きょうの一枚 ─ 高尾山のケーブルカー
8月19日(土)に演劇を観ました。
東京芸術座
『母は枯葉剤を浴びた』
原作・中村梧郎
構成・井上鉄夫
演出・稲垣 純
アトリエでの公演でした。
フォトジャーナリスト中村梧郎さんは、ベトナム戦争を取材、ベトナム戦後も枯葉剤の悲劇をベトナム、アメリカ、韓国で記録し続けています。
『母は枯葉剤を浴びた』は、1983年に27万部余を刊行(新潮文庫)。ユージン・スミス賞にノミネートされました。
2005年には岩波現代文庫で出版し、第一回日本科学技術ジャーナリスト賞を受賞。
また、写真集『戦場の枯葉剤』を岩波書店で出版し、日本ジャーナリスト会議特別賞を受賞しています。
この演劇は、中村さんの原作を戯曲化したもので、劇中の梧郎が話を進めていきます。
ステージには3枚のボードが立てられ、それぞれに中村さんの写真が映され、話と写真で当時のベトナムの様子がわかるようになっていました。
米軍による枯葉剤散布は、1964年アメリカのデッチ上げによるトンキン湾事件よりも前の1961年から、10年も続いたのです。
枯葉剤とはダイオキシン。
一機につき幅80メートルで16キロメートルの範囲に、数機で隊列を組み、ベトちゃんドクちゃんの出生地で散布しました。
オープニングは、枯葉剤を散布する米軍機や、散布の前とあとの変化などを伝える写真に、ボブ・ディランの『風に吹かれて』が流れます。
ほんとうに、このように愚かな残虐なことを何回繰り返せば、為政者たちは自分の過ちに気がつくのだろうかと、胸がしめつけられました。
登場する女戦士、古参兵士、産婆、看護婦、神父などによって、異常出産や先天障害の子どもや、死んでいく兵士たちのことなどが語られるのですが、私は元米軍兵士の、被爆後の健康障害についての話に、こんなことをどうして繰り返すの!と情けなくなりました。
ベトナムでの枯葉剤も、イラクでの劣化ウランも、実戦で使う兵士たちには内容は知らされず、その危険性を知っているのは政治の中枢部と軍の最高部だけ。
ベトちゃんドクちゃんの写真も、何回か登場しました。
活発なドクちゃん、おとなしいベトちゃん。
分離手術は成功しましたが、ベトちゃんはあまり具合がよくなさそうです。
ドクちゃんは不自由な体ながらも、いまや26歳となり、昨年、結婚しました。
力強く生きていくベトナムの人たち。
エンディングの音楽は、サッチモ(ルイ・アームストロング)の『この素晴らしき世界』でした。
さてここで、ビッグなお知らせ。
開演間近だというのに、満席の場内にあって、私の前の席から左へ5人分だけ、
「場所取り」状態で誰もいません。
やがて後方からそっと入ってきた人たち。
わっ、ドクちゃん!
真っ赤な半袖Tシャツのドクちゃん。
私のまん前の座席です。
隣に二人の若い女性、そして中村梧郎さんと中村さんのお連れ合いさんらしき方。
ドクちゃんは、自分の写真が映ると恥ずかしそうにしていました。
終演後の俳優さんのごあいさつに促されて、中村さんが紹介してくださいました。
ドクちゃんは、この日の「24時間テレビ」に出演したその足で、この会場に見えたとのこと。隣の女性はドクちゃんの最愛の方でした。(もう一人の女性は通訳さん。)
何回も拍手しながら、目じりにじわじわと涙がたまってしまいました。
(ほんとうは、握手したかったの・・・!)
