さくらおばさんの ひとりごと

日々の想いを綴ります。

本、本、本。

2013-09-22 | 

 秋日和がつづきました。


 雨や風の被害を受けられた方、
 とてもとても、まだ「片づく」などという状況ではないかもしれませんね。

 自治体などの援助の手が、
 すぐに届くといいのですが。

 若いボランティアの方たちの姿が、
 テレビで映されていました。

 ありがとうございます。




     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 きょうの「本と話題」のページ、
 なんだか読みたくなるような本が並んでいました。


  ジョン・w・タワー:忘却のしかた、記憶のしかた

  あさのあつこ:花や咲く咲く

  宇都宮健児:わるいやつら

  清川妙:清川妙の萬葉集

  西方草志:川柳五七語辞典

  浅尾大輔:新解 マルクスの言葉


  
 最後の浅尾さんの本は、すでに私の手元にあります。


 実際、手にするまで、心配でした。

 マルクスですから。

 私は資本論も読んでいませんから。

 それが、こんな感じで。

 この赤い部分は帯です。

  

 私のコメントへのお返事には、こうあります。

  どの頁からでも読める工夫がしてあるので、
  気軽に、引用文が難しければ、
  私のエッセー部分だけでも楽しんでください。

 1項目1ページの編集が嬉しい。

 それもほぼ15行で、気楽に読めそう、
 という印象を与えます。


         浅尾大輔さんのブログ


 いまさっき、ちょっとページを繰ってみたら、
 気になる言葉がありました。


 人々が恐怖で正気を失ってしまった時には、
 彼らの気持ちはたやすく危険な妄想からそらされる。



 このところのテレビ放送は、気持ちが悪い。

 中国特集のようなものが増えているような気がします。

 巧みに、日本人の反感を買うような感じで。

 かつての時代、
 日本人のほとんどが、中国、朝鮮を軽蔑しました。

 今も尾を引いているこのことを
 新しい材料を組み込んで
 中国嫌いを増やそうとしているように思えます。

 で、安倍内閣は集団的自衛権を使いたがっています。

 アメリカは日本をアジア担当にしたいようですし。

 中国はすぐ近く。

 アメリカにとっては好都合です。

 ああ!





   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~










 


  
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山本宗補フォトルポルタージュ『鎮魂と抗い~3・11後の人びと~』 (訂正済み)

2012-09-14 | 

          

 いま、午後2時15分。

 そろそろ小ばらが・・・、でしょうか?

 チョコレートケーキをめしあがれ。


 この写真は、6年前に撮ったものですが、
 隣の団地に住む姉が作りました。

 折り紙です。

 そういえば、
 6年前の姉は、今の私と同い年。

 そっかぁ・・・。


 そういえば、
 ちょうど10年前のきょうあたり、
 わが家はここに越してきたのでした。


 

 月日の経つのは早いもので・・・、
 とよく言いますが、
 月日だけは早く経ちますが、
 被災された方たちの生活はちっとも元に戻りません。

 テレビは、民主と自民の総裁選ばかり。

 そうこうしているうちに、
 震災のことは国民の頭から消えていく?

 冗談じゃありません。


 私たちは記憶しています。

 あの衝撃は、
 その後の生き方として、
 生き続けています。


 そして、
 ネットでも、本でも、
 記録となって広まっています。



 私の尊敬する、フォトジャーナリスト・山本宗補さんが
 フォトルポルタージュを出版します。

 以下、山本さんからのメール(9月4日付)を転載します。




       ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



残暑お見舞い申し上げます。

ご無沙汰しています。
山本宗補です。
今日はこれまで1年半にわたる「3・11」取材をまとめた新刊のお知らせです。
これまでの取材の多くはブログやTwitter、それにJVJAが発行するfotgazetという
ネット媒体上で発信してきました。
ですが、紙媒体にまとめ、より幅広い層に東日本大震災と福島第一原発事故という
天災と人災が日本社会を同時に襲った深刻な事態を忘れないようにと願いつつ、
取材の途中経過報告書として1冊にまとめました。
大津波の被災地も原発事故の深刻さも、決して切り離して考えることは
できないことを実感していただきたいとの強い思いも込めています。

以下の詳細は転送転載大歓迎です。重複ご容赦ください。
どうかよろしくお願いします。

          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

山本宗補フォトルポルタージュ『鎮魂と抗い~3・11後の人びと~』

(彩流社、9月中旬刊行。A5版200ページ全カラー。2500円+税)

●もはや人の力ではどうしようもない環境で、歯を食いしばるように必死に生きている
人びと、
原発事故に抗って生きる人びとの記録【警戒区域の写真も多数】

●本書は一人のフォトジャーナリストが大津波被災地と福島原発事故による計り知れな
い被害を取材し、写真の持つ力と写真では伝わらない情報を本文で補うフォトルポルタ
ージュである。忘れてはならない、忘れ去られてはならない未曾有の出来事を、記憶に
刻みつけたいと願う筆者の途中経過報告である。

●悲しみと鎮魂の大地の圧倒的な写真群。家族を失った被災者三人の三様の心のヒダ。

●膨大な死者行方不明者の鎮魂と供養に取り組む僧侶三人の、仏教者としての感性と取
り組み。
(鎮魂1)小原宗鑑、岩手県盛岡市。(鎮魂2)佐々井秀嶺、岡山県出身インド在住。
(鎮魂3)高橋英悟、岩手県大槌町。

