)
電話予約・お問い合わせ 紀伊國屋サザンシアター 03-5361-3321 (10:00~18:30) 

 """"""""""""ここまで転載""""""""""""""



 私も行きたいのですけど、あぁあ、行かれません・・・。



          浅尾大輔さんブログ

             http://blog.livedoor.jp/asaodai/


       追 記      2009.7.25


 浅尾さんのブログへの私のコメントに、浅尾さんがくださったお返事です。

 「この会田さんの絵には、右側に、もうひとりの傷ついた少女が描かれていて、それはチマチョゴリを着て太極旗を抱えているもの。これは、かつての戦争画を見事に転倒させていると思います。」
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映画 『蟹工船』 (SABU監督)

2009-07-18 | 映画・ドラマ
 梅雨明けと同時に猛暑。 セミのコーラス。

 どちら様も 暑中お見舞い申しあげます。

 水分補給をどうぞお忘れなく。


 都議選が終わった翌13日、SABU監督の『蟹工船』を観に行きました。


          

          


 SABU監督の存在は、この映画で初めて知りました。



     自分の頭で考えろ。 自分の意思で立ち上がれ。


 このメッセージは、若い人たちが生きているあらゆる場面においての励ましの言葉なのでしょう。


 過酷な現場を描いている映画なのですが、寓話的な場面や、思わず笑ってしまう場面もあります。そして、かっこいい。



 カムチャッカ沖で獲った蟹を、すぐさま船内で缶詰に加工する。

 人力で動かすベルトコンベアーが何回も出てきます。

 量産するには当然のことながら、コンベアーを動かす力を大きくしなければなりません。

 労働者が、取っ手を力いっぱい、へとへとになって握り締め、大きな歯車を回します。

 それは過酷なことではありますが、人力で加減できるということでもあります。

 サボタージュ、ストライキの象徴のように見えました。


 初めから気になったのは、悪の代表・現場監督の浅川です。常にニヒルで自嘲的な表情。

 いちばん下層の労働者たちを、ピストルで威嚇し、棍棒で殴りつけながら、働け働けと酷使することで自分の地位が保たれる存在であってみれば、この人もまた 搾取の歯車 の一つに過ぎません。


 「もたもたするんじゃねぇっ!
 いやしくも仕事が国家的である以上、戦争と同じなんだ!日本帝国の大きな使命の為に、死ぬ覚悟で働けっ!
 判ったかぁ!」
                    浅川監督:西島秀俊

 諸君!あきらめるには、まだ早すぎるっ!絶望の向こうに成功が待っているんだ!望むから実現するんだ!その為には、一人一人が自分の意思で立ち上がらなければならないっ!」
                    漁夫・新庄:松田龍平
                          (パンフレットより)



 初めてのストライキに敗れたあと、労働者たちは気がつきます。

 「俺たちは間違っていたんだ。代表なんかつくってはいけなかったんだ。俺たちはみんなで一つなんだ。」


 そしてラストの「もう一度」の場所にそれぞれが向かう場面では、胸がドキドキと鳴りつづけ、そして、やはり涙があふれました。


 
 スクリーンのエンディングでも、パンフレットの「STAFF PROFILE」でも、照明・録音・・などと並んで、その初めに 原作:小林多喜二 と紹介されて、なんだか多喜二さんが、いま現在のスタッフと一緒に生きていて、撮影現場にいたような気に ふっ ととらわれました。



 SABU監督の言葉(パンフレット)のように、「いくら過酷な現状でも、人ってなんとか前を向こうとするものだと思うんです。それは時代を超えて普遍的に人間の中に流れているものではないか」と、誰もが思えるように!




          テアトル新宿
             
            http://www.cinemabox.com/schedule/shinjuku/index.shtml



 このブログ内での関連記事
        
         http://blog.goo.ne.jp/kunchi_2006/d/20080721

         http://blog.goo.ne.jp/kunchi_2006/d/20090123     
コメント (2)
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催しもの  見解  新著案内

2009-07-12 | 催し物
 いま、都議会議員選挙の開票作業中です、多分。

 かなり進んでいるでしょう。

 開票速報というもの、私は苦手なのであまり見たくないのです。
 なので、今現在の状況はよくわかっていません。

 
 いずれにしても、また新しく歩を進めましょう!




