なかなか本を読む時間のとれない私ですが、出版案内をいただいた本をご紹介します。
先ず、日本ジャーナリスト会議 のメールマガジンから、
仲築間卓蔵さん の本です。
仲築間卓蔵「いまなぜ――メディアを読み解く」(かもがわ出版)12月刊
http://www.kamogawa.co.jp/moku/syoseki/0224/0224.html
先日5日の集会(市ヶ谷・自動車会館)の会場でも売り出したとたんに売り切れとなった話題の一冊。「JCJふらっしゅ」編集部にも、千代田区労協から「仲さんの目で、メディアに切り込んでいます」「ぜひ、三省堂書店でお買い求めいただきたい」との宣伝メールが届いた。この「三省堂書店」とは、駿河台下の書店のことだと思われる。その1階で100冊規模平積み展開されているとの噂を耳にしている。著者の仲築間さんは、千代田区労協の副議長を務めたこともある。(J・K)
■定価1,680円(本体価格1,600円)
仲築間卓蔵さんのブログ
http://blog.goo.ne.jp/takuzou4108/
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日本ビジュアル・ジャーナリスト協会 からは、3冊。
初めに
国森康弘さん の本。
「証言 沖縄戦の日本兵――六〇年の沈黙を超えて」(岩波書店)
http://www.iwanami.co.jp/topics/index_i.html
沖縄で日本軍は住民たちに何をしたのか.本土防衛の「捨て石」とされた沖縄では,壕からの追い出しや「スパイ」と見なした人々の処刑,そして「集団自決」の強制など,日本兵による加害行為が県民によって語り伝えられてきた.戦後60年を経た今,元兵士たちからその実相を聞く.沖縄戦史の空白を埋めるルポルタージュ。
出版にあたって 著者 國森康弘
「日米両軍の兵士よりもはるかに多くの住民が犠牲になった国内唯一の地上戦。この沖縄戦は、今日まで沖縄住民によってのみ語られ、兵士の証言はほとんど表に出てきませんでした。当時、日本兵はどのような意識に基づき、どのような行動を取ったのか、今の日本に何を想うのか――。六〇年以上のときを経て語り始めた元兵士たちの証言を集めました。沖縄戦史の空白を埋める、最初で最後の機会になるかもしれません。
澄んだ海、民謡、郷土料理、おばあたちの優しい笑顔の「沖縄」に魅せられた方々、これまで「沖縄」に関心のなかった方々、ご高覧頂ければ幸いです。
國森康弘
http://www.kunimorifoto.net/
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)会員。イギリス拠点のフォト・エージェンシー、Exile Imagesメンバー。京都大学経済学部卒業、京都大学大学院経済研究科修了後、神戸新聞記者に。退社後、フリーで取材活動を重ねる。イラク、ソマリア、スーダン、ケニア、カンボジア、ブルキナファソなどで紛争や貧困の状況を取材、国内では医療現場や少子高齢化社会の問題、超低所得者層の取材のほか、アジア各地の戦場の最前線に立った元日本軍兵士の聞き取りも行う。雑誌DAYS JAPANやAERA、世界、月刊情報誌Esquireなど、新聞では毎日新聞や共同通信を通じ全国加盟紙に寄稿する。信濃毎日新聞では2008年中、半年にわたり沖縄戦企画を長期連載。オランダで出版の写真集「Proud to be Nuba」に写真を発表。そのほか、イギリス・カーディフ大学ジャーナリズム学部修士号取得。 2008年度上野彦馬賞入賞。
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つづいて
権徹(ゴンチョル)さん の本です。
新刊「歌舞伎町のこころちゃん」写真/権徹 のお知らせ
約10年に渡り歌舞伎町の街を撮影してきた権徹(ゴンチョル)氏の写真集が発売されました。
お近くの書店、または「講談社 BOOK倶楽部」でお買い求め下さい。
