さくらおばさんの ひとりごと

日々の想いを綴ります。

読んだ本、観たい映画

2013-02-09 | 映画・ドラマ

 いつものスーパーへ行く途中、
 ん? なんだ?

  

 側溝の中に詰まっている枯葉のなかから、
 これは松でしょうか、
 芽が出ていました。

 やわらかで、かわいい。




 昨年10月以降に読んだ本のご紹介をします。


  佐野藤右衛門 「桜のいのち庭のこころ」 (ちくま文庫)

  清川妙 「91歳の人生塾」 (小学館)

  佐藤さとる作 村上勉絵 「コロボックル むかしむかし」 (講談社文庫)

  斎藤茂太 「「ゆっくり力」ですべてがうまくいく」 (集英社文庫)

  碓田のぼる 「歌集 桜花断章」 (光陽出版社)

  吉沢久子 「94歳。寄りかからず。前向きにおおらかに」 (海竜社)

  上野千鶴子 「おひとりさまの老後」 (文春文庫)




 いま、観たい映画があります。

 2月10日号の「しんぶん赤旗」日曜版に、
 君塚良一監督の映画が、
 タブロイド判1ページを使って紹介されていました。

 映画 「遺体~明日への十日間」

 これは、石井光太さんが、
 東日本大震災の3日後から取材を始めた、
 釜石の遺体安置所をめぐっての
 地域の人々の献身的な行動を描いたルポルタージュを
 映画化したものです。
 
 『遺体 震災、津波の果てに』は、
 現在までに19刷とのこと。新潮社刊。

 俳優に対する監督の注文は、
  泣く人は泣くし、泣けなかったら泣かなくてかまわない。
  そのとき感じたことを演じてください、
  うその反応だけはしないでください。
 ということだったそうです。

 「遺体安置所は畳の部屋にある感覚。
 どんなに(体育館が)泥だらけだったとしても
 僕は土足では歩けない」
 という西田敏行さんの考えで、
 西田さんは泥まみれの体育館に一人、
 靴を脱いで上がったそうです。

 記事の最後にある、
 君塚監督の言葉です。

  “無償の行為”っていうのは、忘れられた言葉だったかもしれない。
  でも実際にそれが行われていたっていうのが衝撃でした。
  どうしてできたんだろうと。
  これをやらないで次の企画にはいけない。
  僕が今までやってきたことを否定することになる。
  “映画人としてできる供養は映画をつくることだ”
  という思いで、
  みんなが真摯(しんし)に向き合ったと思います。 
 
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日本映画復興賞 など

2012-04-27 | 映画・ドラマ

 なんだ、これは?!

          


 こちらは、Y保育園の八重桜。

          


 2枚とも4月25日に撮ったものです。



 26日に当ブログでご案内の
 「新しい映像時代の危機」でご紹介したかった
 日本映画復興賞の作品や個人です。

 夕方のせわしない時間だったものですから、
 さぼってしまいました。

 あらためまして。



 第29回(2011年度)日本映画復興賞受賞者・受賞作

 日本映画復興賞
 ・映画『一枚のハガキ』の新藤兼人監督はじめスタッフ一同
 ・西田敏行氏

 日本映画復興奨励賞 
 ・映画『ミツバチの羽音と地球の回転』(鎌仲ひとみ監督)
 ・映画『大津波のあとに』(森本修一監督)および
  『槌音』(大久保愉伊監督)
 ・映画『がんばっぺ フラガール!~フクシマに生きる。 
  彼女たちのいま』(小林正樹監督)
 ・映画『あぜみちジャンピンッ!』の西川文恵監督はじめ
  スタッフ一同

 日本映画復興特別賞
 ・故 武田 敦氏
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ドキュメンタリー映画 「ちづる」

2011-11-25 | 映画・ドラマ

 10月31日の東中野の街。

  

 
 東中野駅ホームから見た、ポレポレ東中野のあるビル。

 