           """"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""


 仲築間卓蔵さんのブログから。


  マスコミ九条の会

   公開討論会 「国民はどのような新政権を求めているか」

 呼びかけている党 民主党
          日本共産党
          社会民主党
          国民新党
 日時  7月30日(木)開場・午後5時45分
                 開会・〃 6時
 場所  日本記者クラブ 10Fホール     (千代田区内幸町2-2-1)
 討論者・・・・・ 辻井 喬(詩人,作家)
          前田哲男(軍事問題評論家)
 コーディネーター 桂 敬一(元東大教授、マスコミ研究者)



 仲築間さんのブログもご覧ください。

        http://blog.goo.ne.jp/takuzou4108/




          """"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""



2009/07/08 1634号    [JCJふらっしゅ]    (転送紹介歓迎)


            < J C J 見 解 >

NHKスペシャル『アジアの"一等国"』に対する非難・中傷の動きについての見解

                         2009年7月7日
                        日本ジャーナリスト会議

 4月5日放送のNHKスペシャル「JAPANデビュー」第1回『アジアの”一等国”』に対して、一部マスメディアと団体は、番組内容が一方的だなどとして非難・中傷を浴びせ、街宣車を繰り出すなどの行動を続けている。

 日本ジャーナリスト会議は、このような行為は単にNHKだけの問題に止まらず、日本における言論表現の自由そのものに対する恫喝と干渉にあたると考え、放送の自主性と自律性を尊重する立場から、直ちに中止されるべきだと考える。

 この番組は、150年前に開国した日本が、西欧列強に伍して一等国の仲間入りをめざす過程で、日清戦争の勝利で手に入れた台湾における植民地統治の実態を、豊富な資料や当時を知る現地の人々の証言をもとに検証し、日本が今後アジアに対して向き合う手がかりを得ようとしたものだ。

 ともすれば台湾が親日一辺倒だという誤った観念しかもってこなかった日本人に、改めて歴史認識の見直しを迫る優れた番組だったと言うことができる。
 実際、視聴者からの反応も、「台湾近代化に功績があったといわれる後藤新平が、少数民族を匪徒刑罰令で取り締まった事実を初めて知った」など、番組を評価する声が多い。

 しかし、一部の新聞や月刊誌、それにCS放送などの論者は、番組で使われた用語や取材手法を槍玉に挙げ、「”日台戦争”なんて捏造だ」「台湾を”反日国家”に仕立て上げ、台湾人の心を傷つけた」などと非難し、果ては、「台湾人の証言はやらせ」「日本人の善行は全く取り上げていない」「NHKは中国からカネをもらっている」など、根拠のない誹謗・中傷を繰り返している。

 その一方、第二次大戦中、21万の台湾人が日本軍に徴兵され、3万人が戦死した事実などには目をつぶり、「台湾人は日本兵になることを誇りにしていた」など都合のいい証言を並べ立てている。こうした主張は結局、アジアにおける日本の植民地支配を免罪、美化する歴史修正主義の立場に他ならず、事実を直視しない歪んだ見方といわざるを得ない。

 また、「日本李登輝友の会」などいくつかの団体は、NHKの番組担当者、経営者の辞任、シリーズ番組の中止を要求する集会やデモを繰り返し、この中でNHK関係者の制止を振り切って構内に乱入するなど非常識な行為も伝えられており、「この番組で精神的苦痛を受けた」として、8000人を超える賛同者による集団訴訟を起こすまでに至っている。

 こうしたうごきに呼応するかのように、慰安婦問題のNHK番組に政治介入した疑いをもたれている自民党の安倍晋三氏らの国会議員が、番組が偏向していたという口実の下に、6月11日、「公共放送のありかたについて考える議員の会」を立ち上げ、番組内容に問題がないか検証すると決めたことは重大である。

 政権与党の影響力を背景にしたこうした政治家の動きは、放送番組への干渉などを禁じた放送法第三条に違反する疑いが濃厚であり、今回特にNHKに的を絞って睨みを利かせ、ひいては日本の放送番組全体への萎縮効果を意図したものと言えるのではないだろうか。