●立入禁止区域(警戒区域)30ページの写真群が大手メディアが伝えない原発事故の深
刻な実態を伝える。
●目に見えない放射線に抗い、東電や国に敢然と立ち向かう福島の6人の「個」の生き
様を伝える6本のフォトストーリー。

(抗う1)原発から14㌔の浪江町で生活しながら、牛の殺処分を拒否し300頭の牛を生
かし、生かす意味を問い続ける吉沢正己。

(抗う2)家も土地も失い避難生活を送りながら、脱原発を公約に大熊町長選を闘い、
中間貯蔵施設受け入れの署名活動を展開する木幡仁・ますみ夫妻。

(抗う3)原発から12㌔の富岡町の自宅に留まり、生き物に対する人一倍の愛情でペッ
トを助け、放れ牛を生かす松村直登。

(抗う4)全村避難となり、牛も農地も、村落共同体の絆も失った怒りと悲しみを、メ
ディア不信から自ら全国各地で訴える飯舘村の酪農家・長谷川健一。

(抗う5)国も県も取り組まない福島市の除染と汚染土の仮置き場を引き受け、ボラン
ティアを続ける住職の阿部光裕。

(抗う6)祖父の代から受け継ぐ酪農を廃止寸前に踏みとどまり、放射性セシウムを減
らすため、自家製のエサ作りに孤軍奮闘する南相馬市の酪農家・瀧澤昇司。

●「中通り」の子どもを持つ親たちの不安と抵抗。福島県民の広島入市被曝体験と長崎
入市被曝体験。「原爆写真家」と呼ばれた福島菊次郎の福島取材。原子力発電所導入の
きっかけとなったビキニ事件被爆者・大石又七の訴え。

●(抗う7)新宿で、福島で、官邸前で、代々木で、杉並で大きなうねりとなって広が
る「脱原発」を求める人びとの、主権在民の意思表示を10数ページで紹介。
(敬称略)

ご予約は彩流社、お近くの大手書店、アマゾンなどのネット書店でお申し込みください

彩流社ホームページ 


             
         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


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本のこと

2012-02-03 | 
 「本のこと」などと偉そうなタイトルですが、
 べつに本についてまとめた意見があるわけではありません。

 ので、まったくたいしたことはありません。

 目の前に置いてある本のことなど、
 ちょこっと・・・。

 そういえば、
 2年前に、読んでいない本を積み上げた高さが45センチほどになっている、
 と、このブログで書いているのですが、
 いまは半分ぐらいにまで減っています。

 一生懸命読書に励んだわけではなく、
 新しい本をあまり買わなくしている結果なのだと思います。

 読む速度は相変わらず遅くて、
 読み終わったときには、
 最後の部分しか頭に残っていないことが多いのです。

 それでも、読んだときにすぐブログにアップすればいいものを、
 ぐずぐずしているので、
 書きそびれてしまって、
 あぁあ、です。

 いま目の前にあるのは、
 「金子みすゞ童謡集」(ハルキ文庫)です。

 東日本大震災のとき、
 コマーシャルが自粛され、
 なんとか広告機構とかの映像が流れました。

 こだまでしょうか
 という、みすゞさんの詩の一節が、
 何回も何回も目と耳に飛び込んできました。

 せっかくの詩も、
 こうしつこくされると、
 さすがにうるさくなります。

 けど、
 みすゞさんの詩のやさしさが、
 多くの人のこころに響いたのも確かだと思います。

 この本の巻末に、
 宇宙物理学者・佐治晴夫さんのエッセイがあり、
 みすゞさんのやさしさについて書かれています。

 転載させていただきます。


 “やさしさ”とは、
 物理的に知覚できることがらの裏にかくされている真実を単なる幻想としてではなく、
 きちんとした論理に裏打ちされた想像力で正しく理解していくという感性だと思います。
 金子みすゞさんの“やさしさ”はまさにそこにあります。



 私はこんなふうに考えたことがありませんでしたので、
 ふ~ん、そうなのかぁ・・・、
 と感心するだけで、
 まだよくわかりませんが。

 みすゞさんは、
 1903年に生まれて、
 自ら命を絶ったのが1930年。

 その人の持つ“その人らしさ”を、
 大事に生かせる世でありたい、
 そんな世を創りたい。

 強くそう思った一冊でした。



 みすゞさんの本のことだけになってしまいましたね。

 佐渡裕さんの本のことも書きたかったのですが、
 時間不足、力不足でーす。




  新しい本のご紹介。


     消費税増税の大ウソ大月書店

       山家悠紀夫 著
       井上 伸  著

      
  出版年月日は 2012/02/10 となっています。
コメント (2)
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記憶・記録