 この映画の主人公・ちづるさんは、
 1歳の時に自閉症と診断され、
 3歳の時に知的障害があることがわかった、
 現在22歳の女性です。

 兄である赤崎監督は、
 初め、自分が大学の友人に、
 妹のことを話すことができないでいました。

 そんな自分を変えたいという思いで、
 卒業制作作品として、
 ちづるさんのありのままの姿を、
 障がい者として、というだけでなく、
 ちづるさんの魅力も含めて、
 カメラに収めていきました。

 けれど、
 大学の指導教授でもある池谷薫監督とのディスカッションなどを通して、
 自分の中にもある、障がい者への偏見に気づき、
 ちづるさんを追うだけの撮影ではなく、
 家族(母や監督自身)を撮ることに改めます。

 ナレーションも字幕もほとんどなく、
 3人の日常を描いています。

 お母さんとちづるさんの、
 激しい取っ組みあいも正直に写しとり、
 ゆっくりした言葉の話しあいや会話など、
 「ある家族の日常」と言える映像になっています。

 ちづるさんの、
 素直な、正直な感覚がとても素敵で、
 知らず知らずに引き込まれていきました。

 笑顔がやわらかくて、愛らしい。
 魅力的な女性です。

 たしかに、社会の中では「障がい者」と言われる存在です。

 でもそれは残念な考え方ですね。

 一人の、人間としての、
 特別な存在ではなく、
 
 おっちょこちょいで、ヤワな、
 足腰が痛くなっている私とイコールな人間としての
 ちづるさんなのです。

 よく「障がいも個性」という言い方をすることがありますが、
 それもちょっと引っかかります。

 子どもや、病気の人や、高齢者などに
 社会の援助が必要なように、
 どのような人にも社会的な力が生きていれば、
 いいのにな、と思います。


 この映画をみると
 多くの人が、きっと、
 柔らかな気持ちになることでしょう。

 
 
          ポレポレ東中野で上映中。
 
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周防正行 『ダンシング・チャップリン』

2011-05-15 | 映画・ドラマ

 なんという素敵な映画なのでしょう。



 第1部でのインタビューや、討論や、稽古が、
 第2部で、なるほどね、こういうことなのね!
 と深く納得し、大いに愉しめました。


 周防監督が抱く、
 振付のローラン・プティ、主演のルイジ・ポニーノ、草刈民代さんたちへ、そしてバレエへの憧れを、
 映像として充分に描いています。

 でも、ほんとうは、
 チャップリンへのオマージュなのだと思いました。



 第2幕での13の演目すべてが、
 ため息の出るような見事な舞台、映像です。

 4「ティティナを探して」、8「小さなトゥ・シューズ」
  ほんもののチャップリンを彷彿とさせます。

 7「空中のバリエーション」
  これぞ憧れのバレエ!
  周防監督のこだわりが美しく拡がります。

 6「外套」、10「キッド」、11「街の灯」
  などと観ているうちに、
  チャップリンの、
  貧しい人、虐げられた人々に対する熱い想いが
  胸に響いてきました。

 「街の灯」の草刈さん、
 この盲目の花売りの娘さん、
 草刈さんにふさわしいなぁ・・・。


 そんな風に観てきて、
 ああ、私たちは偉大な芸術家を失ってしまったのだ・・・!

 と、気持ちが大きく揺れ、

  6人のチャップリンに扮したダンサーが踊る
 12「もし世界中のチャップリンが手を取り合えたら」で、
  ついに涙がこみ上げて・・・。

 
 この、
 もし世界中のチャップリンが手を取り合えたら
 の文字は、
 必要なかったかな?
 という気もしましたが、

 そうではない、
 これは周防監督の言いたいことなのだ!

 踊りの画面からだけでは、
 はっきりとは伝えきれないことなのだ。

 周防監督は、
 「それでも僕はやってない」で、
 弁護士役に、
 「これは国家権力とのたたかいでもあるのだから」
 とつぶやかせています。


 こんなに美しい、愉しい、心地よい映画、
 そして、強いメッセージ。


 周防監督も、チャップリンの一人です!




