先日来店されたお客様。
「ちょっとお尋ねしたいのですが・・・・」ときり出されたのは分骨のこと。
「分骨して自宅にいくらか骨をおいておきたいのだけれど・・・」という
ご相談でした。
聞けば、お墓が遠くておまいりが大変なので、せめて自宅に骨を少しおいて、
手を合わせたい、ということでした。
さしあたりお墓がない場合は自宅にしばらく骨壷を置いておく、というのは
よくあるケースなのですが、この場合はお墓があるのでちょっと例外。
担当者と話した結果、もう少しよく検討する、ということになったようです。
お墓がなければ「位牌納骨壇」という手もあるのですが。
その方は「できれば家の庭にでもお骨を少し埋めておきたい」と
役所にも言われたそうですが、墓地以外のところに骨を埋めるのは法律違反に
なります。
割り切った言い方をすれば、「お骨を拝むわけではない」ので
お墓があるのにわざわざ家に分骨しておくことはない、ということになります。
ただ、「やはり何かその人のよすがとなるものを少しでも身近においておきたい」
という気持ちもわからないではありません。
今では遺骨でプレートを作ったり、遺骨を保存しておくためのきれいな容器とか
ペンダントにする、などという方法もあります。
お客様の「身近で手を合わせたい」という切実な願いを聞いていると、
こういう新しい商品もどんどん需要が増えるのかなぁ???なんて思います。
「家」として「お墓」を祀るのではなく「個人」として「お骨」に
こだわる、ということでしょうか。
ただ、「日薬(ひぐすり)」という言葉もあるくらいで、
分骨だ、メモリアルだ、とあわてずともゆっくりと後片付けやら後始末やらをして、
一周忌くらいまでくらいに検討されてはいかが?とも思います。
時間を経ることで癒され、立ち直ることもあるわけですから。