さくらおばさんの ひとりごと

日々の想いを綴ります。

春から初夏へ

2011-04-28 | 草花・木

 このところ、
 鬱々としていましたが、
 やっと放たれそう。

 きょうは、
 心と体のメンテナンス。

 ヘヤーカットと整体治療に行きました。



 その前にちょっと撮影。



 さあ、空を見上げて!

 夏の雲が!

     


 さやがなった! からすのえんどうです。

     


 たんぽぽは、相変わらずかわいい。

     


 今年のすみれは、
 小さくて元気がない。

     


 これは何?

     


 木立の中は、初夏の色。

     
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「暴走する原発」  (「DAYS JAPAN」 5月号から)

2011-04-24 | 平和

 この頃風の強い日が多いです。

 八重桜がそろそろ散り始め、
 これから、つつじ や はなみずきですね。

 桜前線はどこまで行ったのでしょう。

 被災された方たちの目には、
 花たちはどのように映っているのでしょうか。



 きのう、友人のIさんからメールが来ました。


 ブログの写真はシャガです。


 ああ、そうだった!
 ありがとう。


 そしてきょう、
 不忍池の八重桜とスカイツリーです。

       






 届いたばかりの「DAYS JAPAN」5月号。

 特集は「暴走する原発」です。

 6ページ目と7ページ目を使った
 民間無人機で撮影された福島第一原発の1号機から4号機(2011年3月20日)
 の写真は息を飲みます。

 

 広瀬隆さんの文「福島原発で何が起きているのか」は
 なんとなく、すごいことになっているのだろうな、
 と思ってはいましたが、
 それどころではないらしく、
 
 日本で稼働している54基すべてをただちに止めなければ日本はもうそんなに長くはありません。この事故を仮にうまく収束できても、長くはないのです。

 というのをどう受け止めたらいいのか。

 中見出しをご紹介します。


 マグニチュード9.0 再修正のトリック

 技術者しか知らない 複雑な原子炉のしくみ

 無責任な責任者たち

     ・
     ・
     ・

 決定的に違う 体外被曝と体内被曝

 一番の被害者は 幼い子どもたち

 風評被害は ただの風評か




  よろしければ、このフォト月刊誌を直接手にとってくださるか、
 「DAYS JAPAN」
 から画像をご覧ください。



 広瀬さんの文は、今後「週刊朝日」に連載されるようです。




 つづいて、現場で取材した広河隆一さんの写真と文です。

 やはり中見出しのいくつかを。


 「想定」されていた 津波と地震

 高濃度汚染の街の人々

 放射能事故の 本当の意味

 危険を隠す言葉たち

 チェルノブイリから 何を学ぶのか



 
 これらの文の中に、政治に関わることが出てこないことが
 私には不満ですが、
 国会で、不破哲三さんや吉井英勝さんがとりあげてきたのです。

 政治の力が生きていないのです。




 広河さんと一緒に現場の調査をされたお二人のブログも
 是非ご覧ください。


 森住卓さん

 山本宗輔さん





 nakayosiさんのブログに、
 孫正義氏の記者会見のサイトが紹介されていました。


 いま現在、私はまだ見ていませんが・・・。




 わぁ、たいへん。

 夕食の支度をしなきゃ!
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「マスメディアとナショナリズム」「原発事故とメディア」「地球の上に生きる2011」

2011-04-21 | 催し物

 この斜面には3か所に群生しています。

 去年はこんなにあったかなぁ。

     

     

 花の名前が出てこない・・・。




 ケータイに入ったニュースです。



 ソフトバンクの孫正義社長が「脱原発」財団設立へ。科学者100人招き政策提言。自ら10億円出す。(04月20日 21時47分 朝日新聞)


 なんだか、すごい動き・・・。

 詳しいことを知りたいです。




 ご案内です。

 日本ジャーナリスト会議のメールマガジンから。




 ■4・23 憲法メディアフォーラム開設6周年記念シンポジウム
      「マスメディアとナショナリズム」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●主催 憲法メディアフォーラム

