漆塗りの仕上げの技法には様々なものがありますが、
「白檀塗り」もその一つ。
写真のお仏壇は大戸(雨戸)と猫戸・引出の部分にこの技法を使用しています。
赤褐色に見えている部分がそうです。
「白檀塗り」とは中塗りの後、金箔(あるいは銀箔)を貼り、
(通常の金仏壇の場合はここで出来上がり、となります)その上に
褐色味の強い透明の漆を塗って仕上げたものです。
「白檀塗り」という名称は香木の白檀の色に似ているから・・・と言われているようです。
金と黒だけで、ともするとキツイ印象になりがちな金仏壇ですが、
こういう色味が入るとぐっと雰囲気がやわらかく、明るくなります。
それにもう一つ。
白檀塗りは金箔の上にもう一度漆を塗ってあるので
通常の金箔貼りのお仏壇と違ってこの部分は手を触れても大丈夫。
「拭いてもはげない」伝統の技法なのです。