ヘヴィな音楽は好きですが、Kornというバンドは知りませんでした。ロックンローラー+酒+ドラッグ+セックス+暴力=破滅みたいなありがちなパターンから、ジーザスに出会って救われたという、これまたありがちとも言えば言える話。
大体キリスト教に限らず宗教、団体としての宗教にはどうしても胡散臭さを感じてしまいます。いわゆる「救い」なるものが大抵「加害者」の視点からのものが多い気がします。生き残った者が懺悔して救われ、生まれ変わるのは勝手なんですが、死んだ被害者やその遺族からしたら(神も仏もあるものか)となるんじゃないかと思います。すべては神の御心で、神は愛だと言いますが、地球上で毎日起こるランダムな事件を考えれば、いったいその愛とはどんな愛なんでしょう?
そうは言っても、悪人が罪を自覚して宗教に帰依してまっとうな道を歩もうとするのは素晴らしいことに違いなく、応援したいとも思います。神や仏は、あると信じる人にはあるんでしょうし、その方が人生をより平和に、他人に優しく生きれるのかもしれない。自分だって、スケールは小さいが悪人であるには違いない。
この本ではKornのギタリストであるBrian "Head" Welchさんが、ジーザスとの出会いの前後における心の変遷、宗教体験を、非常に正直に語っています。神の存在の実感、救われた喜びと、実は何も変わっていないのではという不安、異なる宗派への戸惑い。たとえばspeaking in tonguesと呼ばれる、意味不明の言葉を浮かんだままに喋るというPentecostal系の教会に惹かれるが、親しい神父はそれに反対したり。
先日、BCL少年だった中学以来30年ぶりに買ったソニーの短波ラジオを聞いていたら、どこかのキリスト教系の局*が偶然speaking in tonguesを実演していましたが、全く意味不明。
組織としての「宗教」は胡散臭いですが、"going to church does not make you a Christian anymore than sitting in a gagage makes you a car"と言われると少し安心します。ちなみにキンドルでは文章にハイライトした人が多い部分はその人数が表示されますが、私の気に入った文章"I screw up all the time, but when I do, I get up, dust my knees off, and keep walking with God"は"17 highlighters"となっており、ちょっとうれしいと同時に面白い機能だと思いました。
*(後記5APR2014:World Harvest Radio, 9930 kHz;土曜18時確認。パラオから送信のようです。"There is simply nothing more creepy and eerie than Christian shortwave radio originating from the south"とのコメント・・・(笑))
懐かしいな~。CQCQ~~