さよなら三角また来てへなちょこ

食い意地先行の放浪ブログ。たまにはHIVの事。

八重山・沖縄おひとりさま6Days「宇宙、アジア、牧志の片隅で。」

2008年08月10日 03時39分47秒 | 旅行
7月10日午後7時半。
沖縄県那覇市牧志。

ゆいレールの自動改札の向こうに広がるのは、
夕闇が迫り、夜の輝きを宇宙に向けて放ちはじめた、奇跡の1マイル、国際通り。

静謐と見紛うような離島の暗闇とは、趣を異にし、
車と人が行き交い、光と音の喧噪が支配する、
このアジアの街角に飛び出すのを目前にして、
僕は胸の鼓動が高まるの感じずにはいられません。

が、しかし!
東京から持ってきた、 6日分の着替えやカメラの三脚のほかに、
石垣や波照間で買ってきた黒糖や泡盛で、
バックパックは、それはそれは、たいそうな重さ!
その重さに耐え切れず、駅のコインロッカーにでかい荷物をしまうために、四苦八苦していました。
ようやく荷作りを終え、自動改札へ向かうと、
そこには、お目当ての人が待っていました。


くまぞー「どうも!お久しぶりです。」

ブログつながりの友人、Ikunoさんです。

くまぞー「もー重たくて大変でした!さっきまでがさごそコインロッカーの前で荷物を漁っていたんですよ。
     だから、店とか全然考えてなくて、どーしようかと。それよりも携帯!」


そうそう、那覇に来る2日前。 大雨の夜に水たまりに携帯電話を落としてしまい、
Ikunoさんとの待ち合わせ場所を最終確認していなかった自分は、
焦りまくったのでした。

Ikunoさん「おおよその場所と時間は決めていたから、心配していなかったですよ」
くまぞー 「もーあの時は、どうしようかって気持でいっぱいで、パニックってましたよ。」
Ikunoさん「食事の候補を3つほど考えていたんですけれど…。」
くまぞー「ありがたいです!…じゃ、市場近くのベトナム料理屋で!」

あとの二つは、居酒屋とイタリア料理。
ずっと泡盛続きだったので、本当は酒の弱いくまぞーさんは、休肝日にしたいところ。
そして、イタリア料理は、ちょっと遠かったので、断念です。

Ikunoさん「それでは、行きましょうか~」

駅のエスカレーターを降りると、せまい車道と歩道に、
あふれんばかりの車と人で賑わっています。
沖縄で一番の繁華街の、この通り周辺には、
OPAや三越などの百貨店や高級ホテルやドミトリーなど、
さまざまな宿泊施設に、 市場を核にした商店街から網の目のように伸びる路地があり、
東京で見かけるようなチェーン店からコンビニ、地元の人向けや観光客向けのさまざまな商店が
びっしりと並ぶ、内地ではあまり見られないユニークな風景です。

向かった先は沖縄県那覇市松尾・ベトナム料理店「DAO(ラーオ)」。
ベトナムを愛して何度も訪れたIkunoさんのイチ押しなら、
心配ありません。

階段を昇って扉を開くと、カジュアルでこじんまりとした雰囲気。
テーブル席に案内されます。


くまぞー「えっ、ここには彼氏さんと一緒によく来るんですか?」
Ikunoさん「いや、それがまだ連れてきたことがないんですよ」

メニューには、生春巻やフォー(米麺)など、ベトナムらしい料理が並びます。

くまぞー「空芯菜炒めものってうちの相方さん好きで、
     ってか、空港で県外持ち出し禁止になっていましたよ!」
くまぞー「へちまの煮物ですかー、すごくおいしそう!
     ってか、いま沖縄なんだからここで食べればいいんですよね!」
くまぞー「ホーチミンから南方面にある、
     あの廃墟の観覧車って宗教団体が作ったんですか?
     ってか、なんでそんなことまでIkunoさんご存じで!」




…ベトナム料理を話題の肴にして、
旅行の話や、付き合っている相方さんの話、お仕事の話に、タイプの男の話、アジア周辺の国の話…など、
つぎから次へと、話題があふれてきます。

くまぞー「旅行していると、サミットの話題とか全然気にならなくなりますね!。」

しゃべっている間に、次から次へと料理が運ばれ、並べきれないようで、
二人で隅から皿が片付いていき、危ないところでセーフです。





離島の旅行は見るもの触れるもの新鮮で楽しいけれど、
それは普段の生活とは違う不便さを伴います。
でも、ここは、アジアの街角、那覇市牧志。
窮屈さから解放され、いろんなものが揃う、この街の一角で、
久しぶりのゲイの友達に会って、だんだんしゃべりに夢中になる自分。
どこからかやってきて、ふたたび旅立つ前の、ほんのひと時の小休止です。

くまぞー「甘いものもイッちゃいますか?」
Ikunoさん「もちろん、そのつもりですよ」

ちょっとおしゃれなチェー(ベトナム風ぜんざい)とベトナムコーヒーをいただきます。

くまぞー「すごくおしゃれですよね。ベトナムの市場でチェー食べた時は…」
Ikunoさん「毒々しい色でなんの味かよくわからないけれど、カラフルですよね」

そうそう、4年前、ホーチミンの市場で、
女の子の学生たちが食べているチェーを指さして
同じようにつくってってお願いしたら、
女の子たちに笑われて一緒に笑った思い出が蘇ります。

くまぞー「なんか、今沖縄にいるってことさえも忘れてしまいそうですよ」
Ikunoさん「そろそろ、外に出ますか?場所移しましょうかねー」

階段を下ると、ふたたび、商店街のアーケードの中。
夜10時に近づき、シャッターを閉める店も多いですが、
まだまだ観光客で賑わっています。

Ikunoさん「たしかスターバックスコーヒーがあったんで、探してみますね」

国際通りに出ると、再びネオンサインの光の放射がまぶしく、心躍らせます。

くまぞー「いやいや、本当、いま国際通りにいるんだと思うと、わくわくしてきますよ」
Ikunoさん「すごくわかりますよ。海外でも、地方を回ってその国の首都に行くと、
     日本とあまり変わらないお店が並んでいて、ほっとしたりしますからね」


大騒ぎする外国人。酔っぱらう観光客。
開放的な景色を背景に、コーヒー飲みながら、さらにトークは延長戦に。


くまぞー「いやいや、本当、お会いできてうれしかったですよ。
     こうして、たまに会って近況を伝えあって、おしゃべりできるって、いいですよね。
     ブログを通じた交流って、また一味違うじゃないですか!」

「ニフティサーブ」なんて名前で言っていたパソコン通信の時代から、
あちこちオフ会に飛び回っていたというIkunoさんは、
僕の言う、この「一味」の違いが分かってもらえているようです。

Ikunoさん「今夜はどちらへ…」
くまぞー「北中城村のほうにいる友達のところに泊らせてもらおうかと。
     迎えに来てくれるんですよ」
Ikunoさん「遠いですね!」
くまぞー「そーなんですよ。タクシーで行くと3000円くらいらしかったので、
     そんな遠くないなと思ったら、東京と違って、初乗り運賃が全然安いんですよね。
     だから同じ3000円でも距離が全然違うことに、こっちに来て気がつきましたよ。」
Ikunoさん「じゃ、そろそろですね。」
くまぞー「本当、ありがとうございます。また会いましょう!」

まだまだ日中の熱気が冷めそうにない、この街をあとにして、
僕は、次の待ち合わせ場所に向けて、コインロッカーから荷物を取り出し、
再びバックパックを背負うのでした。