 私が観た映画館は、
 連日ほとんどの回が満席で、
 私も観たい時間には入れませんでした。

 パンフレットも品切れです。

 でも、公式サイトがよくできていますので、
 ぜひこちらをお楽しみください。


 「4月16日、チャップリン生誕記念日よりロードショー」
 と、このサイトで知りました。



 お ま け

  私の左隣の座席に
  永六輔さんが・・・。
 
 
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終戦特番 「15歳の志願兵」

2010-07-12 | 映画・ドラマ

 参院選が終わりました。

 政権党の過半数割れ、が話題です。

 確か3年前は、民主党の一人勝ち、だったと思います。

 公約を破ったことへの批判はもとより、党首の言うことのあやふやさに、有権者の気持が引いたのでしょうか。





 きょうの「しんぶん赤旗」の記事からご紹介します。



 8月15日放送のNHKスペシャル終戦特集ドラマ「15歳の志願兵」です。

 「江藤千秋著『積乱雲の彼方に──愛知一中予科練総決起事件の記録』に書かれた実話をもとに、戦争で引き裂かれた少年達の夢や友情を描」いたもの。

 このドラマの出演者の記者会見でのお話に引き込まれました。

 以下、記事からの転載です。




主人公・正美役の池松壮亮さん

 やっていてすごく苦しさを感じます。僕らの世代は戦争ってどこか人ごとだったので、そういう世代に訴えかけるものができたらと思います。



正美の親友・光男役の太賀さん

 この時代に生きた人は、友達と夢を語ることさえ簡単にできなかった。光男という役を自分なりに理解して一生懸命やっていきたい。



愛知一中の配属将校役の福士誠治さん

 僕自身が思うことと反対のことを言わなければならない。心を鬼にして演じたい。



愛知一中英語教師・正美の父役の高橋克典さん

 (ご自身のお父さんも予科練だったとのこと。「戦争には絶対反対すること」と教えられたそうです。)

 父はあと数番のところで戦争に行くところでした。その話をするときに必ず涙していました。その涙はすごく重要なものだと思っています。
 戦争がいかに異常なことかを世界中に提唱していけるのは、戦争はやらないと言い切った日本だけだと思います。私自身、息子がいますので、昔の人間よりは命の価値を重んじてきたということが、人間が少しだけ賢くなってきたところかなと思います。



校長役の竜雷太さん

 防空壕の中からB29を見た記憶のある数少ない世代。
 世界中で起こっている戦争に日本が巻き込まれない保証はないと思います。そのためにもこの作品を見て、国が賢くなるように。みんなでしっかりと支えていかなければならないんじゃないかと思います。




 このような発言をすることは、勇気のいることだと思います。

 感謝します。





 きょう、目にとまった言葉。


 
   ひたすら誰かの為に

   その誰かが

   それによって何かを始められるように

             
            
            (ベルトルド ブレヒト)
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映画 『ただいま それぞれの居場所』

2010-05-05 | 映画・ドラマ
 介護保険制度が始まって、今年で10年になるのですね。

 えー、もうそんなに?とも思うし、まだそんなもん?とも思います。

 本来は多分、いい制度だと思うのです。これで助かっている人も多いですし。

 ただ、どうも利用しにくいようですね。

 必要としている人が、充分に利用できるようにしないといけません。

 「後期高齢者医療制度」などという、世界で日本だけらしいこの制度が、選挙の公約どおりに廃止にならないでいる状況で、この先どう生きていけるのかという心配が、だんだん近づいています。



 過日、ドキュメンタリー映画『ただいま それぞれの居場所』(監督:大宮浩一)を観ました。


          


 一般的な介護施設を利用している人の中には、画一的な介護からははみだしてしまい、施設から断られることもあるようです。

 この映画では、「いしいさん家(ち)」「井戸端げんき」「元気な亀さん」「優人(ゆうと)」の四つの施設での生活を追っています。介護施設を経営する人、その家族、施設で働いている人、施設を利用している人が大家族のように見えてきます。

 四つの施設では、「問題行動」もそれはその人にとっては意味ある行動と受け止め、一人ひとりと人間として真正面から対しています。

 

 この映画を観ながら私はもう20年ほど(?)前に読んだ『夕映えの時を美しく』という本(題名はうろ覚え、著者も忘れてしまって、申しわけありません。)を思い出していました。

 このころはまだ「認知症」ということばは使われていなかったと思います。ボケと言っていた?

