さくらおばさんの ひとりごと

日々の想いを綴ります。

東京芸術座 『はつかねずみと人間』

2008-03-02 | 演劇
 ちひろ美術館へ行く時いつも、ここは個人のお宅だろうか、と気になっていました。
 
 バス通りの左側にあります。

 お断りもせず写真を撮らせていただきました。すみません。

            


 でもきょうは、ちひろ美術館へは行きません。

 住宅街を行くと、道案内の看板が。

             


 商店街には横断幕。

             


 目的地の東京芸術座です。

             

 ここを左に入ります。



     東京芸術座 『はつかねずみ人間』 

      原作/ジョン・スタインベック
      脚本・演出/杉本孝司

《ストーリー》 (パンフレットから)
  
  ──1930年代、大恐慌時代のカリフォルニア──
  いつか“自分達の農場”を手に入れたいと
  ささやかな夢を追い続ける貧しい渡りの農場労働者
  ジョージとレニーはいつも一緒。
  『俺にはお前が、お前には俺がついているから
  他の奴等のように孤独ではない』と、
  今日も二人は農場から農場へと渡り歩く。
  レニーは優しく純粋な男だが人並みの人間関係を結ぶのは難しく、
  絶えず面倒に巻き込まれる。
  ジョージはそんなレニーをいつもかばっているのだが・・・。
  やっと仕事にありついた農場で二人を待っていた運命は──。


 農場の労働者はみな貧しく、やっと稼いだお金は飲み代と“女”にすべて消えてしまい、ここを出たら住む家もありません。

 ジョージは、実現するはずがないと思いつつも、自分たちの農場を持つ夢を、いつもレニーに語り聞かせています。

 他の人の話はすぐに忘れてしまうレニーですが、ジョージの話だけはしっかりと記憶します。
 「そうしたら兎の世話をする!」

 レニーは、フワフワして柔らかいものが好き。
 このことが悲劇への引き金になります。

 二人の“夢”は、雑役夫の老人や馬屋係の黒人の夢にもなり、つかの間の希望が
芽生えます。

 が、ただただ、フワフワした柔らかいものを触っていたかっただけのレニーが引き起こした事件によって、“夢”は惨めに砕けます。

 逃げたレニーと、森の繁みで“夢”を語りながら、「レニーがボスの息子にリンチを受け、殺されるよりは、自分の手で」と思ったジョージは、レニーの頭をピストルで打ち抜きます。
 (ピストルの音が2度聞こえたように思えましたので、ジョージは自殺したのかもしれません。)

 暗い結末に涙が出ました。



 俳優さんといえば華やかな職業、と多くの人が思うことでしょう。
 でもそのような俳優さんは一部の人。

 多くの俳優さんが生活苦と闘っています。

 三度の食事、温かなお風呂と布団、安心した眠り・・・、ぐらいはほしい。

 でも、ネットカフェ暮らし、ホームレス暮らしとすぐ隣り合わせ、という人もある、ときいています。

 みる人に、夢と明日への生きる力を与える仕事をしている人が、です。


 きょうの私の涙は、このことと重なったのかもしれません。


 申し訳ありません、『はつかねずみと人間』は、きょうで終わりです。



         東京芸術座

           http://www.tokyogeijutsuza.co.jp/
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2 コメント

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考えました・・・! (ロコ)
2008-03-04 23:54:21
本当に、つくづく考えました・・・!
さくらおばさんの文責はさすがです。
あの時代の苦しみは、今また始まっている。
夢も見られないなんて、一体・・・

まさしく、今、この現実と重なります。

芝居で伝えるのが役者の仕事、それが出来なくなったら私たちは何・・・?!

嘆いているだけでは始まらない、今私にできることをやらなくちゃ、
返信する
ほんとに・・ (さくらおばさん)
2008-03-05 20:40:42
・・なんという政治でしょう。
でも、今は変えることができる。
ロコちゃんにできること、私にできること、つづけましょう。

あきらめない!
返信する

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