 体のない不安だけを中核に持つナショナリズムというのは、 常に内側と外側に敵
をつくることによってしか成り立たちません。尖閣諸島問題や北朝鮮問題など、これ
ら諸問題についてナショナリズムを煽るような報道が目立ちました。また、在日外国
人に対する排斥する運動もネット社会の中で広がりを見せています。今回の震災によ
っても、「強い日本」を連呼するAC広告が氾濫し、政党の大連立が模索されるな
ど、ナショナリズムにかかわる新たな事象も起きています。この時期だからこそメデ
ィアの果たす役割を検証していきたいと思います。
 今回は、明治以降の日本のナショナリズムの歴史に詳しい小森氏に基調講演をお願
いしました。後半のパネルディスカッションには、外国人問題について取材を続けて
おられる安田氏、外国人の法的地位に詳しい楠本氏、海外での取材経験も豊富な石山
氏を招き「マスメディアとナショナリズム」についてともに考えていきたいと思いま
す。

日時◇ 4月23日(土)13時30分~16時30分 
場所◇ 場所:文京シビックセンター26階・スカイホール
       文京区役所の建物です
 東京メトロ丸ノ内線 後楽園駅>4bまたは5番出口【徒歩3分】
 東京メトロ南北線 後楽園駅>5番出口【徒歩3分】
 都営地下鉄三田線 春日駅
 都営地下鉄大江戸線 春日駅(文京シビックセンター前)
資料代◇500円

基調講演:小森陽一(東京大学大学院総合文化研究科教授)
パネリスト:安田浩一(ジャーナリスト)、楠本孝(三重短期大学助教授)
      石山永一郎(共同通信編集委員)
コーディネーター:藤森 研 (専修大学教授)

<主催>憲法メディアフォーラム
連絡先:日本マスコミ文化情報労組会議(略称MIC・事務局:山下)
〒113-0033 東京都文京区本郷4-37-18 いろは本郷ビル2階
TEL:03-3816-2988 FAX:03-3816-2993
メールアドレス:mic@union-net.or.jp



 次も、日本ジャーナリスト会議のメルマガからです。



 ■4・30 緊急シンポジウム「原発事故とメディア」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●主催 メディア総合研究所 開かれたNHKをめざす全国連絡会

 東日本大震災から1ヵ月を経て、なお予断を許さない状態が続く福島第一原子力発
電所。いま、福島では何が起きているのか? それをメディアは正しく報道できてい
るのか? 

基調講演:広河 隆一(フォトジャーナリスト・『DAYS JAPAN』編集長)
パネリスト:後藤 政志(元東芝 原子炉設計技術者)
      渡辺 実(防災・危機管理ジャーナリスト)
      寺尾 克彦(福島放送労働組合)
コーディネーター:砂川 浩慶(立教大学准教授)

日時:2011年4月30日(土)午後1時30分~4時30分
会場:新宿区立新宿歴史博物館・講堂(新宿区三栄町22番地 JR・東京メトロ「四ツ
谷駅」下車 徒歩10分 東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目駅」下車 徒歩8分 都営
地下鉄新宿線「曙橋駅」下車 徒歩8分 
http://www.regasu-shinjuku.or.jp/?p=91)入場無料

<主催>メディア総合研究所 開かれたNHKをめざす全国連絡会
問い合わせ:メディア総合研究所事務局
電話:03-3226-0621 FAX:03-3226-0684
Mail:mail@mediasoken.org



 そして、



     地球の上に生きる2011
   
       DAYS JAPAN フォトジャーナリズム写真展


   2011年5月3日(火・祝)~5月18日(水)
   コニカミノルタプラザ ギャラリーB+C



       コニカミノルタ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

斉藤和義 「ずっとウソだった」

2011-04-13 | 平和

 ついに、チェルノブイリ級になってしまいました。


 報道では、
 聞き慣れない語句や、単位が並びます。

 まだまだ真実は明かされていないのでしょう。




 東日本大震災が起き、
 地震、津波、
 そして、原発事故という人災に触れて、

 忌野清志郎さんが生きていたら、
 このことをどのように歌うだろう、
 とふと思うことがありました。


 