2011-07-24 | 

 きょうは久しぶりで少し汗をかきました。

 やはりこの急な涼しさ、肌寒さは体によくありませんね。

 私の場合は、台風という低気圧のせいだったかもしれません。

 ちょっとつらかったです。




 おととい、きのう、と二人の音楽家の文章を読みました。

 お二人とも「記憶」に関わる文章です。

 偶然ではないでしょう。

 震災と原発事故、そして戦争と原爆の8月。



 「忘れてはいけない」と多くの人が自分に言いきかせていることでしょう。




 「進歩とは、およそ変化からなるものとはほど遠く、よき記憶力によるものである」と言ったのは誰だったろうか・・・。   ・・・・・   「記憶」という人間の力に大きく深い意味が内蔵されていることはたしかだと僕は考える。人間以外の動物には「現在」しかないのだ。過去を記憶する動物は人間だけなのである(犬も猫も飼い主くらいは記憶するけれど・・・)。

 人間として在るならば、風化するはずの記憶を進歩へ転じさせなければならない。まもなく、被爆から66年目の日がやってくる・・・。


   (池辺晋一郎・作曲家「空を見てますか」より「記憶の価値」 うたごえ新聞8/1)


 天災や人災に対し、人間はなかなか記憶を保持できません。物忘れの名人こそ人間というものです。
 それに対し、芸術は史実を風化させない役割を担っています。芸術は自然と人間の関わりや人間の心理を浮き彫りにし、人類の幸福とは、未来とは何かを提示してゆきます。私の行動の原動力はここにあります。


   (松野迅・ヴァイオリニスト「温かい数々の想いの束」 しんぶん赤旗7/22)




 前回ご紹介した、写真集「3・11メルトダウン」のジャーナリストの皆さんも、この事実を風化させることを止めたいという必死の想いがあるのではないでしょうか。

 写真はそのための大きな力になると思います。

 記憶と記録。



 瓦礫に埋めつくされた町や村(そこではほんのちょっと前まで人間の営みが展開されていたのです)。

 不気味な福島原発の姿。

 呆然とする人々の目、
 不安と怯えを抱えている目、
 主をなくした家畜やペットの目、
 行政や東電へ必死の想いで抗議する人々の目・・・。



          


  カバー写真:捨てられた原乳。福島県飯舘村 3月29日 森住卓撮影。



 国森康広

 小林正典

 権 徹

 佐藤文則

 豊田直巳

 野田雅也

 古居みずえ

 桃井和馬

 森住 卓

 山本宗輔

 綿井健陽


  以上11名の写真と座談。
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「3・11 メルトダウン  大津波と核汚染の現場から」

2011-07-21 | 

 きょうは、涼しさを通りこして寒かったですね。

 こんな日は体調を崩しやすいそうですので、
 みなさん、気をつけましょう。




 もう、2週間も前に、
 フォトジャーナリスト・山本宗輔さんから
 「大震災写真集二冊のお知らせ」のメールをいただいたのに、
 当ブログでご案内するのがすっかり遅れてしまいました。



 私は、近所の書店に取り寄せてもらって、
 翌日手にしました。



 貴重な写真集です。



 山本さんに
 「表紙の写真をこのブログで使うことは、許されるでしょうか」
 とお聞きしましたら、
 「使っていただいて構いませんよ」
 というお返事いただきましたので、
 堂々とご紹介します。



       


 一人の人間として、
 ジャーナリストとして、
 この天災、人災にどう向き合うのか。

 深い苦悩、
 その場に立ち会わずにいられないジャーナリストとしての使命感。

 迷いもし、
 憤りもし、
 逡巡し、
 涙でレンズを曇らせもし。

 多くの戦場を取材した経験をもつジャーナリストでさえ、
 それでも息をのむ光景。


 写真集の終わりに、
 メンバーによる緊急座談会があります。



 
 3・11東日本大震災でメルトダウンしたのは福島第一原発だけではなかった。政府もマスコミもメルトダウンしたのである。
                (山本宗輔・まえがきより)


 メディアが流す情報は住民にとって生きるか死ぬかの決断を迫る情報であった。市民は受け取った情報を選択する。欺瞞的な情報を必死に見抜こうとしていた。そして、「ジャーナリズムは死んだ」と長い間思いつづけていた私は、もしかしたら生き返るかもしれない、と思うようになってきた。それは今後のジャーナリスト一人ひとりの闘いにかかっているのだが──。                (森住卓・あとがきより)




      JVJA写真集「3・11 メルトダウン 大津波と核汚染の現場から」(凱風社、1890円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/477363507X/

   JVJA写真集

    日本ビジュアル・ジャーナリスト協会編
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カーシム・トゥルキ 「ハロー,僕は生きてるよ」

2011-02-12 | 

               

              

 きのうから、きょうの午前中にかけて降った雪は、
 思いがけず積もり、
 今朝5~6センチになっていました。

 この写真はきのうのものです。





 「ハロー,僕は生きてるよ。」をやっと読み終えました。

 何か月かかったのでしょう。

 きのう、最後の数ページを読み、
 ぼんやりした頭で、いろんなことを思い出して、
 私はまだ若かったなぁ、
 なんぞということまで思いました。

 地理も歴史もからきしダメな私は、
 アフガニスタンやイラクを理解するには、
 基本的な学力が足りないので、
 とても苦労が要りました。


 この本は、2008年4月18日第1刷で、
 帯には、筑紫哲也さんの言葉があります。

 著者のカーシム・トゥルキさんの「はじめに」(2008年2月)に、

 この本は、僕が書いたブログとメールをもとに、
 日本人の友人であるナホコ(高遠菜穂子)とアケミ(細井明美)が、
 イラク開戦から現在までの状況がよりわかるように工夫し、
 訳と編集をしてまとめてくれた。