きみは、たしかに、この路上で暮らしてた
“眠らない街”歌舞伎町。コマ劇場前で見つけた4歳の少女。
あまりにもかわいらしい彼女は、父と、そしておとなたちと、路上生活を送っていた――。
講談社 BOOK倶楽部
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2151472&x=B
毎日新聞 2008/12/10「だいあろ~ぐ:東京彩人記」より
(カメラマン 権徹氏へのインタビュー記事)
日本は豊かな国ではなかったのか、という疑問が強くなりました。歌舞伎町に遊びに来る人たちは、こころちゃんに無関心でした。これは父親一人の責任じゃない、社会全体に責任があると思います。こころちゃんの姿は私たちに何かを問いかけてくれる。理不尽な現実を社会にぶつけてみることは価値があると考えています。
権 徹(KWON CHOUL)
1967年韓国生まれ。94年関東大学校土木工学科卒業。同年来日。98年日本写真芸術専門学校報道写真科卒業。99年日本大学芸術学部写真学科研究生修了。在学中に『週刊金曜日』でデビューし、以来マイノリティ問題や社会問題を中心としたルポルタージュ作品を発表。中朝国境における脱北者問題の取材においては、中国公安に拘束されるなどの危険を冒し、脱北者が渡河する瞬間をスクープ。『フラッシュ』と『中央日報』のトップページに掲載。韓国メディアからの信頼も厚く、主な韓国の新聞・雑誌の日本関連ニュースには彼の写真が掲載されている。_ そんな彼のもうひとつのライフワークが、歌舞伎町のストリートスナップ。約10年に渡り歌舞伎町の街を撮影し、『DAY'S JAPAN』などに発表。06年4月には新宿ニコンサロンで初の個展となる『ブルー・オーシャン』が開催された。06年9月、歌舞伎町案内人・李小牧との共著でドキュメント・フォトマガジン「歌舞伎町事変1996~2006」をワニマガジンより発表。写真集に「歌舞伎町のこころちゃん」(講談社)。
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そして
森住卓さん の本です。
〔写真証言〕沖縄戦「集団自決」を生きる
森住卓=写真・文
写真家の森住です。
一昨年から取材してきた、沖縄慶良間諸島の渡嘉敷島と座間味島の集団自決で生き残った方のインタビューと写真でようやくまとめる事ができ、このほど高文研から出版されました。
http://www.koubunken.co.jp/0425/0413.html
●A5判・128頁
●2009年1月15日発行
●本体価格1400円
沖縄戦の極限の惨劇「集団自決」に遭遇、これまで黙して語らなかった人びとを含む【体験者26名】を、
インタビュー取材。その実相と現在の心境を表情豊かな写真とともに伝える!
戦争のもたらす残酷さを多くの人々に知らせることで、この国が戦争への道を再び進もうとしていることに警告をならしたい。
皆さんへのお願い
★この本を購入してください。そして、お知り合い友人に宣伝してすすめてください。
★お住まいの近くの図書館に購入リクエストしてください。
★メディア関係の方、是非テレビ、新聞、雑誌などで紹介してください。インタビューに積極的応じます、このメールに御連絡ください。
★講演も引き受けます。
森住 卓
takashi@morizumi-pj.com
公式ホームページ
http://www.morizumi-pj.com/
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(内容)
はじめに──慶良間へ行くまで
【渡嘉敷島】
私たちは軍の命令で北山に集められた〈吉川嘉勝さん〉
住民に投降勧告をしに行った叔父は〈池原利江子さん〉
「則ちゃんは一人でいるから、早く逃げて……」〈北村登美さん〉
行方不明になっていた父に再会したとき〈金城信子さん〉
防衛隊の叔父さんが手榴弾を配った〈小嶺正雄さん〉