 きょうの「潮流」を読んで、
 斉藤和義さんという方を知りました。

 「ずっと好きだった」という歌があるのですね。

 その斉藤さんが、
 この歌の替え歌をつくって、
 それがネットで流れている、という。


 「潮流」によりますと、
 動画はユーチューブから削られたけれど、
 次々と転写されているということですので、
 早速検索しました。


   斉藤和義 「ずっとウソだった」 


 こういうサイトがいつまで生きているのか知りません。

 すぐに消えてしまうのか・・・。

 歌詞をご紹介します。


 
  『ずっとウソだった』

   この国を歩けば、原発が54基
   教科書もCMも言ってたよ、安全です。

   俺たちを騙して、言い訳は「想定外」
   懐かしいあの空、くすぐったい黒い雨。

   ずっとウソだったんだぜ
   やっぱ、ばれてしまったな
   ホント、ウソだったんだぜ
   原子力は安全です。

   ずっとウソだったんだぜ
   ほうれん草食いてえな
   ホント、ウソだったんだぜ
   気づいてたろ、この事態。

   風に舞う放射能はもう止められない

   何人が被曝すれば気がついてくれるの?
   この国の政府。

   この街を離れて、うまい水見つけたかい?

   教えてよ!
   やっぱいいや…

   もうどこも逃げ場はない。

   ずっとクソだったんだぜ
   東電も、北電も、中電も、九電も
   もう夢ばかり見てないけど、

   ずっと、クソだったんだぜ

   それでも続ける気だ

   ホント、クソだったんだぜ

   何かがしたいこの気持ち

   ずっと、ウソだったんだぜ

   ホント、クソだったんだぜ





 清志郎さんの「サマータイム・ブルース」は、
 
  東海地震がくるのに
  原発はまだまだふえていく


 とうたって、
 発売中止になったとか。


 斉藤さんを応援する人々は

  圧迫されても負けないで

  これであなたがつぶされるなら、
  私が守る


 と励ましの声を寄せているといいます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

PEACE TALK    シンポジウム    チャリティコンサート

2011-04-10 | 催し物

 満開の桜ですが、
 気持ちは晴れず。




 久しぶりにご案内です。


 高遠菜穂子さんのブログから。

     


      PEACE TALK
       イラクの学生と日本の学生のTV対談


       2011.4.17 sun      16:00~18:00

       @慶応大学 三田キャンパス 2B42教室
        
         入場無料


イラク戦争から8年。
毎日のニュースから「イラク」という言葉を聞くことも少なくなりました。
しかし現地は未だに先の見えない混乱と苦しみの中にいます。8年前の劣化ウラン弾が、ガンや白血病の原因となり、今人々の命を脅かしています。
そんなイラクの現状、実は私たちも無関係ではありません。
日本も、事実上参戦した上に、莫大な資金援助をしました。
私たちと同様に、毎日を忙しく過ごしていた学生も、その生活を一変させられました。
イラクの学生って、今どういう暮らしをしているの?
イラクの学生って、日本のことをどう思っているの?
メディアではとりあげられない、等身大の疑問と対話。
武力ではなく対話で、イラクと日本の関係、一緒に構築してみませんか?





 次は「すくらむ」から転載です。 


 ※緊急シンポジウムのお知らせです。講演される新潟大学の立石先生は、ポスドク問題シンポジウムの実行委員としても尽力くださっている 方で、私が大変お世話になっている先生です。(byノックオン。ツイッターアカウントはanti_poverty)



 緊急シンポジウム
  巨大地震と原発
  福島原発事故の意味するもの


 3月11日14時46分頃、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が福島第一原発を襲いました。外部電源喪失により緊急炉心冷却装置は稼動せず、非常用ディーゼル発電機も14メートルの大津波によりすべて停止しました。こうして福島第一原発の炉心溶融事故は始まりました。現在、炉心と使用済み燃料貯蔵プールを冷却し、放射性物質を閉じ込める懸命の作業が続けられています。しかし、その見通しは立っていません。なぜ最悪の炉心溶融事故にまで拡大したのか、その全体像は必ずしも明らかではありません。そこで下記要領で緊急シンポジウムを計画し、事実の究明とともに、その背景や教訓について検討を加えたいと考えますので、多数の参加を期待します。