 これに対して、NHKは6月17日、問題にされた番組のねらいや用語、取材方法などについて説明文を発表し、問題にされている部分について、それぞれ事実に基づいた詳細な回答をした。こうした姿勢は、この問題に真摯に向き合おうとしているものとして評価できる。

 視聴者の立場から番組に対する批評や、批判的意見を述べることは、当然の権利であり、番組の質を高めるためにも欠かせないものであるが、自分たちの主張を力で相手に押し付けようとする今回の一連の言動、威嚇的行為は、表現の自由と放送の自主性、自立性を脅かそうとするもので容認することはできない。

 今のところNHK経営陣や制作現場に動揺は見られないと伝えられている。
 日本ジャーナリスト会議は、NHKが、道理を欠いたこうした圧力に対して毅然とした姿勢をつらぬくことを求め、今後の番組作りにおいても決して萎縮することなく、「放送の自由と自主自律」の原則の下に、公共放送としての真実の追求と自由で豊かな番組づくりのために、さらに努力するよう心から願うものである。



          """"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""



 土井敏邦さんからの 転送歓迎! のメールと日本ビジュアル・ジャーナリスト会議からのメールマガジンです。



 土井敏邦です。

 1400人を超える死者を出したイスラエル軍によるガザ攻撃から、半年が過ぎました。
 世界のメディアは、ガザの状況をほとんど伝えなくなりました。「攻撃が終結したガザに平和が戻った」と考えている人も少なくないはずです。
 しかしその後も、“封鎖”という“占領”が続くガザでは、復興のための資材のみならず、食料や生活物資さえ入手が困難が状況が続いています。

 この半年間、私はガザで何か起こったのかを、NHK・ETV特集「ガザ・なぜ悲劇は繰り返されるのか」(5月10日放映)やBS「きょうの世界」(3月10日放映)、数々の講演・上映会で、映像を通して伝えてきましたが、今回、その“歴史の記録”を活字化しました。

 
 『ガザの悲劇は終わっていない―パレスチナ・イスラエル社会に残した傷痕―』  (岩波ブックレット)
 
  〔目次〕

     はじめに
   
   Ⅰ ガザで何が起きたのか
             サムニ一族・虐殺事件/目の前で父を射殺された少女 /白旗を掲げた少女の射殺
             アルダーヤ家の虐殺/産業破壊

   Ⅱ ハマスとガザ攻撃

   Ⅲ なぜ、ユダヤ系市民はガザ攻撃を支持するのか

   Ⅳ ガザの復興 

   おわりに

  
 本書ではとりわけ、住民殺戮の事実を、複数の目撃者の証言によって詳細に再現することに留意しました。
 また、これまであまり報じられてこなかった、イスラエル側が「攻撃の元凶」と主張する「ハマス」への、ガザ住民たちの反応にも言及しました。
  そのために規定の原稿枚数を大幅に超過し、『岩波ブックレット』としては異例の2段組みのかたちになりました。

  本書に欠落しているのは、直接の加害者であるイスラエル軍将兵たちの証言です。

  幸い、占領地での将兵たちの加害の実態を告白した「沈黙を破る」のメンバーたちが、「休戦」直後から、ガザ攻撃に参加したイスラエル軍将兵たちの証言を集めてきました。それが、まもなく小冊子として公開されます。その英語版が完成し次第、翻訳し、前作『沈黙を破る』の〔第2弾・「ガザ攻撃」編〕として、なんらかのかたちで公開する予定です。


 一方、映画「沈黙を破る」は、今後、首都圏内では、以下のような上映予定です。 「ポレポレ東中野」での上映をお見逃しの方は、ぜひご覧ください。

 ・横浜/ジャック&ベティ(8月1日~8月14日)

 ・新宿/新宿シネマート(8月15日~8月28日)


                                            7月7日  土井敏邦


  

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
土井敏邦 (DOI , Toshikuni)
URL : http://www.doi-toshikuni.net/  
(コラム「日々の雑感」)

『ガザの悲劇は終わっていない』
           (岩波ブックレット/7月7日出版)
  
