以前から気になっていた山本宗補(やまもとむねすけ)さんの写真展に、きのう、チャンスがあって行ってきました。
「以前から」というのは、同名の写真集が出版されているのを知っていたからです。
写真は全てモノクロです。
それが、とてもいい。
モノクロにこだわるわけではありませんが、モノクロはカラーよりも凝縮感があるように思えるのです。
伝えたいことがぼやけていない、と言えばいいでしょうか。
被写体となっているのは、70歳前後から100歳までの方とか。
山本さんご自身のお母さん、お義父さんも含まれています。
山本さん45歳の時からの作品。
うーん、すごい。
お年寄りに対する愛情と尊敬が、ぐんぐん伝わってきます。
お年寄りの笑顔に邪気がありません。
展示は、
Ⅰ 大往生の島
Ⅱ 個を生きる
Ⅲ 老いの肖像
Ⅳ 記憶を語る
Ⅴ 一人では生きられない
Ⅵ 家で逝きたい
Ⅶ 旅立ち
に分けられています。
写っている方々のほとんどは、私よりも年齢が高く、多くの方々が私よりもナマの戦争の体験をしています。
「Ⅳ 記憶を語る」には「ひめゆり学徒」といわれる方々の顔もあります。
東京大空襲で焼け出された後、ハンセン病療養所で過ごした金さんは、唇で点字を読んでいます。
私の思い入れもあるかも知れませんが、このコーナーでは山本さんの訴えがきこえてくるようでした。
帰り際、ブックカフェで写真集を購入していたら、思いがけず山本さんに言葉をかけられました。
山本宗補さん、53歳。
声のはっきりした、素敵な方でした。
写真展は、残念ながらきょうで終了。
また間に合うように書けませんでした。すみません。
写真集 『また、あした 日本列島 老いの風景』
発行所 株式会社 アートン
http://www.artone.co.jp