 日時 2011年4月23日(土)午後1時半~5時


 場所 日本大学歯学部2号館B1第一講堂
    ※JR御茶ノ水駅、東京メトロ千代田線より徒歩3分
    ※地図はこちら


 内容

  ① 東北地方太平洋沖地震はどのような地震だったのか
     立石雅昭(新潟大学)

  ② 福島原発で何が起こったのか
     深尾正之(元静岡大学)

  ③ 放射能による汚染と被ばくの実態はどうだったのか
     野口邦和(日本大学)

  ④ 福島原発事故から何を学ぶか
     舘野淳(元中央大学)

  ⑤ 総合討論

 参加費 1000円

 主催 日本科学者会議エネルギー・原子力問題研究委員会
     核・エネルギー問題情報センター

 問合先 日本科学者会議
       〒113-0034 東京都文京区湯島1-9-15 茶州ビル9F
        Fax 03-3813-2363




 三番目は、「うたごえ新聞」にあった記事です。
 「DAYS JAPAN」のブログをご覧ください。


     チェルノブイリ25年
       命・自然

      4月23日(土) 2:00~

      東京・牛込箪笥区民ホール

   広河隆一 最新現地報告&チャリティコンサート




 さて、夕食の準備、開始~!



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

福島原発事故による被曝について   沢田昭二

2011-04-02 | 平和

 日々、というより時々刻々、
 福島原発の様子が変わっていきます。

 地球上で唯一の被爆国の人間でありながら、
 核について疎い私です。

 ですので、
 なかなか理解できない内容であっても、
 真実を知らせて欲しい、と思っています。

 東電も、政府も、
 私たちをだますようなことはしないでください。




 国公一般ブログ「すくらむ」からの転載です。

 少し長いですが・・・。





 ※ポスドク(高学歴ワーキングプア)問題を解消する取り組み などで、お世話になっている日本科学者会議のみなさんから、「転送・転載で出来るだけ広く周知してください」とのことでメールをいただきましたので、転載させていただきます。(byノックオン。ツイッターアカウントはanti_poverty)




 福島原発事故による被曝について
 (沢田昭二・名古屋大学名誉教授 物理学)



 マスコミ報道の「直ちに問題にはならない」という「しきい値論」
 「しきい値」とは5~10%の人が発症する被曝線量のこと


 内部被曝や外部被曝を含めて、現在の報道は「しきい値論」に基づいて、「何ミリシーベルトだから安全だ」とか、「直ちに問題にはならない」と言っています。

 放射線影響は1、2週間後に急性症状が現れ、晩発性障害は何年も経て発症します。また、放射線影響は急性症状も晩発性障害も放射線影響は個人差と年齢差が大きいことを踏まえるべきだと思います。

 放射線の感受性は個人差が大きいので「この線量以下なので大丈夫」という官房長官、保安院、マスコミの報道は正しくありません。たとえば、脱毛では0.04シーベルト(40ミリシーベルト)で0.03%の人が発症し、0.4シーベルト(400ミリシーベルト)で0.15%の人(10万人被曝すると150人)が発症します。1シーベルトで約1.3%、1.5シーベルトで5.7%の人が発症します。最近では発症率5~10%の人が発症する線量を「しきい値」と呼んでいます。

 かつては「しきい値線量」という表現でこの線量以下では症状が一切発症しないという考え方がありましたが、これは正しくなく、現在では5%ないし10%の人が発症する被曝線量を「しきい値」と言っています。

 こうしたことを周知させてもらい、被曝することを避けるように訴えて欲しいと思います。専門家の意見を聞いて250ミリシーベルトでは白血球減少症状がでないから作業員の作業被曝線量を引き上げたとのことですが、「しきい値論」に立っての判断が続いています。作業員に被曝影響が出ても「しきい値以下」だから放射線影響ではないと切り捨てることになると心配です。

 昨日、愛知の原発問題住民運動センターとして中部電力に申し入れをし、震源域の真上にある浜岡原発はもっと危険なので運転を即時停止してほしいと申し入れました。その時中部電力からも社員が福島原発に数人規模で派遣されており、上記のような注意を伝えるように申し入れをしました。

