40代ってラク～♪

「十代から三十代半ばまで、　私は男たちの恋愛対象の内外に　（主に外に）　放り込まれてきました。　私の意思とは関係なく、　出荷前の野菜のように、　勝手に選別されてきました。　あれは本当に居心地の悪いものだった。

　なによりも、　性的対象になりうるか否かのものさしで、　パッと測られることが嫌でした。

ただの男友達だって、　酔った拍子に性的ものさしを持ちだしてくる輩がいるのです。　酔ったら口説いてくるって話じゃありませんよ、　その逆です。　普段は性差なんて感じさせない振る舞いをしているのに、　酔った勢いで　「おまえは女じゃないからなー」　などと言うのがいる。　そういった言葉に傷つくのは、　付き合いたいとは思わない男から、　女性としての魅力を否定されたから。　品のない言い方をすれば、　性的関係を望んではいない人から、　否応なくヤれるかヤれないかの箱に仕分けられるのが、　十代から三十代の女です。

　ところが四十路に足を踏み入れた途端、　私たちはある種の大気圏外を漂うことに成功しました。　二十代男子がこちらに性的ものさしを向けることは、　ほぼ皆無！　ヤれるかヤれないかの箱が存在しない楽園、　それが四十路！」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』　ジェーン・スー）