 どんなにボケようとも、環境さえ整っていれば、その人らしく生きていくことが出来る。
そう思って嬉しくなったのでした。



 そんなふうにありたい。

 多くは政治の問題でしょう。



 映画館を出る時、大宮監督にサインをしていただきました。

          



               ポレポレ東中野

                 http://www.mmjp.or.jp/pole2/ 
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『沈まぬ太陽』で思い出したこと

2009-11-02 | 映画・ドラマ
          

          

 ワタの花でしょうか。ポストインの帰りに撮りました。



                     



 『沈まぬ太陽』で思い出しとことがあります。


政官財

 以前にご紹介した 国公一般ブログ・すくらむ の山崎豊子さんへのインタビュー記事で、 政官財 の癒着・腐敗のことが語られていますが、映画でも劇的に(!?)描かれています。

 たいへん観応えがあります。


ハインリッヒの法則

 仲築間卓蔵(なかつくま・たくぞう)さんの著書「いまなぜ メディアを読み解く目」にある文章です。

 マスコミ文化集団「自由メディア」で小倉寛太郎さんのお話を聴く企画があったそうです。

「『沈まぬ太陽』に「安全工学」として古くから知られている「ハインリッヒの法則」というのが引用されているのを思い出したのだ。それは、「一つの事故が発生した場合、その背景にはインシデント(事件)には到らなかった300のイレギュラリティー(異常)があり、さらにその陰には数千に達する不安全行動と不安全状態が存在する」というものだ。
 この法則は、航空機などの技術面に限られる法則ではない。放送局にも、その他の業種にも当てはまるものである。小倉さんは、小説についてではなく、戦争へ突き進んでいった15年戦争時(1930年~1945年)、なにもできなかった自分を振り返り、有事法制を推進しようとしている「今」を比較しながら、「平和」への思いを熱っぽく語った。まさに、歴史に当てはめた「ハインリッヒの法則」だった。」


憲昭さんのメルマガ

 佐々木憲昭衆議院議員のメールマガジン「憲昭eたより」を配信してもらっています。たいてい土曜日の夜に届きます。

 10月31日付のメルマガです。

 映画『沈まぬ太陽』を見てきました。とあり、小倉寛太郎さんが2000年2月18日号の『週刊朝日』に寄せたコメントを紹介しています。

「この小説で白日の下にさらけ出された、組合分裂工作、不当配転、昇格差別、いじめなどは、私および私の仲間たちが実際に体験させられた事実です。日本航空の経営側にいた人たちは、・・・数々の不当労働行為やその他の不祥事を思い出されたらいかがでしょう。人間である限り、そんな事実はなかった、などといえないはずです。」


新日本出版社の本 http://www.shinnihon-net.co.jp/

◆小倉寛太郎著『自然に生きて』(1575円)
 
 壮絶なたたかいを繰り広げた著者はどのような人生観をもっていたのか?『沈まぬ太陽』の小説や映画で描かれなかった著者の、人間としての核心部分を、ユーモアを交えながら語る。戦争や野生生物のリアル話のなかに、人間の真実を見つめた書。亡くなる十ヵ月前に刊行した著書を、再び世に問う!

◆井上文夫著『時をつなぐ航跡』(2100円)

 『沈まぬ太陽』のモデル小倉寛太郎と同僚だった作家が描く、その後のN航空労働者のたたかい。


山崎豊子さんの座右の銘──ゲーテの言葉

 ブログ・すくらむ からもう一つ。

 山崎さんが座右の銘としているゲーテの言葉です。

 「金銭を失うこと。それはまた働いて蓄えればよい。
 名誉を失うこと。名誉を挽回すれば、世の人は見直してくれるであろう。
 勇気を失うこと。それはこの世に生まれてこなかった方がよかったであろう。」


          国公一般ブログ・すくらむ

             http://profile.ameba.jp/kokkoippan
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映画 『沈まぬ太陽』

