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都教委 異様な「粘着気質」  君が代不起立教員 前代未聞の再処分

2013年12月20日 | くまじろうの一言コラム
2013年12月20日 東京新聞朝刊 こちら特報部:ニュースの追跡より 。




 都立高の式典で、君が代の起立斉唱を拒んだ教職員への処分について、最高裁が「減給は重すぎる」と処分を取り消した教員7人に対し、東京都教育委員会は17日、戒告処分を出した。最高裁判決の趣旨は処分乱発をいさめたもの。にもかかわらず、都教委は猪瀬知事の醜聞騒ぎにまぎれ、前代未聞の再処分を強行した。(出田阿生)

◆最高裁の苦言も無視 「まるでストーカー」

 戒告処分を受けた都立高教員の伏見忠さん(55)は「都教委は命令に従わない教員をとことんいじめ抜かないと、気が済まないようだ。まるでストーカー」と絶句した。
 伏見さんは2005年3月、卒業式での君が代斉唱時の不起立により、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分を受けた。03年に都教委が起立斉唱を義務づけた「10・23通達」に基づく職務命令違反が理由だった。だが、最高裁は今年9月、減給は重すぎるとして、この処分を取り消した。 
 
 ところが、都教委は今回、伏見さんら現職の教職員7人を再処分した。都教育庁教職員服務担当課の職員は「(最高裁判決で)減給は重すぎるとされたが、それより軽い戒告については何も言われていない。学校の規律・秩序保持のためには職務命令違反者をきちんと処分する必要がある」と理由を説明している。
 
 伏見さんは「都教委からは最高裁で敗訴が確定した後も、一切の謝罪はなく、減給分を返還するという紙を送りつけてきただけだ」と憤る。

 ちなみに同一事件で、二重の刑罰を与えてはならない「一事不再理」原則は刑事事件のみで、こうした行政処分では適用されない。それゆえ、再処分に違法性はない。

 しかし、「君が代」訴訟弁護団の平松真二郎弁護士は「事件後、8年もたってからの懲戒処分など民間ではあり得ない。今年1月と9月の最高裁判決の補足意見で都教委に対し、処分乱発をいさめ、紛争解決に向けて教員らと話し合いをするよう求めたのに全く無視している」と批判する。

 こうした都教委の「粘着体質」は常態化している。東京地裁は19日、元都立高教員の福嶋常光さん(64)に対し、都教委が出した減給10分の1(6カ月)の懲戒処分を取り消した。福嶋さんは05年3月の卒業式で君が代斉唱時に起立せず、そのため「再発防止研修」の受講を命じられたが、授業のために欠席。このことで処分された。

 研修受講日は福嶋さんの担当する高2と高3の生物の授業が5時間あったが、都教委が一方的に決めた。福嶋さんは「受験生もいるのに、授業をすっぽかすわけにはいかない。授業のない日に研修を受けたい」と変更の希望を出していたが、校長を通じ「認められない」と断られたという。

 心身ともに疲れ果て、早期退職した福嶋さんは「予定通りに授業をしたせいで処分されるとは。生徒を教えることより、大事な仕事があるだろうか」とあきれる。

 都教委は6月、国旗国歌法で「一部の自治体で強制の動きがある」と記述した日本史の教科書について、「都教委の考え方と相いれない」ことを理由に使わないよう各都立高に通達している。

 安倍政権が閣議決定した国家安全保障戦略には「愛国心」が明記されたが、この流れを先取りしたのが都教委の10・23通達。司法判断に背を向ける姿勢には、国の動向も影響していそうだ。

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