和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

常楽37〈小説「新・人間革命」〉

2016年02月13日 06時36分31秒 | 今日の俳句
【常楽37】

 “次は栃木の歌だ!”
 山本伸一の激闘は間断なく続いていたが、時間をつくり出しては作詞にあたった。
 十一月三日には、11・6「栃木の日」記念総会が足利市民体育館で開催されることになっていた。「11・6」は、一九七三年(昭和四十八年)のこの日、伸一が出席して栃木県体育館で行われた県幹部総会を記念し、創価学会として県の日に定めたものである。
 三日の記念総会には、伸一も出席を要請されていた。しかし、創価大学での幾つもの重要行事が入っていたために、どうしても参加することができなかった。そこで、それまでに「栃木の歌」を作って贈り、共に新しい出発をしたかったのである。
 また、彼は、年内には、栃木の足利に行って、皆を励ましたいと考えていた。
 栃木というと、伸一の脳裏に浮かぶのは、恩師・戸田城聖が、戦後初の地方指導に那須方面へ足を運び、広布開拓の鍬を振るった地だということであった。
 その栃木こそ、地域広布の先駆となってもらいたいというのが、彼の願いであり、心の底からの祈りであった。
 日光の美しき自然や那須の山々、そして山間の道を征く恩師の姿を偲びながら、伸一は作詞を進めていった。
 “戸田先生は、あの日、栃木の山河に、いつの日か、陸続と地涌の菩薩が出現することを祈り、願いながら、一歩一歩と、道を踏みしめていったにちがいない。栃木の同志は、その思いと誇りを、いつまでも受け継ぎ、多くの人材を育んでいってもらいたい。出でよ! 出でよ! 後継の師子たちよ!”
 自分以上の人材を育てることができてこそ、真の指導者である。それには、後輩のために自ら命を削る覚悟と実践が求められる。自分のために後輩を利用しようとする人のもとからは、本当の人材は育たない。 
 「人材養成の教育が一切の社会的機構の根柢である」(注)とは、創価の先師・牧口常三郎初代会長の卓見である。

 小説『新・人間革命』の引用文献
 注 「創価教育学体系(下)」(『牧口常三郎全集6』所収)第三文明社


【「聖教新聞」2016年(平成28年)2月13日(土)より転載】


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風光る/今日の俳句 ≪第2045号≫

2016年02月13日 06時21分31秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)2月13日(土)≫(旧暦1/6)



 風光る飼われて口笛吹く魚
      佐々木峻

 風光るほんとうのこと言いそうに
      中原幸子

 風光る白一丈の岩田帯
     福田甲子雄

 新調のこころ一枚風光る
      櫂未知子

 風光り泥のひかりの大きな手
      成田千空


※ 風光る・光る風
 春の陽光は明るいので、吹く風も光って感じられる。青麦や木の葉が光るのは、風が触れて過ぎるからである。木立ちや密に茂った叢は光の美しい縞模様を描く。

【新訂「現代俳句歳時記/石田波郷・志摩芳次郎編」主婦と生活社より抜粋】






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       ※☆*わが友に贈る*※



 天候不順の時は

 高齢者の会合参加に

 最大の配慮を!

 リーダーは同志の

 無事故を最優先で!


       2016年2月13日




       ※☆*寸 鉄*☆※

 幹部は絶えず人を見つけ育てることに心を砕け―恩師。人材に勝る宝なし
      ◇
 東京・葛飾の日。人生は勝負。ならば“勝つしかない!”。栄光の共戦譜を
      ◇
 「大風吹けば求羅は倍増するなり」。苦難こそ鍛えの好機。青年よ祈り勝て
      ◇
 各地で気温上昇。山間部の雪崩、屋根からの落雪等注意。危険箇所を確認
      ◇
 子供の遊具事故、春先に増加傾向と。7割が6歳以下。大人が目を離さず



【聖教新聞:2016年(平成28年)2月13日(土)付】



      ※☆*名字の言*※

早朝、新聞を取りに外へ出ると、玄関先の路地は深夜から降った新雪に深く包まれていた。そこに人の足跡が残っていた。新聞受けのポストの前で折り返している。本紙を届けてくれた「無冠の友」のものだろう

無事故で配達を終えようと、細心の注意を払ったのかもしれない。足跡の歩幅が狭かった。また、雪がやんでもポストの中は湿っていると思ったのか、新聞はビニール袋に入っていた。実際に配達の場面は目にしていなくとも、心には無冠の友の尊い姿が映り、感謝でいっぱいになった

かつて、池田SGI会長が、ある会館を視察した時のこと。夏空に翻る創価の三色旗に敬礼をしながら、“この旗を今朝、掲げてくれたのは誰かな?”と周囲に尋ねた。SGI会長の脳裏には、黙々と開館の準備に当たった友の姿がりりしく浮かんでいただろう

掲げた当人である青年が分かると、SGI会長は励ました。「誰も見ていないところで、一人で神々しい劇を演じていくんだよ。それを諸天は見つめているんだ」。青年は、陰に徹する信念の生き方を学んだに違いない

「一隅を照らす」生き方を無上の誇りとする。そして、そういう人を最大にたたえ、大事にする。この師弟の絆、同志の絆、人間の絆こそ、創価の宝である。(城)


【聖教新聞:2016年(平成28年)2月13日(土)付】


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