2009-11-01 | 映画・ドラマ
 私は、私のこれまでの人生において、 労働組合 というものに入ったことがありません。

 なので、組合というものを肌で感じたことがありません。

 スト だとか 団交 というものを、直接的には知りません。

 そういう労働者的行為に参加する機会のなかったことに、なんとなく 負い目 のようなものを感じています。

 (で、労働歌を歌うことにも、今なおコンプレックスを抱いているような私です。)



 この映画『沈まぬ太陽』は、よく知られているように、元日本航空労働組合委員長だった故小倉寛太郎さんの生き様を描いています。

 山崎豊子さんの長編小説『沈まぬ太陽』を若松節郎さんが監督して映画化されました。

 全5巻、2300ページ超の原作を、上映時間3時間22分(途中休憩10分間)にまとめています! たいへんだったことでしょう。

 しかも「さまざまな曲折を経ての映画化実現」(「しんぶん赤旗」日曜版)ということですので、そのご苦労のほどはいかばかりか、と思います。



          


 全体を通して、「人間としての生き方」が問われているように思いました。

 
 働く人たちの環境を良くするため──それは乗客の安全のため──仲間と団結してたたかう主人公・恩地元(おんち・はじめ)に対して、会社側は復讐として、恩地をカラチ、テヘラン、ナイロビへと、勤務地を転々とさせる。

 恩地は自身の信念を曲げることなくたたかいつづけますが、そのために家族もまた苦労を強いられます。

 登場するそれぞれが、自分との、まわりとのたたかいを避けられません。


 現実の私たちも、そうですよね。

 投げ出したいときもあるし、楽なほうに身を寄せたくなるときもあるし。

 けれどそんな時、ほんとうに、まっさらな気持ちで考えて、 私はこれでいいの?人の目をまっすぐ見られる? と自問自答します。

 そして、そんな自分を支えてくれる仲間の存在が、大きい。


 この映画でもう一つ思ったのは、“偉い”人たちが「国のために」というとき、決して 「国」=「国民」 ではないということ。 昔も今も。


 また、この映画はやはり大画面で観たいですね。

 テレビの画面では、日航機墜落事故での、520人の棺が並ぶ場面や、ナイロビの大自然などは受ける印象が違うかもしれません。

 520人という数が、具体的に迫ってきます。

 そして、犠牲になった520人の方々一人一人が、それぞれ人生の途中だったこと。



 もっともっと、いろいろなことを感じ、考えましたが、私には書く力量がありません。

 どうぞ、映画をごらんください。



 
         映画『沈まぬ太陽』

            http://www.toho.co.jp/lineup/shizumanutaiyo/

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ドキュメンタリー映画 『花と兵隊』

2009-09-04 | 映画・ドラマ
 映画を観ました。

          

       監督・撮影・編集  松林要樹
              編集  辻井 潔
              音楽  津賀田泰三
 タイトルデザイン・宣伝美術  成瀬 慧
        プロデューサー  安岡卓治



 タイ・ビルマ国境付近で敗戦を迎えた後、祖国に還らなかった六名の日本兵、すなわち「未帰還兵」を描いたドキュメンタリー映画である。
                     (パンフレットより)


 映画の初めの部分では、懐かしい農村風景がつづきます。
 
 うっかり、この映画は日本を撮ったものだったろうかと思ってしまいそうでした。

 ビルマの女性と結婚し、その地にとけこみ、ゆったりと流れる時間と、穏やかな空間の中で、優しく家庭生活を送っている元「未帰還兵」。

 妻たちは、美しくかわいらしい。

 ところが、証言者の一人・藤田さんの話に「兵隊」の部分が現れ、この映画の すごさ の大きな部分を知ることになりました。


 中国人の子どもたちを大虐殺。

 「自分が苦しい度に食った」人肉。

 昭和天皇の写真を見ながら「これは大きな顔をしている。俺は天皇陛下だからと。」という言葉。


 藤田さんはこの映画の出来上がるのを待たずに、90歳で亡くなられましたが、21歳で入隊してからの藤田さんの生きてきた一日一日はどんなだっただろうかと思うと、胸がつぶれそうになります。

 これは藤田さんだけではなく、他の5人の方たちの人生にも深く根を下ろしていることではないのか。


 ジャーナリスト・烏賀陽弘道(うがや・ひろみち)さんはパンフレットの中で、「いま若年層が雇用差別の犠牲になる中、この国を「若者を見殺しにする国」と糾弾する怨嗟の声と、同じ響きを感じるのは僕だけだろうか。」(部分)と書き、撮影当時28歳だった松林監督は、60年前には若者であった6人の元兵士と自分とを重ね合わせて考えた、と紹介しています。

 このことにハッとさせられました。

 また、この映画で私は初めて 編集 という作業を意識しました。



        『花と兵隊』 上映中


          イメージフォーラム
              TEL 03-5766-0114
      http://www.imageforum.co.jp


明日 9月5日(土) には

          松林監督のトークショーがあります。

         10:15 の回 上映後
         12:30 の回 上映前


    9月中旬まで上映予定です。
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映画 『蟹工船』 (SABU監督)

2009-07-18 | 映画・ドラマ
 梅雨明けと同時に猛暑。 セミのコーラス。

 どちら様も 暑中お見舞い申しあげます。

 水分補給をどうぞお忘れなく。


 都議選が終わった翌13日、SABU監督の『蟹工船』を観に行きました。


          

          


 SABU監督の存在は、この映画で初めて知りました。



     自分の頭で考えろ。 自分の意思で立ち上がれ。


 このメッセージは、若い人たちが生きているあらゆる場面においての励ましの言葉なのでしょう。


 過酷な現場を描いている映画なのですが、寓話的な場面や、思わず笑ってしまう場面もあります。そして、かっこいい。



 カムチャッカ沖で獲った蟹を、すぐさま船内で缶詰に加工する。

 人力で動かすベルトコンベアーが何回も出てきます。

 量産するには当然のことながら、コンベアーを動かす力を大きくしなければなりません。

 労働者が、取っ手を力いっぱい、へとへとになって握り締め、大きな歯車を回します。

 それは過酷なことではありますが、人力で加減できるということでもあります。

 サボタージュ、ストライキの象徴のように見えました。


 初めから気になったのは、悪の代表・現場監督の浅川です。常にニヒルで自嘲的な表情。

 いちばん下層の労働者たちを、ピストルで威嚇し、棍棒で殴りつけながら、働け働けと酷使することで自分の地位が保たれる存在であってみれば、この人もまた 搾取の歯車 の一つに過ぎません。


 「もたもたするんじゃねぇっ!
 いやしくも仕事が国家的である以上、戦争と同じなんだ!日本帝国の大きな使命の為に、死ぬ覚悟で働けっ!
 判ったかぁ!」
                    浅川監督:西島秀俊

 諸君!あきらめるには、まだ早すぎるっ!絶望の向こうに成功が待っているんだ!望むから実現するんだ!その為には、一人一人が自分の意思で立ち上がらなければならないっ!」
                    漁夫・新庄:松田龍平
                          (パンフレットより)



 初めてのストライキに敗れたあと、労働者たちは気がつきます。

 「俺たちは間違っていたんだ。代表なんかつくってはいけなかったんだ。俺たちはみんなで一つなんだ。」


 そしてラストの「もう一度」の場所にそれぞれが向かう場面では、胸がドキドキと鳴りつづけ、そして、やはり涙があふれました。


 
 スクリーンのエンディングでも、パンフレットの「STAFF PROFILE」でも、照明・録音・・などと並んで、その初めに 原作:小林多喜二 と紹介されて、なんだか多喜二さんが、いま現在のスタッフと一緒に生きていて、撮影現場にいたような気に ふっ ととらわれました。



 SABU監督の言葉(パンフレット)のように、「いくら過酷な現状でも、人ってなんとか前を向こうとするものだと思うんです。それは時代を超えて普遍的に人間の中に流れているものではないか」と、誰もが思えるように!




          テアトル新宿
             
            http://www.cinemabox.com/schedule/shinjuku/index.shtml



 このブログ内での関連記事
        
         http://blog.goo.ne.jp/kunchi_2006/d/20080721

         http://blog.goo.ne.jp/kunchi_2006/d/20090123     
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