 とあります。
 また、

 僕はこのブログを書いたために、
 ラマディに駐留している米軍によって拘束された。
 けれどブログの読者がその情報を流すことによって、
 僕の命は救われたのだ。


 とも。

 カーシムさんは、
 高遠さんと出逢ったことで、
 戦闘からは平和は生まれないことを知り、
 「暴力を拒絶し、平和を選ぶ」生き方を、
 周りの人々にも広めています。



 イラクでは、「部族」の存在が大きいようです。

 その国その国で、
 様々な違いがあることを知りました。

 違う文化を理解することは
 とても難しいことだと思いますが、
 日本というもの、私というものを
 理解してもらえなかったらどんなに辛いでしょう。

 努力をつづけます。


 
 
 
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JVJA(日本ビジュアル・ジャーナリスト協会)編 『「戦地」に生きる人々』

2010-10-11 | 

 穏やかな、澄みきった青空が広がっています。

 近くで運動会をしていたらしく、

 さきほどまで、拡声器から元気な声が響いていました。




 世界では、戦争をしている地域が少なくなくて、

 フォトジャーナリストの皆さんが、

 世界からその実態を伝えてくれています。

 それが、『「戦地」に生きる人々』という本になって、

 集英社から刊行されたそうです。


 9月20日に、山本宗輔さんからいただいたメールを、

 ずいぶん遅くなりましたがご紹介します。

 「転載転送歓迎」です。


 (山本さんは現在インド取材中です。)




          '''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''




このたび、JVJA(日本ビジュアル・ジャーナリスト協会)編、
『「戦地」に生きる人々』(集英社新書)が刊行されました。
5年前に出版した「フォトジャーナリスト13人の眼」(集英社新書)
の続編となります。
今回は7名の会員が執筆。
私は軍事独裁政権下で苦しむビルマ(ミャンマー)について、
ビルマ・タイ国境周辺から見えてくる軍事政権のメンタリティーが
伝わるように執筆しました。30ページほどあります。
目次は次のとおりです。また、各章から、本文の一部を
抜粋して紹介します。

まえがき:見知らぬ人々の悲劇ではなく 堤未果
序章:「閉ざされた声」を届けたい 豊田直巳 
第一章:チベット 人々の祈り 野田雅也
第二章:ビルマ(ミャンマー) 辺境から見る軍事政権 山本宗補 
第三章:マーシャル諸島 蝕まれてゆく島で 森住卓 
第四章:ハイチ 聖地の村で 佐藤文則 
第五章:チェチェン 闘う女性たち 林克明 

第六章:レバノン 境界線に生きる 豊田直巳

第七章:パレスチナ・ガザ: 封鎖下に生きる人々 古居みずえ 
あとがき。

以下は本文の抜粋です。

「そう、この本の価値はそこにある。これは遙か遠い土地に住む見知らぬ人々の悲劇ではなく、
それを切り取るジャーナリスト、そして受け手である私たち自身の物語でもあるからだ」
(この新書のために寄稿していただいたジャーナリスト堤未果さんのまえがき)

「それは、『他の誰もが報道しないならば、自分が報じなければならない』、と考えているから
です。仮に誰も報じなければ、歴史的な事実さえも、まるでこの世に存在しなかったかのよう
に社会から抹殺されてしまうという『メディアの時代』を、私たちは生きています。JVJAの仲間は、
そうした状況だからこそ、なおさら伝えることの意義を通説に感じているわけです」
(序章 豊田直巳)

「ここには思想や言論の自由も、宗教の自由もある。けれども、難民であるが故に社会的
権利はない」とロブサンは言う。中国の圧制下で生きる仲間たちを思えば、『耐えるほかない
のは分かっている』。けれども、国とは何か、自分は何者なのか、果てしない苦悩が彼を苛む。
『チベットの草原はどんなにおいがするのか。空はどれほど蒼いのか。想えば想うほど、
故国が恋しい』」(第一章 野田雅也)

「ケビンは、『日本の国連大使は軍事政権の宣伝マンだ』と語気を強める。カレン族の危機的
状況から浮かび上がるのは、日本がビルマの「民政移管、国民和解、人権状況の改善」に
貢献する姿ではない。少数民族を弾圧し、民主化を求める声を圧殺する政権に『加担する』
姿だった」(第二章 山本宗補)

「その後、病人が続出し、死産や流産も相次ぐなか、ロンゲラップ島民が生まれ故郷を捨てる
決意をし、クワジェレン環礁の無人島だったメジャットへ移住したのは八五年。五七年の帰島
から三〇年近くが過ぎていた。自然の恵みで自給自足の暮らしをしていた人々は、核実験に
よって健康を蝕まれただけでなく、生活の基盤すべてを失ったのである。
マーシャル政府は、『プロジェクト4・1は人体実験だ』として米国政府の責任を追及している。
だが米国は今なお、事実の解明に必要な機密文書の公表を拒んでいる」(第三章 森住卓)

