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福島みずほと行く上関原発反対!祝島紀行

2013年12月18日 | 社会新報・月刊社会民主
 社会新報・埼玉版(2013年11月号)から転載しています。

 9月16・17日、全国各地から集まった女性21人で祝島を訪れた。 映画「みつばちの羽音と地球の回転」で知った祝島の反原発運動。なぜ30年以上にわたって反原発運動を続けられたのか、その原動力はどこにあるのかそれを突き止めたい、という思いで参加した。9月17日祝島に渡り、多くの皆さんと交流し建設予定地を見てきた中から、学んだことを報告したい。          女性部長 栗城 英子

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この島で生き続けることが反対する力

 まず 、「山戸貞夫」さんという方の存在。山戸さんは、故郷・祝島を巻き込む中国電力の上関原発建設計画を契機に1985年反原発運動に参加するために島に戻った。 山戸さんは、75歳以上が 52%というこの地で運動が長続きするように「強制しない、無理をしない、英雄はいらない、皆が代表」と言い、「もう80歳を超え役に立たんようなっのでは」というお年寄りの声に対しても、「原発建設地3.5キロの島に生きていること、息をして元気にここの住民としていてくれることが大事」との考えだ。しかし、命の危険や怪我をして救急車で運ばれる事態もあったことから限界まで闘てきたことは想像に難くない。

 次に あげられるのが、次世代に運動をつなげられるための若いリーダが育ってることだ。息子さんの孝さんをはじめ、シーカヤックの30歳代人たちが繋いでる。孝さんは一度島の外に出たが、親父の背中を見て戻り、島で結婚し、町長選にも立候補され、島の先頭に立って闘っている。とても気さくで話しやすく、働き者で親切な方で凛とした方だ。

 3つ目の課題は、運動の組織形態にある。当初の上位下達方式を、長く続けるために運営委員会を設け全員で話し合って決定するという民主的な組織にした。連絡員を置いて、急な行動にも情報が届きみんなで対応しているので、「集まって」というと連日でも100人以上が、それも老若男女が一同に集まる。
 この旅の東日本から参加者は台風18号により品川駅で新幹線に7時半缶詰めになり16日には島に着けなかった。 西日本の参加者は予定通り到着し 「月曜デモ 」の参加後、公民館に集まった島民の皆さんと交流をした。 17日に5時起きして島に渡った東日本組をおおぜいの島民の皆さんが出迎えてくださり、再度公民館に集まってくれたのだ。「集まること」「話し合うこと」、それは島民の皆さんの「生きること」「暮らすこと」そのものだ。
 そして、強大な中国電力資本・県と闘うために「原発に反対し上関町民の会」「上関原発を建てさせない祝島島民の会」と「原発いらん-山口ネット ワーク」、「原水爆禁止山口県民会議」の反原発三団体協議会による現地での抗議行動・阻止行動が力になったことは言うまでもない。そして山口県庁座り込み・中国電力本社への抗議行動と発展した。

 4つ目は、住民の思いを露骨に傷つけ差別する発言のひどさが山ほどあり、個人あての恫喝はがきや中国電力のいやがらせ訴訟(スラップ訴訟)もあった。 しかしそれを国や中電力の権力で押し潰そうとすることへの怒りを団結に変えた。

 5つ目は、奇跡の海ともいわれる生物多様性の海があったことだ。中国電力の環境調査を見た漁師が、報告に「スナメリ(小さいクジラ)」の記載ががないことをおかしく思ったことがきっかけで、中国電力が専門家に調査を依頼した結果判明したのだ。貝始祖鳥とも言うべきヤシマイン近似種をはじめ多くの天然記念物希少生物が確認され、いかに電力会社がずさんな調査をしたかが明らかになったのだ。そうした中で対岸の「長島の自然を守る会」も結成され、環境を守ろうという全国からの支援の輪も起き運動に幅と広がりをみせている。

 最後に、目の前の反対行動とともに未来をも模索する姿勢があることだ。原発の金をあてにした町の振興に対し 「一流の田舎」と銘打ち「原発の金に頼らない島おこし」を行ってきている。「びわ茶」「サヨリの一夜干し」の販売を定着させ、「祝島自然エネルギー100%プロジェクト」を進めて、 誰もが協力できる「1% for 祝島」運動も立ち上げている。
 私たちが島を離れる時、桟橋で50人くらいの島の方々が私たちに手を振って送くださった。 私たちも精一杯、全力で手を振ってそれに応えた。「島民の皆さんから学だことをそれぞれの地元に持ち帰って、 広げ、活かします」と。祝島は、人も自然やさしかった。
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