「玉砕場」は泣き声や叫び声が聞こえて恐ろしい〈金城武徳さん〉
女だけで逃げていたから殺されなかった〈金城スミ子さん〉
身内の近い人からやっていますよ〈内原静子さん〉
捕まったら、耳を切り落とされ、いたずらされる〈大城政連さん〉
軍の命令じゃなければ「集団自決」はしませんよ〈金城重栄さん〉
生き残ることへの恐怖〈金城重明さん〉
【座間味島】
校長先生、私たちを先にやってから死んでください〈宮里哲夫さん〉
体験は体験者の数だけあるんですよ〈宮城恒彦さん〉
「こんなに大きく育てたのにくやしい、ゴメンね」〈宮平春子さん〉
「どうしても、生き延びられないのか……」〈宮村トキ子さん〉
ばあちゃんが洗骨した頭蓋骨を〈山城美枝子さん〉
激しい腐臭のする遺体をかきわけて〈宮里育江さん〉
敵上陸の知らせを聞いて玉砕が始まった〈中村安枝さん〉
逃げる途中、兵隊の死体を見た〈山城 功さん〉
中尉はオバーに「この手榴弾でここで死ぬように」〈宮平千代枝さん〉
「あんたは決して人の先に死ぬんじゃないよ」〈吉田春子さん〉
家族七名を手にかけた同僚は〈宮平輝重さん〉
この手榴弾で死のうと、ひとかたまりになって〈大城澄江さん〉
弟の死にも、不安と混乱で悲しみを覚えなかった〈上洲幸子さん〉
頭からコトッと脳みそがこぼれた〈平田文雄さん〉
私は死にたくないと思って〈中村一男さん〉
〈解説〉沖縄戦と慶良間の悲劇
あとがき
●担当編集者より
今年2009年は、沖縄を考える上で、節目の年でしょう。島津/薩摩藩の琉球侵攻から数えて400年、そして明治政府による廃藩置県からは130年目にあたります。
その年の初めに、高文研の沖縄関連書籍の50冊目の節目として、この『沖縄戦「集団自決」を生きる』を刊行します。
64年前の太平洋戦争末期、沖縄・慶良間諸島で何が起こったのでしょうか。
「生きて虜囚の辱めを受けず、米兵に捕まれば男は八つ裂きに、女は強姦される」と日本軍に教育されたていた島民は、米軍の上陸の直後、米兵の手にかかるより、親が子を、兄が妹や弟を父を母を殺していきました。いわゆる「集団自決」です。
肉親同士が殺し合うという、もっとも悲惨な出来事でした。
なぜ、この惨劇が起こったのか? 肉親同士が殺し合う「集団自決」は、長い間タブーとされていて、語られることはありませんでした。体験者の何人もが「このまま墓場に持って行こうと思っていた」と証言しています。
しかし、2007年の高校日本史の教科書検定問題に端を発して、何人かの体験者がこのままでは自分たちの体験が闇に葬られてしまうと、心の奥にしまい込んでいた辛い体験を語り始めました。
イラク報道などを手がけてきた森住卓さんが、およそ1年間慶良間諸島で取材し、渡嘉敷島11人、座間味島15人、合計26人の体験者の証言を、表情豊かな写真とともにまとめたものが本書です。
私自身、渡嘉敷島、座間味島には何度か訪ねて、体験者の方に証言をしていただきましたが、島独特の「方言」を理解出来ないでいました。
証言をまとめる上での、森住さんのご苦労はたいへんだっただろうと、想像します。
森住さんは次のように語っています。
「体験者へのインタビューは心の傷口をこじ開け、塩を塗り込むような苦痛を味あわせるような残酷さを持っていた。そうしなければ歴史の真実をあぶり出すことができなかった。
撮影は悲惨な証言とは反対に出来るだけ、明るい表情を撮影したかった。あの未曾有の体験を乗り越え、生き抜いた証(あかし)として。そして、これからも幸せに元気で長生きして欲しいと思ったからだ」
本書は、ジャーナリストとして、いま仕上げるしかない究極の作品だと思います。
ぜひともご一読ください。
(山本邦彦)
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いつも思うのです。
私たちはメディアから知ることができないたくさんのことを、このような方たちの働きによって手に入れることができます。
多くの時間と労力を費やした結果を、あまりにも簡単に手に入れることができて、申しわけない気持ちです。