「おそらく往復で六時間以上は歩いたのだろう。電話のモナの声は、先日と違い、ひどく疲れた
様子だった。『ポルトープランスの建物はみんな壊れて、ひどいありさまよ。それにゴミと糞尿と
死臭がひどい。においが体や服に染みついて、何度洗っても取れない!』
そう話したモナは、電話口で泣き叫んでいた。震災後、懸命に抑えていた感情が一気に爆発
したのだ。震災の様子をにおいで伝えようとしたモナの言葉が、私の心に強く響いた」
(第四章 佐藤文則)

「チェチェンの現状をどうやって世界に伝えていくか。議論は三時間に及び、議長役の女性(62)
が、『ロシアはチェチェンの魂を屈服させることはできない。それをペンの力で訴えていこう』と
締めくくった。『私には自分が見たこと、知ったことを、伝える勇気がある』。言論の自由など
ないに等しい状況にあっても、タイーサはそう言い切る。今、メディアが支配体制に組み
込まれ、別の意味で言論や表現活動の自由が危うくなっている日本で、私は彼女の言葉を
かみしめている」(第五章 林克明)

「『塔の上にイスラエルの監視カメラが見えるでしょう。あそこもシェバ農場の一部でした。
あの先には一四の農場があり、約一二〇〇家族の農民が住んでいたんです。どの家族も
羊を二〇〇頭あまり飼っていて、とても豊かな暮らしをしていました。私の家族もその一つ
でした』」(第六章 豊田直巳)

「二〇〇〇年からの第二インティファーダの時は、イスラエル兵に追われた若者を家に
かくまい、何度も逃してやった。兵士が来ても、ウンム・アシュラフは引き下がらなかった。
殴られて前歯が何本も折れた。『私たちはいつも頑張ってきた。いつかいい日が来る、いつか
いい日が来る、そう言って頑張ってきた。つらい時はいくらでもあったければ、心から楽しいと
思う時はなかった』。ウンム・アシュラフは、自分が生きてきた六〇年を振り返って、
そう言った」(第七章 古居みずえ)

執筆者別に本書の一部を読んでいただきましたが、いかがでしょうか。
ここには、新聞やテレビなどのマスメディアでは、ふだんはほとんと取り上げられない人々の
生の声が詰まっています。一見、誰もが知りたいと思うテーマとは異なるかもしれません。
それ故、この新書を購入し、読んでいただくことは、発表媒体の激減した私たちのような
フリーランスのジャーナリストが存亡の危機に瀕している時、活動の継続を支えてくれます。
応援メッセージともなります。私たちの伝えようとする国々の人々の動向も大切だと実感して
くれる読者がまだまだ存在すると、励みにもなります。

「この本を一人でも多くの人が読み、声なき声を現場から届けるジャーナリストを支えてほしい」
と堤さんも呼びかけてくれています。
お近くの大きな書店やアマゾンなどのネット書店でも購入できます。
どうか、宜しくお願いします。

また、この新書の刊行に会わせ、9月末にオンラインマガジン、『fotgazet』(フォトガゼット)
の発行を開始します。ネット時代の申し子のような印刷媒体ではないマガジン(雑誌)です。
もちろん、JVJAの各会員がこれまでに蓄積した本領を発揮するビジュアルなマガジンです。
スティール写真の持つ訴求力、力強さに、ビデオ映像も視聴できるネット時代に相応しい
マガジンを提供してゆきたいと思っています。同時に、JVJA自らの発表媒体の創出です。
自分たちで発表したいものを選び、作りたい構成にできるのです。

まずは創刊準備号を無料で発行します。90ページ程度の内容です。これは12月からの
本格的な発行を開始するためのPRで、有料購読者の募集開始となります。12月からは
有料購読者に向け、年間購読料3000円で年4回発行、加えて、その間はJVJAから様々な
情報や記事を定期的に購読者に提供する形となります。
有料購読者が250人をこえたら刊行を開始します。
創刊準備号は写真特集が7本(各10ページ)予定されています。コラムも2~3本あります。
オンラインマガジン『fotgazet』(フォトガゼット)の応援もぜひよろしくお願いします。




          '''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''




 地球そのものの存在さえ危うい「今」。

 命の奪い合いは、もうやめましょうよ・・・。

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本を読みたいなあ

2010-02-23 | 
 やっと春が見えてきた感じですね。

 夕方の番組で、気象予報士の木原実さんが、 鶯の初音 のお話をしていました。

 きょうは、熊谷できけたそうです。



 先日、バスでSへ出たついでに(おかげさまで私はバスを年間千円で利用できますので)、インクを買おうと思ってKストアの5階(だった?)へ行きました。
 たいてい、ここの さくらや で買っているので。

 エスカレーターであがっていくと、・・あわわ・・、そういえばそんな話をきいたことが・・・。

 売り場が・・・

 商品がほんの少し、残り物だけ隅の方に・・・

 え、もうこんな状態・・・

 「全国的に閉店」です。

 春を待たずに さくら が散ってしまいました。


 気をとりなおして本屋さんのある階へ。

 お目当ての本は お取り寄せ しなければなりませんでしたので、じゃ近所の本屋さんで、ということにしてN駅にバスで戻ってきました。

 ありました!

 発売の噂をきいた時から気にしていた本なのですが、目の前には、まだ読んでいない本が高さ45センチほどに積んであります。

 こんなにあるのにまた買うのか。

 だって読みたいんだもん!