 放射線がまだ強くない初期段階で、1号から3号だけでなく4号から6号機まで含めて海水を注入するなどしておれば現在の深刻な事態は避けられたと思います。

 原爆症認定集団訴訟で明らかになった内部被曝をマスコミも触れるようになりましたが、その深刻さはまだ十分に理解していないようです。とりわけ放射線感受性には大きな個人差があることはほとんど無視されています。敏感な人は10分の1でも100分の1の線量でも人数は少ないのですが影響が表れる人がでてきます。


 名大救急医療センター医師の質問に答えて


 名古屋大学救急医療センターの医師がこれから地震・津波・原発事故の災害避難地域に行くので、反核医師の会において原爆症認定訴訟で明らかになった内部被曝無視の国や放射線影響研究所の問題について私が報告していたので内部被曝の問題などを質問したいと依頼され、それに答えた内容を以下に再録します。

 おっしゃる通り内部被曝の軽視の発表と報道に憂慮しています。身体を洗って表面に付着した放射性物質を洗い流せば良いと言わんばかりの説明ですが、身体の表面に付着しておれば呼吸をしていますから当然内部被曝をしています。激しい運動をすればそれだけ沢山取込みますから、湿ったマスクをするなどの工夫をして早く風上に立ち去ることが必要です。

 放射性ヨードやセシウムが検出されていますので、これらを早く排出させるためのヨード剤を飲むなどの処置が求められます。

 飲食を通じて下痢が起こることが考えられます.広島原爆の場合はその日の夕刻から下痢が始まりました。

 しかし、放射線防護の専門家の大部分は、放射線による下痢は大量被曝でなければ起こらないと外部被曝による発想から抜け出していません。JCO事故に関わった放射線防護の鈴木元氏や明石氏は原爆症認定裁判や長崎の訴訟で主張を続けています。内部被曝をしていることを前提に、現在症状が現れていなくても内部被曝の場合は遅れて発症するので長期間観察する必要があります。発表では体外に付着したものを認める一方、現在は症状がないとそれで終わりという姿勢は危険だと思います。

 放射線影響は急性症状の場合も個人差がきわめて大きく、広島の原爆被爆者を調べた結果、内部被曝による下痢の発症は期待値(半発症線量)が約2グレイ、標準偏差約0.6グレイの正規分布をしていますので(外部被曝の場合の下痢発症は期待値(半発症線量)が約4グレイ、標準偏差約0.9グレイの正規分布)低線量でも発症しますので、内部被曝の最初の兆候を見ることになります。脱毛や紫斑はかなり遅れて発症するので検出は難しいと思います。放射線被害について慎重に考えて下さる医師の方の協力はきわめて重要です。しかし、まだ燃料棒が露出している段階で今後の見通しがない状況ですし、ベントといって爆発を避けるため放射性の気体の放出をおこなっているので被曝の増加が心配です。双葉町の住民がすでに160人被曝をしています、スリーマイル島規模の被曝が起こっています。気をつけて下さい。(3月13日記)


 ▽以下はより詳しい説明です。


 急性放射線障害と晩発性障害、確定的影響と確率的影響


 急性放射線障害と晩発性障害は、障害の発症時期による表現であり、一般的に急性症状は被曝して1、2週間後程度から数カ月以内に発症するもので、さらにやや遅れて発症する亜急性などもあります。晩発性障害は数年以後に発症するものです。また、一定線量の被曝をすれば誰でも必ず発症する症状を「確定的」と言う一方、被曝しても必ずしも発症しないが、発症率が被曝線量とともに増加するという場合に「確率的」といいます。一般的に急性症状は確定的に発症し、癌などの晩発性障害は確率的に発症しますが、白内障のように、どちらに属するかを議論している障害もあります。

 確定的影響も、放射線感受性には大きな個人差があります。動物実験でも確かめられ、ゼロに近い極低線量被曝では修正が必要ですが、個人差は体重や身長の分布のように正規分布によって表されます。放射線影響が専門の研究者でも理解がまだ不十分な人が多い現状です。私が裁判の意見書で正規分布を使うと、確定的影響を確率的影響と誤解していると反論の意見書を提出し、今回の原発事故でテレビなどに出てくる著名な研究者が意見書の共著者として名を連ねていることは驚きです。