帰り際、座員のAさんも「私たちも知らなかったの。まったくの偶然だったみたい」と言っていましたので、ほんとうに運がよかったのでしょう。
中村さんの写真は、今年ニューヨークでの展示を皮切りに全米を巡回するそうです。
「アメリカ人にこそこの悲劇を見せたい」という中村さんの願いが実現。
ドクちゃんのこれからも、輝いていてほしい。そう思います。
公演は、8月23日(木)、24日(金)の昼のみ。
東京芸術座
http://www.tokyogeijutsuza.co.jp/
中村梧郎さんについて
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/16th/07-160.html
など。
枯葉剤について
http://ha6.seikyou.ne.jp/home/AALA-HOKKAIDO/kareha.htm
http://www.thewatch.com/news/headline0058-0610.htm
など。
『風に吹かれて』
http://ch03515.kitaguni.tv/e115881.html
http://homepage3.nifty.com/y-ue/amerika5.htm
など。
『この素晴らしき世界』
http://movies.yahoo.co.jp/m2?ty=nd&id=20070820-00000914-san-int
http://blog.goo.ne.jp/mh0914/e/64cb569ea51e83944659a931e362270c
など。
8月19日(土)に演劇を観ました。
東京芸術座
『母は枯葉剤を浴びた』
原作・中村梧郎
構成・井上鉄夫
演出・稲垣 純
アトリエでの公演でした。
フォトジャーナリスト中村梧郎さんは、ベトナム戦争を取材、ベトナム戦後も枯葉剤の悲劇をベトナム、アメリカ、韓国で記録し続けています。
『母は枯葉剤を浴びた』は、1983年に27万部余を刊行(新潮文庫)。ユージン・スミス賞にノミネートされました。
2005年には岩波現代文庫で出版し、第一回日本科学技術ジャーナリスト賞を受賞。
また、写真集『戦場の枯葉剤』を岩波書店で出版し、日本ジャーナリスト会議特別賞を受賞しています。
この演劇は、中村さんの原作を戯曲化したもので、劇中の梧郎が話を進めていきます。
ステージには3枚のボードが立てられ、それぞれに中村さんの写真が映され、話と写真で当時のベトナムの様子がわかるようになっていました。
米軍による枯葉剤散布は、1964年アメリカのデッチ上げによるトンキン湾事件よりも前の1961年から、10年も続いたのです。
枯葉剤とはダイオキシン。
一機につき幅80メートルで16キロメートルの範囲に、数機で隊列を組み、ベトちゃんドクちゃんの出生地で散布しました。
オープニングは、枯葉剤を散布する米軍機や、散布の前とあとの変化などを伝える写真に、ボブ・ディランの『風に吹かれて』が流れます。
ほんとうに、このように愚かな残虐なことを何回繰り返せば、為政者たちは自分の過ちに気がつくのだろうかと、胸がしめつけられました。
登場する女戦士、古参兵士、産婆、看護婦、神父などによって、異常出産や先天障害の子どもや、死んでいく兵士たちのことなどが語られるのですが、私は元米軍兵士の、被爆後の健康障害についての話に、こんなことをどうして繰り返すの!と情けなくなりました。
ベトナムでの枯葉剤も、イラクでの劣化ウランも、実戦で使う兵士たちには内容は知らされず、その危険性を知っているのは政治の中枢部と軍の最高部だけ。
ベトちゃんドクちゃんの写真も、何回か登場しました。
活発なドクちゃん、おとなしいベトちゃん。
分離手術は成功しましたが、ベトちゃんはあまり具合がよくなさそうです。
ドクちゃんは不自由な体ながらも、いまや26歳となり、昨年、結婚しました。
力強く生きていくベトナムの人たち。
エンディングの音楽は、サッチモ(ルイ・アームストロング)の『この素晴らしき世界』でした。
さてここで、ビッグなお知らせ。
開演間近だというのに、満席の場内にあって、私の前の席から左へ5人分だけ、
「場所取り」状態で誰もいません。
やがて後方からそっと入ってきた人たち。
わっ、ドクちゃん!
真っ赤な半袖Tシャツのドクちゃん。
私のまん前の座席です。
隣に二人の若い女性、そして中村梧郎さんと中村さんのお連れ合いさんらしき方。
ドクちゃんは、自分の写真が映ると恥ずかしそうにしていました。
終演後の俳優さんのごあいさつに促されて、中村さんが紹介してくださいました。
ドクちゃんは、この日の「24時間テレビ」に出演したその足で、この会場に見えたとのこと。隣の女性はドクちゃんの最愛の方でした。(もう一人の女性は通訳さん。)
何回も拍手しながら、目じりにじわじわと涙がたまってしまいました。
(ほんとうは、握手したかったの・・・!)
帰り際、座員のAさんも「私たちも知らなかったの。まったくの偶然だったみたい」と言っていましたので、ほんとうに運がよかったのでしょう。
中村さんの写真は、今年ニューヨークでの展示を皮切りに全米を巡回するそうです。
「アメリカ人にこそこの悲劇を見せたい」という中村さんの願いが実現。
ドクちゃんのこれからも、輝いていてほしい。そう思います。
公演は、8月23日(木)、24日(金)の昼のみ。
東京芸術座
http://www.tokyogeijutsuza.co.jp/
中村梧郎さんについて
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/16th/07-160.html
など。
枯葉剤について
http://ha6.seikyou.ne.jp/home/AALA-HOKKAIDO/kareha.htm
http://www.thewatch.com/news/headline0058-0610.htm
など。
『風に吹かれて』
http://ch03515.kitaguni.tv/e115881.html
http://homepage3.nifty.com/y-ue/amerika5.htm
など。
『この素晴らしき世界』
http://movies.yahoo.co.jp/m2?ty=nd&id=20070820-00000914-san-int
http://blog.goo.ne.jp/mh0914/e/64cb569ea51e83944659a931e362270c
など。