 買いました。


   浅尾大輔 『ブルーシート』  (朝日新聞出版)


 四つの短編がおさめられています。

 このうち『ソウル』だけは読んでいましたが、なんと言っても『ブルーシート』を読みたかったのです。


 登場する一人ひとりがとても大事に書かれていて、浅尾さんのやさしさが私の心に沁みてきます。

 喘息のお母さんを看取る過程では、お母さんの息遣い、声にならない声、抱き上げた時の体温、体の軽さまで、私に伝わります。

 浅尾さんは、決してごちゃごちゃ説明はしていないのに、読んでいると感じてしまうのです。

 登場する人たちは、きょう生きるのが精一杯な人ばかりです。

 みんなばらばらにされて、「一緒に生きていく」ことなど考えていなかった。でも・・・。

 そして、「苦しんでいる人間をとことん信じることだけでいいんじゃないか」に、私は「うん」と答えました。


 人間の根源的なところでの連帯──浅尾さんはこんな言葉など使っていません──。

 読み終わって、「ロスジェネ」創刊号で、ほんの少しでも連帯できる糸をと探っていた浅尾さんを思い出していました。



 映画でも演劇でもそうですが、深く読みとるにはそれなりの訓練も必要ですよね。

 本もそうなのでしょう。
 深く読めるようになりたいです。

 もっともっと本を読みたいです。

 本は45センチもあるのですから!

 ああ、でも生きているうちに読みきれないですね、絶対に。


 読みたいなあ。
コメント (2)
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「沈まぬ太陽を心に持って」

2009-08-03 | 
         

          Y保育園のひめりんご  09.7.31   



 7月17日付の「朝の風」に、『沈まぬ太陽』の映画化が進み仕上げに入った、とありました。


 山崎豊子さんのこの小説は、いまは新潮文庫版があるようですが、私は分厚くて5巻まであったものを夢中で読みました。


 日航機墜落事故を知った時もショックでしたが、労働組合委員長・「恩地元」さんの生きざま、そしてこれを小説に書き上げた山崎さんの強い想いにもまた、強い衝撃を受けたのでした。


 主人公のモデルになった方の講演も聴きに行きました。

 飄々とした、穏やかな印象の方で、ユーモアをまじえてのお話だったと記憶しています。

 その時はすでにご病気だったのだと、あとで思いました。
 それから1年も経たないうちに亡くなられたのではなかったでしょうか。


 この「朝の風」を読んですぐ思い出したのが、国公一般ブログ「すくらむ」でした。

 「『沈まぬ太陽』ついに映画化」(08.12.14付)とあり、その内容がとても心に訴えるものだったからです。


 「すくらむ」の主な書き手であるノックオンさんが企画・編集した山崎豊子さんへのインタビュー記事ですが、山崎さんご自身が、国公労連という労働組合を、“労働者のためにたたかっている組合”と信頼してのお話のようで、このことにもまた胸をうたれます。

 記事の最後に、山崎さんが座右の銘としているゲーテの言葉があります。

 山崎さんの生き方がよくわかるように思います。


 インタビュー記事中の小見出しをご紹介しましょう。


 ◆アフリカで巡り合った現代の「流刑の徒」

 ◆不条理を許さない人間としての誇り

 ◆泣きながら書いた場面

 ◆今でも夢でうなされる地をはうような取材

 ◆声なき声に支えられた『御巣鷹山篇』

 ◆なくしたい政官財癒着 不毛地帯の日本を警告したい

 ◆まともな労働組合に光あて、たたかう労働者を勇気づける

 ◆ただすべきことただし、国の行政をよくして



 きょうのこのブログのタイトルを、山崎さんの言葉からお借りしました。

     ── 沈まぬ太陽を心に持って ──



    
          国公一般ブログ 「すくらむ」

             http://ameblo.jp/kokkoippan/day-20081214.html 


 ぜひ、お読みくださることをお勧めします。
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新刊の ご紹介

2009-01-18 | 
 なかなか本を読む時間のとれない私ですが、出版案内をいただいた本をご紹介します。


                 


 先ず、日本ジャーナリスト会議 のメールマガジンから、 仲築間卓蔵さん の本です。

 仲築間卓蔵「いまなぜ――メディアを読み解く」(かもがわ出版)12月刊
  http://www.kamogawa.co.jp/moku/syoseki/0224/0224.html
 先日5日の集会(市ヶ谷・自動車会館)の会場でも売り出したとたんに売り切れとなった話題の一冊。「JCJふらっしゅ」編集部にも、千代田区労協から「仲さんの目で、メディアに切り込んでいます」「ぜひ、三省堂書店でお買い求めいただきたい」との宣伝メールが届いた。この「三省堂書店」とは、駿河台下の書店のことだと思われる。その1階で100冊規模平積み展開されているとの噂を耳にしている。著者の仲築間さんは、千代田区労協の副議長を務めたこともある。(J・K)
■定価1,680円(本体価格1,600円)

          仲築間卓蔵さんのブログ

            http://blog.goo.ne.jp/takuzou4108/


          ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会 からは、3冊。

 初めに 国森康弘さん の本。

 「証言 沖縄戦の日本兵――六〇年の沈黙を超えて」(岩波書店)
http://www.iwanami.co.jp/topics/index_i.html

沖縄で日本軍は住民たちに何をしたのか.本土防衛の「捨て石」とされた沖縄では,壕からの追い出しや「スパイ」と見なした人々の処刑,そして「集団自決」の強制など,日本兵による加害行為が県民によって語り伝えられてきた.戦後60年を経た今,元兵士たちからその実相を聞く.沖縄戦史の空白を埋めるルポルタージュ。


出版にあたって 著者 國森康弘

「日米両軍の兵士よりもはるかに多くの住民が犠牲になった国内唯一の地上戦。この沖縄戦は、今日まで沖縄住民によってのみ語られ、兵士の証言はほとんど表に出てきませんでした。当時、日本兵はどのような意識に基づき、どのような行動を取ったのか、今の日本に何を想うのか――。六〇年以上のときを経て語り始めた元兵士たちの証言を集めました。沖縄戦史の空白を埋める、最初で最後の機会になるかもしれません。

澄んだ海、民謡、郷土料理、おばあたちの優しい笑顔の「沖縄」に魅せられた方々、これまで「沖縄」に関心のなかった方々、ご高覧頂ければ幸いです。


國森康弘
http://www.kunimorifoto.net/
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)会員。イギリス拠点のフォト・エージェンシー、Exile Imagesメンバー。京都大学経済学部卒業、京都大学大学院経済研究科修了後、神戸新聞記者に。退社後、フリーで取材活動を重ねる。イラク、ソマリア、スーダン、ケニア、カンボジア、ブルキナファソなどで紛争や貧困の状況を取材、国内では医療現場や少子高齢化社会の問題、超低所得者層の取材のほか、アジア各地の戦場の最前線に立った元日本軍兵士の聞き取りも行う。雑誌DAYS JAPANやAERA、世界、月刊情報誌Esquireなど、新聞では毎日新聞や共同通信を通じ全国加盟紙に寄稿する。信濃毎日新聞では2008年中、半年にわたり沖縄戦企画を長期連載。オランダで出版の写真集「Proud to be Nuba」に写真を発表。そのほか、イギリス・カーディフ大学ジャーナリズム学部修士号取得。 2008年度上野彦馬賞入賞。



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 つづいて 権徹(ゴンチョル)さん の本です。

 新刊「歌舞伎町のこころちゃん」写真/権徹 のお知らせ

約10年に渡り歌舞伎町の街を撮影してきた権徹(ゴンチョル)氏の写真集が発売されました。
お近くの書店、または「講談社 BOOK倶楽部」でお買い求め下さい。


きみは、たしかに、この路上で暮らしてた

“眠らない街”歌舞伎町。コマ劇場前で見つけた4歳の少女。
あまりにもかわいらしい彼女は、父と、そしておとなたちと、路上生活を送っていた――。


講談社 BOOK倶楽部
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2151472&x=B


毎日新聞 2008/12/10「だいあろ~ぐ:東京彩人記」より
(カメラマン 権徹氏へのインタビュー記事)
日本は豊かな国ではなかったのか、という疑問が強くなりました。歌舞伎町に遊びに来る人たちは、こころちゃんに無関心でした。これは父親一人の責任じゃない、社会全体に責任があると思います。こころちゃんの姿は私たちに何かを問いかけてくれる。理不尽な現実を社会にぶつけてみることは価値があると考えています。


権 徹(KWON CHOUL)
 1967年韓国生まれ。94年関東大学校土木工学科卒業。同年来日。98年日本写真芸術専門学校報道写真科卒業。99年日本大学芸術学部写真学科研究生修了。在学中に『週刊金曜日』でデビューし、以来マイノリティ問題や社会問題を中心としたルポルタージュ作品を発表。中朝国境における脱北者問題の取材においては、中国公安に拘束されるなどの危険を冒し、脱北者が渡河する瞬間をスクープ。『フラッシュ』と『中央日報』のトップページに掲載。韓国メディアからの信頼も厚く、主な韓国の新聞・雑誌の日本関連ニュースには彼の写真が掲載されている。_ そんな彼のもうひとつのライフワークが、歌舞伎町のストリートスナップ。約10年に渡り歌舞伎町の街を撮影し、『DAY'S JAPAN』などに発表。06年4月には新宿ニコンサロンで初の個展となる『ブルー・オーシャン』が開催された。06年9月、歌舞伎町案内人・李小牧との共著でドキュメント・フォトマガジン「歌舞伎町事変1996~2006」をワニマガジンより発表。写真集に「歌舞伎町のこころちゃん」(講談社)。


   
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 そして 森住卓さん の本です。

 〔写真証言〕沖縄戦「集団自決」を生きる
森住卓=写真・文
写真家の森住です。
一昨年から取材してきた、沖縄慶良間諸島の渡嘉敷島と座間味島の集団自決で生き残った方のインタビューと写真でようやくまとめる事ができ、このほど高文研から出版されました。

http://www.koubunken.co.jp/0425/0413.html
●A5判・128頁
●2009年1月15日発行
●本体価格1400円

沖縄戦の極限の惨劇「集団自決」に遭遇、これまで黙して語らなかった人びとを含む【体験者26名】を、
インタビュー取材。その実相と現在の心境を表情豊かな写真とともに伝える!