 確定的影響では、特定の個人をとってみて、被曝線量が増加して、ある線量に達すると必ず症状が現れますが、発症する線量に個人差があります。確定的影響にはかつて「しきい値線量」があり、この線量以下では確定的症状は発症しないと考えられていました。しかし、この「しきい値線量」が分布していることがわかり、症状の発症率が5%あるいは10%となる線量を「しきい値線量」とすることもあります。ところが、私の意見書に反論した原発事故でテレビなどに出てくる研究者は、この線量以下では健康影響は全くないと述べていますが、放射線感受性が分布しているために、わずかではあるが発症する人がいることを理解しようとしていません。


 脱毛発症率と被曝線量の関係


 典型的な急性症状である脱毛の発症の被曝線量との関係を、広島と長崎にトルーマン大統領の指示で設立された原爆傷害調査委員会(Atomic Bomb Casualty Commission,ABCC)が1950年頃に数万人規模の被爆者を調査して脱毛発症率を調べた結果に基づいて求めると以下のようになります。半致死線量の4シーベルト以上の被爆者は1950年まで生き残った人が少ないので、ABCCの調査結果には高線量の領域で問題があるので、3シーベルト以下の発症率から正規分布を求めました。正規分布の期待値、すなわち50%の人が発症する被曝線量は2.75シーベルト、発症する線量のばらつきを表す標準偏差は0.79シーベルトとなりました。この正規分布をN(2.75 Sv, 0.79 Sv)と表します。

 この正規分布では、低線量の1シーベルトで脱毛を発症する人は1.37%、2シーベルトで17.2%、3シーベルトで62.3%、5シーベルトで99.8%の発症と100%発症に近づきます。この正規分布では0シーベルトで発症率は厳密に0にならないので、0に近い極低線量では修正を要します。被爆者の調査からも、一般的にも極低線量被曝の影響を引出すことは難しいので、正規分布にもっともらしい修正を行って推定すると、0.3シーベルト、すなわち、300ミリシーベルトでは0.03%~0.07%、すなわち1万人が被曝して3人ないし7人の人が発症することになります。しかし、これほどのまれな発症は発見が難しくなると考えられますので、福島原発事故による被曝影響の検出は、白血球減少症のように発症の検出をしやすいもので早期発見に努めるべきだと思います。


 外部被曝と内部被曝


 もう一つの問題は、外部被曝と内部被曝とでは症状発症に至る機序がまったく異なることを無視した説明です。野菜に付着したり、水に含まれた放射性物質を体内に摂取した場合の内部被曝の影響を、CTやX線を浴びた被曝と比較する説明が行われていますが、体内に摂取した放射性物質が主に影響を与えるベータ線とX線とはまったく異なる影響を与えることを無視した乱暴な説明です。X線やガンマ線は透過力が強く、エネルギーにもよりますが、人体を通り抜けるくらいの透過力です。ところがベータ線は体内では数センチメートルでエネルギーを失ってストップします。この違いは、放射線が伝搬する時に通過物質の分子や原子の電子にエネルギーを与え、その電子が原子や分子から飛び出す「電離作用」を疎らに行うか、密に行うかの電離密度の違いによります。

 於保源作(おほ・げんさく)医師の広島被爆者の急性症状発症率調査では、原爆の初期放射線による外部被曝が主要な影響を与えた近距離では、下痢発症率は、脱毛や紫斑に比べてかなり小さいのに対し、初期放射線が到達しないで放射性降下物による内部被曝が主要な被曝を与える遠距離被爆者の間では脱毛や紫斑の数倍の発症率となっています。この下痢の発症率は、初期放射線による下痢発症率は脱毛に比べて高線量の被曝領域で大きくなる半発症線量の大きい正規分布N(3.03 Sv, 0.87 Sv)を用い、放射性降下物による被曝の下痢の発症の場合は脱毛に比べて小さい被曝線量から発症率が大きくなる半発症線量の小さい正規分布N(1.98 Sv, 0.57 Sv)を用いると、脱毛、紫斑、下痢という異なる急性症状の発症率を共通した初期放射線と放射性降下物による被曝線量によって説明できます。このことは外部被曝と内部被曝による下痢の発症の機序の違いによって説明できます。

