今月18日に「DAYS JAPAN」7月号が届きました。
「DAYS JAPAN」には、世界の報道カメラマン、フォトジャーナリストから寄せられる写真と文が載っています。
毎月(多分)、戦場の写真が掲載されていて、見るのがつらいこともあります。
戦場では必ず人が死にます。
「抜群の破壊力」を持つといわれるクラスター(収束)爆弾を、日本の自衛隊も持っています。
「上陸してきた敵を掃討する」目的だそうです。
人を殺すため。
「うたごえ新聞」6月23日号、「空を見てますか」第656回で、作曲家の池辺晋一郎さんは書いています。
「この残酷な兵器について、08年末までに禁止条約を作ろうというのが、昨07年2月に採択された「オスロ宣言」。参加49カ国中46カ国が賛成。何と日本は、残りの(つまり反対の)3カ国の一つ。」
そして「原則では禁止、例外的には認めるが包含する小爆弾は10個以内、という決定が採択された。」というダブリン会議に触れ、「人間って、よほどのアホか・・・?これは大きな一歩ではあろうが、そこまで進むならなぜ完璧に禁止できない?ルールを作った上で戦争なんて、おかしいじゃないか。ルールを決めることができるのなら、戦わないというルールを作れ、と言いたい!」と。
ほんとに!
「DAYS JAPAN」の編集部も書いています。
「戦争こそが非人道的なのであり、人道的な兵器などありえない。不完全な禁止条約を実効あるものにしていくために、すべての保有国、とりわけ米国、ロシア、イスラエルの参加が不可欠だ。兵器が禁止されるとすぐに同等の効果が得られる別の兵器に置き換えようとする考え方から脱却することこそ、戦争の犠牲者をなくす方法である。」
「死の現場」というより、「殺される現場」からの悲鳴、絶叫、慟哭がきこえるようです。
7月号の特集は「災害と生命(いのち)」。
中国とビルマ(ミャンマー)です。
中国の、瓦礫となった自宅の跡に立つ、あどけないけれど不安そうな表情の少女は、髪を青いピンで止め、「HAPPY Time」の文字のあるTシャツを着て、じっとカメラをみつめています。
ビルマは、サイクロンによる被害からどう立ち直るのでしょうか。
湿地や、やっと雨風をしのげるわずかな空間で生きる人々。
援助の手は届いていないようです。
「ビルマにとって今回のサイクロンは史上空前の大災害となった。人道的立場からの支援は絶対に必要であるが、飢えた人々を尻目に軍事政権のみを肥え太らせることがあってはならない。最大の支援国のひとつである日本が声をあげるべきだ。」(編集部)
「暴力ポルノ アダルト・ビデオの中の犯罪」は、「人間性の死」です。
ページをここまで繰ってきて、もう、胸の中がぐちゃぐちゃになってしまったところで、目に飛びこんだ写真。
山本宗補さんの「産む歓び」が、救ってくれました。
助産婦・矢島床子さんたちの手による自然出産の現場を撮影したものです。
自宅で生まれたばかりの赤ちゃんを囲むお兄ちゃん、お姉ちゃんたちの、なんという慈しみ深い輝いた笑顔でしょう!
この子どもたちは、お母さんの足元でずっと赤ちゃんの誕生を見守ったのです。
その真剣なまなざしは、きりっとして美しくさえあります。
もう一人の赤ちゃんは、2歳9か月のお姉ちゃんに見守られて生まれました。
「お母さん、よくがんばったね」というお姉ちゃんの言葉は、何よりの祝福となったことでしょう。
山本さんから戴いたメールに
「赤ちゃん誕生の感動的なシーンと、矢島助産院で生まれた子どもを連れて年一回の新春会に参加した300名前後の母子集合写真が圧巻です。」
とある通り、まさしく「圧巻」です!
はじけるような笑顔がみんなこっちを見ていて、しあわせ~です。
けれど、山本さんのメールには
「医療法19条改正によって、現代の産婆さんである開業助産師が廃業の危機に瀕し、妊婦さんが大病院以外に産む場所を選択できなくなる事態が起きつつあります。」
ともあり、気になります。
この子たちの将来が、戦争だの、格差だの、貧困だのとは無縁であってほしいと思わずにはいられません。
子どもたちの笑顔が消えないように!
「DAYS JAPAN」
http://www.daysjapan.net/index.html