『沈黙を破る』 〈http://www.cine.co.jp/chinmoku/〉      
  ・名古屋・シネマテーク(6月27日~)
        ・神戸・アートビレッジセンター(7月11日~24日)
        ・佐賀・シアターシエマ(7月18日~)
        ・沖縄・桜坂劇場(7月18日~)
        ・横浜・ジャック&ベティ(8月1日~8月14日)
        ・新宿・新宿シネマート(8月15日~8月28日)


          """""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
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映画 『嗚呼 満蒙開拓団 (ああ まんもうかいたくだん) 』  (追記あり)

2009-07-06 | 映画・ドラマ
 梅雨ですねえ。
 日本人の肌がしっとりしているのは、梅雨のおかげ・・とか、きいたことがあります。


 いま、東京都議会議員選挙が行われています。

 お金の使い道の優先順位を、そして都民の暮らしと命を守る政策が都民にきちんとわかるような報道を、マスコミさん、おねがいします。

 都側が提出した案件の99.3%に賛成した政党を 野党 などと言って、都民を惑わすような報道はしませんように。

 マスコミさん、きっぱりと目を醒ましてください。




 過日観た映画です。

          

     羽田澄子演出作品 『嗚呼 満蒙開拓団』


 満蒙開拓義勇団が日本政府によって組織されたのは、私の生まれた年でした。
 (この年は国家総動員法が公布・施行されています。)

 冷害による不作と不況の中にあった農民に「満州(日本が中国東北部につくったカイライ国家)へ行けば、豊かな大地で農業ができる」と夢を持たせて、27万人の人々を送りました。

 それは、中国の農民から取り上げた土地。そして、荒地のような大地。

 酷寒とたたかいながらの開拓生活だったそうです。

 この映画のパンフレットのなかで井出孫六さんは

  「満州開拓計画は「満州事変」の最中、関東軍(在満日本陸軍)によって立案されたが、将来の対ソ戦略と表裏していた。前線に近い地域に開拓団を配置すれば、戦略道路、通信網などのインフラが整備され、治安の保持にも役立ち、飲料水、食糧が確保される。加えて開拓団に貸与される馬から軍馬を調達できるのみならず、一旦緩急ある場合、兵力の補充も可能となる。」

と書かれています。

 そして、関東軍を補強するため、敗戦間際には開拓団からの召集年齢を45歳にまで引き上げて、開拓団には青・壮年の男性はいなくなりました。

 映画は、羽田監督自身のナレーションで進みます。

 大日方悦夫(おびなたえつお)さん(現代史研究家)が書かれた文章が09.6.24付 しんぶん赤旗 にありますので、その一部を転載させていただきます。


 「映画は、黒龍江省の省都ハルビン郊外、方正(ほうまさ)県方正鎮の「方正地区日本人公墓」を訪ねる映画監督羽田澄子の旅から始まる。羽田は、戦前「満州」大連に生まれ、1948年(昭和23年)に引き揚げた経歴を持つ。
 「日本人公墓」は、63年(昭和38年)に建立された。中国東北地方唯一の日本人開拓団慰霊碑である。敗戦直前、ソ連の侵攻によって開拓地を追われた開拓団員の女性・子ども・老人たちは、関東軍の駐屯地が置かれていた方正に避難した。零下30度の厳冬下、寒さ・飢え・病気などで死亡した日本人は、4500名を超えたという。野地に遺棄された遺骨を収集し、墓碑建立を請願したのは、中国残留婦人の松田ちゑだった。松田の努力が実って黒龍江省・方正県人民政府によって建てられた公墓は、文化大革命期にも中国人によって護(まも)られたという。」


 映画のなかでのいくつかの証言をご紹介します。

井上静江さん(山梨県)
 兵隊さんが来て、「そんな年寄りをどこへ連れて行くのだ。連れて行っても何の役にも立たないから捨てて行け」と怒鳴った。おばあさんはそこで動こうとしなくなったので、置いてきてしまった。

徐士蘭(ジョシーラン)さん(残留孤児)
 養母が亡くなってからずっとひどい目に合わされた。祖国にも帰れないし、自分の親もわからない。(日本の厚労省が認める証拠品がないので、日本に帰れない。)

ぶな沢仁(ぶなさわひとし)さん(軍人家族)
 あんな国境近くにいながら、我々軍人家族だけを最優先で後方へ逃がしてくれた。助けを求める人の手を振り払って行ってしまう。逃亡の手段を持たないのをわかっていながら、置いていく。

金丸キヌ子さん(埼玉県)
 山の途中まで来て、お腹がすいて泣く3人の子どもを、あるおばあさんが自分の子どもと、私の従妹の2歳の子と、もう1人の弟の3人を、手ぬぐいで殺した。

 ・・・・・・・

 このような証言がたくさん紹介されます。

 なんとなく知っている話ではあるのですが、沖縄のひめゆり部隊の方たちの話もそうですが、生き残った体験をその人の口からきくと、やはりとてつもなく重いものがあります。

 日本の敗戦が報じられた途端に、中国の人たちの態度が豹変し、ひどい仕打ちを受けた人もいれば、他方では愛情いっぱいに育てられ、幸せな結婚もして帰国した人もいます。

 なにより私が驚いたのは、方正地区日本人公墓のことです。

 羽田さんがナレーションで語っているように、中国の方たちは日本軍から多くの暴行を受けたにもかかわらず、日本人のお墓を造り、守ってきてくれました。


 山本宗補さんの文章(http://homepage2.nifty.com/munesuke/za-2007-3-4.htm)も合わせてお読みいただきたいのですが、このような一つひとつの証言、記録がとても大事なことだということを、あらためて思いました。

 証言できる人はもう、あと何年も生きていられません。

 なるべく早いうちに証言を聴いてほしい。
 そしてそれを記録にとどめてほしい。
 
 この映画は大事だと思います。

 若い方たちがこの映画を観る取りくみをしたらいいな、と思います。



         上映は 7月31日(金) まで。

            岩波ホール  http://www.iwanami-hall.com/



         追 記     2009.7.9


 こちらのサイトで、上映会の予定、上映会の開き方などがご覧になれます。

            自由工房

              http://www.jiyu-kobo.com/



        """"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""


 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会からのメールマガジンです。


07・11 旧「満州」連続学習会 第2回
       ―今も続く旧日本軍遺棄毒ガス兵器の被害―
 ●主催 沖縄平和ネットワーク首都圏の会

 映画「にがい涙の大地から」海南友子監督が語る
 『今も続く旧日本軍遺棄毒ガス兵器の被害』
  ~声を上げ始めた被害者たち~

日 時:7月11日(土) 開場13時半 13時45分~17時
    ◆当日、沖縄戦記録フィルム1フィート運動の会、設立25周年記念作品
    「軍隊がいた島―慶良間の証言」(2009年作品 38分)を上映します
会 場:スペース&カフェ「ポレポレ坐」 http://za.polepoletimes.jp/map/
    中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビル1F 
    TEL: 03-3227-1405
    JR総武線 東中野駅 西口 徒歩1分
    都営大江戸線 東中野駅 A1出口 徒歩1分
参加費:800円
    ◆予約は不要です。当日会場に直接お越しください。

講 師:海南 友子(かな・ともこ)さん
映像作家。日本ビジュアルジャーナリスト協会(JVJA)会員。
大学卒業後、NHKで報道ディレクターとして勤務。2000年に独立。2001年インドネシアの元「慰安婦」を取材した「マルディエム・彼女の人生に起きたこと」を監督。2004年「にがい涙の大地から」で、過去の戦争で遺棄された化学兵器に苦しめられる人々の姿を追った。この作品で「黒田清日本ジャーナリスト会議新人賞」「平塚らいてう賞」「平和・協同ジャーナリスト基金賞奨賞」受賞。地球温暖化をテーマにした新作「ビューティフルアイランド」を準備中。



JVJA事務局 河野圭佑
TEL:090-6494-1229
MAIL:keisuke_kono@yahoo.co.jp

〒101-0063
東京都千代田区神田淡路町1-21 静和ビル2F
TEL: 090-6101-6113 
FAX:03-3252-7651
MAIL:office@jvja.net
HP:http://www.jvja.net/
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