 放射線による下痢の発症は薄い腸壁の損傷によります。外部被曝の場合には透過力の強いガンマ線だけが腸壁に到達できます。しかし、到達したガンマ線は薄い腸壁にまばらな電離作用を行って通過するので、かなりの高線量のガンマ線でなければ腸壁は傷害を受けないので下痢は始まらない。これに対し、放射性物質を飲食で取込むと、腸壁に放射性微粒子が付着して、主にベータ線によって腸壁に密度の高い電離作用をおこなって腸壁に傷害を与えて下痢を発症させます。このように外部被曝と内部被曝では、下痢だけでなく、発症の機序は一般的に異なるので安易な比較は許されない。


 晩発的障害


 癌あるいは悪性新生物などの晩発性障害の大部分は確率的影響です。しかし、一般に晩発性障害の原因には、放射線被曝以外にも様々な原因があるので、障害の起因性を急性症状のように放射線被曝であると特定することは困難で、全く放射線被曝をしていない人々の集団の発症率と比較して被曝影響を求めることになります。特定個人の晩発性障害の放射線起因性を推定しようとすれば、その個人の被曝する前後の健康状態の変化を含め、過去からのさまざまな健康状態や他の疾病の経緯を総合して判定することになります。

 被曝線量と晩発性障害の発症との関係を、具体的に広島大学原爆放射線医科学研究所の広島県居住の被爆者の悪性新生物による死亡率を広島県民と比較した論文「昭和43~47年における広島県内居住被爆者の死因別死亡統計」(広大原医研年報22号;235-255,1981)から、直爆被爆者の悪性新生物による1年間死亡率を用いて求めます。この論文の、直爆1km以内、1km~1.5km、1.5km~2km、2km~6kmの各区分と被曝していない広島県民の悪性新生物による1年間の死亡率は、それぞれ0.504%、0.454%、0.347%、0.374%、0.186%となっています。これらの死亡率と非被曝の広島県民の死亡率0.186%との差、すなわち、1年間で悪性新生物による死亡率の増加と、初めに述べたABCCの脱毛発症率から求めた初期放射線と放射性降下物による合計被曝線量の3.88Sv、2.24Sv、1.56Sv、0.85Sv、0Svが、比例関係にあるとすると、1Svの放射線被曝によって0.82%~0.22%の増加、間を取って約0.15%増加することがわかります。

 低線量被曝の部分についての悪性新生物による死亡率の増加と被曝線量との関係も、比例関係が維持されると仮定すると、0.1Svの被曝では0.015%の死亡増になり、10mSv=0.01Svの被曝では0.0015%の死亡増、すなわち100万人が10mSv被曝すると悪性新生物によって死亡する人が約15人増えることになります。

 以上が典型的な確率的影響の悪性新生物の増加と被曝線量の関係です。晩発性障害に対しても個人差が大きく分布していると考えられますが、こうした分布も含めた結果として、発症率や死亡率の増加が被曝線量に比例することになっています。


 ※最後に菅政権へ助言する危険な御用学者の存在について


 日本の原子力政策がアメリカの Atoms for Peace という核兵器産業の保持のために植民地的で、そのため現在の対策も原発は安全だと言いふらしてきた御用学者が結局は東電まかせで独立した判断が出来ない状態です。

 官房長官が小佐古(こさこ)敏荘東京大学教授を内閣官房参与に任命して助言を受けることにしましたが、彼は原爆症認定訴訟の大阪地裁の国側の証人を務めましたが、電力会社の宣伝マンとして原発は安全だという講演をして廻るだけで、毎年何百万円も厚労省から原爆放射線の研究の代表者として科学研究費補助金を受け取りながら、そのテーマに関する研究は一切していないこと、研究費を配分した共同研究者からは研究成果の報告を一切受取っていないことが弁護団の追及であきらかになり、同じ日の午前中に私が行った証言と矛盾するので裁判官から質問を受けることになってもまともな証言ができないという無責任な学者であることが明らかになった人物です。


 沢田昭二さん略歴 1931年広島市に生まれる 1945年爆心地から1400mの自宅で被爆 現在名古屋大学名誉教授 原水爆禁止日本協議会代表理事 主な著書:「共同研究広島・長崎原爆 被害の実相」「核兵器はいらない」「素粒子の複合模型」「物理数学」など
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする