さくらおばさんの ひとりごと

日々の想いを綴ります。

東京芸術座 『兵士タナカ』

2008-08-27 | 演劇
 会場に入ると、舞台正面に、顔の上半分を白く塗った(仮面?)兵士の姿をした人形(と思いました!)が直立不動の姿勢で立っていました。

 銃剣て、大きいのですね!
 地面から兵士の目の辺りまであります。

 あのようなものを向けられたら、きっとものすごく怖いだろうなぁ、と思っていると、じっとしている兵士がなんとなく小さく揺れています。

 ん?舞台の上は風があるのかな?
 いや、ちがう。
 あんなに上手に人形を作れるわけがない。
 これは俳優さんがじーっと立っているのだ、多分そうだ。

 そうだったのです。
 開場から開演まで30分間も!

 開演時、上手側の兵士が「ご案内」をしました。

 などということをバラしても、もういいですね。
 今日は楽日でしたから。


 原作はゲオルク・カイザー(1878-1945)。

 私は初め、外国のどこかのことを日本に置き換えたものなのかと思っていたのですが、そうではありませんでした。

  「ナチス・ドイツの盟友である日本の絶対主義的天皇制国家を批判の対象とし、当時の日本軍国主義の本質を見事に描き出すことで、同時にドイツの独裁者とファシズムを激しく批判したのだ。」(チラシより)
 そして、「1940年亡命先のスイスの劇場で初演されたが、日本公使館の抗議により上演中止に追い込まれた」のだそうです。


 軍人となって初めて帰省したときの、貧しいはずの両親の大盤振る舞いと、たまたま上った妓楼で偶然再会した、芸妓になっていた妹と、軍人として「成長」し晴れがましい生活をしてきた自分との関係が、兵士タナカにわかってきます。

 「天皇陛下に願い出れば死刑を免れることもできる」という裁判長の言葉に対し、これまでは言われたことに素直に従ってきたタナカでしたが「天皇陛下が謝るべきだ」と言い放つ。

 実は今日、この場面でアクシデントがあったのですが、それはまったく傷になりませんでした。

 それより、このような作品に懸命に取りくんだWさんたち、若い俳優さんにとって、この芝居の内容や台詞の重さはいかばかりだったろうかと思い、大きな感動となったのです。

 この作品に出てくれて ありがとう!

 またの上演を期待しています。



          東京芸術座

            http://www.tokyogeijutsuza.co.jp/
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6 コメント

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Unknown (水野薫)
2008-08-30 15:13:16
こんにちは。朝魚さんの所から、こちらにおじゃましました。時々のぞかせてください。
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ありがとうございました (roko)
2008-08-30 23:12:31
いつも、さくらおばさんには、色々と応援していただいて、本当に感謝しています。
そうですね、若手がこの作品に触れることの意味、出演し演じることの意味は、本当に大きかったですね。
これからも、誠意を持って、舞台づくりに邁進していきます。
本当にありがとうございました。
返信する
ようこそ! (水野馨さん)
2008-08-31 10:34:20
お越しくださいまして、ありがとうございました!

水野さんのお名前、朝魚さんのブログで存じ上げています。

私は怠け者ゆえ、あまり更新しませんが、どうぞまたお出かけください、お待ちしています。
返信する
こちらこそ・・ (roko さん)
2008-08-31 10:37:54
いつも元気を頂いています。

「貧乏物語」楽しみです。

いろいろありますが、がんばりましょうね。
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ごめんなさい!  (さくらおばさん)
2008-09-01 11:57:27
水野さん、roko さん。

「名前」の欄に、「さくらおばさん」でなく、水野さん、roko さんのお名前をいれてしまいました。

自分のブログなのに、なにしてるんでしょ!
ごめんなさい。
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いいえ~ (roko)
2008-09-06 23:14:30
そんなこと、まったくOKですよ~

また、色々教えてください!
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