あいにく写真がないのですが・・・・。
先日も書いた「おりん」のこと。
高価なものになると金属の板を表と裏から打って立体をつくる「鎚起」という
手法で作られます。
まさに職人さんの気の遠くなるような地味な作業の結果仕上がるものです。
そしてその音色はまろやかでブレがありません。
・・・というより、要するにそういう音に仕上げてしまうのが職人さんの「腕」
なのですが。
そして、その「鎚起」の技法によって作られたおりんの上部に
さらに7mm程度「縁」を継ぎ足してあるものもあります。
この「縁」によって音がやたらと広がらず、まぁるくおりんの中に共鳴し
よい音が長く続く、というわけです。
もちろん、継ぎ足し方が悪いと逆効果。かえって雑味を足すことになってしまいます。
これもまた、職人の技。
ところが・・・・メーカーさんによると、
この「継ぎ足す」という技術、今かなりピンチなようです。
いわゆる、「後継者不足」。あるいは「師」の老いに後継者の「成長」が
追いつかない、というべきか。
ともかく、この「継ぎ足し」を満足に施せる職人さんが減りつつあるようです。
とてもいい音色だけに、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
それにしても、この「職人の技術」とか「熟練」とかいうものも
なんとも数値化しにくいもの。
それだけに、伝えにくく教えにくいけれど
一度身につければどんどん深みを増し
身につけた人のバックボーンとなってくれるものなのでしょうね。
なんだか、今、流行の「品格」と共通点あり???
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