戦争のもたらす残酷さを多くの人々に知らせることで、この国が戦争への道を再び進もうとしていることに警告をならしたい。


皆さんへのお願い

★この本を購入してください。そして、お知り合い友人に宣伝してすすめてください。
★お住まいの近くの図書館に購入リクエストしてください。
★メディア関係の方、是非テレビ、新聞、雑誌などで紹介してください。インタビューに積極的応じます、このメールに御連絡ください。
★講演も引き受けます。

森住 卓
takashi@morizumi-pj.com
公式ホームページ
http://www.morizumi-pj.com/

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(内容)

はじめに──慶良間へ行くまで

【渡嘉敷島】

私たちは軍の命令で北山に集められた〈吉川嘉勝さん〉
住民に投降勧告をしに行った叔父は〈池原利江子さん〉
「則ちゃんは一人でいるから、早く逃げて……」〈北村登美さん〉
行方不明になっていた父に再会したとき〈金城信子さん〉
防衛隊の叔父さんが手榴弾を配った〈小嶺正雄さん〉
「玉砕場」は泣き声や叫び声が聞こえて恐ろしい〈金城武徳さん〉
女だけで逃げていたから殺されなかった〈金城スミ子さん〉
身内の近い人からやっていますよ〈内原静子さん〉
捕まったら、耳を切り落とされ、いたずらされる〈大城政連さん〉
軍の命令じゃなければ「集団自決」はしませんよ〈金城重栄さん〉
生き残ることへの恐怖〈金城重明さん〉

【座間味島】

校長先生、私たちを先にやってから死んでください〈宮里哲夫さん〉
体験は体験者の数だけあるんですよ〈宮城恒彦さん〉
「こんなに大きく育てたのにくやしい、ゴメンね」〈宮平春子さん〉
「どうしても、生き延びられないのか……」〈宮村トキ子さん〉
ばあちゃんが洗骨した頭蓋骨を〈山城美枝子さん〉
激しい腐臭のする遺体をかきわけて〈宮里育江さん〉
敵上陸の知らせを聞いて玉砕が始まった〈中村安枝さん〉
逃げる途中、兵隊の死体を見た〈山城 功さん〉
中尉はオバーに「この手榴弾でここで死ぬように」〈宮平千代枝さん〉
「あんたは決して人の先に死ぬんじゃないよ」〈吉田春子さん〉
家族七名を手にかけた同僚は〈宮平輝重さん〉
この手榴弾で死のうと、ひとかたまりになって〈大城澄江さん〉
弟の死にも、不安と混乱で悲しみを覚えなかった〈上洲幸子さん〉
頭からコトッと脳みそがこぼれた〈平田文雄さん〉
私は死にたくないと思って〈中村一男さん〉

〈解説〉沖縄戦と慶良間の悲劇
あとがき


●担当編集者より

 今年2009年は、沖縄を考える上で、節目の年でしょう。島津/薩摩藩の琉球侵攻から数えて400年、そして明治政府による廃藩置県からは130年目にあたります。
 その年の初めに、高文研の沖縄関連書籍の50冊目の節目として、この『沖縄戦「集団自決」を生きる』を刊行します。

 64年前の太平洋戦争末期、沖縄・慶良間諸島で何が起こったのでしょうか。
 「生きて虜囚の辱めを受けず、米兵に捕まれば男は八つ裂きに、女は強姦される」と日本軍に教育されたていた島民は、米軍の上陸の直後、米兵の手にかかるより、親が子を、兄が妹や弟を父を母を殺していきました。いわゆる「集団自決」です。
 肉親同士が殺し合うという、もっとも悲惨な出来事でした。

 なぜ、この惨劇が起こったのか? 肉親同士が殺し合う「集団自決」は、長い間タブーとされていて、語られることはありませんでした。体験者の何人もが「このまま墓場に持って行こうと思っていた」と証言しています。
 しかし、2007年の高校日本史の教科書検定問題に端を発して、何人かの体験者がこのままでは自分たちの体験が闇に葬られてしまうと、心の奥にしまい込んでいた辛い体験を語り始めました。
 イラク報道などを手がけてきた森住卓さんが、およそ1年間慶良間諸島で取材し、渡嘉敷島11人、座間味島15人、合計26人の体験者の証言を、表情豊かな写真とともにまとめたものが本書です。

 私自身、渡嘉敷島、座間味島には何度か訪ねて、体験者の方に証言をしていただきましたが、島独特の「方言」を理解出来ないでいました。
 証言をまとめる上での、森住さんのご苦労はたいへんだっただろうと、想像します。

 森住さんは次のように語っています。
 「体験者へのインタビューは心の傷口をこじ開け、塩を塗り込むような苦痛を味あわせるような残酷さを持っていた。そうしなければ歴史の真実をあぶり出すことができなかった。
 撮影は悲惨な証言とは反対に出来るだけ、明るい表情を撮影したかった。あの未曾有の体験を乗り越え、生き抜いた証(あかし)として。そして、これからも幸せに元気で長生きして欲しいと思ったからだ」

 本書は、ジャーナリストとして、いま仕上げるしかない究極の作品だと思います。
 ぜひともご一読ください。

(山本邦彦)



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 いつも思うのです。

 私たちはメディアから知ることができないたくさんのことを、このような方たちの働きによって手に入れることができます。

 多くの時間と労力を費やした結果を、あまりにも簡単に手に入れることができて、申しわけない気持ちです。



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